戯れ言たれる侏儒
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冠動脈アテローム動脈硬化の進行比較: 糖尿病 vs メタボリック症候群
冠動脈疾患患者において、糖尿病(DM)は代謝異常とは独立し、動脈壁に悪影響を与え、プラークの進行と収縮性リモデリングに関与することが、アメリカ、Cleveland ClinicのOzgur Bayturan氏らにより、6月15日号のThe American Journal of Cardiology誌で報告された。

Bayturan氏らは、冠動脈疾患患者3,459人をDM、メタボリック症候群(MS)、又はいずれも認められなかった患者の3群に分け、IVUSによるアテローム動脈硬化の連続評価にてプラーク量、プラークの進行、及び動脈リモデリングを比較した。

3群の中で、MS群の患者は個人における心血管危険因子の数が最も多く、DM群ではアテローム量の割合が高く(DM群40.3±9.0% vs MS群37.6±8.9% vs 非DM/非MS群38.1±9.1%: p<0.001)、総アテローム量が多かった(DM群198.3±85.9mm³ vs MS群190.7±85.0mm³ vs 非DM/非MS群186.3±79.1mm³: p=0.05)。
非DM/非MS群と比較して、MS群は外弾性板の拡張が確認されたが(501.3±174.3mm³ vs 484.4±160.7mm³: p=0.02)、DM群は内腔収縮と関連していた(290.6±111.7mm³ vs 298.1±105.5mm³: p<0.0001)。連続評価では、DM群のみが、非DM/非MS群と比較し、%アテローム量(+0.8±0.3% vs +0.3±0.2% vs +0.1±0.2%: p<0.0001)、及び総アテローム量(-1.0±1.8mm³ vs -3.3±1.8mm³ vs -4.0±1.8mm³: p=0.001)への関与を示し、MS群ではDM群のように疾患進行への影響は確認されなかった。

Bayturan氏らは、「DM群では個人の危険因子の数はMS群よりも少なくと(て?)も、MS群よりもプラークの進行、及び収縮性リモデリングに関連しており、代謝異常とは独立して、DMによる動脈壁に対する悪影響が示された」と、まとめている。

原文
Bayturan O, et al. Am J Cardiol. 2010; 105: 1735-1739

出典 TCROSS Medical News
https://www.tcross.co.jp/details.php?category=medical&no=713&id=1

<コメント>
DMはしばしばMetSを合併します。
MetSの診断基準の中に「FBS高値」があるわけですから当然といえば当然です。
したがって、多くの先生がDM例とMetS例を奇麗に分類することが出来るのかという疑問が湧く筈です。
糖尿病(DM)は代謝異常ではないのか、という問題もあります。

いずれにしろ、この論文は論理的破綻はないのでしょうか。

本当に科学的論文でしょうか。

 

最近の糖尿病関連の論文は「糖尿病と大血管障害」についてのテーマが多い傾向があります。
この論文も、その一連のものと思われます。

細小血管障害ほどにはいい結果が出ない印象を受けるのは私だけでしょうか。


<番外編>
「スタチンと白内障の関係」は不思議です。
ある論文では白内障のリスク軽減、別の論文ではリスク増加となっています。


動脈硬化のペニシリン“スタチン”の発見と開発―遠藤 章先生に聞く
http://www.jhf.or.jp/shinzo/mth/images/History-37-8.pdf
(開発にまつわる興味深いお話です)
■1950~60年代にかけて,アメリカで開発されたトリパラノールというコレステロール合成阻害薬の事件がありました。
トリパラノールはコレステロール合成の一番最後のところを阻害する薬剤で,日本では塩野義製薬株式会社が導入しましたが,白内障の副作用が出て,1962年に発売中止,回収という大きな騒ぎになりました。
(私的コメント;これはスタチンではありません)

スタチン系薬剤が白内障リスクを軽減
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=408
■コレステロール低下薬のスタチン系薬剤を服用している高齢患者では、服用していない患者に比べ、水晶体の中央部分に濁りを生じる最も一般的な核性白 内障の発症率が40%低いことが、ある地域の人口集団を対象に行われた観察研究で明らかになった。
白内障発症には酸化ストレスが一部関与しているとされ、 スタチンのもつ抗酸化作用が発症予防に関連していると見られる。

高脂血症治療薬スタチンの継続的服用が白内障発症リスクを低下させる
http://shenq.blogzine.jp/2501/2010/03/post_ed1a.html
■継続的なスタチン使用は、75才未満の男性と女性で、白内障発病率を顕著に低下させた。
(私的コメント;上記サイトと同じソース)

スタチンの継続服用が白内障に保護的に作用
http://cocktail-glass.at.webry.info/201003/article_6.html
■ スタチンの継続服用が75歳未満の男女の白内障発症に保護的に作用するとのデータが,イスラエルのグループによりAnnals of Epidemiologyの2月号に発表された。

スタチンと有害事象・合併症のリスク(英国研究)
http://www.watarase.ne.jp/aponet/blog/100516.html
■スタチン使用と食道がんリスク減少と関係していたが、中等度以上の筋障害、中程度以上の肝障害、急性腎不全、白内障ではリスクが増した。
■白内障のリスクは治療をやめれば、1年で元に戻る。
(私的コメント;「元に戻る」というのも不思議です)

スタチンの利点 リスクを上回る
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/36456167.html

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