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東北大・下川宏明氏ら開発の「低出力体外衝撃波治療」が高度医療に承認
重症狭心症患者に対する低侵襲で有効な治療法に
東北大学は2010年7月9日,プレスリリースを発表し,重症虚血性心疾患に対する低出力体外衝撃波治療が高度医療に承認されたことを明らかにした。
プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20100708_3.pdf
臨床データの蓄積が進めば,薬物療法抵抗性の狭心症に対する有力な治療法として普及が進むかもしれない。
臨床試験で狭心症重症度,心機能,狭心症発作の頻度を改善
同大学によると,低出力体外衝撃波治療は全身麻酔や手術操作が一切不要なきわめて低侵襲な治療法。
照射する衝撃波は尿路結石の破砕に用いる出力の10分の1程度であるため,これまでの臨床試験で治療に伴う副作用や合併症は認められておらず,必要があれば繰り返し行うことも可能だという。
下川氏らのグループは2004年に,培養細胞やブタを用いた基礎研究で,低出力衝撃波を用いた血管新生療法の有効性・安全性を世界で初めて確認している(Circulation 2004; 110: 3055-3061)。
Circulation 2004; 110: 3055-3061
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/15520304
また,2006年にはオープン試験で, 2010年には二重盲検試験で,臨床における有効性と安全性を確認している(Coron Artery Dis 2006; 17: 63-70 ,Circ J 2010; 74: 589-591)。
Coron Artery Dis 2006; 17: 63-70
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/16374144
Circ J 2010; 74: 589-591
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/20134096
これらの研究を通じて,低出力体外衝撃波治療は狭心症患者の左室駆出率や狭心症重症度を改善し,ニトログリセリンの使用を必要とする狭心症発作の頻度を減少させることが明らかにされていた。
今回承認された高度医療では,低出力体外衝撃波治療を1~2日おきに3回行う。
1回の治療は約3時間で,200発の衝撃波を50か所に照射する。
東北大学病院で50例の実施が承認された。
低出力体外衝撃波治療に要する費用は1クール3回の治療で26万5,000円かかり,全額自己負担(検査・入院費用は保険適用)。
同大学では,狭心症患者の生命予後・QOLの改善が期待され,医学的意義はきわめて大きいとしている。
出典 Medical Tribune 2010.7.9
版権 メディカル・トリビューン
<関連サイト>
低出力体外衝撃波による非侵襲性血管新生療法
http://yaplog.jp/hurst/archive/69
血管新生
http://yaplog.jp/hurst/archive/70
側副血行路
http://yaplog.jp/hurst/archive/71
<私的コメント>
私が循環器専門医勤務医だった頃、秋田大学の金澤知博教授が側副血行路の研究をしてみえました。
私が勤務していた大学病院にも特別講演で来ていただいた思い出があります。
当時から、側副血行路は新たに形成されるものか、もともとあるものかの議論がありました。
最近出席した、ある講演会でも同じような質問がフロアーから出ていました。
あまり研究が進んでいないのでしょうか。
「血管新生」と「側副血行路」。
なかなか難しいテーマです。
<番外編>
安定冠動脈疾患患者に対するSES vs PES vs BMSの4年成績: ロッテルダムデータ
安定冠動脈疾患患者において、4年追跡においても、SES、又はPES留置はBMSと比較して、TVR、及びMACEの割合を低下させることが、オランダ、Erasmus Medical CenterのCihan Simsek氏らにより、7月1日号のCatheterization and Cardiovascular Interventions誌で報告された。
Simsek氏らは、2000-2005年に安定狭心症に対してPCI治療を受けた連続患者2,449人において、BMS(1,005人)、SES(373人)、PES(1,071人)留置後4年追跡でのMACEの発症率を比較した。
4年の追跡で、MACEはBMS群の26.8%、SES群の20.9%、PES群の23.9%で確認された。
多変量解析では、BMS群と比較しSES群(HR 0.62: 95%CI 0.47-0.81)、及びPES群(HR 0.67: 95%CI 0.55-0.82)ではBMSよりもMACEのリスクが低いことが示され、それはTVRの低下が主な原因であった(SES群HR 0.53 [95%CI 0.37-0.75]、PES群HR 0.71 [95%CI 0.62-0.81])。
早期、遅発性、及び超遅発性ステント血栓症の発症は、いずれのステントタイプでも稀であり、SES群とPES群では死亡、MI、TVR、及びMACEで有意差はなかった。
Simsek氏らは、「4年の追跡で、SESとPESはBMSと比較して、TVR、及びMACEの割合を低下させ、PCIを受ける安定冠動脈疾患患者においてより優れた治療選択となるはずである」と、まとめている。
Simsek C, et al. Catheter Cardiovasc Interv. 2010; 76: 41-49
https://www.tcross.co.jp/details.php?category=medical&no=745&id=1
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。