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< スタチンによるインスリン抵抗性をCa拮抗... | メイン | 急性心不全時の心機能に「収縮期血圧」 >
ACC2010で発表されたトライアルのうち”SORT OUT III”で勉強しました。
<目的>
通常のルーチン治療を受けている冠動脈疾患(CAD)患者において,zotarolimus溶出ステント (ZES)とsirolimus溶出ステント(SES)の有効性と安全性を比較するall-comer試験。
一次エンドポイントは9か月後の主要 有害イベント(MACE:心臓死,心筋梗塞[MI],標的血管血行再建術[TVR]の複合)。
<八尾市立病院 星田四朗 副院長のコメント>
BMS後の再血行再建術の必要性はDESの出現により半減以下になったが,安全性の面では晩期血栓症のリスクに対して不安が残る。
ステント表面に新生内膜が十分に生成されないことや炎症・リモデリングを伴うステントの不安定な装着により,ステントストラットが露出したままで血栓症が生じやすくなることが危 惧される。
このため,DESでは安全性を担保するため長期の抗血小板療法が推奨されている。
ZESは新生内膜でステントストラットを一様に覆い,ステント の不完全な装着が生じにくい。
さらに,ZESをコーティングしているポリマーは赤血球外膜のリン脂質を合成して作っているので,より安全でより炎症を生じ にくい。
本研究は第2世代DESのZESがSESよりもreal-worldでより安全で有用かを明らかにするために企画された。
結果としては,9か月後 においてZESはSESよりも主要有害イベントが有意に多かった。
18か月後においてもSESの優位性は保たれていた。
SESの有用性は,標的病変血行再 建術,心筋梗塞,ステント血栓症の頻度の低下に表れていた。
本研究では再狭窄を生じやすいハイリスク症例が多く,ZESでは内膜増殖抑制作用が弱く再狭窄 率の増加と関連し,複雑病変に対してはSESよりも有用性は低下するかもしれない。
ZESでは植込み後1週間以内に薬剤溶出は終了するがSESで は3か月間溶出する。
ZESの早期の薬剤溶出は血管壁の治癒過程を抑制し,血液と血管壁プラークとの接触が多くなり,9か月間のステント血栓のリスクが高くなる。
薬剤溶出動態を変化させたEndeavor Resoluteステントの臨床的有用性に期待したい。
1年以上の晩期ステント血栓に対する両DESの相違に関しては8,800例を3年間追跡する PROTECT studyの結果を待つ必要がある。
2009年ACCで韓国のグループが冠動脈造影(CAG) follow upをルーチンに行いSESとZESを比較し,12か月後には主要有害イベントは同等と報告している。
複雑病変を除外したENDEAVOR IVではZESとPESを比較し両者の同等性を示している。
対象病変の複雑性だけでなくエンドポイントの評価方法はイベント発生率に大きく影響する。
本研究はデンマークの5施設で行われているが,follow upとしてCAGをルーチン化せず,PCIを受けた病院での定期的な外来受診や電話での臨床状態の確認をするのではなく,それぞれの地域の病院で一般の患者と 同様に1~3か月ごとにfollowされている。
デンマークでは個人個人に生誕時に番号がついており,デンマーク国内ではどこで診察・加療しても診療 データを後日に中央のデータベースから評価することが可能である。
この方法は臨床研究のコスト削減に貢献するがイベントを過小評価するリスクがある。
どの follow up評価方法が最適かはエビデンスがないのが現状である。
<関連サイト>
■Rasmussen K et al: Efficacy and safety of zotarolimus-eluting and sirolimus-eluting coronary stents in routine clinical care (SORT OUTIII) : a randomised controlled superiority trial.
Lancet. 2010; March 13.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20231034?dopt=Abstract
■SORT OUT III: Cypher bests Endeavor at 18 months
http://www.theheart.org/article/1056151.do
■DATE registry: Three months of clopidogrel for Endeavor? Plus, Xience SPIRIT V
http://www.theheart.org/article/973901.do
■Key Clinical Data Shows That the ENDEAVOR(TM) Drug-Eluting Stent Sustains Strong Safety and Efficacy Performance over Time.
http://www.encyclopedia.com/doc/1G1-135798178.html
■Medtronic Endeavor Heart Stent Tied to Complications (Update3)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aVBIOcdvYa7Q&refer=home
■Bare-Metal Versus Drug-Coated Intracoronary Stents in Clinical Practice: Are There Guidelines?
http://vasculardiseasemanagement.com/content/bare-metal-versus-drug-coated-intracoronary-stents-clinical-practice-are-there-guidelines
■Long-Term Safety and Economic Impact of Drug-Eluting Stents
http://vasculardiseasemanagement.com/article/8727
■SORT-OUT III In Perspective
http://www.medtronicstents.com/ie/endeavor-sprint-sortoutiii.htm?gclid=CNLQrciU4KACFQG1bwod8gVLBw
<番外編>
実は「SORT OUT II」もあったんですね。
SORT OUT II
<目的>
実地臨床状況下におけるsirolimus溶出ステントとpaclitaxel溶出ステントの効果と安全性を比較する。
一次エンドポイントは9か月後の有害心イベント(MACE:心臓死,急性心筋梗塞,標的病変血行再建術,標的血管血行再建術)。
<コメント>
群馬大学医学部附属病院臨床試験部 中村哲也先生
東京大学大学院医学系研究科循環器内科 永井良三教授
sirolimus溶出ステントとpaclitaxel溶出ステントの比較については,16の無作為比較試験(RCT)をまとめたメタアナリシスにより,sirolimus溶出ステントがpaclitaxel溶出ステントよりも,標的病変血行再建術とステント血栓症において優れていることが示唆されている(J Am Coll Cardiol. 2007; 50: 1373-80)。
また,38試験18,023名の患者を集めたcollaborative network メタアナリシス(Lancet. 2007; 370: 937-48)においても,sirolimus溶出ステントがpaclitaxel溶出ステントよりも優位であることが示唆されていた。
しかし,SORT OUT IIは,両者の薬剤溶出性ステントに優位な差はないことを示した。
エディトリアルでは,本試験はこれまでで最も大きなRCTであるが,組入れ基準を満たした患者のうち実際に組入れられた割合が1/3と低かったために選択バイアスがかかった可能性があること,イベント発生率が低かったことから検出力が不十分であったこと,ステント血栓症の頻度が低くなかったことから,抗血小板薬の使用について十分な事前の議論がなされていなかった可能性があるなどの問題点を指摘している。
今後,everolimus溶出ステントやzotarolimus溶出ステントなどが登場することも予定されており,最終的な結論が得られるまでにはなお長期間を要するものと思われる。
SORT OUT II
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2002772.html
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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