戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 尿酸降下薬の新たな働き | メイン | 薬剤誘発性TdP >

RAA系抑制薬に,New Class Agentとして直接的レニン阻害薬アリスキレン(DRI:direct renin inhibitor、ラジレス®錠150mg)が加わりました。
昨年末に新発売されたものですが、製薬メーカーは私のような開業医にはプロモーションはほとんどしません。
同じ循環器領域のクレストールの新発売の際には戦略的(?)に開業医への説明はなかったようです。

私は正直のところまだ使用経験がありません。
ARB、スタチン、抗血小板剤のみでも十分高薬価です。
糖尿病合併例ではピオグリタゾンやα-GIも加わります。
エビデンスが集まってから使用しようかと考えていますが勉強だけはしておきたいと思います。
先生方は処方してみえるでしょうか。

きょうの座談会の記事は,オーストラリアMonash大学教授であるHenry Krum氏を招き,アリスキレンのプロファイルおよび位置付けについてディスカッションがされたという内容です。。

司会:
島本 和明 氏 札幌医科大学 内科学第二講座 教授

出席:
Henry Krum 氏 Chair of Medical Therapeutics, Monash University, Australia
羽田 勝計 氏 旭川医科大学 内科学第二講座 教授
小室 一成 氏 大阪大学大学院 循環器内科学 教授/千葉大学大学院 循環病態医科学 教授
柏木 厚典 氏 滋賀医科大学 内科学講座 教授
 

##直接的レニン阻害薬の新たな可能性
■本座談会では世界初のDRIアリスキレンの開発および国際的な大規模臨床試験の推進において中心的な役割を果たされているHenry Krum教授をお招きし,皆さんで同剤のプロファイルおよび将来性について議論してまいりたいと思います。(島本)

■RAA系の不適切な活性化は高血圧患者における血管および末梢臓器病変の要因であり,そこには同系に対する多様な刺激が関与しています。
したがって,今日ではアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)やアンジオテンシン受容体ブロッカー(ARB)などのRAA系抑制薬が降圧薬物療法の主流となっています。
しかしながら,従来のRAA系抑制薬では上述の病変が完全に抑制できないことも事実です。
そこには,血漿レニン活性(PRA)の関与の可能性が想定されています。
図1の心筋梗塞の例にみられるように,PRAは心血管イベントのリスク因子です。
従来のRAA系抑制薬が同系のフィードバック機構を活性化,その結果生じるレニン分泌の増加,PRAの上昇が病態にどのように影響するかは未解明ですが,少なくともDRIにはその影響を最小化する効果が期待できます。
アルドステロンエスケープについても同様のことが言えます。
なお,(プロ)レニン受容体の活性化が惹起すると想定される有害な作用をDRIが抑制しうるか否かは,今後の研究課題です。(Krum)


#アリスキレンの有する新たな作用機序
■アリスキレンは,レニンの活性部位に基質であるアンジオテンシノーゲン(Aog)と競合的に結合し,Aogからアンジオテンシン(Ang)Iへの変換を阻害することでRAA系全体の活性を抑制します(図2)。
阻害の作用点がRAA系の最上流にあること,フィードバック機構が働き分泌の増加するレニンに対しても作用することでPRAの上昇を抑制できることが,従来のRAA系抑制薬にない新規作用機序と理解しています。(羽田)

■今後の研究課題とされたアリスキレンの(プロ)レニン受容体に対する作用ですが,現時点でどのように想定されているのでしょうか。(羽田) 

■アリスキレンは(プロ)レニン受容体と結合することはなく,同受容体の発する細胞内シグナルに影響は与えないと考えています。(Krum)

■アリスキレンが,アルドステロンエスケープを示さない点についてはどうですか。(小室) 

■アリスキレンはACE- I と違いAng IIを産生するための代替経路,すなわちキナーゼや非ACEを活性化する可能性がないこと,Ang I 自体の産生を持続的に抑制することがアルドステロンエスケープを起こさない理由と考えていますが,明確な機序については検討の余地があると思います。
ただし,これまでに行われた複数の臨床試験の結果が,同剤がアルドステロンエスケープを起こさないことを証明しています。(Krum) 


#アリスキレンの降圧効果,安全性,忍容性
■アリスキレンは,日本人の高血圧患者においても強力な降圧効果を用量依存的に示しました(図3)。(小室) 
安全性,忍容性についても良好でした。

