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高リポ蛋白(a)すなわちLp(a)値が、冠動脈アテローム硬化症および心筋梗塞(MI)と関連していることが、Heart誌2010年12月15日号で報告された。
##リポ蛋白(a)値は冠動脈アテローム硬化症および心筋梗塞を予測
■「本論文は、血清Lp(a)値の測定がLDLコレステロールやHDLコレステロールの測定と同じくらい必要であることを示唆した」と東京都老人医療センター(日本 東京)のDr. Motoji Sawabeはロイターヘルスに語った。
「Lp(a)値が非常に高い場合、他のリスク因子の厳格なコントロールが必要である」
■Dr. Sawabeらは、剖検1,062症例を利用して、Lp(a)値と冠動脈アテローム硬化症および心筋梗塞との関連性について、パス分析をおこなった。
■「パス分析は統計学の分野ではよく知られている手法であるが、医学的研究に適用されることはほとんどなかった」とDr. Sawabeは説明した。
「遺伝子型、中間表現型、および最終表現型における複雑な関係は、このアプローチによって分析可能である」
■重篤な冠動脈狭窄症の有病率は、Lp(a)値が50mg/L以下である場合の15.0%からLp(a)値が300mg/L以上である場合の35.3%まで直線的に増加した、と著者らは報告している。
■同様に、病的MIの有病率は、Lp(a)値が50mg/L以下である場合の11.3%からLp(a)値が200mg/L〜300mg/Lである場合の30.2%に増加し、Lp(a)値が300mg/L以上の場合は26.6%に減少した。
■多変量分析において、Lp(a)値の上昇、高血圧、糖尿病、および高コレステロール血症は重篤な冠動脈狭窄症の独立予測因子で、最大のリスクはLp(a)値の上昇に起因していた。
■Lp(a)値の上昇と重篤な冠動脈狭窄症はMIリスクを増大させ、冠動脈狭窄症はLp(a)値の上昇よりも強力なリスクを与えた、と研究者らは述べている。
■パス分析は、Lp(a)値が冠動脈アテローム硬化症の発症にもMIの発生にも影響することを裏付けた。
重篤な冠動脈アテローム硬化症において、Lp(a)値の上昇は、冠動脈狭窄症よりMIとの関連が強かった。
■「Lp(a)値は実証された心血管リスク因子であるが、Lp(a)値のコントロールに効果的な薬剤がないことから、我々は最近Lp(a)値についての関心を失いつつあった」とDr. Sawabeは述べた。
「本研究は、比較的強力な心血管リスク因子としてのLp(a)値の重要性を再び強調し、製薬業界に対してLp(a)値をコントロールするための新薬を開発するよう促した」
Heart 2009;95:1997-2002.
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=201001090039518
<リポ蛋白(a) 関連サイト>
リポ蛋白(a)
http://homepage2.nifty.com/salon/igaku.htm#1th
■1963年Berg1により低比重リポ蛋白(LDL)の遺伝的変異として初めて報告され、当初より動脈硬化の独立した危険因子と考えられていました。
その後、アポ(a)の遺伝子解析からプラスミノゲンの塩基配列と高い相同性を示すことが報告され、世界的に注目されています。
■蛋白部分はLDLと同じアポB100のほかに,Lp(a)に特徴的なアポ(a)を有し,この両者がs-s結合することによりLDL様リポ蛋白の表面をアポ(a)が覆ったような構造をとると考えられています。
■血清Lp(a)濃度は0.1mg/dlから100mg/dlを超えるものまで、個人差が大きいにもかかわらず、同一個人の値はほぼ一定で、性、年齢、食餌、その他環境因子の影響をあまり受けません。
■値の解釈には人種差を考慮する必要があります。
■Lp(a)の生理的意義についてはほとんど明らかにされていません。
プラスミノゲンとの構造的相同性から血液凝固線溶系における機能推測されますが直接的な役割を果すというより間接的に線溶抑制効果を果すと考えられています。
■Lp(a)は動脈硬化の独立した危険因子と考えられており、虚血性心疾患,脳血管障害,血管性痴呆,閉塞性動脈硬化症,糖尿病,腎疾患などで高値を示し,肝疾患,特に閉塞性黄疸で低値が認められています。
■アポ(a)がプラスミノゲンと構造上類似性を示すことから、プラスミノゲン受容体における競合的阻害によりプラスミノゲン活性の低下、ひいては血液線溶能の低下をもたらすという可能性、plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1),transforming growth factor(TGF-β)を介する動脈硬化進展の機序や動脈壁血管平滑筋細胞の増殖に対する直接作用が報告されています。
■Lp(a)はLDLと同様にコレステロールに富んだリポ蛋白であり、動脈壁へのコレステロール沈着に関与することが考えられます。
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。