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##小さな腹部大動脈瘤の成長率は介入の必要性を予測
#小さな腹部大動脈瘤(AAA)が成長するのは半数のみであり、1年間に1.5mm未満の成長であれば臨床的意義はほとんどないということが、新規の研究で示唆されている。
#今回の知見は英国の25年間の動脈瘤調査に基づくものであり、ベースライン時には、小さなAAAのサイズには単峰分布がみられることが示されている。
しかし、数年間の追跡調査後、分布は二峰性となる。
■本結果から小さなAAAの半分は「静止状態でほとんど成長していない」のに対し、残りの半分は成長が続いていることが示された、と主著者であるWestern Sussex Hospital NHS Trust(チチェスター)のDr. H. HafezらはBritish Journal of Surgery誌1月号で指摘している。
■チチェスターAAAスクリーニングプログラムでは、1984年〜2007年に、AAAを有する被験者1,649名のデータがプロスペクティブに収集された。
超音波検査を2回以上受け、3ヶ月以上監視された被験者1,231名では、ベースライン時のAAA径は35mm(中央値)であり、3.2年間の追跡調査期間の成長は9mm(中央値)であった。
■動脈瘤は患者88名で破裂し、335名が待機的修復術を受けた。
■破裂、または手術を施行した患者の年間成長率(中央値)は、それぞれ2.85mmと2.99mmであった。
対照的に、追跡調査中イベントが発生しなかった被験者では、動脈瘤の1年間の成長率(中央値)は1.08mmにすぎなかった(p<0.001)。
■現在喫煙していることはAAA成長率の上昇に関連していたのに対し、女性であることと糖尿病は成長率の低下に関連していた。
年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった。
■「本試験は、AAA成長率の傾向に基づいて将来の臨床イベント発生の可能性が予測できると思われることを示唆するものである」とLeicester Royal Infirmary(英国)のDr. A. Nasimらは関連論説で述べている。
■追跡期間中にAAA修復が最終的に必要になったのは本コホートの27.2%のみであるという事実と合わせると、このことは、著者らが提案するように、AAAスクリーニングと監視の費用対効果の改善に大きな可能性があることを示している」.
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=201001070039465
原著
Br J Surg 2010;97:37-44
出典 ロイターヘルス 2010.1.6(一部改変)
版権 ロイター社
<コメント>
まとめ
1)1年間に1.5mm未満の成長であれば臨床的意義はほとんどない
2)ベースライン時には、小さなAAAのサイズには単峰分布がみられるが、数年間の追跡調査後は分布は二峰性となる
3)女性であることと糖尿病は成長率の低下に関連
4)年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった
疑問点、興味深い点
■「被験者1,649名中患者88名で破裂し、335名が待機的修復術を受けた」・・・これはかなりの率ではないか
■「糖尿病は成長率の低下に関連」・・・理由がよくわかりません
■年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった・・・予想に見事に反した結果でした
<参考サイト>
腹部大動脈瘤を防ごう
http://tomochans.exblog.jp/4212997/
ARBによる血管保護について
http://blog.m3.com/reed/20080728/1
MG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)治療は腹部大動脈瘤における炎症反応を抑制する
http://nels.nii.ac.jp/els/110007124905.pdf?id=ART0009063253&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1266714160&cp=
■AAA修復が最終的に必要になったのは本コホートの27.2%のみである・・・27.2%「のみ」には引っかかります。
他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)