戯れ言たれる侏儒
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< 頸動脈壁肥厚と心血管リスク因子 | メイン | 冠動脈石灰化は治療効果の判断基準として... >

SANDS試験

戯れ言たれる侏儒 / 2010.02.02 00:53 / 推薦数 : 0

海外で行われた、CHD既往のない2型糖尿病を合併したアメリカ先住民を対象に脂質低下強化療法を検討した試験(SANDS試験)で勉強しました。
この試験はアメリカ政府の助成金で実施された公平性の高い試験として高く評価されているとのことです。

SANDS試験
Stop Atherosclerosis in Native Diabetic Study
目的
2型糖尿病のアメリカ先住民(インディアン)において,アテローム性動脈硬化の進展をLDL-Cおよび収縮期血圧(SBP)を強力に低下させる積極的低下治療と標準治療とで比較する。
一次エンドポイントは総頸動脈の内膜-中膜肥厚(IMT)。

#デザイン
PROBE (prospective, randomized, open-label, blinded-endpoint),多施設(オクラホマ,アリゾナ,サウスダコタの4施設),intention-to-treat解析。

期間
追跡期間は36か月。
ランダム化期間は2003年4月~2004年7月。

対象患者
499例。
40歳以上の2型糖尿病;過去12か月以内のLDL-C>100mg/dLおよびSBP>130mmHg;心血管疾患の既往のないもの。
除外基準:NYHA III~IV度の心不全;SBP>180mmHg;肝アミノ基転移酵素の標準上限の2倍以上;原発性高脂血症あるいは甲状腺機能低下症,ネフローゼ症候群による高コレステロール血症。

患者背景:
平均年齢(積極的低下治療群55歳,標準群57歳),女性(66%,65%),糖尿病治療:経口血糖降下薬(82%,73%),インスリン(29%,22%),インスリン+血糖降下薬(91%,79%),推定糸球体濾過量(246mL/分,242mL/分),喫煙(22%,20%),aspirin≧80mg/日(70%,69%)。

治療法
○積極的低下治療群(252例)
脂質は一部改訂のNCEP ATP IIIの推奨に基づきコントロール:LDL-C≦70mg/dL,non-HDL-C≦100mg/dLが目標。生活習慣の改善効果がみられない場合はスタチン系薬剤の投与を開始。
目標LDL-C値に達しない場合は,ezetimibeと併用投与。
non-HDL-C≦100mg/dL達成のため,魚油,fenofibrate,niacinを使用。
血圧コントロールはJNC6に基づき,SBP≦115mmHg,次に拡張期血圧≦75mmHgを目標に降圧。第一選択薬はACE阻害薬,ACE阻害薬に不忍容な場合はARB→クロロチアジド系利尿薬→ Ca拮抗薬→β遮断薬→α遮断薬→その他の血管拡張薬の順で追加投与。
○標準治療群(247例)
LDL-C≦100mg/dL,SBP≦130mmHgが目標値。
治療方法は積極的低下治療群と同様。

結果

(結果については「関連サイト」を参考下さい)
結論
■2型糖尿病患者において,LDL-CおよびSBPの積極的低下治療により頸動脈の内膜-中膜肥厚が退縮,左室筋重量が大きく低下した。
臨床イベントは少なく,標準治療との差はみられなかった。有効性を確認するためさらなる追跡が必要である。

コメント
2型糖尿病における動脈硬化性疾患の予防に,積極的な脂質,血圧治療が有効か検討した試験である。
本試験の特徴は,より低い脂質や血圧の目標値を設定したという点で,次のステップに入った感がある。
LDL-C<70mg/dL,SBP<115mmHgという治療目標はかなり厳しいものであるが動脈硬化進行予防のための治療意義を確認したという意味では十分認識すべき内容と思われる。
今後,これがイベント抑制を意味するのか,医療経済的に意義を有するのか,という問題をクリアする必要はあるものと思われる。(寺本民生先生)

原文
Howard BV, et al. Effect of lower targets for blood pressure and LDL cholesterol on atherosclerosis in diabetes: the SANDS randomized trial. JAMA. 2008; 299: 1678-89.

<関連サイト>
海外研究レポート:SANDS試験
http://mrkun.m3.com/mrq/message/SPKZTA/200911251449230165/view.htm?pageContext=80percentmail_A20100127&mkep=80percentmail_A
(製薬メーカーのサイトですが実施研究者のWm.JamesHoward先生へのインタビューを見ることができます)

 

 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
               

 

 

 

 

 

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