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##HDLコレステロールは糖尿病患者への予防効果は小さいが、ナイアシンは有用性を回復
■2型糖尿病では、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL)は、その血管内皮保護特性を喪失させるが、ナイアシンは喪失した血管保護作用を回復させる可能性があることを、研究者らは見出した。
■University Hospital Zurich(スイス)のDr. Ulf Landmesserらは、Circulation誌1月5/12日号において、健常者では、HDLは、血管内皮細胞による一酸化窒素産生を刺激し、抗酸化作用を発現し、血管内皮の修復を促進することにより、脈管構造を保護する、と指摘している。
■しかし、メタボリックシンドロームを有する2型糖尿病患者33名および健常対照群10名から得られたHDLと内皮前駆細胞を比較したところ、差異がいくつか示された。
■第一に、3週間以上にわたるスタチン療法をおこなったものの、糖尿病患者の平均HDL値は低かった(男性では40mg/dL未満、女性では50mg/dL未満)。
■さらに、正常なHDLには、糖尿病性HDLにはない能力、すなわち内皮細胞による一酸化窒素(NO)産生を刺激する能力、無傷血管の内皮依存性NO媒介性血管拡張を刺激する能力、酸化作用を阻害する能力、内皮細胞と結合する能力および内皮前駆細胞媒介性内皮修復能を刺激する能力があった。
■しかし、糖尿病患者を、3ヶ月間の徐放性ナイアシン療法群(初期用量500mg、最大用量1,500mg/日)またはプラセボ投与群に無作為に割り付けたところ、ナイアシン投与により、HDL値が上昇したが、「さらに重要なことに」、ナイアシン療法によりHDLの血管内皮保護特性が改善した、と著者らは述べている。
■改善に関する一つの説明として、「徐放性ナイアシン療法後にHDLの脂質酸化が軽減した」ことが考えられる、と著者らは記している。
■「HDLの血管保護特性を回復させる能力について、HDL上昇薬物療法を検討すべきである」と同研究者らは促している。
■さらに同研究者らは、「糖尿病患者におけるHDLの有益な効果の喪失の根本的な機序は、複数の要因がある可能性が高く、HDLの酸化修飾、HDL組成の変化およびHDLの内皮結合の変化の可能性が含まれると考えられる」と推測している。さらに、糖尿病患者から得られたHDLの分析は、HDLのミエロペルオキシダーゼ依存性酸化は、少なくとも部分的に内皮効果の変化に関与している可能性があることを示した。
■同研究者らによる説明の一つの欠点は、患者がメタボリックシンドロームと糖尿病を併発したため、本知見が肥満や脂質値の差に関連していた可能性がある、ということである、と著者らは述べている。
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912220039165
出典 ロイターヘルス 2009.12.21
版権 ロイター社
##ナイアシン補充はシンバスタチン/エゼチミブの効果を亢進
■脂質異常症の高リスク患者において、徐放性のナイアシンの補充は、シンバスタチンおよびエゼチミブ単独の治療よりも優れた結果を提供する、とAmerican Journal of Cardiology誌11月16日号オンライン版に研究者らが報告している。
■「脂質調節が必要な患者のほとんどはスタチン単剤療法によい反応を示すだろうが、中には、複数の脂質異常症を抱えている、脂質問題の重症度が高い、または脂質の目標が非常に厳しいことで、併用療法が必要な患者もいる」と主任研究者のDr. Sergio Fazioはロイターヘルスに語った。
■「このような症例の中には、2剤療法でも十分でないこともあるだろう」と同研究者は補足した。
■Vanderbilt University(テネシー州ナッシュビル)のDr. Fazioらは、3剤併用療法について研究するために、Ⅱa/Ⅱb型脂質異常症患者942名を研究した。
この中には「心血管イベントの10年リスクが20%以上」の被験者が含まれていた、とDr. Fazioは述べた。
■被験者を4種類の治療群、すなわち、64週間ナイアシン併用と非併用でエゼチミブ/シンバスタチンを投与する群、ナイアシンを24週間投与後に次の40週間にエゼチミブ/シンバスタチンを追加投与する群、またはナイアシンを24週間投与後に残りの40週間はエゼチミブ/シンバスタチンに切り替えて投与する群に無作為に割り付けた。
■64週間目に、シンバスタチンとエゼチミブ単独に比べて、3剤併用療法は、HDLコレステロール(+21.5%)、トリグリセリド(-17.6%)、非HDLコレステロール(-7.3%)、低比重リポ蛋白コレステロール、アポリポ蛋白質BおよびA-I、リポ蛋白質の比率を有意に改善した。
