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##LMT病変も成績向上のPCI,普及の前に条件整備を
##日本冠疾患学会で内科医側が提言
左冠動脈主幹部(LMT)や多枝病変に対する血行再建術は,冠動脈バイパス術(CABG)が絶対的な適応であり,特にLMT病変は欧米のガイドラインでもCABGが治療選択に挙げられている。
しかし,近年の血管内治療の技術やデバイスの進化により,これらの病変を経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で治療される機会が増えてきており,この是非については内科外科双方からの論議が続いている。
第23回日本冠疾患学会(12月18~19日,大阪市)では,これらの病変に対する血行再建術の治療を巡る討議が行われた。
ここでは,内科医側の提言を紹介する(外科医側の発表はこちら)。
新東京病院(千葉県)副院長の中村淳氏(心臓血管センター長)は,これら難易度の高い病変に対するPCIの治療成績は向上してきているが,その背景には熟練した技術などの裏づけが必須であり,PCI側の治療条件の整備が急務であるとした。
#LMT病変のPCI実施条件を整理すべき
中村氏は,LMT病変のPCI治療には,非常に高度な技術が要求されることを確認したうえで,現在,日本で2,000にものぼる施設で制限なくPCIが行われている現状を指摘。
LMTをはじめとする高難度病変の治療体制について提言を行った。
同氏は,デバイスの進化とともにPCIの治療成績は向上し,同氏自身の成績では1年後の再血行再建率が10%以下にとどまっていると報告。
これはSYNTAX試験(N Engl J Med 2009; 360: 961-972 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19228612)で示されたCABG群に匹敵する成績であるが,その成績をおさめるためには,熟練した技術とさまざまなデバイスや検査機器を駆使する知識,治療選択が求められていることを強調した。
現在,LMT病変に対する治療選択としては,欧米においてもCABGが標準治療であることには違いなく,PCIはクラスIIbでエビデンスレベルBとなっている。
このような背景から同氏は,日本においてPCIによるLMT病変の治療を安全に,良好な成績で行っていくためには施設や術者の条件設定が不可欠であるとして,その要件について説明を行った。
まず,PCI適応の是非については,心臓外科医と十分に協議して決定すべきであり,表のような術者や患者側の条件が満たされていることが前提となる。
同氏は,これらの要件を満たすインターベンショニストがどの程度いるのか整理したうえで,学会などで条件を整備していくべきであるとした。

出典 Medical Tribune 2009.12.25
版権 メディカル・トリビューン社
##LMT+多枝病変はCABGが標準治療
##外科医側のCREDO-Kyoto Registry分析,日本冠疾患学会で発表
左冠動脈主幹部(LMT)や多枝病変に対する血行再建術は,冠動脈バイパス術(CABG)が絶対的な適応であり,特にLMT病変は欧米のガイドラインでもCABGが治療選択に挙げられている。
しかし,近年の血管内治療の技術やデバイスの進化により,これらの病変を経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で治療される機会が増えてきており,この是非については内科外科双方からの論議が続いている。
第23回日本冠疾患学会(12月18〜19日,大阪市)では,これらの病変に対する血行再建術の治療選択を巡る討議が行われた。
ここでは,外科医側の発表を紹介する。
京都大学大学院心臓血管外科,探索医療開発部准教授の丸井晃氏は,CREDO-Kyoto Registryのデータを分析し,これらの病変に対しては,CABGがPCIより優れており,特に,人工心肺を使用しないオフポンプバイパス術(OPCAB)で良好な成績となっていることを明らかにした。
#登録調査の患者背景,CABG群がPCI群より高リスク
PCI,CABGによるLMT病変および3枝病変への治療成績を比べたランダム化比較試験のSYNTAXでは,1次評価項目の主要有害心血管イベント(MACE)で有意ではないがCABGがPCIに勝るとする結果が出ている(N Engl J Med 2009; 360: 961-972 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19228612)。
