戯れ言たれる侏儒
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##痛風治療薬が狭心症治療薬に
##アロプリノールで運動時間が延長
ダンディー大学(ダンディー)のAllan D. Struthers教授らは,長く痛風治療薬として用いられてきたアロプリノールが慢性安定狭心症患者の運動時間を延長するとの研究結果をLancet(2010; 375: 2161-2167)に発表した。

#ST低下までの時間が延長
狭心症は,冠動脈の閉塞や攣縮などにより心筋虚血が生じ,重度の胸痛が現れる疾患で,その主因の冠動脈疾患はアテローム動脈硬化を原因として生じる。
慢性の安定狭心症は,QOLを大きく損ない,患者の3人に1人では週1回以上の頻度で狭心症発作が発現する。
英国では,成人男性の4~5%が慢性安定狭心症患者である。

これまでの実験的エビデンスから,アロプリノールはキサンチンオキシダーゼを阻害し,心臓の拍動で消費されるエネルギーを低下させることが示唆されている。
もしヒトでも同じ現象が起これば,虚血による血流不足状態にある心臓の組織が多くの酸素とエネルギーを受け取ることになり,狭心症患者の虚血に対する新たな治療法として使用することができる。

Struthers教授らは今回の研究で,アロプリノールの高用量投与が慢性安定狭心症患者の運動時間を延長できるか否かについて検討した。

英国の1病院と2診療所において冠動脈疾患と診断され,運動負荷試験で確認された慢性安定狭心症(2か月以上経過)の患者65例(18~85歳)を対象に,クロスオーバー法によるランダム化プラセボ対照二重盲検試験を行った。
患者は,6週間にわたりアロプリノール600mg/日またはプラセボの投与を受けた後に両薬を切り替えて服用した。

1次エンドポイントは,ST低下が発生するまでの時間とし,2次エンドポイントは運動持続時間と胸痛発現までの時間とした。

第Ⅰ期では31例がアロプリノール,34例がプラセボの投与を受け,それぞれ28例と32例を解析対象とした。
クロスオーバー後の第Ⅱ期では,第Ⅰ期の解析対象である60例全例を解析した。

その結果,ST低下までの時間(中央値)は,試験開始前は232秒であったが,プラセボ投与時の249秒に比べてアロプリノール投与時では298秒に延長した。
アロプリノールとプラセボの絶対差(推定値)は43秒であった。運動持続時間(中央値)は試験開始前では301秒であったが,アロプリノール投与時には393秒,プラセボ投与時には307秒となり,薬剤間で58秒の絶対差が見られた。
また,胸痛発現までの時間も試験開始前の234秒からアロプリノール投与時は304秒,プラセボ投与時は272秒に延長し,絶対差は38秒であった。副作用の報告はなかった。
#途上国での応用に期待
Struthers教授らは「アロプリノールは,ranolazineやivabradineなどの狭心症治療薬に比べ安価で,安全面では痛風治療薬として長期間(40年間以上)にわたり良好なデータが得られている。従来の狭心症治療薬(硝酸薬,β遮断薬)に比べ,アロプリノールの忍容性は高い。これは同薬が血圧や心拍数に対する抑制作用を持たず,硝酸薬やβ遮断薬で多発する頭痛や疲労などの副作用発現が少ないことによる」と述べている。

また,「アロプリノールの高用量投与は,標準的な運動負荷試験においてST低下までの時間,運動持続時間と胸痛発現までの時間を有意に延長し,内因性キサンチンオキシダーゼ活性が運動誘発性心筋虚血になんらかの形で関与していることが示唆された。アロプリノールは安価で忍容性が高く,長期間の安全性が確認されており,抗虚血薬として有用と考えられる」と結論付けている。さらに「狭心症の管理にアロプリノールを正しく組み入れるには,今後さらに研究を行う必要があるが,発展途上国では現在,冠動脈疾患が急速に増えつつあり,高価な医薬品や侵襲的治療(血管形成術やバイパス術)を受けにくいこのような地域では特に有用な治療薬となるのではないか」と付け加えている。

ゴールデン・ジュビリー国立病院(クライドバンク)重度心不全治療部門(グラスゴー)および西部診療所のHenry J. Dargie博士と同院のRenjith Antony博士は,同誌の付随論評(2010; 375: 2126-2127)で「アロプリノールによる抗虚血作用を確認するにはさらに研究を行い,その機序を解明する必要がある。しかし,同薬が狭心症治療の新しい薬剤となるのは確かである。冠動脈疾患の予防が依然として重要な要素ではあるが,虚血から心筋を保護することは,複数の機序がかかわる病態に対する理論的で現実的なアプローチと言える」と述べている。

出典 MT pro 2010.9.9
版権 メディカルトリビューン社


<番外編>
#急性冠症候群へのクロピドグレル・アスピリン、用量間で有意差なし
文献:The CURRENT–OASIS 7 Investigators. Dose Comparisons of Clopidogrel and Aspirin in Acute Coronary Syndromes. NEJM. 2010; 363:930-942

急性冠症候群患者25086名を対象に、クロピドグレルの2倍用量・標準用量およびアスピリン高用量・低用量の効果を無作為化2×2要因試験で比較。クロピドグレルおよびアスピリンともに、各用量間で主要評価項目とした30日後の心血管死・心筋梗塞・脳卒中の発生率に有意差は見られなかった。

http://www.m3.com/news/THESIS/2010/09/06/10690/
出典 m3.com 医療ニュース 2010.9.6


原文
文献:The CURRENT–OASIS 7 Investigators. Dose Comparisons of Clopidogrel and Aspirin in Acute Coronary Syndromes.
NEJM. 2010; 363:930-942
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0909475


CURRENT-OASIS7試験
http://blog.m3.com/reed/20100914/CURRENT-OASIS7_

山本彪一 『薔薇』 油彩
http://www.seikougarou.co.jp/sell/yamamotohyouichi/280.html

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
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があります。      

 

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