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日本の市場ではACE阻害剤とARBの処方を比較した場合、後者の処方が主流です。
これは、日本人ではACE阻害剤による咳の副作用が多いという背景もあります。
最初にACE阻害剤を処方して、咳が出ればARBに変更すればよいようですが、実際にはそのステップは省略されていきなりARBが処方されているのが実情ではないでしょうか。
さてご存知のようにBPLTTC(Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration )で、冠動脈イベント抑制に関してはACE阻害薬にのみ「降圧を超えた効果」が示されています。
昨年の第31回欧州心臓学会(ESC2009)においても、ACE阻害薬イミダプリル(商品名イミダプリル)には、ARBのカンデサルタンにはないインスリン抵抗性の改善効果と線溶能改善効果が認められたことがイタリア・Pavia大学教授のRoberto Fogari氏らによって報告されました。
きょうは、その記事で勉強しました。
##FISIC
Fibrinolysis and Insulin Sensitivity in Imidapril and Candesartan recipient
イミダプリルは高血圧患者のインスリン抵抗性と線溶能をカンデサルタンよりも改善する
#エンドポイントはインスリン感受性と線溶系因子の変化
■レニン・アンジオテンシン系(RAS)は、血圧のみならずインスリン抵抗性や線溶系の制御においても重要な役割を演じている。
しかし、RAS抑制薬がインスリン抵抗性や線溶系に及ぼす影響については、相反する結果が報告されてきた。
■そこでFogari氏らは、インスリン感受性の指標(GIR)と線溶系因子(PAI-1、t-PA)の変化をエンドポイントとし、ACE阻害薬イミダプリルとARBカンデサルタンのPROBE試験「FISIC」(Fibrinolysis and Insulin Sensitivity in Imidapril and Candesartan recipient)スタディを実施した。
■対象は、高血圧以外に1つ以上の心血管疾患(CVD)危険因子を有する軽症〜中等症の成人高血圧患者61例である。
ただし、肥満者ではRASの亢進が予想されるため、BMIの組み入れ基準は25(kg/m2)以下とした。
また、腎機能低下例(CCr<80mL/min)や高コレステロール血症患者、糖尿病患者、6カ月以内に心筋梗塞(MI)または脳卒中の既往がある患者なども除外された。
■患者の平均年齢は53歳、男性32例、女性29例。血圧平均値は148/98mmHg、平均BMIは24kg/m2であり、高血圧以外の危険因子の内訳は、喫煙17例、左室肥大(LVH)7例、高齢男性(56歳以上)18例、CVDの家族歴20例、頸動脈内膜中膜(IMT)肥厚(0.9mm以上) 7例であった。
心血管リスク因子
喫煙
左室肥大
55歳超の男性
心血管疾患の家族歴、
頸動脈内膜中膜複合体厚>0.9mm)
■Fogari氏らは、これらの患者を2週間のウォッシュアウト期間後に無作為化し、イミダプリル5〜20mg/日(イミダプリル群、n=30)またはカンデサルタン8〜32mg/日(カンデサルタン群、n=31)による12週間の治療を行い、血圧およびPAI-1、t-PAの推移を追跡した。
また、0週と12週には、正常血糖高インスリンクランプ法でインスリン感受性を測定した。
#イミダプリルはインスリン抵抗性と線溶能をともに改善
■12週間の治療により、イミダプリル群とカンデサルタン群では、ベースラインに対して同等かつ有意な降圧が認められた(ともにp<0.001)。
■また、空腹時血糖とインスリン値は、両群とも不変であった。しかし、グルコースクランプ下での糖注入率(GIR:インスリン感受性の指標)は、カンデサルタン群では不変であったのに対し、イミダプリル群では、対ベースライン時、およびカンデサルタン群との比較で、ともに有意な上昇が認められた(いずれもp<0.01、図1)。
![]()
■また、血中PAI-1値は、両群ともに治療開始から1週間で有意に低下した(ともにp<0.05、vs.ベースライン時)が、カンデサルタン群のPAI-1値は週を経るごとに漸増し、8週後には元のレベルに戻り、12週後にはベースライン時を有意に超える高値となった(p<0.05 vs.ベースライン時)。
■これに対し、イミダプリル群では当初のPAI-1低下が全期間を通して維持されていた(p<0.05 vs. ベースライン時、p<0.05 vs. カンデサルタン群、図2)。
![]()
■さらに、カンデサルタン群では血中t-PA値(DDAVP負荷時における血管内皮のt-PA放出能)の有意な低下が認められたのに対し、イミダプリル群では不変であった(図3)。
![]()
■以上のように、正常体重の軽症〜中等症高血圧患者に対し、イミダプリルとカンデサルタンは同等の降圧効果を有するが、インスリン抵抗性と線溶系に対する効果は必ずしも同じではないことが示された。
