戯れ言たれる侏儒
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< PATROL試験 | メイン | 発作性AFに対する発生・進展抑制効果 >

アムロジピン5mgでコントロール不良な高血圧患者の約半数が、同剤の増量によってコントロールが可能になるという発表で勉強しました。

第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)での自治医科大学循環器内科の苅尾七臣先生らが発表したものです。

##降圧不十分な患者の半分がアムロジピン増量でコントロール可能に──ACHIEVE試験より
■対象は、2009年2月以降にアムロジピンを5mgから10mgに増量し、外来および家庭血圧を測定した高血圧患者。
苅尾氏らは、インターネット医療情報サービス「ケアネット」を通じて同サービスの会員医師に協力を呼びかけ、753例の症例を登録。
処方開始時と次回来院時(1カ月後)、調査終了時(3カ月後)の各時点における症例情報を追跡した。
主要評価項目は、外来および家庭血圧値、副次評価項目として、外来血圧における降圧目標達成率があげられた。

中略

■アムロジピン増量前の血圧値は、外来血圧が156.4/86.3mmHg、家庭血圧が151.5/83.9mmHgであった。処方された降圧薬数は、1剤(アムロジピンのみ)が43.6%、2剤が36.9%であり、3剤以上の併用例は19.6%であった。主な併用薬は、ARB(38.3%)、利尿薬(10.6%)、ARBと利尿薬の合剤(7.7%)などであった。

■アムロジピン増量後の血圧は、3カ月間で外来血圧が18.9/9.8mmHg、家庭血圧が16.0/8.7mmHg低下し(ともにp<0.001)、外来血圧は137.5/76.5mmHg、家庭血圧は135.5/75.2mmHgとなった。
これに伴い、外来収縮期血圧≧140mmHgかつ家庭収縮期血圧≧135mmHgの「コントロール不良例」の割合は、増量前の88.5%から半分以下の32.6%へと激減した(p<0.01)。

■増量に伴う降圧効果は、増量前の処方内容にかかわらず一貫して認められた。
また、増量前の収縮期血圧と増量による降圧度の間には有意な相関が認められ、増量前に血圧が高かった患者には増量により大きな降圧が期待できるとともに、増量前の血圧がさほど高くなかった患者では降圧度は少なく、過度な降圧が生じる恐れは少ないことが示された。

■また、増量に伴い、CCBに特徴的な副作用である反射性の交感神経活性亢進が増強される可能性が懸念されたが、いずれにおいても心拍数への影響は認められなかった。

■以上のように、アムロジピンの倍量投与は、安全に降圧効果を増強できる手段であり、日常診療で頻繁に遭遇するコントロール不良の高血圧症例に対する有用な選択肢となるものと考えられた。
また、10mgに増量した場合でも、併用する降圧薬の種類に関係なく、高い血圧は下げ、低い血圧は下げすぎずに安定した降圧効果を発揮するというアムロジピンの特性も確認された。

■一方で、外来血圧、家庭血圧ともにガイドラインが掲げる降圧目標値を達成できた患者の割合は、増量前の0.3%に比べて増量後は大きく増加したとはいえ24.4%にとどまった。
とくに、糖尿病、CKD、心筋梗塞のいずれかを有する患者(n=270)における目標達成率は増量後でも8.9%にすぎず、ハイリスク患者に対してはアムロジピンの増量とともに更なる介入が求められることも明らかになった。

出典 NM online 2010.1.12
版権 日経BP社

<番外編 その1>
#アムロジピンは本態性高血圧患者のRhoキナーゼ活性を阻害
Rho/Rhoキナーゼ系は、細胞のCa2+感受性を亢進させることによって血管収縮を促進し、高血圧の継続や進展に関連することが推測されている重要な系だ。
広島大学循環器内科の端孝樹氏らは、カルシウム拮抗薬(CCB)にはRhoキナーゼ活性を抑制する作用があり、それがCCBの血管拡張、降圧機序の一端を担っている可能性があることを、第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)にて報告した。

■RhoキナーゼはRho/Rhoキナーゼ系の中核を担う酵素であり、細胞増殖や遊走、接着、アポトーシス、収縮など細胞の多彩な機能を媒介することがわかっている。
Rhoキナーゼ活性が、血管平滑筋の収縮に関与している。
端氏らは、降圧薬治療中の本態性高血圧患者コホートにおける横断調査と、未治療の本態性高血圧患者を対象としたCCBアムロジピン対ARBロサルタンの前向き比較試験という2つのアプローチにより、Rhoキナーゼ活性に及ぼすCCBの影響を検討した。

