戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< ACCORD・血圧試験 | メイン | スタチンとフィブラート製剤の併用は? >

ACCORD・脂質管理試験

戯れ言たれる侏儒 / 2010.04.20 00:12 / 推薦数 : 0

フィブラート薬の効果が得にくい脂質プロフィールだった
ACCORD脂質管理試験では,シンバスタチン単独群とシンバスタチン+フェノフィブラート群で一次エンドポイント(非致死性心筋梗塞・脳卒中,CVDによる死亡)に差がないという結果だった
■血圧管理試験ほど大きな驚きはなかった。
試験デザインを見たときから,こうなる可能性はある程度予想できた。
標準管理群で十分量のスタチンが使われているのに加え,対象患者がフィブラート薬の効果が得にくい脂質プロフィールだったからだ。

■ACCORD脂質管理試験はスタチンを投与してもなお残存するリスクをさらに下げようという趣旨で企画された試験で,トリグリセライド(TG)やHDLコレステロール(HDL-C)に対する改善作用の高いフィブラート薬が併用薬に選ばれた。
しかし,全例にシンバスタチンが最大用量(20~40mg)使われており,それだけでCVDのリスクを相当下げているはずで,そのうえさらに有意なリスク低下を示すのは現実には容易ではなかったということ。
スタチンをベースにした標準治療に別の薬を上乗せする試験というのは,エゼチミブもそうだったが,数年で有意差を出すのは難しい。

■また,ACCORD脂質管理試験の対象者の平均脂質値は,LDLコレステロール(LDL-C)が100.6mg/dL,HDL-Cが38.1mg/dL,TGが162mg/dLと正脂血症に近い集団だった。
FIELD試験などこれまでの臨床試験が示しているように,フィブラート薬の効果はTGやHDL-Cに明らかな異常があった患者で顕著である。
ACCORD脂質管理試験でもTGが204mg/dL以上でHDL-Cが34mg/dL以下の患者では,フェノフィブラート併用群で一次エンドポイントは有意に改善している。

■スタチンはCVDリスクが高ければ,LDL-C値が低めでも投与すべき特別の薬。
一方,フィブラート薬は基本的にはTG高値,HDL-C低値の患者に投与する薬剤だと思う。
ただし,これはCVDの管理の面から言えることで,FIELD試験などの結果から推測すると,フィブラート薬は細小血管合併症に関してはTG,HDL-C値に関係なく効果が期待できる可能性がある。糖尿病患者の管理は,個々の患者の状態を見て多面的に,きめ細かく判断する必要があるだろう。

出典 MT pro 2010.4.6
版権 メディカルトリビューン社

 

<関連サイト>
ACCORD試験の脂質管理部分発表、糖尿病治療にフェノフィブレートの スタチン併用効果を認めず
http://d.hatena.ne.jp/bonbokorin/

 

<番外編>
昨日MMJ(The Mainichi Medical Journal)4月号が届きました。

パラパラめくっていると
帝京大学医学部 寺本民生教授が書かれた
「スタチン時代の大規模臨床試験を読む〜病態に応じた脂質アプローチの重要性〜」
が目にとまりました。
内容は今日のテーマのACCORD Lipid試験についてのものでした。

要点をまとめてみました。

MMJ April 2010Vol.6 No.4 P218~220
■スタチン+フェノフィブラート併用の安全性が証明されたことは、「とくに、日本では重要な意味をもつ」と寺本氏はいう。
欧米では、スタチン+フェノフィブラートとの併用は通常治療として定着しているが、フェノフィブラートの添付文書に記載された文章が深読みされ、両者の併用を禁忌と思い込んでいる医師や薬剤師が少なくないからである。

■試験責任者のHenry N.Ginsberg氏が「今回の高TG+低HDLサブグループ同様の患者群は日常診療の3~4割にみられる」というように、帝京大学病院での診療でも2型糖尿病患者の約3割に高TG+低HDL-Cがみられ、そのようなケースにはスタチンとフィブラート製剤との併用を寺本氏は行ってきた。
今回のACCORD Lipid試験のサブ解析の結果は、その裏付けとなった。
ただ、他の薬剤と同様に腎機能への慎重な対応は不可欠であり、「eGFR≦第3期」+「クレアチニン≦1.0前後」を基本とし、クレアチニン≧1.2では原則的に併用を行っていないという。



<コメント>
寺本民生教授の考えは昨日のACCORD・血圧試験についての小田原教授と驚くほど似たものでした。
「この20年を振り返り、寺本氏は『スタチンは良い時代に登場した』と語る。LDL-Cがリスクファクターとして認識されていない時代だったからこそ、脂質管理がゼロベースの患者を対象にした数々の大規模臨床試験でゼロベースの患者を対象にした数々の大規模臨床試験でスタチンは確たる地位を築いてきた。そして、スタチンによる脂質管理が定着したあとは、スタチンの恩恵を受けている患者群が対象である。薬剤特性を考慮して対象となる病態を絞らず、エゼチミブやフィブラート製剤などを上乗せするだけでは統計学的な有意差は得られにくいと寺本氏は指摘する」

ここで思い出すのはJIKEI Heart Studyです。
すでにACE-Iを含めた降圧剤でコントロールされている症例にARB(バルサルタン)をオンすることによってあれだけのデータが出たのでしょうか。
話を本題からはずれますが、ACE-I症例にARBを併用した症例がかなりあったのも印象的でした。
(両者の併用は現在はあまり奨励されていないようです)

 

きょうの「葦の髄」

スタチンの多面作用
http://yaplog.jp/hurst/archive/15

 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(4)
2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
   

 

 

 

固定リンク | コメント (0)

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。