すなわち、イミダプリルはインスリン抵抗性を改善し、線溶系の機能を亢進させたが、カンデサルタンにはインスリン抵抗性改善作用はなく、線溶系に対してはむしろ機能を低下させる方向に働くことが示唆された。
Fogari氏らは、「ACE阻害薬の降圧を超えた強力な心保護作用の一端は、インスリン抵抗性と線溶系に対するACE阻害薬とARBの作用メカニズムの違い、例えばアンジオテンシンIVの関与などによって説明できるかもしれない」と述べた。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ebm/topics/200909/512179.html
<コメント>
本研究では、肥満以外の心血管リスクを有する高血圧患者に対し、ACE阻害薬のイミダプリルが降圧作用とは独立に、インスリン感受性と線溶能を改善することを示しました。
そしてARB(カンデサルタン)はPAI-1値が有意に上昇し、t-PA活性が減少した結果は衝撃的です。(ARBに対するACE阻害薬の優位性)
先生が医学生だったとして、「ARBがACE阻害剤にまさる点を列記せよ」という問題が出た場合に、「咳」という副作用以外に何をお書きになりますか。
さて、片頭痛のことに話がいきなり飛んで恐縮です。
現在ではイミグラン、ゾーミッグなどのトリプタン系が処方されます。
エルゴタミン系を最初に処方されることはほとんどなくなっています。
薬価は
クリアミンA錠 13.4円
イミグラン錠50 933.4円
と随分差がありますが、クリアミンAで十分効果がある症例も多いはずです。
今どき講演会でもエルゴタミン系を積極的に推奨する講演者はいません。
ARBとACE阻害剤も、これほどの薬価差はありませんが今一度両者の有効性について考え直す必要はないでしょうか。
<番外編>
#利尿薬+Ca拮抗薬、高血圧患者の心筋梗塞リスク上昇
高血圧患者1305名を対象に、利尿薬をベースとした2剤併用療法(+β遮断薬、+Ca拮抗薬、+ACE阻害薬またはARB)と心筋梗塞・脳卒中発症との関連を症例対照研究で比較(症例353名、対照952名)。利尿薬+Ca拮抗薬を用いている患者で、他の2剤併用療法に比べて心筋梗塞発症リスクが高かった。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/01/28/10137/
原文
Myocardial infarction and stroke associated with diuretic based two drug antihypertensive regimens: population based case-control study
Boger-Megiddo I et al. BMJ 2010;340:c103
http://www.bmj.com/cgi/content/abstract/340/jan25_2/c103
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があります。
AAAというタイトルに引かれてつい勉強してしまった臨床試験があります。
国内で行われた高血圧合併の2型糖尿病患者を対象にアムロジピンとロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンといったARBの2種類の降圧剤のIMTに対する影響をみたものです。
試験デザインも結果も非常に興味深いものでしたが今後規模を拡大して追試していただきたいというのが率直な感想です。
予想外の結果だったのですが、両群間の降圧度なども知りたいので一度論文にあたってみる予定です。
代謝面より血行動態面での影響があったのでしょうか。
考察を読みのが楽しみです。
試験名
Amlodipine vs. ARB in Atherosclerosis
対象
平均年齢68歳の2型糖尿病で高血圧の日本人患者104例(平均追跡期間56.9週)
デザイン
日本人の2型糖尿病高血圧患者において、アムロジピンが頸動脈の内膜中膜複合体肥厚度(IMT)におよぼす効果をAII受容体拮抗薬(ARB)と比較(無作為、オープン)
薬剤
アムロジピン、ARB(ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン)
結果
アムロジピン群では、ARB群に比して有意にIMTが減少していた(-0.046mm vs 0.080mm、p<0.05)。
2型糖尿病高血圧患者において、アムロジピンは早期のアテローム性動脈硬化の進展を抑制する効果を有するが、ARBにはその効果がないことが示唆された。
文献
Ikeda H, et al: Comparison of effects of amlodipine and angiotensin receptor blockers on the intima-media thickness of carotid arterial wall (AAA study: amlodipine vs. ARB in atherosclerosis study). Diabetes Res Clin Pract, 83: 50-53, 2009.