■ナイアシン関連の顔面紅潮により、3剤併用群の方が2剤併用群より研究を中断する比率が高かった(10.3%対0.7%)。しかし、顔面紅潮以外はこのレジメンの忍容性は一般的に良好であった。
■「3剤併用療法は、高リスク患者で全脂質パラメーターの調整を最大化するために安全に使用できるという主張を、本研究は裏付けている」とDr. Fazioは続けた。
「臨床的議論で、スタチン療法に対する追加方法として、脂質に対する異なった薬剤療法の比較価値を検討する場合に、本研究は、エゼチミブと徐放性のナイアシンが相乗的、付加的に働いて、スタチンが脂質コントロールを促すという注意喚起となる」と同研究者は指摘した。
■先月American Heart Associationの年次総会で、研究者らは、Abbott Laboratories社の徐放性ナイアシン(ナイアスパン)は、多くの人々が推測したように、ゼチア(Merck社製エゼチミブ)より安全かつ効果的であると発表した。
本研究結果は、最初のコレステロール低下療法における効果の亢進を見守る新薬としての、ナイアスパンまたはその他の同じような長時間作用型のナイアシン複合剤に対する熱意を助長している。
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912170039069
出典 ロイターヘルス 2009.12.16
版権 ロイター社
<関連サイト>
ナイアシンの効果・効能と副作用や成分のまとめ
http://www.bbs-nara.com/naiashin.html
ナイアシンの効果
http://www.geocities.jp/top_piping/niacin.htm
ARBITER 6-HALTS スタチンとナイアシンの併用
http://blog.m3.com/reed/20091209/ARBITER_6-HALTS_
ARBITER 6-HALTS:徐放ナイアシン製剤のスタチン併用頸動脈IMT退縮効果 vs ゼチーア無残
http://intmed.exblog.jp/9252771/
水溶性ビタミン:ナイアシン
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000400/hpg000000388.htm
ナイアシン-続1
http://www.choicetheory.net/kcc/mailmagazine5.html
Abbott社 スタチンとナイアシンの合剤・SimcorがFDA承認された
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=25088
2008年2月15日、Abbott社は、ナイアシン(niacin)徐放製剤・Niaspanやシンバスタチン(simvastatin)の単独治療では不十分な複雑な脂質疾患を有する患者のHDLコレステロールを上昇させ、総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセリドを低下させる薬剤としてNiaspanとシンバスタチンの固定用量合剤・SimcorがアメリカFDAに承認されたと発表した。
脂質降下薬
http://ja.wikipedia.org/wiki/脂質降下薬
■ニコチン酸
商品名としてペリシットなどがある。
レジンやスタチンに併用する例が最近では多い。
他の薬では下がらないLp(a)を若干下げる。
ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称をナイアシン(ビタミンB3)という。
ナイアシン
http://ja.wikipedia.org/wiki/ナイアシン
■ナイアシン (Niacin) は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3 ともいう。
水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。
■多く含む食材
カツオ、さば、ぶり、いわし、レバー、鶏ささみ、まぐろ、シラス干し、たらこ、豆類
■ナイアシン(Niacin)はニコチン酸ビタミン(NIcotinic ACid vitamIN)の略称であるが、この名称は元のニコチン酸という言葉が有害物質であるニコチンと混同されるのを避けるために付けられたものである。
~ARBITER 6-HALTS~ 動脈硬化退縮にはLDL-C低下増+HDL-C上昇を
■ 長期スタチン服用例に対し,心血管疾患抑制を目指した次のアプローチを考えるRCTであるARBITER 6-HALTSの結果を,ワシントン病院センター(ワシントン)のAllen J. Taylor氏が同集会で報告し,NEJM(2009; 361: 2113-2122)に掲載された。
