戯れ言たれる侏儒
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カルシウムで心筋梗塞リスク31%上昇,骨粗鬆症治療に影響も
15試験が対象のメタ解析

わが国でも骨粗鬆症患者に広く使われているカルシウム製剤だが,心筋梗塞リスクを上昇させることを指摘する論文が報告された。Mark J. Bolland氏らがBMJ7月30日オンライン版に発表した15試験対象のメタ解析によると,カルシウムサプリメント使用者でプラセボ使用者よりも心筋梗塞リスクが31%上昇していたという。
同氏らは「カルシウムサプリメントが広く使われていることを考えると,全体への負担は大きくなるだろう」とコメント。骨粗鬆症治療の現場へ影響を及ぼす可能性もありそうだ。

 

血管石灰化の促進が原因か
Bolland氏らはMedline,Embase,Cochrane Central Register of Controlled Trialsから,1966~2010年発表で平均年齢40歳以上の男女100人以上が参加し,カルシウムサプリメント(投与量500mg/日以上)を対象とした追跡期間1年以上のプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(RCT)を検索。心血管イベントに関する患者レベル分析(5試験)および試験レベル分析(11試験)が条件に合致した。

患者レベル分析は,カルシウム投与群4,097例,対照群4,054例(ベースライン時平均年齢73歳,女性78%)。
5試験中4試験で骨密度もしくは骨折を1次評価項目としていた。平均4.1年の追跡期間中に心筋梗塞を発症したのはそれぞれ143例,111例で,個々の試験では有意差が出なかったものの,メタ解析ではカルシウム群で有意(P=0.035)に心筋梗塞発症率が高かった(ハザード比1.31,95%CI 1.02~1.67)。
脳卒中や死亡などについては,カルシウム群で多い傾向にあったものの有意差は認められなかった。
なお,カルシウムで1例の心筋梗塞を発症させるために必要な症例数(number needed to treat;NNT)は,5年間で69となっている。

一方,試験レベル分析は,カルシウム群6,116例,対照群5,805例(ベースライン時平均年齢72歳,女性83%)で,平均4.0年の追跡期間中にそれぞれ166例,130例が心筋梗塞を発症。
患者レベル分析と同様,カルシウム群で有意(P=0.038)に発症率が高かった(相対リスク1.27,95%CI 1.01~1.59)。

同氏らは,カルシウムとビタミンDを同時投与したプラセボ対照試験を除外したことを限界点として挙げつつ,「個々の試験では心筋梗塞リスクの有意上昇が報告されなかったが,1つ以上のイベントが発生した7試験中6試験で相対リスクが上昇していた。
今回の結果は,腎不全患者でカルシウムと死亡率増加との関連を示した研究結果(N Engl J Med2000; 342: 1478-1483ほか)と一致している」と述べ,「リスクの上昇は控えめだが,カルシウムが広く使われていることを考えると全体への負担は大きくなるだろう」と結論した。
カルシウムによる血管石灰化の促進を,心筋梗塞リスク上昇の原因と予想している。

2002年に実施した調査では,骨粗鬆症に対するカルシウム製剤の採用率は46.6%(内科47.3%,産婦人科35.4%,整形外科57.5%,外科38.2%)。活性型ビタミンD3(88.1%),カルシトニン(67.8%),ビスホスホネート(60.5%)に次いで多かった。

出典 MT pro 2010.7.30
版権 メディカルトリビューン社

 


<番外篇>
収縮期高血圧を有する高齢患者における血圧の厳格管理 vs 適度な管理: VALISH試験
VALISH試験より、収縮期高血圧を有する高齢患者において、適度な降圧と比較し、厳格な血圧管理によるイベント抑制効果は確認されなかったものの、高齢者での血圧目標<140mmHgは安全に達成可能であることが、Osaka University Graduate School of MedicineのToshio Ogihara氏らにより、8月1日号のHypertension誌で報告された。

Ogihara氏らは、収縮期血圧(座位血圧160-199mmHg)を有する70-84歳の3,260人を、厳格管理群(<140mmHg: 1,545人)、又は適度な管理群(≧140-<150mmHg: 1,534人)に無作為に割り付けた。患者背景は両群で類似しており、平均年齢は76.1歳、平均血圧は169.5/81.5mmHgであった。

3.07年(中央値)の追跡を行い、3年の血圧は厳格管理群で136.6/74.8mmHg、適度な管理群で142.0/76.5mmHgを記録し、両群の差は5.4/1.7mmHgであった。主要複合評価項目である心血管イベントの全体の割合は、厳格管理群で10.6/1,000人年、適度な管理群で12.0/1,000人年であった(HR 0.89 [95%CI 0.60-1.34] p=0.38)。

Ogihara氏らは、「本試験は厳格な血圧管理が適度な管理と比べ、優れていることを証明するにはパワー不足であったが、収縮期高血圧を有する比較的健康な70歳以上の患者における目標血圧<140mmHgは安全に達成可能であることが示された」と、まとめている。

Ogihara T, et al. Hypertension. 2010; 56: 196-202
https://www.tcross.co.jp/details.php?category=medical&no=765&id=1

 

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