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ホルモンガイド下療法によって心不全死亡率が低下 HealthDay News 1月4日 血漿中N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)ホルモン濃度のモニタリングに基づいて心不全の治療方針を決定した場合、集約的臨床管理または通常ケアと比較して、75歳以下の患者の3年間生存率が高くなるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」12月29日/1月5日号に掲載された。
ニュージーランド、オタゴ大学(クライストチャーチ)のJohn G. Lainchbury氏らは、心不全患者364人をランダム化し、NT-proBNP濃度のモニタリングに基づいて治療方針を決定する群、集約的臨床管理群、通常ケア群のいずれかに割り付けた。
3種類の治療方針を2年間維持し、追跡調査を3年間継続した。
その結果、通常ケア群(18.9%)と比較して、NT-proBNP濃度に基づいて治療方針を決定した群(9.1%)および集約的臨床管理群(9.1%)では、1年間死亡率が低かった。75歳以下の患者に関しては、集約的臨床管理群(30.9%)および通常ケア群(31.3%)と比較して、NT-proBNPガイド下療法群(15.5%)の3年間死亡率が著しく低かった。
著者らは「75歳以下の患者に対する十分な臨床管理または通常ケアと比較した場合、ホルモンガイド下療法によって3年間死亡率(および死亡率と入院率の合計)が低下した」と述べている。
著者2人は、ロシュ・ダイアグノスティックスから謝礼金および/または研究助成金を受領したことを報告している。
N-Terminal Pro–B-Type Natriuretic Peptide-Guided Treatment for Chronic Heart Failure
John G. Lainchbury et al
J Am Coll Cardiol, 2010; 55:53-60
HealthDay News 1月4日
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/abstract/55/1/53
<番外編>
##利尿薬との併用薬,心筋梗塞や脳卒中発症への影響が報告
■高血圧患者に対する利尿薬をベースとした併用療法で,併用薬によって心筋梗塞や脳卒中の発症にどのような差があるか検討した症例対照研究の結果が,BMJ(2010; 340: c103)で報告された。
Myocardial infarction and stroke associated with diuretic based two drug antihypertensive regimens: population based case-control study. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/20100777 BMJ. 2010 Jan 25;340:c103.
■β遮断薬併用群に比べ,Ca拮抗薬併用群の心筋梗塞発症オッズ比(OR)が1.98となった一方で,ACE阻害薬あるいはARB併用群では心筋梗塞発症のOR 0.71,脳卒中発症のORは0.76であった。
#β遮断薬併用群に比べCa拮抗薬併用で心筋梗塞発症のオッズ比1.98倍
■米国高血圧合同委員会(JNC)は,ALLHAT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の試験結果などを受け,高血圧治療ガイドライン第7次報告(JNC-7)では高血圧患者に対する薬物療法のファーストラインとして利尿薬を推奨している。
■一方,降圧薬単剤投与における降圧目標達成率は50%程度とされており,実際,ALLHATでも他クラスの降圧薬併用の有効性が示された。 ■低用量の利尿薬投与中で,降圧目標達成のため併用薬の投与を必要としている高血圧患者において,どのセカンドライン薬が有用かを示す知見はなく,米国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究グループは適切なセカンドライン治療薬を検証する試験の実施を推奨していた。
■ 米ワシントン大学のInbal Boger-Megiddo氏らは,高血圧を呈し投薬治療中で,1989~2005年に致死性もしくは非致死性の心筋梗塞,あるいは脳卒中と診断された30~79歳の患者353人をケース,高血圧を呈し投薬治療中の患者からランダムに抽出した952人をコントロールとした。
心不全,心血管疾患,糖尿病,慢性腎臓病を有する患者は除外した。
■これらのケースコントロールにおいて,利尿薬をベースとした降圧薬2剤併用療法3種(β遮断薬併用群,Ca拮抗薬併用群,ACE阻害薬あるいはARB併用群)に関し,心筋梗塞と脳卒中の発症について分析した。 ■その結果,β遮断薬併用群に比べ,Ca拮抗薬併用群の心筋梗塞発症のORは1.98〔95%信頼区間(CI)1.37~2.87〕であり,リスクの増加が見られた。一方,脳卒中発症のORは1.02(95%CI 0.63~1.64)と発症リスクの増加はなかった。
■また,β遮断薬併用群に比べACE阻害薬あるいはARB併用群では,心筋梗塞のORが0.76(95%CI 0.52~1.11),脳卒中のOR 0.71(95%CI 0.46~1.10)であったことから「有意ではないものの,わずかに発症リスク低下が見られた」としている。
■なお,JNC-7において第一選択薬として利尿薬の優先が示されているが,JNC-8公表に向け改訂の動向が注目されている。
出典 Medical Tribune 2010.2.2
版権 メディカル・トリビューン社
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血中コレステロールが心不全リスクに直接関与
フラミンガム心臓研究(FH S)の責任者で米国立心肺血液研究所(NHLBI)のDaniel Levy所長らは,同研究の被験者6,860例を対象に脂質レベルと心不全との関連性を検討し,心筋梗塞の既往歴がなくても,血中コレステロール値の異常により心不全リスクが有意に高まる可能性があるとCirculation(2009; 120: 2345-2351)に発表した。
#脂質が心筋機能に直接影響
■心不全は進行性の疾患で,高血圧,心筋または心臓弁の異常,喫煙,肥満,糖尿病などが関与するが,主要な危険因子は心筋梗塞とされる。
心筋梗塞により心筋が障害されると,ポンプ能力が低下し,心不全の引き金となる。
■脂質異常症治療薬を検討したこれまでの研究では,心筋梗塞リスクだけでなく,心不全リスクの低下も認められている。
そのため,研究責任者のLevy所長らは,この心不全リスクの低下が単に心筋梗塞の減少により生じたのか,あるいは脂質異常が別の機序により独自に心不全リスクをもたらすのか疑問を抱いた。
■同所長は「われわれは,脂質が心筋の機能に直接的な影響を及ぼすとの仮説を立てた。
例えば,脂質が肝臓と同様に心臓にも取り込まれるとすれば,糖尿病患者が心不全を起こしやすい理由の1つとなる」と述べている。