HDLコレステロール(HDL-C)を上昇させる徐放性ナイアシン(ニコチン酸製剤),またはLDLコレステロール(LDL-C)のさらなる低下をもたらすコレステロール吸収阻害薬エゼチミブが追加投与された結果,動脈硬化の指標である平均頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)の14か月後の退縮には,徐放性ナイアシンが有意に優れていた。
■指定討論者でアムステルダム大学医療センター(オランダ)のJohn J. P. Kastelein氏は,
(1)N群の効果にはHDL-C上昇だけでなくLDL-C・TG低下の上乗せも加わっており,同試験はHDL-C上昇対LDL-C低下の比較ではなく,2剤を比較したもの
(2)両群の相違は試験の早期中断のために過大評価された可能性がある
(3)事後解析には多変量解析を実施すべき
―などを指摘。
徐放性ナイアシンの臨床イベント成績は,進行中の大規模試験で評価されるとした。
また,2007年のコレステロールエステル転送蛋白質(CETP)阻害薬torcetrapibによる心血管イベント増加の報告により生じたHDL-C上昇への懸念を,同試験が払拭した点も評価された。
ナイアシンによる潮紅対策として,Taylor氏は「通常就寝前に服用し,軽食やアスピリンと一緒に服用するのもよい」と説明した。服用前後にアルコールや熱い飲料,入浴を避けるのも一法だ。徐放性製剤自体が潮紅軽減を目指したものだが,プロスタグランジンD2が潮紅を惹起することが判明しており,その受容体拮抗薬との合剤も既に開発されている。
出典 Medical Tribune 2009.12.10
版権 メディカル・トリビューン社
Nicotinamide
http://en.wikipedia.org/wiki/Nicotinamide
niacinamide
http://www.healthline.com/natstandardcontent/niacin-niacinamide
■Niacin is a well-accepted treatment for high cholesterol. Multiple studies show that niacin (not niacinamide) has significant benefits on levels of high-density cholesterol (HDL or "good cholesterol"), with better results than prescription drugs such as "statins" like atorvastatin (Lipitor®).
■There are also benefits on levels of low-density cholesterol (LDL or "bad cholesterol"), although these effects are less dramatic.
■ Adding niacin to a second drug such as a statin may increase the effects on low-density lipoproteins.
■The use of niacin for the treatment of dyslipidemia associated with type 2 diabetes has been controversial because of the possibility of worsening glycemic control.
■Patients should check with a physician and pharmacist before starting niacin.
<番外編>
国内初のARB/Ca拮抗薬配合剤として、エックスフォージ配合錠がノバルティスファーマから発売されます。
ディオバン錠80mgとアムロジピン5mgの配合剤です。
薬価収載日、発売日は未定です。

さて、こういった配合剤ラッシュで気になることがあります。
こういった場合の多くは片方がジェネリックであることが多いのです。
しかし、こういったことは公表されません。
そしてこの場合の薬価としての評価はどうなっているのでしょうか。
新薬の発売後1年間は14日以内の処方日数というのも大きな足かせです。
循環器疾患の患者さんの多くは、最低30日処方です。
何とかならないものでしょうか。
14日処方の隔日服用で28日分という禁じ手も本気で考えています。
実際、昨日の処方でDPP-Ⅳ阻害剤を隔日で2週間処方しました。
<きょうの一曲>
ブリーフ&トランクス さなだ虫
http://www.youtube.com/watch?v=2BBM_8JIId8
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。