戯れ言たれる侏儒
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FMD検査

戯れ言たれる侏儒 / 2010.08.26 00:22 / 推薦数 : 1

FMD検査についてちょっと「おさらい」をしてみました。

血流依存性血管拡張反応Flow-mediated Dilation (FMD))
血流量の増加により刺激された血管内皮から血管拡張物質亜鉛化窒素が放出され、血管が拡張する反応である。
上記の反応を動脈硬化度の測定に用いる検査方法。
被験者の腕部にカフで5分間完全駆血し、駆血解除後の血流をエコー検査で診断。
血管の拡張率を数値化する。
拡張率が低いほど動脈硬化の危険度は高いと考えられている。
##FMD/見た目にはわからない血管内皮の「機能」を診る
動脈硬化から脳・心血管イベントへと連なる“Cardiovascular Continuum(心血管イベントの連続性)”における最初の異常は,血管内皮機能の低下として現れる。
見た目にはわからない「機能」の障害を捉えることができる血流依存性血管拡張反応検査(FMD)は,動脈硬化の存在をいち早く発見し,早期からの介入へと導く有用な指標として期待されている。
北海道大学循環器病態内科学の古本智夫氏は,このFMDに早くから注目し,日々の臨床に積極的に取り入れているという。

#将来の心血管リスクの予測にも有用
血管内皮機能の評価法としては,カテーテルを前腕動脈などに挿入して計測するプレチスモグラフィが以前から利用されてきた。この方法は精度が高く,薬効評価などに非常に有効な方法であるが,患者の負担が大きく一般臨床の場で用いることには向かない。
これに対し, FMDは上腕動脈を5分駆血し,血管の拡張反応を無侵襲のエコーで観察するだけであり,患者への負担はほとんどない。
また,最近実用化された半自動測定機器なら操作も容易であり,短期間の練習で専門家でなくても測定が可能だ。

古本氏らの検討では,動脈硬化のスクリーニング検査として既に広く用いられている頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)は,冠動脈造影で90%以上の狭窄がある患者群において有意な変化を示すが, FMDは50%以上の狭窄がある患者群で既に,狭窄のない患者群に比べて有意に低値であることを見出している。
つまり,FMDは血管病変をより早期から検出できる検査と言える。

また,最近では,米国の大規模疫学研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)の一環として, FMDが中央値以下のコホートと中央値以上のコホートの心血管イベントの累積発症率には,5年間で約10%もの差(P<0.0001)が生じていたことが報告されている(Circulation 2009; 120: 502)。
このように, FMDは現在の血管の状態を反映するだけでなく,将来の心血管リスクの予測因子としても期待されている。

#心電図や血液検査同様,検査項目の1つに
ただし, FMDにも弱点はある。
1つは,NOという生理的な物質を介した反応を測定する方法であるがゆえ,睡眠や食事,体調,それに温度や時間といった測定条件によって,測定値に多少の変動が生じることだ。
また,従来は専門家が目視で測定していたため,その再現性や異なる施設間での測定値の比較には限界があった。
しかし,測定装置の開発などにより,わが国でも標準化が進行している。
一方,現在でも同一患者のFMDを経時的に追跡し,「FMDの変化」を治療経過の指標の1つとして利用することは十分可能である。

なお,古本氏らの施設ではVascular Lab※を開設し, FMDだけでなく中心動脈血圧や脈波速度測定など血管機能を徹底的に検査し,そのデータを集積している。
ここでは,健診でメタボリックシンドロームを指摘された人や,高血圧や脂質異常症患者など,血管に不安を持つ人々を予約制で受け入れている。
また,初診あるいは他院からの紹介で受診した高血圧患者には,積極的にFMD検査を勧めているという。
大学病院という性格上,患者は比較的短いサイクルでかかりつけ医に逆紹介することが多いが,その際にはFMDをはじめとした血管機能データを添付し,一見問題がないように見えても水面下で血管障害が進行している患者への対処について注意を促すようにしている。

一般開業医におけるFMDの認知度はまだ十分とは言えないが,「心電図や血液検査と同様に,危険因子のある人には,一度は血管機能検査を受けて欲しい」と同氏は述べている。

