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青少年運動選手の突然死予防に心電図検査が有用であるという記事で勉強しました。
何の変哲もない報告のようですが、米国では運動選手の心電図検査は任意であるケースが多いようです。
心臓突然死
http://yaplog.jp/hurst/archive/39
で見る限り日本やイタリアの方が、この分野では進んでいるようです。
米国の文献を読んでいてアレって思うようなことがあります。
どうやら医療情勢が日本と違っている場合もあるようです。
米国の論文が必ずしも世界標準とは限りません。
「一つの国の論文」という捉え方も必要な場合もありそうです。
米国一の野球チームを決める試合を「ワールドシリーズ」と呼ぶ国です。
米国 青少年運動選手の突然死予防
ルーチンのECGは費用効果高い
■スタンフォード大学心血管医学のMatthew Wheeler博士らは「米国では青少年スポーツ選手の突然死リスクを心電図(ECG)により評価することは,費用と救命効果の点で妥当である」との研究結果をAnnals of Internal Medicine(2010; 152: 276-286)に発表した。
#費用効果低いとされてきた通説
■米国ではこれまで「プロレベルの競技に参加する前の青少年スポーツ選手へのルーチンのECG検査は,救命に役立つかもしれないが費用がかかりすぎる」との見解が主流だった。
しかし,今回の研究結果はそれとは対照的であった。
■筆頭研究者のWheeler博士は「今回の研究から,ECGと病歴,身体検査の併用が,スポーツ選手における潜在的な心疾患へのスクリーニング戦略として望ましいことがわかった。この方法により,米国の医療制度で一般的に許容される範囲の費用で,ほとんどの選手を救命できるだろう」と述べている。
■今回の研究目的は,スクリーニング費用を科学的に検証し,ECGによるスクリーニングが青少年スポーツ選手で実施されない理由が費用にあるのか否かを明らかにすることだった。
同博士は「そのためには,長期的な救命効果の可能性とは関係なく,どの程度費用がかかるのかを概算する必要があった」と述べている。
研究責任者でスタンフォード肥大型心筋症センターのEuan Ashley所長によると,今回の研究では費用効果の科学的分析を試みたことになる。
■現在,肥大型心筋症(HCM)などの疾患を検出するルーチンのスクリーニング法として,多くのプロスポーツ選手に対してECG検査が義務付けられているが,大学生や高校生などの青少年の選手は対象外で,通常,身体検査と病歴の提出のみが課せられている。
その理由としては,ECG検査は有用だが費用がかかりすぎるためとするのが一般論であった。特に,死亡率が低い集団ではそのように考えられていた。
伊での長期成果がきっかけに
■しかし,1982年から青少年のスポーツ選手に対するルーチンのECGスクリーニングを義務付けているイタリアで,検査導入後に競技中の突然死が約90%減少したとする研究結果が発表され,同様の検査が米国でも実施可能かどうか検討された。
■Wheeler博士は「イタリアの研究では,25年間にわたるスクリーニングの綿密な記録が残されており,それがわれわれにとってスクリーニングの有用性を示す情報源となった」と述べている。
■同博士らは,イタリアでの研究結果に基づいて,疾患罹患率やスクリーニング方法の違いなど,米国とイタリアで異なる変数を調整したモデルを作成した。
さらに,この問題を検討した多数の小規模研究データも収集し,解析した。
■その結果,ECGをスクリーニングに加えると合計費用は1人当たり89ドルとなるが,検査人数1,000人当たり年間2.1人を救命できることが明らかになった。合計費用には初回検査と追加検査,および治療費が含まれている。
共同研究者で同大学内科/医療研究政策学のPaul Heidenreich准教授は「今回の研究では,検査から治療までの合計費用を検討している。
これはスクリーニングが医療システムに与える影響を検討するうえで不可欠である」と述べている。
また,年間1人救命するための費用効果比は4万2,900ドルとなることがわかった。
■共同研究者で同大学医療研究政策学/心血管医学のMark Hlatky教授は「費用と効果の比には,スクリーニングをすれば追加の費用がかかることが反映されるが,死亡率の減少による恩恵が得られる。1人当たり年間5万ドル未満の費用増加は,米国では一般的に費用効果が高いとして許容される範囲である。10万ドルを超える場合は許容されないことが多い」と説明している。
HCMはスポーツ選手の死因のトップ
■スポーツ選手の突然死はまれであるが,スポーツ選手のECG所見では,若齢選手のHCM,QT延長症候群などによる突然死の徴候に注意が向けられる。
米国ではHCMはスポーツ選手の死因の1位を占めている。
■全米では,500人に1人がHCMである。HCMでは遺伝的欠陥により心筋が肥大し,心拍リズムに異常を来し,心停止リスクが高まる。無症候のまま突然死することもある。
スポーツ選手でHCMが発見されれば,激しい練習をやめることが推奨される。
出典 Medical Tribune 2010.4.22
版権 メディカル・トリビューン社
<きょうの「『葦の髄』循環器メモ帖>
心臓突然死
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