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##冠動脈疾患の画像診断:CT血管造影およびMR心筋灌流画像法が相補的に機能
コンピュータ断層撮影(CT)血管造影は冠動脈疾患(CAD)を検出または否定し、初回循環(first-pass)磁気共鳴(MR)心筋灌流画像法はCADに起因する心筋虚血を検出することで、両者は相補的に機能するとの研究論文が「Radiology」2月号に掲載された。
オランダ、VU大学メディカルセンター(アムステルダム)のJan G.J. Groothuis氏らは、胸痛を有しCADの可能性が低度-中等度の患者145人を対象として、CT血管造影および初回循環MR画像法を実施。CAD診断能および心筋虚血診断能に関し、両造影法による画像を評価した。
その結果、CT冠動脈造影によって35.9%の患者および17.9%の冠動脈に閉塞性CADが認められ、MR心筋灌流画像法では22.8%の患者および13.6%の血管に心筋虚血が認められた。
冠動脈CT血管造影でCADが検出されなかったか、CADが非閉塞性であった患者のうち、それぞれ90.5%および83.3%の患者のMR心筋灌流画像は正常であった。
さらに著者らは、MR心筋灌流画像法の結果、冠動脈CT血管造影によって閉塞性CADが認めれた患者の42.3%に心筋虚血が検出されたと述べている。
Groothuis氏らは「MR心筋虚血灌流画像法および冠動脈CT血管造影は、CADが疑われる患者の評価において相補的役割を果たす。冠動脈CT血管造影を用いれば確実にCADが否定できるが、血行動態的に有意なCADの検出能は限定される(検出には限界がある)。両造影法を併用すると、CADの形態学的および機能的関連性を包括的および非侵襲的に医師が評価できる」と結論している。
出典 HealthDay News 2010.1.29
<番外編>
【第74回 日本循環器学会総会・学術集会 2010.3.5〜7 京都】
カウントダウンメール -総会・学術集会からのお知らせ-
熊本大学循環器病態学 小川 久雄 教授
##遺伝子解析にも眼を向けた抗血小板療法の再検討
循環器疾患の治療における一次予防および二次予防において、抗凝固・抗血小板療法が重要であることは世界的にもコンセンサスが得られています。
抗凝固薬および抗血小板薬はヘパリン、ワルファリン、アスピリンが長年主役を務めてきましたが、より理想的な抗血栓療法が求められ、近年はGPIIb/IIIa 拮抗薬や抗Xa阻害薬、選択的抗トロンビン薬など新たな薬剤も開発されてきました。
しかしながら、臓器出血に代表される副作用や血中濃度半減期の長さなどへの対応をはじめ、薬剤それぞれのメリットとデメリットの判定は医師の裁量に委ねられる部分も多く、そこにエビデンスに裏付けられた指標が明示されていないことに懸念を抱く実地医家の先生方も多かったことと思います。
会長特別企画として設けられた本セッションでは、今や循環器領域においては必須の治療法の1つとなった抗血小板療法にフォーカスを当て、現状の問題点の検証とその解決に向けた方策、また精度向上に寄与すると考えられる新しい知見などを網羅的にご紹介したいと考えています。
「抗血小板療法の現況と展望」と銘打ったこのセッションは、2部形式となっています。
第1部は、現在汎用されている抗凝固・抗血小板療法を取り上げ、その有効性の根拠となるエビデンスと問題点について議論したいと考えています。
例えば、近年急速に普及した薬剤溶出ステント(DES)の留置後の抗血栓療法を取り上げています。
DESの導入で再狭窄は著しく減少しましたが、依然としてステント血栓症(stent thrombosis)の発症リスクは排除できていないため、アスピリンとチアノピリジン系薬の併用が必須となっています。
しかし、日本人における適正な併用期間に関するエビデンスは十分ではないため、今回はその検討をいたしたいと考えています。
抗血栓療法の副作用として取り沙汰される臓器出血の中でも、消化管出血の予後はきわめて悪いことが報告されています。
その対処法としては、すでにエビデンスが蓄積されているPPI(プロトンポンプ阻害薬)が予防および治療において活用されています。
ところが、抗血小板薬として汎用されているクロピドグレルの効果をPPIが減弱させることが米国で報告され、大きな問題となっています。
そこで、その現状報告と解決策についても、本セッションで検証したいと思います。
特に注目されるのは、CYP2C19と呼ばれる遺伝子の異常を有する患者において、クロピドグレルの効果がより減弱されやすいという知見です。かねてから、日本人は出血しやすい半面、抗血小板薬も効きやすいといわれていました。
しかし、CYP2C19遺伝子の異常も日本人に多いことが示唆されています。
日本人における抗血小板療法のあり方に、新たな視点をもたらす興味深い発表にご期待いただきたいと思います。
第2部は、「アスピリン療法における消化器内科医との協調」と題し、今や循環器領域にとって消化器領域とのコラボレーションが必要不可欠となってきたことを、改めて確認したいと考えています。
近年の循環器領域では心腎連関をキーワードに、心血管疾患と腎疾患との密接な関連に眼を向けてきました。
今回のセッションではCardio Gastric linkage(CGL)を新たな切り口に、循環器と消化器の連関を新たなアプローチのターゲットとすべく提唱したいと思います。
私は、1994年から心筋梗塞の二次予防におけるアスピリンの有効性に関する研究を開始しました。
そして2008年には、第81回米国心臓協会学術集会(AHA 2008)のLate-Breaking Clinical Trialsセッションにおいて、糖尿病患者における低用量アスピリンの動脈硬化性疾患一次予防効果について発表し、大きな反響を得ました。
抗血小板療法の研究はまさに私のライフワークの1つであり、同じ道を歩む多くの先生方との交流は私の貴重な財産でもあります。どうか、このセッションにご参加いただき、皆様のご意見を仰ぎたいと存じます。
<番外編>
利尿薬ベースの降圧療法でのCa拮抗薬追加群の心筋梗塞発生リスクが、他の2群(β遮断薬、RA系阻害薬)より高いという報告がされました。
利尿薬ベースの降圧療法
http://wellfrog4.exblog.jp/d2010-02-25
従来降圧利尿剤とβ遮断薬の併用は推奨されないということになっていましたが、疫学的にはCa拮抗薬の併用に問題があるということで大いに話題になりそうです。
ここで気になるのが、日本ではCSAの頻度が高いということでのCa拮抗薬は心筋梗塞発生リスクを低下させると信じられていることです。
このことに関するエビデンスがあるかどうかも知りませんが、人種差はどうなっているのでしょうか。
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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