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< 降圧治療の「失敗」判定 | メイン | COMPASS-HF >
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、ルーチンの末梢保護(DP)は有害な心イベントの発症率の増加をもたらすという研究論文が「Journal of the American College of Cardiology」2010年3月2日号に掲載されました。
きょうは、その紹介記事で勉強しました。
結論は
「フィルターワイヤーのルーチンの使用は推奨されず、STEMI患者に対するプライマリPCI施行時にはおそらく避けるべきである」
ということでした。
DEDICATION(Drug Elution and Distal Protection in ST Elevation Myocardial Infarction: ST上昇型心筋梗塞における薬剤溶出および末梢保護)試験という臨床試験の存在も初めて知りました。
末梢保護を受けたSTEMI患者ではステント血栓症および血行再建術が増加
デンマーク、オルフス大学病院(Skejby)のAnne Kaltoft氏らは、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受け、DPまたは従来治療のいずれかにランダム(無作為)化されたSTEMI患者626人のデータを分析した。
患者はDEDICATION試験に参加しており、15カ月間の追跡調査を受けた。
その結果、DP群では明らかなステント血栓症の発症率が高かった(9例 vs. 1例)。
また、DP群では、臨床的に刺激した標的病変の血行再建術(31例 vs. 18例)および標的血管の血行再建術(37例 vs. 22例)が多く認められた。
著者らは「短期、中期、長期的な血管造影または臨床エンドポイント(評価項目)に関して、今回のランダム化試験ではベネフィットがみられなかった。これとは対照的に、ルーチンのDPを受けた患者群では、15カ月以内の有害な心イベント発症率が有意に高かった。DPを評価した以前の試験結果と併せると、DEDICATION試験の結果は、現状のフィルターワイヤーのルーチンの使用は推奨されず、STEMI患者に対するプライマリPCI施行時にはおそらく避けるべきであることを示している」と述べている。
<原文>
Increased Rate of Stent Thrombosis and Target Lesion Revascularization After Filter Protection in Primary Percutaneous Coronary Intervention for ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
J Am Coll Cardiol, 2010; 55:867-871
15-Month Follow-Up of the DEDICATION (Drug Elution and Distal Protection in ST Elevation Myocardial Infarction) Trial
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/abstract/55/9/867
出典 HealthDay News 2010.2.26
<番外編 その1>
重症心不全への貧血治療開始時のHb値は10g/dL以上がよい
重症心不全患者にしばしば合併するのが貧血で、治療の1つに赤血球造血刺激因子(EPO)投与があるが、EPO治療はHb値が10g/dL以上で始め、2g/dL以上の上昇がみられれば、貧血や心不全の改善が期待できる可能性が示された。
第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)で、国立病院機構まつもと医療センター松本病院循環器科の矢崎善一氏が発表した。
出典 NM online 2010.3.10
版権 日経BP社
<番外編 その2>
AF患者の血栓リスク評価はCHADS2スコアにCKDを追加すると精度向上
CHADS2スコアは、心房細動(AF)患者の血栓リスクを良好に反映する指標として、近年普及してきた。
このCHADS2スコアに慢性腎不全(CKD)の有無を組み合わせて層別化することにより、AF患者の死亡リスクを予測するツールとして使える可能性が示された。
東京大学臨床疫学システム講座の鈴木信也氏らが、第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)にて報告した。
鈴木氏らは、今回の発表に先立ちCHADS2スコアは血栓塞栓症だけでなく死亡リスクとも相関することを見出している。
そこで同スコアにCKDの有無という新たな基準を組み合わせることにより、さらに予測精度が向上するのではないかと鈴木氏らは考え、今回の解析を行った。
中略
解析の結果、CHADS2スコアが増加するに従って死亡率は増加した。
また、すべてのスコアグループにおいて、CKDのある群のほうがない群より死亡率が高率であった。
それぞれのグループ・群における死亡原因をみると、CKDのある群ではCHADS2スコア1または2の比較的低い層に心不全死が多くみられた。
脳卒中、血栓塞栓症による死亡は、CKDのない群ではCHADS2スコア≧4のグループに多くみられたのに対し、CKDのある群ではCHADS2スコア3のグループでの発生が最も多かった。
以上の結果から、CHADS2スコアにCKDの有無を組み合わせた二元的なスケールはAF患者の死亡リスクを良好に反映すること、CKDのある群では、CKDのない群と同じCHADS2スコアであっても死亡リスクは高いことが示唆された。
鈴木氏は、「CKDのある患者は、比較的低いCHADS2スコアであっても細心の注意を払い、ARBの投与など積極的な治療を考えるべきであろう」と述べた。
出典 NM online 2010.3.10
版権 日経BP社
<「CHADS2スコア」の復習>
Congestive heart failure(心不全)、Hypertension(高血圧)、Age(年齢;75歳以上)、Diabetes(糖尿病)、Stroke(脳卒中)の頭文字をとったもの。C・H・A・Dの項目に該当すれば各1点、Sの既往があれば2点とカウントし、合計スコアが0点なら血栓塞栓症を生じるリスクは低く、1-2点なら中等度リスク、3点以上は高リスクと評価される。
<番外編 その3>
ミグリトールがMetS患者の内臓肥満を改善して動脈硬化リスクを低減
内臓肥満はメタボリックシンドローム(MetS)の基盤となる病態で、他の危険因子の「呼び水」となって動脈硬化のリスク集積を促進する。琉球大学第二内科の島袋充生氏らは、αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)ミグリトールが内臓肥満の改善に働くことを、第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)にて報告した。
演者らは、α-GI投与によって食後高血糖が改善して過剰なインスリン分泌を抑える可能性があり、内臓脂肪の蓄積も抑制されるのではないかと推測。
その仮説を検証するため、ミグリトール投与と非投与との比較試験を計画した。
中略
12週間のミグリトール治療はMetS患者の耐糖能とインスリン抵抗性を有意に改善すると同時に、内臓肥満を改善して体重やBMIの減少をもたらすことが示された。
演者は、「MetSの基盤である内臓肥満が、ミグリトール投与によって改善されるのであれば、インスリン抵抗性と耐糖能のさらなる改善が望めるのみならず、代謝異常や血行動態異常なども含めた動脈硬化リスクの総合的な改善も期待できるかもしれない」と述べた。
出典 NM online 2010.3.10
版権 日経BP社
<自遊時間>
念願の自院のホームページを現在作成中です。
何を今更と思われる先生方も多いでしょうが、手作りのため結構大変です。
開設を目前にして軽い興奮状態にあります。
その他
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