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< SANDS試験 | メイン | 非HDLコレステロール >
冠動脈石灰化は治療効果の判断基準としては不十分
■冠動脈石灰化(CAC)の1年毎の進行は、心血管疾患(CVD)または慢性腎臓病における治療有効性の評価に用いるべきではない、と新規の研究レビューの著者らが結論付けている。
■「我々は、多くの臨床試験でそれが治療反応の測定基準として使用され続けていることを、見出した。それは完全に誤った方法のようである」と研究著者のうちの一人であるWilliam Beaumont Hospital(ミシガン州ロイヤルオーク)のDr. Peter A. McCulloughはロイターヘルスに語った。
■CTによって評価されたCACは、心血管リスクの予測に役立つかもしれないが、CACスコアの変化がアテローム硬化症の進行の有意義な指標であるかどうかは不明である、とDr. McCulloughは説明した。
同研究者およびDr. Kavitha M. Chinnaiyanは、調査のために、被験者2,612名を対象に、CVDと慢性腎臓病に対する治療有効性を評価するために研究者らが使用した、1年毎のCAC進行についての10件の試験を考察した。
■試験5件で、CVDを有するまたはリスクのある患者がスタチン系薬剤、降圧薬またはプラセボで治療を受けた。
残りの試験は慢性腎臓病患者で実施され、低リン食、セベラマー塩酸塩、カルシウムベースのリン吸着薬を含む治療法を考察していた。
8件の試験ではAgatston CACスコアを用いていたが、残り2件の試験では容積評価を用いていた。
■全ての試験でCACは1年のうちに15%~20%進行したが、CACの進行に対して「明らかで矛盾のない効果」がみられた治療は皆無であった、ということをDr. McCulloughとDr. Chinnaiyanは見出した。
■例えば、試験の中には、治療によってLDLコレステロールがはっきりと減少したものがあったが、CACの進行は変化しなかったものもあった。
セベラマー試験では、CACの進行は死亡率にともなって減少したようにみられたが、その後の試験でその結果を確認できず、最初のCACの研究結果は「偽りの情報」であった、とDr. McCulloughは述べた。
■「石灰化の過程そのものは、患者のプラーク破裂リスクに直接関連していない可能性がある」と著者らは記している。
実際、そのような破裂は石灰化のない部位で発症しやすい、とDr. McCulloughは指摘し、この過程が実際には保護的である可能性を示唆した。
■CACは、アテローム硬化症をスクリーニングする効果的な方法であり、「個人的な見解としては、中年期での単回の測定が妥当と思われる」と同研究者は補足した。しかし、連続測定値を用いて疾患の進行または治療有効性を評価するのは妥当とは言えない、と同研究者は述べた。
■本試験の付随論説にてUniformed Services University of the Health Sciences(メリーランド州ベテスダ)のDr. Patrick G. O'Malleyは、CACスクリーニングの臨床的有用性が確認できるまで、使用の中止を呼びかけている。
「公平に言えば、この技術には強力な論理と理論的根拠および見込みすらあるが、この分野で投資されるさらなるリソースは、最初にその臨床的効果を証明する大規模な無作為化臨床試験に費やされるべきである」
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912170039071
出典 ロイターヘルス 2009.12.15
版権 ロイター通信社
原文
Arch Intern Med 2009;169:2064-2070.
<関連サイト>
Coronary Calcium as a Predictor of Coronary Events in Four Racial or Ethnic Groups
N Engl J Med. Vol.358:1336-1345 Mar 2008
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/13/1336
Quantification of coronary artery calcium using ultrafast computed tomography
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/abstract/15/4/827?ijkey=88d9637b16e0a0048aa5d37e6bc50af4b8db431b&keytype2=tf_ipsecsha
Agatsonスコア:冠動脈のカルシウムスコアの測定
(第70回日本循環器学会総会セミナー)
http://www.nv-med.com/TOSHIBA/jcs2006/pdf/Rochitte.pdf
■MSCTではカルシウムスコア(石灰化指数)の測定も可能であり,Agatstonらが発表したスコアがよく使われてる。
■カルシウムスコアは,CTで描出された冠動脈病変部のピクセルごとのCT値の荷重加算によって算出される。
■通常,慢性期の冠動脈疾患患者の分類に用いられているが,GreenlandらはFramingham分類によるリスクスコアとカルシウムスコアとを組み合わせて,動脈硬化性・閉塞性冠動脈疾患と冠動脈イベント発症の関連についての報告を行っており,カルシウムスコアが300を超える患者においてはACS発症の危険性が高いと述べている。
■カルシウムスコアには,機能的な情報を供給できない点や,冠動脈疾患の既往がない患者・既往があっても側副血行路が形成されている患者については評価不可能かつ無意味なものである点,特異度・陽性反応的中率(positive predictive value:PPV)がともに低い点,性や人種,年齢などによる相違が大きく閾値が定めにくい点など,いくつかの,克服しがたい制約がある。
■カルシウムスコアとプラークの不安定性の関係については異論が多いことから,カルシウムスコアには定まった評価はないのが現状であると思われる。
冠動脈石灰化スコアと冠動脈イベント:民族・人種的差異は少ない
http://intmed.exblog.jp/6943161/
<番外編>
カテーテルアブレーション、心房細動に対し抗不整脈薬の代替療法となりうる
抗不整脈薬の効果が得られなかった発作性心房細動患者167名を対象に、高周波カテーテルアブレーション群と抗不整脈薬群に無作為に割り付け、有効性を比較。9カ月の評価で、抗不整脈薬群に比べカテーテルアブレーション群で再発が少なく、カテーテルアブレーションが発作性心房細動の代替療法となりうることが示唆された。
Comparison of Antiarrhythmic Drug Therapy and Radiofrequency Catheter Ablation in Patients With Paroxysmal Atrial Fibrillation
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/303/4/333
Wilber DJ et al. JAMA. 2010;303(4):333-340.
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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