戯れ言たれる侏儒
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第32回日本高血圧学会レビュー その1
http://blog.m3.com/reed/20100821/_32_1
第32回日本高血圧学会レビュー その2
http://blog.m3.com/reed/20100822/_32_21

の続きです。(最終回)

 

⑨「ニットの上から血圧測定」は高めに出る
(高知大学医学部検査部 山崎文靖氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512575.html
出典 NM online 2009.10.5
版権 日経BP社
■すぐに血圧を測りたいのに患者の服は長袖——。

そんなとき、袖の上からカフを巻いて測定するケースは、日常診療にありがちだ。

では、どのくらいの厚さの服までなら、正確な血圧が測れるのか。
■対象は、健常ボランティア31人(男性20人、女性11人、平均38±8歳)。
ゆったりした安静臥位で両上腕にカフを着けて同時に圧をかけ、約3mmHg/秒で減圧、上腕動脈音は膜型聴診器と小型マイクで記録した。

右腕に着けたカフの内側には、以下の厚みの布を巻き込んで測定し、左腕の測定値をコントロール値として、布(衣服)の影響をみた。血圧の左右差は、布を巻き込まずに測定した値で補正した。
 0.2mm厚のシャツ
 1mm厚のトレーナー
 2mm厚のニット+0.2mm厚のシャツ(ニット薄)
 4mm厚のニット+0.2mm厚のシャツ(ニット中)
 7mm厚のニット0.2mm厚のシャツ(ニット厚)
 
なお、ニットは地肌に直接身につけるケースが少ないことから、シャツと組み合わせた。

■膜型聴診器を皮膚に密着させて測定した場合、左右の測定値の差(mmHg)は上記5パターンの順に、収縮期血圧で0.9±3.2、0.2±2.9、0.8±3.0、3.4±3.8、4.9±2.7で、ニット中とニット厚はコントロール値に対して有意に高い血圧値となった。
膜型聴診器を布の上から当てた場合は、ニット薄とニット厚で有意差が出た。
ニット中で有意差がなかったのは「布の厚みでコロトコフ音が聞き取りにくかった影響が出た可能性がある」と山崎氏は分析する。
拡張期血圧については、膜型聴診器の位置にかかわらず、ニット薄、ニット中、ニット厚で有意差があった。
■以上のように、上腕でカフを用いた血圧測定を行う場合、ニット生地以上の厚みの服の上からでは、有意に測定値が高く出ることが分かった。


⑩Ca拮抗薬シルニジピンはN型Caチャネル阻害を介して骨粗鬆症を抑制する
(大阪大学大学院老年・腎臓内科 志水秀郎氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512574.html
出典 NM online 2009.10.5
版権 日経BP社
■高齢者では種々の疾患が相互に絡み合い、病態が複雑化する傾向があるが、複数の疾患に共通の病因や背景が認められることも少なくない。
その一例として高血圧と骨粗鬆症の関係が注目されており、一部の降圧薬には骨量や骨密度を改善する作用のあることが報告されている。
■演者らは、昇圧因子である交感神経活性の上昇が骨吸収を促進するとの報告や、交感神経を抑制するβ遮断薬により骨折頻度が低下することを示した成績に着目。
L型Caチャネルに加えてN型Caチャネルを阻害し交感神経終末からのノルエピネフリン放出を抑制する、Ca拮抗薬シルニジピンの骨代謝に及ぼす影響を動物実験により検討した。
■本実験では高血圧自然発症ラット(SHR)に卵巣摘出術を施して作成した高血圧・骨粗鬆症誘発ラットを対象に、シルニジピン3mg/kg/日および対照薬としてアムロジピン3mg/kg/日を28日間経口投与し、骨代謝マーカーと骨塩量を測定した。
■シルニジピンとアムロジピンは高血圧・骨粗鬆症誘発ラットの血圧を同程度に低下させたが、心拍数はシルニジピン投与群でのみ有意に低下した。
■血清中のカルシウム濃度、リン濃度に対しては、シルニジピンもアムロジピンもほとんど影響を及ぼさなかった。
シルニジピン群では骨形成マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)活性が上昇、骨吸収マーカーの酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)活性が低下した。
これらの変化はいずれも有意ではなかったが、ALP/TRAP比は薬剤非投与の高血圧・骨粗鬆症ラット群に比べ有意に高値であった。
■一方、アムロジピン投与群ではALP活性、TRAP活性、ALP/TRAP比に明らかな変化はみられなかった。
また脛骨近位部のTRAPを染色し染色面積を定量したところ、シルニジピン群では薬剤非投与群に比べて染色面積が有意に減少し、骨吸収が低下したことを示したのに対し、アムロジピン群では有意な変化は認められなかった。DEXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry)法により測定した脛骨近位部の骨塩量は、シルニジピンにより有意に増加したが、アムロジピンは骨塩量を変化させなかった。
■演者らは以上の成績から、Ca拮抗薬シルニジピンはN型Caチャネル阻害作用を介して骨吸収・形成のバランスを改善する可能性があると指摘し、閉経後骨粗鬆症を合併した高血圧患者への有用性が期待できるとの見解を示した。


