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血小板機能検査、ステント留置術の転帰を予測可?
冠動脈ステント留置術を受けた患者1069名を対象に、血小板機能検査で臨床転帰を予測できるか前向きコホート研究で検証。
検討した検査法のうち3つで血小板機能の亢進を認めた患者で、全死因死亡、急性心筋梗塞、ステント血栓症、虚血性脳卒中が高率だったが、著者らは予測精度はそれほど高くなかったと指摘している。
原文
Comparison of Platelet Function Tests in Predicting Clinical Outcome in Patients Undergoing Coronary Stent Implantation
JAMA. 2010;303(8):754-762.
出典 m3.com 2010.2.26
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/2/26/10198//
このJAMAへ掲載された論文については
日経メディカルオンライン 2010.3.15
で詳しく紹介されています。
JAMA誌から
ステント留置後の血小板機能検査で得られる利益は少ない
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201003/514530_2.html
出典 NM online 2010.3.15
版権 日経BP社
■冠動脈ステントの留置後、患者には抗血小板薬の2剤併用が行われる。
だが、治療に対する反応性は患者ごとに異なる。
そこで、オランダSt Antonius病院のNicoline J. Breet氏らは、治療中の血小板活性を知るための最適の検査法を同定しようと、6通りの血小板機能検査の精度を比較する前向きコホート研究を行った。
この結果、3通りの検査が有用性を示したものの、アテローム血栓性イベント発生の予測精度は中程度に留まった。
■アスピリンとクロピドグレルという抗血小板薬2剤の併用は、ステント留置を含むPCI適用患者のアテローム血栓性イベントを抑制する。
しかし、患者ごとに治療に対する反応性は異なるため、個々の患者の血小板活性を正確に知り、イベントを回避するための介入を行うことは重要だ。
■著者らは、臨床転帰の予測において有用かどうかという観点から、血小板機能検査法を比較する単施設試験Popularを実施した。
■この試験は、ステント留置を含むPCIを受け、クロピドグレルとアスピリンを使用している患者を対象に、複数の血小板機能検査法のアテローム血栓性イベント予測能力を比較したもの。
■冠動脈疾患で、2005年12月から2007年12月の間に待機的な冠動脈ステント留置術を受けた人々を、連続で1069人(平均年齢は64歳)登録。
すべての介入はガイドラインに沿って行われた。
患者は、ステント留置前から最適な用量のクロピドグレルとアスピリンの投与を受けていた。
術後1年間はクロピドグレル75mg/日とアスピリン80〜100mg/日を投与した。
■ステント留置後、維持用量のクロピドグレルとアスピリンを使用している患者から採血し、以下の方法で血小板活性を測定した。
中略
■著者らは結論として、今回の結果は少なくとも、イベントリスクが低い患者に血小板機能検査を行っても利益はほとんどないことを示した、と述べている。
<コメント>
たまたまCare Net.comを検索していて同じ元論文の紹介がされていました。
血小板機能検査は冠動脈ステント留置後の予後に役立つか?
http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=12795
Care Net.com 2010.3.22
Cardiology News Nowのコーナーで自治医科大学 循環器科 苅尾七臣教授がコメントをつけていました。
以下、引用します。
冠動脈疾患患者のステント治療後には、アスピリンとチエノピリジンの2剤を用いた強化抗血小板療法により、心血管イベントの発生リスクが低下することが知られている。しかし、このような2剤を用いている状況下においても、血小板凝集抑制効果には個人差があり、血小板凝集が十分に抑制されていないこともある。
これまでの研究では、この抗血小板療法中の残存血小板機能が院内合併症の発生リスクに影響を与えることが示されているが、いずれの研究も1つの血小板凝集試験により評価している。
しかし、血小板凝集能の検査は、採血から測定までの時間や凝集惹起物質の種類や濃度、測定器などの影響を大きく受け、その結果は検査方法により大きく異なる。
こういった背景を受けて、どのような血小板機能検査が、実際の臨床的に有用であるかを検討したが、3つの検査法で、凝集亢進群でその後の心血管イベント発生リスクが2倍増加していた。一方、凝集能と出血イベントのリスクとは全く関連がなかった。
血小板凝集能は煩雑で、標準化も十分になされておらず、その予後予測能もあまり高くないことから、現時点で直ちに臨床的に測定した方が良いとは言い難い。
しかし、今後、新規の抗血小板薬が多く登場してくる。その薬効と出血リスクの至適治療範囲の基準を設定の代替指標としての血小板凝集能の評価は極めて重要である。今後、血小板凝集検査の標準化が待たれる。
版権 (株)ケアネット
<関連サイト>
血小板凝集能検査, Platelet aggregation
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/gyouko/pa.htm
<番外編>
ABI低値例、アスピリンによる心・脳血管イベント予防効果認めず
ABI低値(0.95以下)で心血管疾患既往のない患者3350名を対象に、アスピリン100 mg 1日1回投与の有効性を二重盲検無作為化比較試験で検討。その結果、プラセボ群と比較して心・脳血管イベント予防効果に有意差は認められなかった。
原文
Aspirin for Prevention of Cardiovascular Events in a General Population Screened for a Low Ankle Brachial Index
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/303/9/841
出典 m3.com 2010.3.8
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/03/08/10221/
シロリムス溶出ステント、ゾタロリムス溶出ステントに比べ有害事象低率
冠動脈疾患を有する成人患者1162名を対象に、シロリムス溶出ステントとゾタロリムス溶出ステントの有効性・安全性を単盲検優越性試験で比較。9カ月および18カ月追跡後の心臓死、心筋梗塞、標的血管の血行再建などの有害事象発生率は、シロリムス溶出ステント群で低率だった。
原文
Efficacy and safety of zotarolimus-eluting and sirolimus-eluting coronary stents in routine clinical care (SORT OUT III): a randomised controlled superiority trial
The Lancet, Early Online Publication, 15 March 2010
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)60208-5/abstract
出典 m3.com 2010.3.18
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/03/18/10288/
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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