■300mg投与群においても,重篤な有害事象の発現率がきわめて低頻度であったことは注目すべき点です。(Krum) 
 
■これまでの基礎および臨床試験から,アリスキレンの安全性および忍容性プロファイルはどのように評価されているのでしょう。(島本)
 
■アリスキレンには良好な安全性と忍容性が認められています。その理由の1つは,特有の体内動態にあると考えられます。
同剤は薬物相互作用がほとんどなく,わずかに肝で代謝を受けるのみで多くは未変化体で胆汁から排泄されるため,腎機能障害患者においても用量調節の必要はないとされています。
また,血中濃度半減期が40時間と降圧薬としてはきわめて長く,血中濃度推移は1日1回の7日間の連続投与で定常状態に達するとされています。(柏木)


#アリスキレンの降圧作用と臓器保護作用
■ALOFT(ALiskiren Observation of Heart Failure Treatment)試験によると,アリスキレンとプラセボ両群の腎機能障害,低血圧,高カリウム血症の発現率に差はなく,高い忍容性が検証されました(図4)。

また,アリスキレン150mg/日12週間投与により,BNP,NT-proBNP,アルドステロン,左室機能,心不全症状が有意に改善し,PRAも有意に低下しました。
本試験結果から,アリスキレンは良好な安全性プロファイルと高い忍容性をもって心不全患者の予後を改善することが期待されます。(小室) 

■ALLAY(ALiskiren in Left VentriculAr HypertrophY)試験による検討の結果,3群ともにベースラインに比べ有意にLVMIを低下させ,アリスキレン単独療法のロサルタン単独療法に対する非劣性は証明されましたが,アリスキレン/ロサルタン併用療法のロサルタン単独療法に対する優越性は,数値的には優っていたものの証明できませんでした(図5)。
アリスキレンの忍容性はロサルタンと同様に良好であり,左室肥大を伴う高血圧患者の有力な治療選択肢になると結論づけられています。(柏木)

■従来の知見と同様,ALLAYでも左室肥大の退縮が降圧に相関することが示されており,アリスキレン/ロサルタン併用療法群とロサルタン単独療法群のLVMIの変動値の間に有意差がみられなかった理由は,両群の血圧低下に差がなかったためと考察されています。(Krum) 

■対象症例のベースラインの血圧が平均145/90mmHg程度と一定レベル以上に制御されていたということで,その適切性には議論のあるところですね。(島本)

■AVOID(Aliskiren in the EValu -ation of PrOteinuria In Diabetes)試験によりアリスキレン群はプラセボ群に比べ有意なUACRの低下を示しました(図6)。

両群の血圧の変動に差がなかったことから,アリスキレンは蛋白尿を伴う2型糖尿病患者において血圧非依存性の腎および心血管保護作用が期待できると結論づけられています。
また,同様の検討が行われているので紹介します。
高血圧と蛋白尿を伴う2型糖尿病患者15例を対象としたデンマークでの検討では,アリスキレン28日間投与によりUACRが低下,中止するとほぼベースラインまで上昇しましたが,ベースラインに戻るまで10日ほどかかっています(図7)。(羽田) 

■AVOID試験でのUACRの低下率は20%でしたが,この低下は臨床的な意味をもつのでしょうか。(Krum)

■基本治療としてロサルタン100mg/日が投与されているので,十分な臨床的意義を持つと思われます。(羽田)
#アリスキレンに対する期待
#第一選択薬としての可能性も含めて
■最後に,先生方がアリスキレンをどのように処方されるか,第一選択薬としての可能性を含めてお考えを拝聴したいと思います。(島本)

■第一選択薬となりうると考えています。(羽田) 

■アリスキレンとARBを併用した場合の相加的効果を期待しています。(小室) 

■第一選択薬として処方します。
ACE-I,ARBとの併用については,現時点の知見からは有意な降圧効果の上乗せを示さないと考えられる一方で,臓器保護を示すマーカーの変動は有意です。この点は大変重要だと捉えています。(柏木)

■降圧効果,安全性,忍容性のプロファイルから,第一選択薬としての資質を備えていると考えています。
今後明らかになるハードエンドポイントの臨床試験結果に期待をしています。(Krum) 


出典  MT Pro 2010.4.1
版権 メディカル・トリビューン社

 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
 


固定リンク | コメント (0)

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。