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< アディポネクチンと心筋梗塞 | メイン | カルシウムと心筋梗塞リスク >
多くの製薬メーカー主催の講演会は大なり小なり「販売拡大」 の性質を帯びています。
最近聴いたこの講演は、珍しくこういった性質を帯びていない「箸休め」的な内容で、それだけに新鮮でした。
以下はその講演メモです。
■"Sudden death is more common in those who are naturally fat than in the lean." Hippocrates
■ヒトは進化により何を得たのか?
人類の進化 数百万年 肥満は最近50年の出来事
最近の50年が現代日本にもたらしたもの
テレビ、洗濯機、冷蔵庫、自動車、エレベーター、交通網の発達、TVゲーム、ファーストフード、インターネットなど
↓
運動不足、脂質過剰摂取
↓
肥満
MetSの増加(高血圧、高血糖、脂質代謝異常)
↓
心血管障害
■50年の食生活の変化(昭和35年 → 平成12年)
ごはん:(1日お茶碗約5杯 → 1日約3杯)
牛肉:ステーキ150gに換算すると
(ほぼ2カ月に一度 → 1週間に1度)
サラダ油:1.5L換算で
(4カ月で1本 → 4カ月で3本)
■米国では135kgの人が400万人いる
■平成14年:国民栄養調査
肥満者の割合
男性 30〜69歳で約3割(20年前に比べて1.5倍)
女性 60歳以上で約3割
*男性は年齢に関係なく肥満者が増加
*女性は高齢者で肥満者が増加
■褐色脂肪細胞は16度前後で活性化しやすい。
2時間の寒冷刺激の後、PETにより組織へのフルオロデオキシグルコース(FDG)集積を検討した。
寒冷条件で撮像すると肩部と傍脊柱にFDG集積がみられたが、温暖条件での撮像では集積は認められなかった。
■肥満の現状
•肥満児の頻度は、30年間で約3倍に増加
•7歳の肥満は40%、思春期肥満では70〜80%は成人肥満に移行
•40歳時に「過体重」であれば生命予後は3年短く、「肥満」なら6-7年は短くなる。
■メタボリックメモリー:
初期の段階に血糖コントロールを改善する事が10−20年後の心筋梗塞を予防する。
DCCT/EDICスタディの戦略
1型糖尿病患者をインスリン強化療法群と従来療法群にわけ、より厳格な血糖管理が血管合併症抑制に有効かをみたランドマーク試験
DCCT/EDIC:心血管イベント抑制効果
(従来療法群 vs 強化療法群)
心血管イベント 42%抑制
MACE 57%抑制
出典
DCCT/EDIC Study Research Group N Engl J Med 2005,353,2643-2653
■40〜74歳の男性2人に1人、女性5人に1人がメタボリックシンドロームの疑いまたは予備軍
■ウエストサイズは内臓脂肪の指標である。
↓
「肥満」というより「脂肪」がキーワード
■心疾患を発症する可能性
危険因子の数(心疾患の発症危険度)
0個 (1.0)
1 (5.1)
2 (5.8)
3〜4(35.8)
出典
資料 労働省作業関連疾患総合対策研究班の調査
Nakamura et al/ Jpn Circ J 65:11,2001
■脂肪細胞からは、様々な「アディポサイトカイン」が分泌!
脂肪細胞からは「アディポサイトカイン」が分泌されており、「善玉」と「悪玉」のものがあります。
善玉ディポサイトカイン
動脈硬化に関与 アディポネクチン
悪玉アディポサイトカイン
高脂血症に関与 遊離脂肪酸
糖尿病に関与 TNF-α、遊離脂肪酸、レプチン
高血圧に関与 アンジオテンシノーゲン
動脈硬化に関与 PAI-Ⅰ、HB-EGF
■脂肪機能不全が起こると、「アディポネクチン」はどうなるの?
内臓脂肪の蓄積は、善玉の「アディポネクチン」の分泌を減らし、悪玉のアディポネクチンの分泌を増やす。
その結果動脈硬化が加速する。
<関連サイト>
アディポネクチンと心筋梗塞
http://blog.m3.com/reed/20100729/1
[PDF] 2.肥満とメタボリックシンドローム ―アディポサイトカインから―
http://jams.med.or.jp/symposium/full/124017.pdf
<番外編 その1>
サイトカイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/サイトカイン
■ホルモンと似ているが、ホルモンは分泌する臓器があり、比較的低分子のペプチドが多い(しかし、サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく、エリスロポエチン (erythropoietin) やレプチン (leptin) など両方に分類されることがある)。
<番外編 その2>
#糖尿病改善するたんぱく質発見 名大と米大など
米ボストン大学と名古屋大学などの国際研究チームは、糖尿病の症状を改善するたんぱく質を発見した。
マウスの実験で効果を確認しており、ヒトでも糖尿病患者はこのたんぱく質が少ないことがわかった。
糖尿病の新しい治療法の開発につながるという。
研究成果は米科学誌サイエンスに掲載された。
ボストン大医学部の大内乗有助教らの成果。
発見したのは脂肪組織で作られる「Sfrp5」というたんぱく質。
正常なマウスと太って糖尿病を起こしたマウスを比べると、糖尿病のマウスでは脂肪組織の中のSfrp5が少ないことがわかった。
糖尿病のマウスにこのたんぱく質を投与すると、血糖値が下がり脂肪肝などの症状が改善した。
このたんぱく質を作れなくした
マウスに、カロリーの高いエサを与えると、血糖値の上昇や肝臓に脂肪がたまるといった糖尿病の症状が出た。
健康なマウスでは、このたんぱく質が糖尿病の発症を予防しているとみられる。
ヒトの脂肪組織でも、糖尿病患者では健康な人に
比べてSfrp5が少ないことがわかった。
Sfrpは血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きを良くしていると考えられるという。
大内助教は「ヒトでのSfrpの働きが詳しくわかれば、肥満による糖尿病を改善する新しい薬剤につながる可能性がある」と説明している。
出典 日経新聞・朝刊 2010.6.30
版権 日経新聞社
SFRP5
Secreted frizzled-related protein 5 is a protein that in humans is encoded by the SFRP5 gene.

クロード・モネ 睡蓮の池・緑のハーモニー
http://www.kutibue.com/meiga/midori.html
(オルセー美術館展2010.「ポスト印象派」)
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
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井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。