戯れ言たれる侏儒
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J-ACCESS Ⅱ

戯れ言たれる侏儒 / 2010.10.29 00:18 / 推薦数 : 1

##無症候性2型糖尿病のSPECT異常は心血管疾患高リスク
糖尿病が心筋梗塞既往と同程度に強い心血管イベント発生の規定因子であることを確認したJ-ACCESS Ⅰに続き,日本人の無症候性糖尿病患者の心血管イベントリスクがJ-ACCESS Ⅱで明らかにされた。
負荷心筋血流核医学検査(SPECT,以下負荷SPECT)で中等度以上の血流異常が認められる2型糖尿病患者では,死亡および心血管イベントの発生リスクが2倍近く高いというもので,大阪大学先端科学イノベーションセンターの山崎義光教授らがDiabetes Care(2010; オンライン版)に報告した。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43430831/
#高コストだが糖尿病患者で利便性高いSPECT
2001年にスタートしたJ-ACCESS Ⅰでは,負荷SPECTによるリスク層別化の有用性が検討された。
負荷SPECTを施行した虚血性心疾患患者約5,000例の3年間の追跡結果では,負荷SPECT合計スコア(SSS)※が上昇するほど心血管イベント発生率が高くなることが確認された。
加えて,糖尿病と心筋梗塞の既往が共にハードイベントリスクを著しく上昇させ,その程度は糖尿病で5.7%/3年と,心筋梗塞の既往と同等であることも明らかになった(Eur J Nucl Med Mol Imaging 2008; 35: 319-328)。
日本人でも欧米人同様に,糖尿病が心血管イベントの重要な危険因子であることを確認した知見だった。

同試験で負荷SPECTによる評価が行われた背景としては,糖尿病患者では腎障害の合併が多いため,心筋虚血の有無を見るのに一般に行われる冠動脈造影(CAG)や冠動脈CTは使いにくい点が挙げられる。また,糖尿病治療の第一選択薬となりつつあるビグアナイド系薬(メトホルミン)使用患者では,乳酸アシドーシスの懸念から造影剤を用いた検査が行いにくいことも,糖尿病患者に負荷SPECTを用いる理由になる。
一方で,コストの高い負荷SPECTを,1,000万人近いとされる糖尿病患者のどの層に用いるかについては検討が必要であり,新たにJ-ACCESS Ⅱが計画された。


#SSS9以上,eGFR低値,喫煙がリスクの予測因子に
J-ACCESS Ⅱでは,糖尿病専門医のいる50施設から,50歳以上で無症候性の2型糖尿病患者513例を登録した。
対象は,頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)が1.1mm以上または尿中微量アルブミンが30mg/g/Cr以上,または腹部肥満,低HDLコレステロール,脂質異常,高血圧の四つのうち二つ以上ある患者とし,重症糖尿病(HbA1c 10%以上)や腎症(クレアチニン1.5mg/dL以上),ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類Ⅲ度以上の心不全のある患者などは除外した。全例で負荷SPECTを行い,3年間追跡した。

3年間追跡できた485例のうち,中等度心不全や末梢血管障害,一過性脳虚血発作も含む心血管イベントおよび死亡は62例(13%)だった。
これは,同様に日本人の無症候性2型糖尿病患者を対象にしたJPAD試験のコントロール群のイベント発生率(非心臓死および心不全を除く)の2.3倍に当たり,J-ACCESS Ⅱの対象患者層自体が心血管イベント高リスク集団であることが示唆された。

単変量解析では,高齢,現在の喫煙,抗血小板薬チクロピジンまたはインスリン製剤の使用,総コレステロール高値,推算糸球体濾過量(eGFR)低値,左室駆出率(LVEF)低下,SSS9以上の心筋虚血異常が心血管イベントの有意な因子となった。
特に,SSS9以上の群の3年間のイベント発生率は23%と,SSS9未満群の12%に比べ有意に高くなっていた(図1,2)。

さらに,治療薬以外の因子について多変量Cox回帰分析を行うと,SSS9以上(ハザード比3.385),eGFR低値(同0.982),現在の喫煙(同2.083)が,それぞれ独立した心血管イベントの予測因子となっており,負荷SPECTを適応する要素になると考えられた。

※負荷SPECT合計スコア(SSS):20カ所の部位を0(正常)~4点(集積なし)で評価して合計スコアを算出する


#大阪大学先端科学イノベーションセンター 山崎義光 教授のComment
J-ACCESS Ⅰ(研究代表:京都府立医科大学・西村恒彦教授)で示された日本人糖尿病患者の心血管イベント発生率は,国際共同試験であるADVANCE試験や,米国・カナダでのACCORD試験のイベント発生率に並ぶ数字だった。
日本人での心血管疾患リスクは欧米人より低いとされてきたが,現時点では欧米並みになってきていることが分かった。
これは,糖尿病診療に当たる医師の意識に影響を与える大きなサインと言えるだろう。
今回の検討で,無症候性糖尿病患者のeGFRが有意な因子だったことも,腎機能状態把握の重要性を伝えるメッセージだ。
日常診療ですべての糖尿病患者に負荷SPECTを行うのは実際的ではないが,メタボリックシンドロームや腎症の所見があれば,高リスクとして負荷SPECTを勧めていくことも考えられるだろう。
喫煙リスクを再認識すべき点もあらためて浮き彫りにされた。

出典 Medical Tribune 2010.10.28
版権 メディカルトリビューン社


2010.10.20撮影
(先週飲みに行ったお店のトイレの光景です。粗○○を見られているようでした。)

 

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