⑪ACE阻害薬やARBは長期間、脈波伝搬速度の増加を抑制する
(公立学校共済組合九州中央病院 冨永光裕氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512569.html
出典 NM online 2009.10.5
版権 日経BP社
■演者らは、自院で高血圧症治療中の外来患者のうち、3〜6年間の追跡期間中、baPWVを3回測定し得た107例(男性50例、女性57例)を対象とした。患者の平均年齢は63±11歳、平均外来血圧は132±12/73±8mmHgだった。脈波伝搬速度の測定にはForm PWV/ABI(オムロン コーリン製)を用いた。
■患者は開始時のACE阻害薬またはARB服用の有無で、服用群(n=34)と未服用群(n=73)の2群に分けた。
両群で、男女比、年齢、BMI、糖尿病・脂質異常症の比率などに有意な差はなかった。

 中略

■脈波伝搬速度に対するレニンアンジオテンシン系抑制薬の短期的な影響については、有効性が得られたとする報告は多いが、今回、長期的にも有効との結果が得られ、長期にわたって動脈硬化の進展を抑制できる可能性が示唆された」とした。


⑫高血圧は「仮面」も「白衣」も臓器障害のリスク——大迫町研究、久山町研究から
(東北大学大学院臨床薬学分野 菅野厚博氏)
(九州大学大学院環境医学分野 福原正代氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512569.html
出典 NM online 2009.10.5
版権 日経BP社
■大迫町、久山町の両研究から、仮面高血圧だけでなく、白衣高血圧も臓器障害合併のリスク要因になることが分かった。


⑬RAS抑制薬+L/N型Ca拮抗薬併用は早朝高血圧と尿蛋白を改善する
(高知大学医学部検査部 山崎文靖氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512592.html
出典 NM online 2009.10.6
版権 日経BP社
■CKDを合併した高血圧に対しては、レニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬を第一選択薬とする厳格な血圧管理が推奨されている。
しかし、RAS抑制薬だけでCKD患者の降圧目標を達成するのは困難で、利尿薬やCa拮抗薬の併用を必要とすることが多い。
また、腎機能障害は血圧の上昇を伴うだけでなく、その日内変動にも夜間降圧障害や早朝高血圧などの異常をきたすことが知られており、降圧薬の選択においては、血圧日内変動を是正するか否かも問題になる。
■演者らは、このような観点から、RAS抑制薬とL/N型Ca拮抗薬シルニジピンによる併用療法の降圧効果と血圧日内変動に及ぼす影響を検討し、同療法が早朝高血圧および尿蛋白/クレアチニン比を有意に改善したことを明らかにした。


⑭高血圧患者のアディポネクチンがシルニジピンにより増加する
(福岡大学心臓・血管内科学 杉原充氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512594.html
出典 NM online 2009.10.6
版権 日経BP社
■高血圧患者では、酸化ストレスを介した交感神経活性の亢進が心血管系の臓器障害に関与することが報告されているまた、高血圧は、脂肪細胞由来のサイトカインであり抗動脈硬化作用や抗糖尿病作用などを有するアディポネクチンの減少を伴うとされるが、これも臓器障害を促進する要因と考えられる。
■演者らは、このような知見を背景に、高血圧患者において交感神経抑制作用をもつCa拮抗薬シルニジピンのアディポネクチンに及ぼす影響を検討、本剤が血漿アディポネクチン濃度を有意に上昇させたことを明らかにした。
■演者らは、アディポネクチン濃度の上昇が降圧度に依存しないこと、他のCa拮抗薬からの切り替え例でも著明な上昇が認められたことから、この作用が本剤に固有なものである可能性が高く、その機序としてN型Caチャネル阻害によるシルニジピンの交感神経抑制作用が関与している可能性があることを示唆した。


⑮無症候性脳梗塞はCKDの独立したリスク因子
(横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓内科 小林麻裕美氏)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsh2009/200910/512595.html
出典 NM online 2009.10.6
版権 日経BP社
■CKDは脳血管障害のリスク因子として知られるが、逆に脳血管障害もCKDの予後増悪因子になる。
心臓と腎臓の疾患リスクの関連については多数の報告があるが、「心腎連関」だけでなく、「脳腎連関」にも注意が必要といえそうだ。

 中略 
 
■無症候性脳梗塞は、脳梗塞や脳出血といった脳病変の危険因子としてだけではなく、腎臓の予後予測因子の1つであることが示された。
演者らは、「脳と腎臓は、細動脈レベルまで高い圧のまま血流が保たれ、しかも自動調節能を持つという他臓器にない類似性を持つ。無症候性脳梗塞を有する患者では、脳の穿通枝動脈と同様、腎臓の糸球体輸入細動脈においても広範な細動脈障害を来している可能性が高い」と考察し、「脳、腎臓、心臓といった臓器障害は、臓器ごとではなく全身の血管病ととらえ、血管をターゲットとした積極的な治療が必要」とまとめた。

 

<きょうの一曲>
Katie Melua - The Flood (Live in Norway)
http://www.dailymotion.com/video/xeeng1_katie-melua-the-flood-live-in-norwa_music

 


その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります。    

 

 

 

 

 

 

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