戯れ言たれる侏儒
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日本動脈硬化学会が反論「ガイドラインと呼べない,断じて容認できない」
日本脂質栄養学会GLに対する声明を発表

今年(2010年)9月,日本脂質栄養学会が「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」(J Lipid Nutr 2010; 19: 225-232に要旨が掲載,以下日本脂質栄養学会GL)を発表。


J Lipid Nutr 2010; 19: 225-232
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/guideline/guideline-
abstractPDF.pdf

 

策定委員会構成
◇ 委員長
浜崎智仁 (富山大学 和漢医薬学総合研究所 教授)
◇ 編集責任者
奥山治美 (金城学院大学薬学部 脂質栄養オープンリサーチセ ンター長)
◇ 副編集責任者
大櫛陽一 (東海大学医学部 教授)
◇ 委員 (50音順)
天野恵子 (野中東皓会 清風荘病院 特別顧問)
植木 彰 (自治医科大学さいたま医療センター神経内科 教授)
奥村 康 (順天堂大学医学部 教授)
大原直樹 (金城学院大学薬学部 教授)
小林哲幸 (お茶の水女子大学理学部 教授)
柴田 博 (桜美林大学老年医学 教授)
清水俊明 (順天堂大学医学部 教授)
下川 一 (NPO法人 食と健康を守る協議会 代表)
鈴木平光 (女子栄養大学 教授)
高田秀穂 (関西医科大学 教授)
田中裕幸 (ニコークリニック 院長)
山門 實 (三井記念病院総合健診センター 所長)

アドバイザー
浜 六郎 (NPO医薬ビジランスセンター代表)
酒井秀紀 (富山大学薬学部 教授)

<私的コメント>
以上の先生方は、「日本脂質栄養学会GL」に責任を持つべき先生方です。

学術会議会長が指摘したホメオパシー療法と同様に、患者が高脂血症の治療を放棄するというという事態に対する責任があるからです。
ただし個人的意見を言わせてもらえば、この学術会議会長の指摘自体も学術会議の統一見解ではなく学術会議会長の「コメント(会長談話)」ということに問題を内包しています。
たまたま学術会議会長が金澤一郎氏という医師だったということで、他分野の碩学が会長ならこういった会長談話はなかった筈です。
<参考>
ホメオパシー療法:「科学的根拠なし」学術会議会長
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/36895495.html
 

「ホメオパシー」についての会長談話
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d8.pdf
 

金澤一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/金澤一郎
 

脂質異常症の意義を否定し,日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」と真っ向から対立する見解を示した。
日本脂質栄養学会GLは “コレステロール高めが長生き”などとマスコミ報道されたため,患者が治療に不安を抱くなど社会問題化している。
こうした事態を受け,日本動脈硬化学会は同学会の公式サイトに日本脂質栄養学会GLに対する10月14日付け声明文を掲載。
ガイドラインの名に値しないとの認識を示し,「断じて容認することはできない」と反論した。

「因果の逆転」に対する理解がない
今回発表された日本動脈硬化学会の声明文では,日本脂質栄養学会GLを三つの点から批判している。

第一の批判点は,引用されている中心的な論文のほとんどが科学性を担保する査読を受けたものではなく,中でも重要な拠り所としているメタ解析は,そうした科学的査読を受けていない論文を含めたものであることだ。
科学的根拠に乏しく,ガイドラインの名に値しないと主張している。

第二の批判点は,観察研究であるコホート研究において,血清コレステロール値と総死亡の関係を論じる際,「因果の逆転」に対する理解がないことである。
コレステロール値は患者の栄養状態や顕在・潜在する疾患の存在を反映していることは「医の常識」であり,例えばNIPPON DATA80の解析から明らかになった事実として,低コレステロール血症を示す集団には肝疾患が多く,肝疾患のために低コレステロール血症となり,死亡率も高くなるという関係を提示。
「交絡因子」を考慮に入れた分析が必要だと述べている。

さらに,第三の批判点としては,観察研究と臨床介入試験を混同していることを指摘。
これまでに行われた多くの臨床介入試験の結果によれば,血清コレステロール値が高い人を治療することで動脈硬化性疾患を予防できることは「科学的にほぼ完全に確立された事実」だと断じている。

さらに,服薬中止を申し出る患者がいることを指摘し,「科学的根拠なく,必要な患者の治療を否定するような“ガイドライン”を断じて容認することはできない」と結論している。

日本脂質栄養学会GLについては,「Doctor's Eye 糖尿病」を連載している山田悟氏も「振り上げた拳を自らにも振り下ろす勇気はあるのか」と批判。
また,治療に不安を抱く患者が少なからずいることは,実施中の簡易アンケートからもうかがえる。 (平田 直樹)

出典 MT pro 2010.10.5
版権 メディカルトリビューン社

 