出典 Medical Tribune 2010.2.25
版権 メディカルトリビューン社

 

血流依存性血管拡張反応がLDL-C/HDL-C比と負相関
おかべふじこ内科・循環器クリニック(東京都)の岡部富士子院長(東京逓信病院循環器科兼務)は,侵襲なく簡単に測定できる血流依存性血管拡張反応(FMD)が,動脈硬化の進展や心血管イベントの予知因子となる可能性が示唆されているLDLコレステロール(LDL-C)/HDLコレステロール(HDL-C)比と負相関するデータが得られたと報告した。

Hb値,尿酸値とも負相関
血管内皮機能の低下は,動脈硬化の第1段階で発生する。
その指標の1つであるFMD値は,可逆的な動脈硬化早期の検出に有用と考えられている。
測定に用いる高解像度2Dイメージカラードプラ超音波診断装置は広く普及しており,侵襲なく簡単に短時間で測定できるのが利点だ。
高血圧症,糖尿病,脂質異常症,肥満などで低下することがわかっている。
正常下限は報告により5〜15%と幅があるが,4%以下で動脈硬化のリスクが高まるとの見方もある。
 
岡部院長らは今回,FMD検査を行った99例(男性54例,女性45例,平均年齢64.5歳)で,FMD値と血清脂質などとの関係を検討した。99例の疾患内訳は,脂質異常症72%,高血圧52%,虚血性心疾患39%など。喫煙者は7%。BMIは平均24.1。FMD値は平均4.4%,LDL-C/HDL-C比は2.4であった。同比については,2.0以上でプラークが進展すると報告されている。
 
FMD値と各因子・検査値との関連を検討した結果,FMD値は年齢,BMI,糸球体濾過量(GFR)とは相関しなかったが,ヘモグロビン(Hb)値,尿酸値との間には有意の負相関が認められた。
また,FMD値とLDL-C値,non HDL-C値との関係は有意ではなかったが,LDL-C値あるいはnon HDL-C値が高い症例ではFMD値が低い傾向を示した。
さらに,FMD値は,LDL-C/HDL-C比と有意の負相関を示した()。FMD値4%未満の危険因子を調べると,BMI 25以上,ASOなどが有意な因子であった。

同院長は「FMDは動脈硬化早期の確認が可能であることから,脂質異常における心血管イベント抑制の有用な指標になると考えられた」と述べた。

出典 Medical Tribune 2009.11.12
版権 メディカルトリビューン社

 

 


*内皮機能を悪化させる動脈硬化因子(危険因子)
加齢
性別(男性)
閉経(同年齢でも閉経を迎えた女性)
遺伝(家族内に動脈硬化性疾患を比較的若い年齢で発症した人)
高血圧症
糖尿病
高脂血症
肥満(特にMetSのような内臓脂肪型肥満)
高尿酸血症
喫煙
*内皮機能を改善する因子(予防因子)
L−アルギニン
Nナセチルシステイン
スタチン
低脂肪食
有酸素運動
体重減少(減量)
抗酸化物質
ビタミンC
ポリフェノールを含む各種フラボノイド(赤ワインなど)
アスピリン
エストロゲン
SERM(selective estrogen receptor modulator)
フィストエストロゲン
テストステロン
エンドセリン受容体遮断薬
タウリン
1日15~30分のサウナ

出典  

第58回 日本心臓病学会学術集会抄録集
J.Cardiol.Jpn.Ed.Vol2 Supplement Ⅰ、2010 P132

 

 


<FMD 関連サイト>
FMD検査
http://www.fmd-kensa.jp/pg7.html
FMD Measurement
http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/research/vessel/vessel.html
FMD検査 血流依存性血管拡張反応とは何でしょうか
http://www.unex.co.jp/terms/tm_fmd.html
FMD検査 | 小松病院
http://www.komatsu.or.jp/fmd.htm
動脈硬化、腕の血管で診断
http://www.47news.jp/feature/medical/news/1226domyaku.html
血管内皮機能評価 その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20080217
血管内皮機能評価 その2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20080218
最新の動脈硬化検査・FMD検査(血管内皮機能検査)
http://www.youtube.com/watch?v=dGDesUzh7OI&feature=related
FMD検査(血管内皮機能検査)とは
http://www.youtube.com/watch?v=L4hbwt5Ttbc&feature=related