■同所長らは,FHSの被験者6,860例(平均年齢44歳,うち女性54%)について脂質レベルと心不全との関連性を分析した。
研究開始時の被験者には,冠動脈性心疾患は認められなかった。平均26年の追跡期間中に680例(うち女性49%)が心不全を発症した。
■研究開始時の脂質レベルに基づく心不全発症率は,以下の通りであった。
(1)低HDLコレステロール(HDL-C)値(男性40mg/dL未満,女性50mg/dL未満)の被験者で12.8%
(2)HDL-Cが望ましい値(男性55mg/dL以上,女性65mg/dL以上)の被験者で6.1%
(3)非HDL-C〔LDLコレステロール(LDL-C)とトリグリセライド(TG)〕が高値(190mg/dL以上)の被験者では13.8%
(4)非HDL-Cが望ましい値(160mg/dL未満)の被験者で7.9%
HDL-Cとリスクが逆相関
■年齢,性,BMI,血圧,糖尿病,喫煙で調整後のモデルにおける心不全リスクは以下の通り。
(1)非HDL-Cが高値の被験者では,望ましい値の被験者よりも29%高い
(2)HDL-Cが低値の被験者では,望ましい値の被験者よりも40%高い
■Levy所長は「最も意外であったのは,HDL-C値と心不全リスクとの間に強い逆相関が認められたことだ」と述べている。
■研究期間中に発生した心筋梗塞を調整した後も,コレステロールと心不全との関連性はわずかに弱まったものの,依然として有意であった。
非HDL-Cが高値の被験者では望ましい値の被験者よりもリスクが13%高く,高HDL-Cの被験者では25%低かった。
長期的予防効果の可能性も
■Levy所長は「今回の研究は,コレステロール(HDL-Cと非HDL-C)の心不全への関与を示し,コレステロール低下療法が,心筋梗塞の予防作用に加え,長期的な心不全予防効果をも有する可能性を示すことができた」と述べている。
■しかし同所長は,今回の研究はランダム化比較試験ではないため,この結果を,脂質異常症治療薬の適切な使用に関する医師向けのガイドラインに反映させるのは時期尚早だとする一方,「脂質異常症治療薬の臨床試験で得られたデータを見直し,心筋梗塞の病歴がある被験者を分析から除外することで,投薬した被験者群で心不全発症率が低下しているか否かを判断することは可能だ」と述べている。
■薬剤のほかに運動,禁煙,オリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸を多く含む食事,適度な飲酒などによってもHDL-C値を上げることができる。
出典 Medical Tribune 2010.1.28
版権 メディカル・トリビューン
<関連サイト>
Total cholesterol levels and mortality risk in nonischemic systolic heart failure
American Heart Journal Volume 152, Issue 6 , December 2006, Pages 1077-1083
■低TCは比虚血性収縮期性心不全患者において死亡率増加と相関する。
■この関連、最適血中濃度、治療的役割に関して、心不全が確立した患者のスタチン値使用に関してに関してさらなる検討が必要。
Statin therapy is associated with improved survival in ischemic and non-ischemic heart failure
J Am Coll Cardiol. 2004 Feb 18;43(4):642-8
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14975476?dopt=abstractplus
■スタチン治療が虚血性、非虚血性疾患患者の生存予後を改善する。
Review
Primary and secondary prevention of heart failure with statins
http://www.expert-reviews.com/doi/abs/10.1586/14779072.4.6.917
■Statins are effective in the prevention of coronary heart disease (CHD), a leading cause of heart failure (HF).
■Secondary analyses from 11 randomized clinical trials of patients with high-risk acute or stable coronary heart disease, but without HF, suggest that statins may prevent new-onset HF or HF-related hospitalization.
■In persons with established HF, several cohort studies found an approximate 35% relative risk reduction in all-cause mortality.
■While ongoing randomized clinical trials will help to determine the efficacy of statins in persons with established HF, it is reasonable to consider this class of medications in patients with a history of cardiovascular disease, dyslipidemia or diabetes mellitus, and who have either developed, or who remain at risk of, HF.
コレステロール値は非虚血性心不全でも重要な予後因子
http://intmed.exblog.jp/4898058/
スタチンは総コレステロール高値の心不全例で著明に生存率改善−−ENABLEサブ解析より
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/295255.html
出典 NM online 2004.3.11
版権 日経BP社
■HMG-CoA還元阻害薬は、重症心不全例の生命予後を、治療前の血清脂質値依存的に改善するとのデータが、大規模試験ENABLE(Endothelin Antagonist Bosentan for Lowering Cardiac Events in Heart Failure)の後解析で得られた。
■スタチン「服用」群では「非服用」群に比べ有意に生存率は良好だった。
同様に、試験開始時TC「>193mg/dl」群の生存率は「≦193mg/dl」群を有意に上回っていた。
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
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(内科医向き)
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