http://www.takedamed.com/hpdr/rootDir/ExistCnt.do?url=content/ht_ebm/shared/ebm_ht/shared/htmls/frame_ebm_new.jsp&kind=jsp
<番外編>
実は別のAAAがあります。
##AAA Aspirin for Asymptomatic Atherosclerosis
#ABIにて無症候性アテローム性動脈硬化が疑われる患者においてaspirinの心血管イベント一次予防効果は認められず
■ABIはアテローム性動脈硬化の指標として用いられ,この低値は心血管イベントの独立した予測因子であることが,複数のコホート研究で報告されている。
■本試験は,aspirinの心血管イベント一次予防効果をABI低値の一般住民で検討した,最初の試み。
■3,350例。心血管疾患既往のないABI≦0.95の50-75歳。
■患者背景:
平均年齢(aspirin群62.2±6.7歳,プラセボ群61.7±6.6歳)
男性(29%,28%)
ABI(0.86±0.09,0.86±0.09)
血圧(148±22/84±11mmHg,147±22/84±11mmHg)
血清総コレステロール(6.2±1.1mmol/L,6.2±1.1mmol/L)
糖尿病(3%,3%)
喫煙(33%,32%)
■平均追跡期間8.2年,登録期間は1998-2001年
◆aspirin群(1,675例,100mgを1日1回投与),プラセボ群(1,675例)
一次エンドポイント(致死性/非致死性の冠動脈イベント+脳卒中+血行再建術)
発生率は,aspirin群とプラセボ群に有意差なし。
二次エンドポイント(狭心症や間欠性跛行,一過性脳虚血発作を含む全血管イベント)発生率にも有意差なし。
全死亡率も両群で同程度だった。
■大出血の発生率には有意差はないものの,aspirin群のほうが高かった。
<番外編>
実はBBB試験というのもありました。
#試験名
BBB Behandla Blodtryck Battre
対象
46~71歳で、降圧治療中の拡張期血圧値が90~100mmHgの本態性高血圧患者2,127例(平均追跡期間4.9年)
デザイン
本態性高血圧患者において、さらに強力な降圧治療を行うことによって、重篤な副作用の増加をみずに拡張期血圧(DBP)値を80mmHg以下に降圧することは可能か、また、DBPの降圧により高血圧に関連する合併症発生率や死亡率を軽減させられるかを従来の降圧治療継続群と比較検討(PROBE)
結果
追跡4年後における強力降圧治療群のDBPは、従来治療継続群に対して7~7.5mmHgの低下が認められた。両群から無作為に選択された各100例への質問票および視覚的評価法にて副作用発現率を比較したところ、強力降圧治療群において有意に低下した。脳卒中および心筋梗塞の発症はいずれの群も同等であり(強力降圧治療群28例 vs 従来治療継続群29例)、心血管系疾患発症率や死亡率についても群間差は認められなかった。
文献
Hansson L for the BBB study group. The BBB study; the effect of intensified antihypertensive treatment on the level of blood pressure, side-effects, morbidity and mortality in "well-treated" hypertensive patients. Blood Press, 3: 248-254, 1994.