 


<番外編>  
HDL-Cが極端に高い時どのように対処するか?
http://kowa.m3.com/ck9a5dea28902e60ca067529e6fe909bb3261/contents/gimon_LH/vlsl04/index.htm?cid=201007FOAM
回答者  帝京大学 寺本民生教授
■日常臨床でHDL-Cが100mg/dlを超えるような患者さんを見かけますが、ごくまれに特定の病態によってHDL-Cが高くなる症例があるので、注意が必要です。
■日本人は外国人に比べてHDL-Cが高く、男性より女性が高いことが知られています。
(HDL-C80mg/dlを超える方は全人口の約10%)
■HDL-Cが100mg/dl以上の場合は、CETP欠損症などの遺伝子異常の可能性があります。
可能であれば頸動脈エコーなどで動脈硬化の進み具合を確認します。
また、リポ蛋白電気泳動(保険適応)を行い、ブロードβの存在の有無(IDL、レムナントの有無)などを確認できればより望ましいです。
■ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によりmidbandが確認できる場合、IDL、レムナッbト等が存在します。
■遺伝子異常や二次性の高HDL-C血症の例
○ CETP欠損症
CETPはHDL中のコレステロールエステルをVLDL、IDL、LDLなどに転送する蛋白です。
CETP欠損症による高HDL-Cが動脈硬化にどのような影響をおよぼすかは、議論の分かれるところで、一定の見解は出ていません。
(私的コメント:っこのところが一番われわれが知りたいところです。前向き研究も決して難しくない分野と思うのですが、臨床研究をする人が出て来ないところが不思議です。)
○ HTGL欠損症
肝臓でのリポ蛋白リパーぜの欠損症で非常に危険な状態です。
高HDL-Cで、リポ蛋白電気泳動の結果IDLの存在が確認できた場合はこの疾患を疑います。
○ 原発性胆汁性肝硬変(primary billiary cirrhosis: PBC)
二次性の高HDL-C血症を呈する疾患で注意が必要です。
肝機能検査を実施し、ALP、γーGTPが上昇すている場合はこの疾患を疑います。
■コレステロール逆転送系とHDL-C増加機序
高HDL-C血症の場合、HDL-Cの総量は同じでも以下の2つの機序を考慮する必要がある。
①逆転送系の活性化によるHDL-C増加
 逆転送系が十分機能して、抗動脈硬化作用が期待できる
②逆転送系が滞ることによるHDL-C増加
 逆転送系が滞り、HDLがコレステロールを肝臓に戻しにくくな
 る。


<自遊時間>
昨夜、生まれて初めて「鱧(ハモ)しゃぶ」を食べました。
骨切りがまことに上手にされていて、鍋に鱧を入れると花が咲いたような見事な「鱧(ハモ)しゃぶ」の出来上がりです。
ひょっとして「ふぐ鍋」より美味かも知れません。


2010.8.25 撮影
(見た目は河豚のような華やかさはありません。実力で勝負です。)


鱧しゃぶ
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&q=鱧%E3%80%80しゃぶしゃぶ&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=F_91TJG5FoGIvgPt5tmyBg&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=4&ved=0CDYQsAQwAw&biw=1030&bih=879

鱧(ハモ)料理のレシピ -鱧しゃぶ編-
http://www.123lifestyle.net/hamo/2007/06/post_12.html

夏が旬の鱧 絶品のしゃぶしゃぶ 鱧のしゃぶしゃぶ
http://allabout.co.jp/gm/gc/75219/

鱧(はも)しゃぶ
http://hamo.onmybeat1980.com/2007/07/hamoshabu.html

本場京都の鱧しゃぶ(鱧鍋)通販【京都の魚屋 本田鮮魚店】宅配・通販
http://www.hondasengyoten.com/hamo/hamoshabu.html

 

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります。
    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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