| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
< CoSTR 2010 その2 | メイン | バイオマーカーによるリスク評価 >
非常にエキサイティングな記事がありました。
きょうの記事については「Polycap」やTIPS試験を連想させました。
降圧薬3剤/スタチン/アスピリンの配合薬
http://blog.m3.com/reed/20090715/_3_
TIPS試験 5剤配合カプセル
http://blog.m3.com/reed/20090427/TIPS_5_
##もはや脂質異常症治療薬の枠を超えた?!LDL-C正常範囲のハイリスク患者にも
##FDAがロスバスタチンの適応拡大
FDAは,2010年2月9日のimmediate releaseで,ロスバスタチンの適応拡大を承認したことを明らかにした。
適応変更は,2008年に発表された大規模臨床試験JUPITERの結果を受けて実施。
LDLコレステロール(LDL-C)が正常範囲だが,高感度CRP(hs-CRP)高値,かつ心血管ハイリスク群に対する心血管疾患初発予防を目的とした投与が可能になる。
#hsCRP高値のみへの投与は認めず
今回の新たな適応内容は「臨床的に明らかな心疾患はないが,心血管リスクファクターを複合的に有する場合,脳卒中,心臓発作,血行再建術(バイパス術やステントなど)リスクの初発予防として投与する」というもの。
投与を考慮すべきリスクファクターとしては,年齢(男性50歳以上,女性60歳以上),およびhs-CRPが2mg/L以上,および高血圧,低HDLコレステロール,喫煙,心疾患早発(premature heart disease)の家族歴のいずれかを有することが挙げられている。
FDAは「今まで心血管疾患と診断されたことのない人のなかにも,リスクの高い人が存在することがあり,心血管イベントを防ぐための介入が必要となる」としているほか,同薬剤評価研究センターのEric Colman氏は「ロスバスタチンの適応拡大により,心血管イベントのリスクを下げるべき人への新たな治療オプションが登場した」と述べている。
なお,FDAでは他のスタチンでは適応拡大はないとしたほか,hsCRP高値であっても,心血管リスクのない人へのロスバスタチンのベネフィットがJUPITER試験で確認されておらず,投与すべきでないとの見解を示している。
<コメント>
大規模臨床試験の結果が適応拡大につながったというお話です。
hs-CRPが測定できない当院としてはピンと来ない話ではあります。
しかし、スタチンが単なるコレステロール低下剤ではないということがはっきりと宣言されたエポックメーキングなニュースと思われます。
今、ゼチーアは大規模臨床試験において惨憺たる結果が続いています。
スタチン(ここではロスバスタチン)とエゼチミブでそれぞれ同程度の脂質改善を図った場合に、心血管イベントのリスク低下率に差が出るのは大いに予想されることです。
高血圧の治療では、降圧剤の種類に関係なく降圧度と心血管イベントのリスク低下率が相関することが知られています。
しかし、多くの脂質専門家が「lower the better」と旗ふりをしていることについては、「どの薬剤で脂質改善を図ったか」というツール(薬剤)自体が問題であるという点でいささか異議ありです。
<関連サイト>
Focus/スタチンによる心血管イベント予防を検証
確立されつつある再発予防,初発予防には課題を残す
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M42390801&year=2009
■hs-CRPを心血管イベントの独立した予後予測因子として活用しようとする場合,その定量性が明確でないことが問題になる。
■スタチンはコレステロール合成経路の上流で作用する薬剤であるため,コレステロール合成抑制により,その結果としてhs-CRPが低下していることも考えられる。
■つまり,スタチンでhs-CRPが低下した場合,スタチンがhs-CRPに直接介入した結果なのか,LDL-C合成に介入した結果なのかは明確ではない。
■JUPITER試験の対象の約40%にはメタボリックシンドロームが含まれているが(“健康”成人と定義してよいのか),こうした患者の多くは各危険因子の治療を受けていると想定され,その治療の効果が同試験の成績に影響することは避けられない。
■UPITER試験のnumber need treatment(NTT)はかなり大きな数字になるはずであり,そうすると医療経済面での負担も重くなってくる。
■JUPITER試験で示唆されたように,きわめて低リスクの,ほぼ健康人と言えるような対象にも,治療すればそれなりの効果があるという成績は,これからも相次ぐことが予想される。
しかし,その治療を一般的なものとして広めていくためには,医療経済面での負担が大きく,それに社会が持ちこたえられるかどうかといった別の議論も必要になってくる。
JUPITERで議論白熱!?
NEJMがHP上でコメントを募集—その中身とは
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0811/081135.html
■JUPITER試験発表前の2008年10月30日,NEJM誌オンライン版でCRPの遺伝子多型がCRP値上昇と関連するものの,虚血性の脳・心血管疾患発症との直接の因果関係は認められなかったというデンマークの研究グループの報告が出された(N Engl J Med 2008; 359: 1897-1908 )。
Genetically elevated C-reactive protein and ischemic vascular disease.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18971492
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
コメント
コメント一覧
どのスタチンでも良いわけではなく、ロスバスタチンだけが適応拡大されたというところがポイントです。薬剤間の差でしょうか。また、先生がおっしゃるようにエゼチミブは確かに数値を下げますが、結果が全くついてきませんね。
いつもコメントありがとうございます。
大規模臨床試験に多額の投資をした某製薬メーカーとしてはニンマリとしたところですね。
アトロバスタチンは糖尿病悪化の可能性があるとのことで少し雲行きが怪しくなって来ましたね。
ロスバスタチンにとってはまさに「追い風」と言えます。
コメントを書く