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< CKDでのACE阻害薬の併用薬は? | メイン | 論文解釈のピットフォール (1) >
循環器領域では目眩が起こるほどの実に多くの大規模臨床試験があります。
循環器トライアルデータベース
http://circ.ebm-library.jp/trial/index_top.html
しかし、その一つ一つには製薬メーカーの思惑も含めて結果が公表されるまでのドラマがあります。
ごく最近ではJUPITER試験が、ロスバスタチンの適応拡大(FDA)に寄与しました。
製薬メーカーにとってはロスバスタチンに限定された適応拡大ということで「してやったり」というところでしょうか。
正常LDL-Cへのスタチン投与
http://blog.m3.com/reed/20100214
きょうは
植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科薬物作用制御学)教授の解説でDIMEの勉強をしました。
DIME
Diuretics in the Management of Essential Hypertension Study
このDIME試験は低用量利尿薬を適切に併用すれば、糖尿病発症リスクは決して高くならないという仮説を証明するための研究であり、現時点では唯一の日本高血圧学会の共催研究です。
実は、私もエカードが発売された際には催糖尿病作用が大いに気になりました。
個人的に少しデータを集めてみようかとも思いました。
しかし、このDIME試験という存在を知りそんな心配も杞憂であることがわかりました。
日本で、追跡期間が5年もの長期にわたり製薬メーカーに頼らない医師主導型臨床試験(現時点では唯一の日本高血圧学会の共催研究)が行われているのは驚嘆に値します。
2004年1月に試験が開始され2011年12月に終了予定とのことです。
主導してみえる植田真一郎教授にはエールを送りたいと思います。
以下は
エビデンス:日本高血圧学会共催研究DIME http://www.novartis.co.jp/ebm/navigator/07DIME.html
からの引用です。
■目的と背景
利尿薬は高血圧患者において、
(1)プラセボと比較して若年軽症患者の脳卒中リスクを減少させること、
(2)高齢者高血圧では脳卒中、心筋梗塞、心不全リスクを減少させること、
(3)他の降圧薬との比較試験においても遜色ない結果が得られていること、
(4)とくにレニン-アンジオテンシン系抑制薬と併用することによって心血管事故を抑制できること
などの多くのエビデンスがあるにもかかわらず、糖尿病発症リスクなどを高めるなどの危惧から使用は少ない。
しかしこれまでの研究では低用量を用いて、β遮断薬以外の適切な併用を行えば、糖尿病発症リスクを高めることなく、効果的な降圧を介して心血管リスクを安価に減少させることができる可能性が高い。
本研究の仮説は「利尿薬を低用量(ヒドロクロロチアジド(HCTZ)で12.5mg以下)使用し、適切な併用を行えば糖尿病発症リスクを高めず、安価に降圧を行うことができる」である。
対象症例
評価項目(エンドポイント)
研究デザイン
治療プロトコール
(いずれも引用サイトを参照下さい)
■結果
現在進行中。
■本研究の特色
1.利尿薬を使用する、使用しないで降圧治療をランダム化割付して比較した研究は今までない。
2.これまでの臨床試験では利尿薬の使用量が完全に低用量といえないプロトコールが多く、投与量をヒドロクロロチアジド12.5mgあるいはトリクロロメチアジド1mgあるいはそれ以下に設定した臨床試験はない。
これまでの臨床薬理試験においてもこの量を厳守することで安全性が確保できる可能性が高く、低用量利尿薬の妥当性を初めて検討できる試験である。
3.併用薬が設定されておらず、経過をみながら適切な薬剤を選定することができる。
新規糖尿病の発症が一次エンドポイントであるため、評価がより精確である。
また、とくに高リスクの患者を対象とする試験ではなく、糖尿病合併患者は除外されているので、心血管事故は少なく、したがって糖尿病発生の評価が高リスク試験に比べて容易である。
■期待される成果
本研究により利尿薬の安全性が確立すれば、使用頻度が増え、とくに食塩摂取量の多い日本人本態性高血圧患者の降圧がより容易になり、心血管事故減少につながる。
また副作用が生じた患者の詳細な検討により、利尿薬による糖代謝悪化の危険因子、適切な併用療法が明らかになり、今後のテーラーメード降圧治療の発展に寄与する。
さらにこのような中立的な試験が実施可能な基盤が整備され、今後の医師主導型臨床試験の実施に寄与することができる。
この研究デザインは
ランダム化割付、オープン試験(PROBE法)
です。
<参考>
PROBE(prospective randomized open-label blinded-endpoint)法:
ランダム化臨床試験のデザインの一つで、二重盲検を行わず、患者も主治医も割付治療を知っている状況で行う。