観察研究では両者に差がないとする報告もあるが,その対象患者の内訳を見ると,CABG群のほうがPCI群よりも高リスク患者が対象となっていたことから,結論付けることはできなかった。
国内30施設が参加した前向き観察研究のCREDO-Kyoto Registryでは,LMTを含まない多枝病変に関しては両群で臨床転帰に大きな差はないものの,患者の内訳ではCABG群が高リスクであることが示されていた(Circulation 2008; 118: S199-209 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18824755)。
今回の解析対象は,LMTを含む病変への血行再建術施行例(PCI群165例,CABG群742例)で,患者背景を見るとPCI群のほうが高齢で,左室駆出率はCABG群のほうが低かった。
また,糖尿病や脂質異常症はCABG群のほうが多かった。
患者の病変枝数は表の通りで,CABG群のほうが多い傾向だった。

#OPCABでより良好な成績
その結果,総死亡の頻度はCABG群のほうが少ない傾向にあったが,有意差はなかった(P=0.054)。
総死亡,心血管イベント,血行再建術から成る複合評価項目についても,両群で有意差はなかった。
ただし,血行再建術の頻度については,CABG群のほうが有意に少ない傾向にあった。
さらに,病変枝数別に同様の解析を行ったところ,LMTに加え2枝病変以上ある場合は,CABG群で総死亡リスクが有意に低下していたが,複合イベントには有意差がなかった。
近年増加傾向にあるOPCABと従来のオンポンプバイパス術(ONCAB)に分けた解析も行われた。
LMT病変で,かつ多枝病変と糖尿病を有する患者を対象にしたカプランマイヤー曲線による解析では,OPCAB群の成績はONCAB群より優れる傾向にあり,総死亡や複合イベント,再血行再建術の各項目でPCI群より有意に良好な結果を示した。
また,同様の患者群でのCABGとPCIの比較では,複合イベント,再血行再建術の各発生リスクについて,カプランマイヤー曲線による解析ではCABG群のほうが有意に低く,優位性が認められたが,多変量解析で有意差が認められたのは血行再建術のみであった。
この点について,丸井氏は「PCI群が41例と少数に絞られていたためではないか」と分析している。
以上の解析から,丸井氏は「LMT病変ではやはりCABG群のほうが標準療法と言える」とまとめたが,PCI群の症例数が少なかったことや薬剤溶出ステント(DES)の割合が増加傾向にあることを受けて,「今後さらなる検証が必要」とも指摘した。
出典 MT Pro 2009.12.25
版権 メディカル・トリビューン社
<主幹部病変 関連サイト>
CABGかDESか(LMT病変)
http://blog.m3.com/reed/20081118/CABG_DES_LMT_1
SYNTAX試験 3枝病変・左主幹部病変に対する治療
http://blog.m3.com/reed/20090225/SYNTAX___3_
左主冠動脈疾患と遺伝
http://blog.m3.com/reed/20080102/1
DESのLMTへの適応
http://blog.m3.com/reed/20080126/DES_
<医学雑誌 切り抜き帖>
Circulation Journal Vol.70,Suppl.Ⅳ、2006
循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2004-2005年度合同研究班報告)
「虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン」P1477-1553
■グラフト材料P1487~1490
○左内胸動脈 LITA
LADの血行再建にはLITAを第一選択とするべきである。
LCxバイパスはLADより成績が劣る。
skeletonization(伴走静脈ならびに周囲組織から動脈を剥離)は、グラフト長、流量を増加させる。
○右内胸動脈 RITA
左右両側の使用は術後遠隔期のmortalityとmorbidityをともに
低下させる。
○右胃大網動脈 GEA
主な標的冠動脈はRCAである。
○下腹壁動脈 IEA
○ 橈骨動脈 RA
SVGより開存率が高い。
しびれや感覚障害の合併症は比較的多い。
○大伏在静脈 SVG
10年開存率は60%程度である。
■LADは、最も高い遠隔期グラフト開存率を期待できる冠動脈である。P1493
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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