| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
< アポリポ蛋白B合成阻害剤 Mipomer... | メイン | 危ない早期再分極 >
初診の心不全患者に占める拡張性心不全(heart failure with preserved EF)の頻度は従来の報告より高く、収縮性心不全と比べて予後は良好である。
第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.4~7, 京都)で心臓血管研究所付属病院の仙波宏章先生が報告した記事で勉強しました。
#初診患者では拡張性心不全の頻度高く、予後は比較的良好−−心研データベースより
■拡張性心不全は、明らかな心不全症状を呈していながら左室駆出率(LVEF)は保たれている病態。
高齢患者の増加などで近年注目が高まっているが、頻度や臨床像はまだ十分に検討されていない。
今回の報告は、心臓血管研究所が2004年度から初診患者を全例登録して予後などを追跡している心研データベースを用いて、初診で心不全と診断された患者に占める拡張性心不全の頻度を調べ、病態や予後を収縮性心不全と比較した。
■2004年度から2008年度まで、インフォームド・コンセントを経て登録された初診患者1万1124人のうち、初診で心不全(NYHA分類 II度−IV度)と診断されたのは1543人。
外来患者の割合が高いことから、軽度の心不全が多く、NYHA II度が75.2%を占めた。
LVEFの平均は56.0±18.4%だった。
■拡張性心不全はEF≧50%の心不全、収縮性心不全はEF<50%の心不全とした。
この定義に沿って、心エコー検査で評価できた心不全患者1492人を拡張性と収縮性に分けると、拡張性は1012人(67.8%)、収縮性は480人(32.2%)だった。
両群の患者背景を比較すると、拡張性には、高齢(65.3歳 vs. 62.1歳)、女性が多い(35% vs. 19%)、NYHA II度が多い(83% vs. 60%)といった特徴が確認された。
■平均497日のフォローアップで、両群の総死亡数は96人で、心臓死は45人。
1年死亡率は拡張性が有意に低かった(3.0% vs. 10.0%)。
心不全入院も拡張性が有意に低く(9.4% vs. 32.5%)、拡張性の方が収縮性よりも予後は総じて良好だった。
■これまでの日本および欧米における拡張性心不全の主要な報告では、心不全に占める拡張性心不全は日本では3〜4割、欧米では3〜5割程度。
今回の報告はこれらと比べて、拡張性の割合がかなり高くなっている。
従来の報告との差異について仙波氏は、「単一施設における集計ということと、都心部で紹介患者が多いという要因が影響していると考えられる」としつつも、「軽症心不全を対象に広げると、拡張性心不全はかなりの頻度で存在していることを示唆している」とし、今後の検討の必要性を指摘した。
出典 NM online 2010.3.5
版権 日経BP社
<拡張性心不全 関連サイト>
拡張期心不全への対応 その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20100114/_1_2_
拡張期心不全への対応 その2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20100115/_2_2_
拡張不全の病態と背景
http://blog.m3.com/reed/20090707/1
拡張機能障害を伴う高血圧とCCB
ttp://blog.m3.com/reed/20100116/_CCB
<コメント>
「拡張期心不全」
「拡張機能障害」
「拡張不全」
「拡張性心不全」
いろんな用語が乱立しています。
<番外編 その1>
虚血性心不全に対するスタチン治療は心不全による入院を減少させるが、非虚血性心不全患者にスタチンによる治療を行っていても入院率は減少しなかった.
第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.4~7, 京都)で、心臓血管研究所付属病院循環器内科の増田慶太先生が発表した記事です。
先の発表と同じく「心研データベース(Shinken Database)」に基づいた研究です。
#スタチンの入院予防効果、虚血性と非虚血性心不全で違い
■スタチン治療が心不全患者の入院に対してどのような影響を与えるかについては、まだはっきりとしていない。
現状では、肯定的なスタディと否定的なスタディがともに報告されているが、これらのスタディは虚血性心不全と非虚血を合わせて解析している。
そこで、増田氏は、同院を受信した心不全患者を登録しているShinken Databaseを対象として、スタチン治療の効果について虚血性心不全と非虚血心不全に分けて解析した。
■2004〜2007年に同院を受診した新患8917人を対象にした。フォローアップ期間は396.3±406.6日だった。
その中から、NYHAが2から4の有症候性の心不全患者を1256人抽出し、その患者をさらに、虚血群(614人)と非虚血群(642人)に分けた。
■非虚血性心不全のグループではスタチン治療群とスタチン非治療群の間で心不全による入院に有意差はなかった(p=0.08)。
一方、虚血性心不全のグループでは、スタチン治療群はスタチン非治療群と比べて心不全による入院が有意に少ないことが明らかとなった(p=0.02)。
■非虚血群と虚血群の患者背景については、虚血群では男性の割合と平均年齢がやや高く、高血圧や糖尿病などが多かった。