<関連サイト>

日脂質栄養学会コレステロールガイドライン その1
http://blog.m3.com/reed/20101015/_1
日脂質栄養学会コレステロールガイドライン その2
http://blog.m3.com/reed/20101016/_2
日本動脈硬化学会(公式サイト)
http://jas.umin.ac.jp/
日本脂質栄養学会(公式サイト)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/

長寿のためのコレステロール ガイドライン2010年版」に対する声明
http://jas.umin.ac.jp/

 平成22年9月1日に、「脂質栄養学会・コレステロールガイドライン策定委員会」という組織から、標記「ガイドライン」が発表された。
この内容をめぐる一部のメディアの報道により、一般の方々のみならず、患者やその家族の方々の間にも、コレステロールに関する認識に、混乱を招いている。
日本動脈硬化学会は、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007」をまとめた学会として、標記「ガイドライン」の問題点を整理し明らかにする責任があると考える。
 
第一に、「ガイドライン」という名称の問題である。ガイドラインとは、診療の「道しるべ」となるべき基本的な考え方を示すものである。
日常診療において、科学的根拠に基づいた診療(EBM)の重要性が指摘されて久しい。
EBMを追及するためには、多くの科学的臨床論文にあたり、それらを評価し、その信憑性を理解したうえで、患者の診療に適用するということが要求される。
しかしながら、きわめて多忙を極め、多種多様の疾病を扱う第一線の医師にとって、日々更新されるそれぞれの疾患の臨床論文について、詳細に評価することはほぼ不可能に近いことと考えられる。
ここに、専門分野の診療に携わる医学研究者を多く擁する「学会」などが、診療のガイドラインを作成する意義がある。
世界中で極めて多数の臨床研究論文が発表されるが、これらを複数の目で客観的に科学的に正しく評価し、重要度のランク付けをして、その核心的部分を診療の場に生かすために作成されたものがガイドラインである。
したがって、ガイドライン作成に当たっては、そこに取り上げられる臨床研究論文は正しく検証評価されたものでなくてはならない。
 
標記「ガイドライン」の最も大きな問題点は、ここにある。
この中で引用されている中心的な論文は、ほとんどが学術論文の科学性を担保する「査読(発表に際しての専門分野の複数の研究者による検証)」をうけた論文ではない。
標記「ガイドライン」の中心となっている論文の一つに疫学調査の「メタ解析」3)がある。
本来メタ解析とは、十分評価された科学的臨床論文を一定の基準に沿って偏りなく集めて、分析するものであり、それがあってこそ最も科学的信頼度の高い研究と評価されるのである。
しかし、標記「ガイドライン」で引用されている「メタ解析」は、厳密な科学的査読を受けた論文とは言えない論文を含めて「メタ解析」したとしているのであり、科学的な観点から極めて問題のある解析である。
 
このように科学的根拠に乏しい標記「ガイドライン」をガイドラインと呼ぶことは容認できない。
 
第二に、観察研究であるコホート研究において、血清コレステロール値と総死亡との関係を論じた問題である。
血清コレステロール値と動脈硬化性疾患の発症との関係は多くの科学的検証を経た疫学的論文の一致するところである。
標記「ガイドライン」の主要な論点が、血清コレステロール値と総死亡率との関係で論じられているが、多様な原因で起こる死亡とたまたま死亡の数年前に測定された血清コレステロール値との関係に因果関係を求めることは本来無理があり、結論を導き出すことについては極めて慎重にすべきことである。
血清コレステロール値が患者の栄養状態や顕在的潜在的を問わず疾病の存在を反映することは医の常識であり、特に肝疾患で血清コレステロール値が低下するということは診断学的にも用いられている。
このような背景を持つ人々の短期の死亡率が高くなる可能性があることも医の常識である。
NIPPON DATA80という疫学的研究で明らかになったことは、低コレステロール血症を示し、死亡率が高いという人々の集団の解析をしたところ、肝疾患が多かったということである。
すなわち、肝疾患ゆえに低コレステロール血症を示し、そのような人々の死亡率が高いという「因果の逆転」を見ていることになる。米国のMRFIT、ドイツのPROCAMという調査でもそれぞれ原因は異なるものの同様の関連が認められている。
さらに、血清コレステロール値と総死亡率の関連を因果関係としてとらえるべく分析するには、総死亡に最も強く影響している他の要因、年齢はもちろんのこと、喫煙、高血圧、多量飲酒等の「交絡因子」を考慮に入れた分析が必要である。
 
