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開業医は「風邪医者」とも言われるように抗生剤を外来で処方する機会が多くあります。
その中でもクラリスロマイシン(CAM)は特に使用頻度の高い薬剤です。
咳が出る患者にはマイコプラズマ感染症も考えファーストチョイスといってもいい抗生剤です。
今日は、カルシウム拮抗剤(CCB)を服用中の患者にCAMを処方すると、下肢浮腫が発現したり過降圧の可能性があるという話題です。
■ニフェジピンとクラリスロマイシンの相互作用が下肢浮腫発現の誘因になりうる。
●ニフェジピンは主にCYP3A4で代謝される薬物であり、クラリスロマイシンはCYP3A4阻害作用を有することから、併用によってニフェジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる(その程度については報告がなく不明である)。
(下肢浮腫の報告はないが、)両者の相互作用による血圧低下、頻脈、除脈等が報告されている。
●ニフェジピンをはじめとするカルシウム拮抗薬の副作用として、下肢浮腫が報告されている。
●ニフェジピンとイトラコナゾール(CYP3A4阻害薬)との併用で下肢浮腫が出現した報告がある。
→以上から、両者の相互作用によって、ニフェジピンによる下肢浮腫を誘発した可能性が考えられる。
■下肢浮腫発現のリスクファクターを複数もつ患者は、クラリスロマイシンを服用することで、ニフェジピンとクラリスロマイシンの相互作用を介してニフェジピンによる作用増強が起こり、下肢浮腫が発現する可能性が考察ある。
→下肢浮腫のリスクファクターを有する患者では、クラリスロマイシンとニフェジピンの相互作用に注意を払うべきである。
■クラリスロマイシンの副作用としても下肢浮腫(頻度不明)が添付文書に記載されている。 したがって、クラリスロマイシン自身も下肢浮腫のリスクファクターである。
<参考 その1>
クラリス錠添付文書(併用注意の項)
薬剤名等 カルシウム拮抗剤
CYP 3A4 で代謝される薬剤 ニフェジピン ベラパミル塩酸塩等
機序・危険因子
本剤の CYP3A4 に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻 害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
<参考 その2>
ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬は下肢浮腫の副作用が見られ(日本では少ないとされているが、欧米では20〜30%)、しかも一般的には投与後長期間継続的に服用した後、徐々に出現してくることが多い。
発現機序は末梢動脈における血管拡張作用が静脈での作用に比べて強いため、細動脈の拡張に細静脈の拡張が伴わず、細静脈が拡張することなく細動脈が拡張し、毛細管内圧が上昇するためと考えられている。
<参考 その3>
ニフェジピンは主にCYP3A4で代謝される薬物であり、クラリスロマイシンはCYP3A4阻害作用を有することから、併用によってニフェジピンの血中濃度が上昇して下肢浮腫が惹起する可能性は十分に考えられる。
実際、クラリスロマイシンと同じくCYP3A4阻害作用を有するイトラコナゾール(わが国での商品名:イトリゾールカプセルなど)とニフェジピンの相互作用で足首の浮腫が惹起したとする症例報告がある。
出典 NM online 2010.4.6
版権 日経BP社