■横断調査の対象は、降圧薬にて治療中の本態性高血圧患者571例。
これらの患者の末梢血白血球を採取し、ミオシン脱リン酸化酵素のミオシン結合サブユニット(MBS;Rhoキナーゼによるリン酸化の標的)の総量と、リン酸化を受けたMBS量を定量し、両者の比(pMBS/MBS比)を求めることによってRhoキナーゼ活性を評価した。

■その結果、CCB投与を受けていない患者(n=457)のpMBS/MBS比は0.82±0.60であったのに対し、CCB投与を受けている患者(n=185)のpMBS/MBS比は0.71±0.48と有意に低く(p<0.05)、Rhoキナーゼ活性の低下が示唆された。
一方、レニンアンジオテンシン系(RAS)阻害薬や利尿薬、β遮断薬の投与とRhoキナーゼ活性の間には有意な相関は認められなかった。

■続いて、未治療の本態性高血圧患者24例を無作為に2群に分け、一方にはアムロジピン5mg(アムロジピン群;n=12)を、もう一方にはロサルタン100mg(ロサルタン群;n=12)を12週間にわたって投与し、治療に伴う両群のRhoキナーゼ活性の変化を比較した。

■その結果、アムロジピン群のpMBS/MBS比は、ベースライン時の 0.81±0.53から4週後には0.66±0.31へ、12週後には0.69±0.31へと有意に低下した(4週間後・12週間後ともにp<0.05 vs ベースライン時)。
これに対し、ロサルタン群のpMBS/MBS比には有意な変化は認められなかった。

■なお、血圧は両群ともに有意に低下し、4週、12週とも両群の降圧効果に有意差は認められなかった。

■以上の結果から、本態性高血圧患者のRhoキナーゼ活性は、CCBアムロジピンの投与によって抑制される可能性が示唆された。

出典 NM online 2010.3.8
版権 日経BP社

<番外編 その2>
#アムロジピンとARBの併用は他のCCBとARBの併用に比べて心血管イベントを38%抑制
■アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(CCB)の併用は、臓器保護の観点から多くのエビデンスに支持される降圧薬併用パターンの王道であるが、降圧効果とともに心血管イベントの抑制効果も期待するのであれば、CCBの種類にまでこだわる必要がありそうだ。
東京女子医科大学循環器内科の小柳亮氏らは、ARBカンデサルタンとの併用薬にアムロジピンを用いた場合のイベント発生は、他のCCBを用いた場合に比べて38%抑制されたことを、第74回日本循環器学会総会・学術集会(2010.3.5~7, 京都)にて発表した。

■本検討は、高血圧を合併した冠動脈疾患(CAD)患者2049例を対象に、カンデサルタンをベースとする降圧治療とARB以外の薬剤をベースとする降圧治療の心血管イベント抑制効果を4.2年(中央値)にわたって追跡した日本人における大規模臨床試験HIJ-CREATE(Heart Institute of Japan Candesartan Randomized Trial for Evaluation in Coronary Artery Disease) のサブ解析としてなされたもの。同試験では、カンデサルタン群(n=1024)のうち335例がジヒドロピリジン(DHP)系CCBを併用。うち170例がアムロジピンの併用例であった。

■小柳氏らは、これらの患者(アムロジピン群;n=170)と他のDHP系CCB併用患者(非アムロジピン群;n=165)のデータを抽出し、両群における主要な心血管イベント(MACE)の発生率を比較した。
MACEの定義は、(1)心血管死、(2)非致死的心筋梗塞、(3)入院を要する不安定狭心症、(4)入院を要する心不全、(5)入院を要する脳卒中、(6)入院を要する他の心血管イベントとされた。

■その結果、アムロジピン群では非アムロジピン群に比して38%の有意なMACEの抑制が認められた。
また、非致死的心筋梗塞については73%、不安定狭心症についても48%の有意な抑制が認められた。

■なお、ベースライン時の両群の背景因子には、女性比率(アムロジピン群14.1% vs非アムロジピン群25.5%)、PCI施行率(同85.9% vs 75.8%)、収縮期血圧の平均値(同135.2mmHg vs 139.0mmHg)、アスピリン服用率(同97.1% vs 86.7%)の各項目に有意な偏りが認められた。
これらの因子について補正した結果、非致死的心筋梗塞の発症抑制における有意差は消失したが、全MACEならびに不安定狭心症に対する有意差は認められた。

■以上のように、高血圧を合併したCAD例に対するカンデサルタン+アムロジピンの併用療法は、アムロジピン以外のDHP系CCBを用いた場合に比べ、心血管イベントの抑制効果に優れることが示唆された。
アムロジピン群と非アムロジピン群の降圧効果は同等であったことから、「アムロジピンには降圧とは異なるなんらかの作用があるのではないか」と小柳氏らは推測している。

出典 NM online 2010.3.6
版権 日経BP社


 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(4)
2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
 

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