戯れ言たれる侏儒
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肥大型心筋症による突然死リスクが、心電図によって予測可能であることが報告されました。
40歳未満の肥大型心筋症では、心電図によるスクリーニング感度は100%に上ったということです。
スウェーデンGothenburg大学小児科のIngegerd Ostman-Smith氏らの研究によるものです。
きょうはその記事で勉強しました。
苅尾先生のコメントも読むことが出来ました。


##肥大型心筋症の突然死が心電図で予測
同氏らは、肥大型心筋症の入院コホート群87例(HCM群)、肥大型心筋症で突然死や心停止のあった29例(HCM-CA群)、心エコーの結果が正常だった44例(正常群)、運動選手34例(運動選手群)について、心電図の結果と突然死・心停止リスクを検討した。

おもな結果は以下のとおり。
 
●追跡期間の平均値は、HCM群が10.2年、HCM-CA群のうち突然死のなかったグループは10.9年だった。
 
●HCM-CA群はHCM群に比べ、四肢誘導心電図および12誘導心電図におけるQRS電位(振幅)の合計と、QRS電位・持続時間積ともに有意に高値だった(それぞれp=0.00003、p=0.000002)。
 
●四肢誘導心電図QRS電位(振幅)の合計7.7mVs以上をカットオフにした際、突然死や心停止に関するオッズ比は18.8、感度は87%、陰性適中率は94%だった(p<0.0001)。40歳未満のHCM群については、同感度は90%だった。
 
●12誘導心電図のQRS電位・持続時間積2.2mVs以上をカットオフにした際、突然死や心停止に関するオッズ比は31.0、感度は92%、陰性適中率は97%だった(p<0.0001)。40歳未満のHCM群については、同感度は100%だった。
 
●四肢誘導心電図のQRS電位・持続時間積0.70mVs以上をカットオフにした際、突然死や心停止に関するオッズ比は31.5、感度は93%、陰性適中率は96%だった(p<0.0001)。40歳未満のHCM群については、同感度は100%だった。
 
●定性分析の結果、T波逆転(p=0.0003)、ST低下(p=0.0010)、V4における優位S波(p=0.0048)はそれぞれ、心停止のリスク因子だった。
 
●心電図の結果を元に、突然死・心停止のリスクスコアを作成したところ、スコア6以上をカットオフにすると、感度は85%に留まるが、陽性適中率は最も高かった。
 
●リスクスコア6以上カットオフで、40歳未満HCM-CA群と運動選手群との乖離が最も高かった。オッズ比は345、感度85%、特異度100%だった(p<0.0001)。

<自治医科大学 循環器科 苅尾七臣教授のコメント>
本研究は、肥大型心筋症の突然死リスクの予測に、簡便な心電図指標であるQRS電位の高さと幅の全誘導または四誘導の合計が重要であることを臨床的意義が明確な論文である。

これまで、HCMの突然死を予測する指標として、ホルターECGでのnon-sustained VTの検出、心エコーでの著明な心肥大(最大壁厚>3cm)、突然死の家族歴、失神の既往、運動負荷試験で左室流出路閉塞を示唆する血圧低下などが知られている。

本研究で示した、四肢誘導心電図のQRS電位・持続時間積0.70 mVs以上をカットオフにした際の突然死・心停止に関するオッズ比は31.5、感度は93%と極めて高い。 

以前の研究では、心エコーの最大壁肥厚>3cmを予測指標にした場合、突然死・心停止の予測は感度が20%で、オッズ比は5.1であった。これと比較しても、今回、簡便なECGで評価したQRS電位・持続時間積を用いたリスクの予測が臨床的にも大変、有用であると考えられる。

研究対象者数が少ないことから、さらに、今後、多くの患者のデータベースで本エビデンスが検証されることが望まれる。

出典 Care Net.com 2010.3.26
版権 ケアネット社

<自遊時間>
きょうは昼から、地区医師会の学術講演会の座長をすることになっています。
日頃よく知っている先生なので、最初の紹介を(通り一遍でない形で)どのように行えばいいのかと悩んでいます。
会員の先生方にとって有意義な講演会になるといいのですが。

演題は「ARB とACE阻害剤の使い分け」です。
スポンサーが田辺三菱なので大方の話の流れは想像がついてしまいます。


 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
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