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背景
心房細動(AF)は虚血性脳卒中のリスクを大きく上昇させるが、このリスクは個々のAF患者によって異なる。
既存のリスク分類法は予測能が不十分である。
慢性腎疾患は主要な心血管系危険因子であるが、AF患者において虚血性脳卒中のリスクを上昇させる独立した因子であるかどうかは不明である。
方法および結果
AF患者において、慢性腎疾患(糸球体濾過率の低下または蛋白尿)が抗凝固療法非施行時の血栓塞栓症のリスクにどう影響するかを検討した。
糸球体濾過率は「腎疾患における食事の修正」式を用いて推定し、蛋白尿は検査室データベースに登録されている尿定性検査の結果から推定した。
臨床データベースを用いて患者特性、ワルファリンの使用状況および血栓塞栓性イベントの発生状況を調べ、カルテレビューにより血栓塞栓症の発生を再確認した。
結果として、AF患者10,908例における抗凝固療法非施行時33,165患者・年の調査において、血栓塞栓性イベントの新規発生が676件確認された。
脳卒中に関する既知の危険因子およびその他の交絡因子を補正した結果、蛋白尿の存在に伴って血栓塞栓症のリスクが54%上昇し、推定糸球体濾過率の段階的な低下に伴って脳卒中のリスクが段階的に上昇した。
結論
AF患者において、慢性腎疾患は他の危険因子とは独立して血栓塞栓症のリスクを上昇させることが示された。
また、AF患者において脳卒中予防を目的とした抗血栓療法の使用を判断するためのリスク分類は、腎機能の程度および蛋白尿の存在を調べることで改善する可能性がある。
http://dsc.m3.com/ck9a59ace53e4fffc049bcd2500b6e78c511a/contents/circulation/0047/c3_47_1j.htm
原文
Impact of Proteinuria and Glomerular Filtration Rate on Risk of Thromboembolism in Atrial Fibrillation
The Anticoagulation and Risk Factors in Atrial Fibrillation (ATRIA) Study
Circulation. 2009;119:1363-1369
Reduced Renal Function and Proteinuria Are Associated with a Higher Stroke Rate in Patients with Atrial Fibrillation (the ATRIA study)
http://www.clotcare.com/clotcare/atriastudy.aspx
<関連サイト>
ATRIAL FIBRILLATION AND STROKE—WHAT ARE THE RISKS?
http://www.neurologyreviews.com/march02/atrial.html
Contemporary estimate of AF prevalence expected to rise 2.5-fold in 50 years: the ATRIA study
http://www.theheart.org/article/287449.do
Risk of embolization in atrial fibrillation
http://www.utdol.com/patients/content/topic.do?topicKey=~5Mfz5jwr8wxx1Y4&selectedTitle=2%7E4&source=search_result
Prevalence of Diagnosed Atrial Fibrillation in Adults
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/285/18/2370
Prevalence of diagnosed atrial fibrillation in adults: national implications for rhythm management and stroke prevention: the AnTicoagulation and Risk Factors in Atrial Fibrillation (ATRIA) Study.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11343485
<番外編>
#冠動脈疾患の側副血行路とACE阻害薬
福岡大学医学部心臓・血管内科学 三浦伸一郎准教授
