戯れ言たれる侏儒
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たこつぼ心筋障害

戯れ言たれる侏儒 / 2010.08.17 00:11 / 推薦数 : 0
数ヶ月前、当地区で日循地方会が開催されました。
プログラムをチェックしていると、いまだに(?)「タコツボ心筋障害」に関する演題が多いのは驚きです。

日循の専門医誌「循環器専門医」Vol.No.2 2009 P363-368にタコツボ心筋障害の提唱者の佐藤光先生が「タコツボ心筋障害」を書かれています。
「日本で発見された循環器疾患」の副題がつけられています。

きょうはその論文の中でで「細胞生理学とタコツボ心筋障害」の勉強をしました。
(ちょっと日本語が難解でした)


■細胞生理学的見地から、Lyonがタコツボ心筋障害をcatechoramine-induced acute myocardial stunningを解き明かしてくれている。
Lyon A. et al.:Stress(Takotsubo) cardiomyopathy : a novel pathophysiological hypothesis to explain catechoramine-induced acute myocardial stunning. Nat Clin Pract Cardivasc Med 2008;5:22-29
タコツボ心筋障害をstress cardiomyopathyとして捉え、高濃度のアドレナリンがcardiomyocyteのシグナル伝達回路に刺激を与え、アドレナリン作動性受容体・G2蛋白連結型受容体に、さらにはβ2−adrenorecepterに影響を与える。
心筋の心尖部にはβ−adrenorecepterが多いために「タコツボ(apical balooning)」が起きる、と説明。
この論文では、むしろ前半の佐藤先生の「苦労話し」とそれに続く「心尖部が丸くなる理由?」の方が興味深いかも知れません。

■心尖部が丸くなる理由?
●タコツボ(様)心筋障害の多くは、心尖部が丸くなる。
この球状こそが左室内圧を均等に分散させ、心破裂を防ぐのに有利な形態であろうと推定される。
●心基部が過収縮により圧較差を示す症例も多い(HOCM型)。
●期外収縮後に圧較差の増強がみられるBrockenbrough-Braunwald-Morrow現象が認められた、という報告もある。
●治癒期にドブタミン負荷等で圧較差が再現される場合もある。
その場合にはS状中隔を示すことも多い。
●心室内に血栓が形成され多発性栓塞の原因になることがある。
●心基部に膨隆が現れる場合がある(逆タコ)。
●VSRや心タンポナーデや心室破裂の報告もある。
(一部、文章を改変しました)

<関連サイト>
たこつぼ心筋症の成因(未完)
http://blog.m3.com/reed/20100701/1
たこつぼ心筋症
http://blog.m3.com/reed/20070831/1
たこつぼ心筋症 その2
http://blog.m3.com/reed/20070929/1

たこつぼ心筋障害
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/pamph71.html

■発症後急性期にはQT時間が延長するため、「トルサード・ド・ポアンツ」(一過性心室細動)から突然死を起こす場合があって、予後が良好とは限らないことがわかってきました。

たこつぼ心筋症(LVAB syndrome)で終わらすな・・・
http://intmed.exblog.jp/6044943/
■一過性のLVAB( left-ventricular apical balloning syndrome)は収縮期機能障害、心尖部・中部の運動性減少と基部の運動増加するのが特徴で、急性の心理的・身体的ストレスが原因で主に女性の多く、胸痛と心電図異常を伴い、心不全も生じることがある。
心電図異常は前壁梗塞とV1-3よりV4-6のST上昇が目立つ事、後側誘導のreciprocal changeが無いこと、前胸部・広範な誘導での深いT陰転化、QT間隔の著明延長などで鑑別可能なことがある。
心理的ストレスが生じる値、一過性のLVAB syndrome、日本ではとくに“たこつぼ心筋症”とよばれている。
一過性LVAB sydromeのうちに血中カテコラミン値増加が追跡している間に消失することが報告されている。
心尖部がアドレナリン作動性刺激に特に感受性が高いことが知られている。


<2010.12.10追加>
たこつぼ型心筋症(Apical ballooning syndrome)

患者では精神的ストレスに対して内皮機能と心血管反応が低下する
目的
本研究は、たこつぼ型心筋症(ABS)の患者では、急性の精神的ストレスに対する血管および内皮の機能的反応が異常であるとの仮説について検討することを目的とした。