第三に、観察研究であるコホート研究と臨床介入試験との違いを混同している問題である。
コホート研究とは、ある時点で調査対象者を登録し、その集団を何年間か追跡調査し、どのような疾患を発症したか、どのような疾患で死亡したかを調べ、登録時や追跡期間中の対象者の臨床データとの関連を調べ、どのような因子がそれらの疾病発症もしくは死亡に関連しているかを検討するものである。
NIPPON DATA80は1980年に登録された住民(約8000人の男女)を19年間追跡し、どの因子が循環器疾患死に関連するかを検討したコホート研究である。
その結果、欧米の研究と同様、年齢・性別、喫煙、高血圧、糖尿病そして血清コレステロール値が循環器疾患死の危険因子であることを示したのである。つまり、コホート研究は、多様な集団を追跡していくことにより、その多様な因子と疾患発症との関係を検討することができるという特徴を有する。
その副産物として、上述した血清コレステロール値と総死亡率の関係において「因果の逆転」という現象が証明されたのである。
 
一方、臨床介入試験とは、一定の集団に一定期間定められた「治療」を行い、予め定めた目標(特定の疾患の発症など)に変化が起こるかどうかを調べる臨床的研究であり、たとえば高コレステロール血症の「患者」を対象として、ある方法で血清コレステロール値を下げると冠動脈疾患の罹患率や死亡率が減少するかどうかを調べるというような研究である。
このために、多くの研究では、「患者」を均等に二分し、一方に対しては薬剤、もう一方にはプラセボ(偽薬)を用い、さらにどちらを使用しているかは被験者にも医療者にも知らせないで行う二重盲検という手法をとる。
二つの群はほぼ同様の背景因子を持った被験者群であることが特徴であり、この方法は、現在、薬剤の効果を客観的に評価できる唯一の仕組みであるとされる。
 
この観察研究であるコホート研究と臨床介入試験とを混同すると、血清コレステロール値を下げると死亡率が上がるという憶測にたどりつく可能性が出てくるのであり、決定的な過った解釈を導く可能性が出てくる。
これまでに発表された科学的検証に耐えうる臨床介入試験のメタ解析8の結果は、LDL低下薬(スタチン)で血清コレステロール値を下げても総死亡が増加することはなく、むしろ統計学的に有意に減少することが証明されている。
また、これまでに行われた多くの臨床介入試験の結果によれば、血清コレステロール値が高い人々を治療して動脈硬化性疾患を予防できることは、科学的にほぼ完全に確立された事実である。
 
また、コレステロールもしくはLDLコレステロールと動脈硬化の関係については、病理学的研究、細胞生物学的な基礎研究でも証明されたことである。
 
標記「ガイドライン」が発表されて以来、高いリスクを持つのにも関わらず服薬をやめたいという家族性高コレステロール血症(FH)をも含めた高コレステロール血症の患者も出てきていると聞く。
日本動脈硬化学会は、科学的根拠なく、必要な患者の治療を否定するような標記「ガイドライン」を断じて容認することはできないことを表明する。
          2010年10月14日
          日本動脈硬化学会 理事長 北 徹

 


<番外編>
“コレステロール高めが長生き”ガイドラインに待った!
J-CLEARが見解,「低いほどよいも問題」
先月(9月),日本脂質栄養学会が,LDLコレステロール(LDL-C)値や総コレステロール値が高いと総死亡率が低下することを根拠とした「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版(要旨)」を発表して話題を呼んでいる。
こうした動きを受けて,NPO法人臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR;理事長=東京都健康長寿医療センター副院長・桑島巌氏)は,同機構の見解を公式サイトで公開。
「低いほどよい」,「高いほうがよい」とする主張の問題点を指摘し,性差などを考慮した基準値を示すべきとしている。


治療放棄による心血管リスク上昇を憂慮
J-CLEARの見解によれば,高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の危険因子であることは多くの疫学研究によって確認されているが,コレステロール値は低いほどよいとする主張は,冠動脈疾患のリスクの高い症例での研究に基づいており,リスクの低い者にまで敷衍できない。

一方,高めが長生きとする主張も,主に一般住民での調査結果を根拠にしており,慢性肝疾患などの消耗性疾患や虚弱体質でコレステロールが低い住民の除外補正が十分行われていない可能性がある。
このことから,一概にコレステロール値が高い方が長寿であると結論付けることは危険で,むしろ治療放棄によって心血管疾患発症や死亡リスクが非常に高くなることを憂慮するとしている。

しかしながら,動脈硬化性疾患のリスクには性や他の危険因子によって異なり,基準値を一律にLDL-C 140mg/dL以上とする日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2007年版)」では,不要な治療を促す要因となりかねないとも指摘。男女別の基準値,とくに女性の更年期以前と以降の基準値や,他の危険因子の有無で層別化した管理基準を提示する必要を訴えている。

出典 MT pro 2010.10.8
版権 メディカルトリビューン社


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患者さんの畑でとれたのをいただきました。
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その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります。    
があります。 

 

 

 

 

 

 

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