戯れ言たれる侏儒
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< ニコランジルのエビデンスと作用機序 その... | メイン | NAVIGATOR試験 >

CKDを合併したCVD患者に、運動療法を行って脂質値(特に中性脂肪)が改善すると、腎機能障害の進展が抑制されるという発表が第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)でされました。
発表者は熊本大循環器病態学外山研介先生です。
##心・腎疾患合併例に対する運動療法は腎機能障害を改善
■心血管疾患と慢性腎臓病の合併は、心血管死の高リスク因子だ。
また、近年、循環器領域では、心疾患患者における心臓リハビリテーション(運動療法)の効果が注目を集めており、運動療法群は非運動療法群に比べて有意に心血管イベントや心血管死が少ないことが判明している。

■1990年代ごろから動物実験などで、運動は腎障害進展に対して保護作用を有することが示され始め、さらに2008年には、有酸素運動は慢性腎臓病者の尿中微量アルブミンを抑制し、腎機能(eGFR)を改善することが報告された。
そこで、外山氏は、CKDを合併した心血管疾患患者において、運動療法が腎臓に与える影響を評価した。

■対象はCKDを合併する14人のCVDの患者。CVDの内訳は、狭心症4例、冠攣縮性狭心症2例、陳旧性心筋梗塞4例、急性心筋梗塞2例、腹部大動脈瘤1例、大動脈乖離1例。平均年齢70.1±12.2歳、男性13例、女性1例、平均BMIは25.3±3.8Kg/㎡、虚血性心疾患12例(85.7%)、左室駆出率(LVEF)57.8±10.3%だった。

■これら対象者を、非運動群(5人、平均eGFR47.1±12.4ml/min/1.73㎡)と、運動群(9人、平均eGFR48.5±13.6ml/min/1.73㎡)に分け、心肺運動負荷試験であるCPETおよび採血を評価した。観察期冠の平均は87.1±2.9日。

■患者背景については、非運動群は平均年齢68.4±18.7歳、全員が男性、BMI26.0±3.3Kg/㎡、収縮期血圧132.0±26.1mmHg、拡張期血圧79.6±10.4mmHg、左室駆出率58.0±6.5%、全員が高血圧、糖尿病20%、脂質異常100%、喫煙率20%。

■一方、運動群は、平均年齢71.1±8.1歳、男性8例女性1例、BMI24.9±4.3Kg/m2、収縮期血圧120.8±19.3mmHg、拡張期血圧68.9±9.3mmHg、左室駆出率57.8±12.4%、高血圧89%、糖尿病56%、脂質異常78%、喫煙率11%と、年齢、性別、BMI、血圧、登録時の心機能、運動耐容能、リスクファクター、服薬などのいずれにおいても両群間で有意差は認められなかった。

■観察の結果、非運動群では観察期間中に運動耐容能がさらに低下したのに対し、運動群では運動耐容能は有意に改善していた。そして、運動群では、運動耐容能の改善に従って腎機能の改善を認めた。
腎機能の変化量と運動耐容能の変化量は強い相関を示していた。

■各脂質成分の変化をみると、運動群のトリグリセリドは非運動群に比べて有意に改善しており、LDLコレステロールは非運動群と比べてより減少する傾向にあった。
HDLコレステロールは非運動群よりも増加量が多い傾向にあった。HDLコレステロールはeGFRの変化量と正の相関する傾向にあり、トリグリセリドは有意な負の相関があることが認められた。

■一般的に、運動療法は、肥満の改善や血圧低下、インスリン抵抗性の改善、脂質代謝異常の改善、酸化ストレスの減少、内皮機能の改善などの効果により、抗動脈硬化作用を示すと言われている。
中でも脂質代謝異常の改善については、運動によるHDLの増加、TGの減少効果などが影響すると考えられている。
2006年にCKD患者は高中性脂肪や低HDLコレステロールを呈している例が多く、これが腎機能悪化の悪循環を起こす可能性があると報告された。
さらに、2009年には、CKD患者において中性脂肪は独立したリスク因子と報告された。

■今回の結果とこれまでに報告された知見から、外山氏は、「CKD患者において、中性脂肪高値とHDLコレステロール低値が改善することは、腎機能悪化の悪循環を打ち切ることになるのではないか」と述べた。

出典 NM online 2010.3.9
版権 日経BP社

<番外編>
第74回日本循環器学会総会・学術集会の(2010.3.5~7, 京都)モーニングレクチャー「新型インフルエンザと心筋炎」で、新型インフルエンザA/H1N1によって心筋炎を発症した症例報告などが行われた。

#新型インフルエンザによる心筋炎の心症状は多様
■講演ではまず、京都大学循環器内科学准教授の松森昭氏が、ウイルス性心筋炎について概説。
心筋炎を起こすウイルスとしては、コクサッキーウイルスやC型肝炎ウイルスなどが知られているものの、インフルエンザウイルスも心筋炎を引き起こすことを指摘するとともに、過去の論文などでは心筋炎の数%がインフルエンザによるものと考えられていると説明した。

■また、新型インフルエンザA/H1N1によって心筋炎を発症した患者の心筋を免疫染色した病理写真を提示。
「詳細な検討が必要だ」としながらも、心筋にインフルエンザウイルスが浸潤している様子が示された。

■講演では心筋炎を発症した症例についても報告された。
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター循環器科の中村牧子氏は、劇症型心筋炎を発症した11歳の症例を提示。
同センターは同症例に対し、人工心肺装置(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング補助、持続的血液濾過透析(CHDF)、γグロブリン大量療法、ステロイドパルス、オセルタミビル(商品名タミフル)投与を施行して、救命することに成功した。
中村氏は「臓器障害が進行する前にPCPSを導入したことが救命につながった」と振り返った。

■同じく劇症型心筋炎を発症した31歳の症例を経験した広島大病院高度救急救命センターの西岡健司氏も、急激な循環破綻を来たしたことから補助循環の導入を行ったことなどを報告。
同症例の慢性期の心筋生検所見を示し、「炎症細胞が浸潤し、空胞を形成している」と説明した。

■しかし、国内において心筋炎を発症した症例が、どれも似ているわけではない。
大阪医科大総合診療科の浮村聡氏は、これまでに新型インフルエンザによって心筋炎を起こした全16症例の概要を紹介。
心症状はたこつぼ様、3度房室ブロックなどさまざまであることが明らかになった。
また、浮村氏は「心症状が発現する時期は、第1病日の症例もあれば第51病日の症例もある」と、症状、発現時期が一様ではないことを強調した。

■同氏は日本循環器病学会として、新型インフルエンザによる心筋炎の病像と臨床像を明らかにし、早期診断、早期治療の有効性を検証する目的で、症例調査研究を始めることを発表した。
症例調査研究の対象は、新型インフルエンザと診断され、入院した患者。

■調査では、病歴や診察所見、心電図(小児では必須ではない)、心筋逸脱酵素、胸部レントゲンなどから心筋炎が疑われる症例については、心臓超音波検査を実施。学会へ報告するとともに、急性及び慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドラインに準じて、治療を行う。

■また、心臓超音波検査で異常が認められなかった症例についても、経過観察を行い、必要に応じてバイオマーカー、心臓超音波検査を再施行する。
これまで急性心筋炎に対する、大規模な疫学調査は行われていないことから、早期診断の有用性などが明らかになれば、今後のインフルエンザの診断、治療にも影響する可能性がありそうだ。

出典 NM online 2010.3.9
版権 日経BP社


宮本三郎「花」6号M
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その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
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 井蛙内科/開業医診療録(4)
2009.10.16~
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~2009.10.15
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(内科医向き)
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