エンドポイントの判定は割付を知らされていない委員会が独立して行う。
二重盲検法に比べ実施しやすく(患者の抵抗が少ない)、診療の現場を反映できる利点があるが、バイアスの混入は避けられない。
心不全や狭心症など、ときに客観的な診断が困難な(診断基準を確立しにくい)エンドポイント判定には本来適切ではない。
<関連サイト>
DIME
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/J0018.html
エビデンス(循環器領域)
http://www.novartis.co.jp/ebm/index.html
このサイトは進行中の日本人の大規模臨床試験を含む国内外の循環器領域のエビデンスが紹介されています。
サイト内の各臨床試験名をクリックすると、各内容を知ることが出来ます。
コメント付きで、なおかつRecommended Readingsも記載されていて、かなりアカデミックです。
進行中の日本人におけるバルサルタンのEBM
■VART
■VALISH Study
■Kyoto Heart Study
その他のEBM
■LIFE
■VALUEとREAL
VALUE
■ASCOT-BPLA
■TROPHY
■CASE-J
■DIME
■HOMED-BP
■PROGRESS
■SCOPE
■ACCESS
■MOSES
■Val-HeFT
■CHARM
■VALIANT
■ALLHAT
■JIKEI HEART Study
■VALVACE
■ValPREST
■AIPRI
■MDRD
■RENAAL
■IDNT
■IRMA
■MARVAL
■ABCD,ABCD-2V
■SMART
■DROP
■INNOVATION
一部を除き、お馴染みの大規模臨床試験です。
明日から一つずつ勉強して行く予定です。
<番外編>
随分古い記事ですが、「DIME試験」がいかに以前からデザインされたものかということがわかります。
#少量の利尿薬でも本当に糖尿病発症が促進されるか?、安全性検証試験が近くスタート
出典 NM online 2002.10.13
版権 日経BP社
■琉球大学、国立循環器病センター、京都大学など5医療機関が共同で、利尿薬の代謝面での安全性を検証する臨床試験を開始することが決まった。
10月13日のポスターセッションで、琉球大学臨床薬理学の植田真一郎氏らが試験の概略を発表。
「安価な利尿薬が安心して使えるようになれば、医療経済的にも意義が大きい」と訴えた。
■海外で行われた複数の大規模臨床試験では、利尿薬にカルシウム(Ca)拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬並みの心血管合併症予防効果があることが実証されつつある。
また、Ca拮抗薬やACE阻害薬と併用した場合に、降圧効果や合併症予防効果を増強する作用があることもわかってきた。
しかし、わが国で高血圧患者に処方される降圧薬は、Ca拮抗薬やACE阻害薬などが中心で、利尿薬の処方率は1割に満たないとされる。
■その理由として植田氏が指摘するのは、「薬価が相対的に安く、ほとんど宣伝が行われないうえ、患者側のコスト意識が希薄だった」点。
さらに、「糖代謝などに対する有害反応への懸念があるなか、日本人でのデータが不足しているためではないか」とも考察する。
■しかし、現在推奨されている利尿薬の投与量は、以前の4分の1程度。その量でも降圧効果は十分に得られ、しかも糖代謝や尿酸代謝への影響ははるかに少ないとのデータが海外では得られているという。
そこで研究グループは、「新たな糖尿病の発症」を1次評価項目に、利尿薬少量投与の安全性を検証する臨床試験を計画した。
■1800人を5年間追跡するという試験設計は、「仮に利尿薬使用群で糖尿病が7%、非使用群で4%発生した場合、80%の検出力で有意差検定ができる」(植田氏)との見通しに基づくもの。
両群の安全性や降圧度などが同等だった場合は、費用対効果に関する検証も行うという。
■「“少量の利尿薬”が安全に使えることがわかれば、高血圧患者への第一選択薬として、今よりもっと積極的に使えるようになる。そのためのエビデンスが得られれば」と植田氏は話す。
研究グループは、まずは来年1月から小規模のパイロット試験を行い、患者登録やデータのやりとりなどが計画通り進むかを検討するという。
その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
コメント
コメント一覧
私は循環器専門医(老人病院医?)ですが、ここの豊富な情報に目を見張るばかりです。先生のコメントもありがたいです。
過去から勉強させていただきます。
コメント有り難うございました。
本来は自分自身のためのメモであり、あまりブログにはふさわしくない内容で申し訳ありません。
お気づきのことがありましたら、また是非コメントをお待ちしております。
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