背景
ABSは、閉経後女性での発症例が圧倒的に多い一過性の心筋症であり、急性の精神的ストレスによって引き起こされる可能性がある。ABSの機序は、明らかになっていない。

方法
ABSの女性患者(n=12、ABSのため入院、またはABSの診断を受けてから6カ月以上経過した者)、対照群の閉経後女性(n=12)、および心筋梗塞(MI)の女性患者(n=4)を対象に、ベースラインと続いて行われる3種類の急性精神的ストレス負荷試験施行後に、急性の精神的ストレスに対する内皮機能および心血管反応のパラメータとして、反応性充血を末梢動脈トノメトリー(PAT)によって測定した。
血漿中カテコラミン濃度は、ベースラインと3種類の精神的ストレス負荷試験施行後に測定した。

結果
精神的ストレス負荷後のPATスコア(反応性充血)は、ABS患者群のほうが閉経後対照群より有意に低かった(p<0.05)。
精神的ストレス負荷時のPATスコアは、ABS患者群のほうがMI患者群や閉経後対照群より有意に低かった(p<0.05)。
MI群における急性精神的ストレス負荷時のPATスコアには、閉経後対照群との差はみられなかった。
また、ABS群における急性精神的ストレス負荷試験施行後のカテコラミン濃度は、閉経後対照群と比較して有意に上昇していた(p<0.05)。

結論
ABS既往歴を有する患者では、急性の精神的ストレスに対して血管反応性は上昇し、内皮機能は低下する。
この結果は、血管運動機能不全がこのまれな心筋症の病因に関わる一機序である可能性を示している。


Endothelial Function and Vascular Response to Mental Stress Are Impaired in Patients With Apical Ballooning Syndrome
Elizabeth A. Martin, et al
J Am Coll Cardiol, 2010; 56:1840-1846
http://ds-pharma.jp/medical/gakujutsu/jacc/archive/jacc1012_1840.html

 
<2011.9.30追加>
たこつぼ型心筋症の概念
1)急性心筋梗塞に類似した発症経過
2)急性に左心室心尖部を中心とした領域の低収縮と心基
   部の過剰収縮を呈している
3)その収縮異常は、2週間以内に劇的に改善する
4)心収縮異常は、一枝の支配領域を超えている
5)責任病変と妥当な冠動脈に器質的病変を示さない
 (冠動脈の臨床・下 日本臨床2003:61:728-732)
 
<自遊時間>



 
第2次世界大戦終戦を記念してニューヨークの繁華街タイムズスクエアに設置された高さ8メートルの「勝者のキス」像前でポーズを取るカップル。日本の降伏で戦争が終結した65年前のこの日、喜びに沸くタイムズスクエアで水兵が看護師にキスをする瞬間をとらえた写真「勝者のキス」は、ライフ誌の表紙を飾り有名になった
http://www.jiji.com/jc/offtime?p=prm201008-photo19&j6

 


 
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100624_vjday_in_times_square_nurse_dies/
 
NY、数百組が「勝者のキス」 対日戦勝65年祝い



 
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/08/2010081501000123.htm
タイムズスクエアには今年、対日戦勝65年を記念してニューヨーク市が「勝者のキス」を模した約8メートルの巨大レプリカ像を設置。
カップルたちはレプリカの周囲でキスを交わし合った。

 
勝利のキス
http://blog.goo.ne.jp/hara-mihoko/e/fe1cad9605360b7a7a3d8640e71ce63e
(私的コメント:フレンチキス?)

Has 'Kissing Sailor' Mystery Been Solved?



 
ロベール・ドアノー 「パリ市庁舎前のキス」1950年撮影
http://valeny.exblog.jp/6007675/

ロベール・ドアノー写真展「パリ・ドアノー」
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/845bb425ad27491f5735da48e747f7da

パリ・ドアノー ロベール・ドアノー写真展
http://minusblog.jugem.jp/?eid=1224413

今もパリの片隅で写真の人物たちがこうして息づいているような...。
http://hurec.bz/mt/archives/2008/08/967_199209_1932.html
http://chie2.exblog.jp/10341523/

 


 
"接吻"(クリムト作)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Gustav_Klimt_016.jpg
(極め付きのキスはこれです)

 
<きょうの一曲>
Rachmaninoff plays Chopin Nocturne Op. 9 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=kj3CHx3TDzw&feature=related

 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります。      
 

 
 

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