一方、非虚血群では心筋症や弁膜症、心房細動などが高い割合で見られ、投薬にもそれらに見合った違いが出ていた。
■脂質値については、総コレステロール値(両群ともに193mg/dL程度)とLDL-C値(両群ともに112mg/dL程度)に有意差はなかったが、トリグリセリドは非虚血性群116.2±67.8mg/dLに対して虚血性群136.4±96.8mg/dLと高く(p<0.001)、HDL-C値は非虚血群55.9±18.2mg/dLに対して虚血群49.4±15.0mg/dLと虚血群が有意に低かった(p<0.001)。
NYHAによる心不全の重症度分類は両群間に有意差はなかった。
出典 NM online 2010.3.6
版権 日経BP社
<コメント>
心不全の原因を非虚血群と虚血群の2群に分けて検討したところがポイント思われます。
しかし、両群をクリアカットに分類出来るかというと少し疑問が残ります。
弁膜症や心筋症がそれほど多くあるとも思えず、両群が同様の症例数になるのも不自然に思われます。
虚血性心筋症、およびそれに伴う弁膜症。
考えだすときりがありません。
しかし、虚血性群でHDL-C値が有意に低いという結果は大いに頷けます。
両群間で脂質に(HDL-C値以外には)差がなかったということは、スタチンの多面作用(抗炎症,抗酸化,血管内皮機能改善など)が働いているということでしょうか。
虚血性心不全群で効果があったことの考案はどうなっているのでしょうか。
スタチンの心不全に対する効果はdrug effectが指摘されています。
使用されたスタチン別の検討はされたのでしょうか。
<関連サイト>
スタチンと心不全
http://blog.m3.com/reed/20100123/1
■スタチンと心不全については、内外のさまざまな観察研究から明らかにされています。
しかし,最近行われた2つの前向き試験ではポジティブな結果が得られなかったようです。
いずれもロスバスタチンの試験ですが、その一つは虚血性心不全を中心としたCORONAで、もう一つは非虚血性心不全を含めたGISSI-HFです。
現在国内ではPEARL(Pitavastatin Heart Failure)studyが進行中です。
■不全による入院の減少はアトルバスタチンにおいて特に顕著であり、駆出率の改善はアトルバスタチンまたはシンバスタチンのみで認められた。
■照的に、ロスバスタチンには、心不全増悪による入院または死亡の減少、収縮機能の改善との関連性はなかった。
■ロスバスタチンと違い、シンバスタチンおよびアトルバスタチンは脂溶性であることが心臓への作用に違いが出ている可能性がある。
<番外編 その2>
#幸福な人が心疾患を発症する可能性は低い
■幸福で前向き(ポジティブ)な人が心疾患を発症する可能性は低いとの研究論文が、「European Heart Journal」オンライン版2月17日号に掲載された。
■米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク市)のKarina W. Davidson氏らは、成人1,739人における前向きな感情(前向きな情動を言語、行動、口調によって表現)の程度を聴取し、評価した。
■さらに、前向きな感情と冠動脈疾患(CHD)発症の関係について検討した。 その結果、前向きな感情が強い人ほど、健康状態が全般的に良好である可能性が高かった。
■その後の10年間で、145人(8.3%)に非致死性または致死性急性虚血性心疾患イベントが発症した。
年齢、性別、心血管リスクファクター(危険因子)、後ろ向き(ネガティブ)の感情に関して調整した結果、前向きな感情が強いほど冠動脈疾患発症リスクが低かった(調整後オッズ比0.78)。
■既報の通り、抑うつ症状は冠動脈疾患の予測因子であったが、敵意および不安は予測因子ではなかった。
■米ミシガン大学医学部(アナーバー)のBertram Pitt氏およびPatricia J. Deldin氏は添付論説において、「Davidson氏らの所見および仮説が、前向きな感情の増進の心血管リスクに関連した生理学的異常に及ぼす影響に関する今後の研究を刺激するのであれば、おそらく我々皆が微笑むであろう」と述べている。
出典 HealthDay News 2010.2.18
Don't worry, be happy: positive affect and reduced 10-year incident coronary heart disease: The Canadian Nova Scotia Health Survey http://eurheartj.oxfordjournals.org/content/early/2010/02/17/eurheartj.ehp603

熊谷守一『雨滴』(昭和36年/1961)
http://www.mypress.jp/v2_writers/devenir/story/?story_id=1581151
<コメント>
少し前に、熊谷画伯の特集をTVで放映していました。
この絵のすごいところは、じっと画伯が雨を観察して水面に落ちる雨滴を描いたということです。
写真家は「1/1000のシャッタースピードでも捉えられない」といいます。
高速度カメラのない頃の絵ですが、番組では最新技術を駆使して、この水滴の形を捉えています。
語録
■「絵というものの私の考えはものの見方です」
■「絵なんてものは何も描かない白いほどきれいなものはないんです。人間ってものは情けないもので絵でも描いて遊ぼうというんでしょうね」
その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く