戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< ARB・降圧利尿剤配合剤の意義(未完) | メイン | 糖尿病と心血管病リスク >

ある日の、ミコンビ配合錠発売1周年記念の講演会の講演メモです。

①心・腎・脳連関とは?
動脈硬化は一つの血管の病気でなく全身疾患である

②腎機能低下症例の多くは心血管イベントで死亡する
米国一般住民(15≤GFR<90mL/min/1.73㎡)27,998例における腎機能と生命予後、腎死(透析移行+腎移植)の発症率を検討。
追跡期間は66カ月間もしくはイベント発症(死亡もしくは腎死)である。
GFRの低下に伴いCVDによる死亡が増加する。
GFRが30mL/min/1.73㎡以下では、心血管イベントでの死亡率は約50%に達する。
腎死は30mL/min/1.73㎡以上では少ない。
   Keith DS et al:;Arch Intrn Med :164,659-663,2004

③脳血管冠動脈同時造影で、脳血管造影を行う症例の6-7割に冠動脈病変が見つかる

以上をまとめると
動脈硬化は一つの血管の病気でなく全身疾患である

腎障害が検出された時には動脈硬化が既に進行している

早期に動脈硬化変化を検知し、血管イベントを防ぐ対策を講じる必要がある
(私的コメント;腎障害自体が動脈硬化の原因であると考えれば非常に分かりやすいストーリーです。しかし、CKDの概念の限界は「腎障害の原因は全く不問である」ということではないでしょうか。具体例を挙げれば、慢性糸球体腎炎の結果として腎障害のある若年者にあてはまる話とはとても思えません。)

④内腔狭窄がなくても動脈硬化は進展している。
心筋梗塞は、主に「pinholeの閉塞」より「プラーク破綻」によって生じる。
たとえば、99%のpinhole狭窄は予知可能であるが、40%狭窄で不安定プラ−クがある場合には予知不能である。
   Davies Circulation 1996;94:2013
(私的コメント;「内腔狭窄がなくても動脈硬化は進展している」症例はリモデリングにより動脈が拡張し、その部位にアテローム狭窄が起こっている場合を想定しているものと思われます。)

⑤プラークはどのようにして不安定化するか?
 機序は?
 診断法は?(血液マーカー、イメージング)
 予防法は?

⑥動脈硬化の進展と破綻
(プラークの量と質)
 いつ始まって
 どのように大きくなって
 どのようにイベントにつながるか? 

 関連する疾患
  脂質異常症
  高血圧
  糖尿病
(私的コメント;この講演では動脈硬化の定義の説明はありませ んでした。われわれのような臨床医にはCAVIで代表されるよう なstiffnessの増加とアテローム性粥状動脈硬化を分けて説明し ていただいた方が混乱がありません。)

<参考>
動脈硬化症
http://ja.wikipedia.org/wiki/動脈硬化症
■動脈硬化の種類にはアテローム性粥状動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などのタイプがあるが、注記のない場合はアテローム性動脈硬化を指すことが多い。
 

⑦17歳の少年ですでに認められる動脈硬化初期病変
(IVUSによる症例提示)
Tuzcu. E.M. et al. Circulation 2001;103:2705-2710
(私的コメント;基礎疾患にFHがあるかどうかを聞き逃しました。原著には記載がある筈です。)

⑧ヒトの冠状動脈硬化の進展
  九州地区 200剖検例(1991~1995)
 内膜肥厚 → 繊維性プラーク(40%)
 内膜肥厚 → 脂質沈着に富んだプラーク(60%) 

⑨危険因子が重なるにつれ、動脈硬化は進展していく
このことはFatty Streaks でもFibrous Plaquesでも同様に言える。
また大動脈でも冠動脈でも同様。
Berenson et al. N Engl J Med 1998;338:1650-1656

⑩動脈硬化の進展に関与する因子
・細胞増殖
・血管新生(VEGF,内皮前駆細胞)
・細胞浸潤
・平滑筋様前駆細胞

⑪動脈硬化病巣周囲には外膜側に新生血管が出現する。
これは大腸がんの際の血管新生に似る。

⑫正常、高脂血症モデル、動脈硬化+スタチンの3つのグループにおけるブタ冠動脈周囲の新生血管の検討
(Micro CTで検討)
 ↓
高脂血症モデルだけで新生血管が増加
(VEGFが関与)
Wilson SH et al. Circularion 2002;105:415

⑬動脈硬化の破綻(プラーク破綻)に関与する因子
・プロテアーゼ活性上昇(MMP↑、TIMP↓)
・凝固能亢進(組織因子↑、PAI↑)
・アポトーシス(内皮細胞、平滑筋細胞)
・炎症細胞不活化

 
 
<番外編>
CRUCIAL試験

ファイザーとアステラス製薬がCRUCIAL試験でカデュエットが冠動脈心疾患と致死的な心血管疾患リスクの低下が報告されたことを発表
■2010年6月30日: ファイザーとアステラス製薬は、CRUCIAL試験より、カデュエット(アムロジピンベシル酸塩/アトルバスタチンカルシウム水和物)がフラミンガム・リスク評価モデルに基づく10年の冠動脈心疾患リスク、及びSCOREリスク評価モデルに基づく致死性の心血管疾患リスクを有意に低下させたことが、20th Scientific Meeting of the European Society of Hypertensionにて報告されたことを発表した。
■本試験では、19ヶ国から1,461人の冠動脈心疾患のない高血圧患者を登録し、12ヶ月にわたるカデュエットによる治療は、心血管イベントリスクモデルにおける10年の総冠動脈心疾患の発症率を通常療法と比べ相対的に27%、SCOREによる致死性心血管疾患リスクは23%低下させたことが示された。
https://www.tcross.co.jp/details.php?category=market&no=735&id=1
<きょうの一曲>
WAVE - Tom Jobim
http://www.youtube.com/watch?v=vpLLKvDAXNI&feature=related

 

その他

ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)

があります。  

 

 

 

 

 

 

固定リンク