■BPLTTCをはじめ、心疾患によい成績が発表されることが多くなっていることから、以前はARB一辺倒でしたが最近はACE阻害薬を見直している。
■冠動脈疾患の側副血行路の形成にACE阻害薬がよいという論文がある。
(ARBでは側副血行路の形成なし)
AngiotensinⅡ Type 1 Recepter Blockers Do Not Promote Coronary Collateral Circulation in Patients with Coronary Artery Disease
Satoshi IMAIZUMI et al ,Hypertens.Res.2006;29:135-141
■3枝病変の重症例での比較で、ACE阻害薬投与群はARB投与群の4倍の側副血行路の発達がみられた。
■ACE阻害薬は、ブラジキニンを上昇させ、NOを増やし血管新生を促進する。
またAng Ⅱには、ATⅡを介した血管新生抑制作用があるが、ACE阻害薬はこの作用もブロックし、さらに血管新生を促進すると考えられている。
したがってACE阻害薬は冠動脈疾患の2次予防に大変有用と思われる。
■最近は、心不全に至るメカニズムは血管新生が抑制されるからだという新しい考えも出て来ている。
ACE阻害薬が心不全に予防効果があるのは、そんなメカニズムと関係しているかも知れない。

http://medical.mt-pharma.co.jp/learning/tal-minori/12/relation.html
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降圧治療の心血管リスク低減効果は、患者の年齢によって異なるのかという素朴な疑問が湧きます。
その疑問に答える研究報告が約2年前(2008.5.14)にBMJ誌電子版に発表されました。
種々の降圧治療が達成できる相対リスク減少が65歳未満と65歳以上で異なるかどうかを評価したというものです。
結論は、年齢によって有意な差はないということでした。
Blood Pressure Lowering Treatment Trialists’ Collaboration(BPLTTC)に参加するオーストラリアSydney大学のFiona Turnbull氏らの報告です。
年齢の分類がザックリで少し物足りないものを感じます。
さて、余談になりますが年齢と治療目標値について少し引っかかっていることがあります。
それは、CKD「推算GFR早見表」のことです。
たとえば、Cr値(この検査値がはたして標準値かどうかは今回は触れないことにして)で1.0mg/dlの女性の場合を例にとります。
20歳の女性の場合にはCKDハイリスク群ですが、40歳の女性の場合にはステージ3(専門医への紹介が望ましい)ということになります。
同じく2.5mg/dlの場合、85歳以上ではステー5(腎臓専門医での治療が必要)で80歳以下ではステージ4(腎臓専門医での治療が必要となる場合が多い)ということになります。
要するに、若年者に甘く、高齢者に厳しいガイダンスということになります。
生理的な機能の衰え、余命のことなどを考えれば現実的とはいえません。
予防医学的な見地からは若年者に厳しい基準を当て嵌めるべきと思えるのですが、実際のこのガイダンスでは逆です。
翻って「高血圧治療ガイダンス2009」では高齢酒には降圧目標値は緩い血圧値になっています。
こちらのガイダンスに「大人」を感じるといえば言い過ぎでしょうか。
##降圧薬の心血管リスク低減効果は年齢によって異なるのか
#65歳未満と65歳以上の間で有効性に差はなし
■BPLTTC は、WHO(世界保健機構)とISH(国際高血圧学会)の共同委員会で、高血圧治療に関するメタ分析を行っている世界的な研究グループ。
分析が前向きに行えるよう、試験採択基準を1995年に公開、患者個人のデータもすべて収集している。
■これまでに得られた観察研究の結果は、血圧と心血管リスクの間の関係は強力かつ直接的であること、高齢になると関係は弱まることを示している。
たとえば、50〜59歳の年代では、収縮期血圧が20mmHg下がると脳卒中リスクは62%低下するが、80〜89歳ではリスク低下は33%に留まるとの報告がある。
これは、年齢が高い患者では、降圧による心血管イベントリスク低減効果は小さいことを示唆する。
■しかし、降圧治療による心血管リスク低減レベルを評価した臨床試験では、年齢とリスク低下の間の関係を示す一貫したデータは得られていない。
また、異なる種類の降圧薬の作用が、対象者の年齢によって異なるかどうかを調べた研究はほとんどないが、一部のガイドラインは、特定の年齢層の患者に対して特定の種類の降圧薬の適用を推奨している。
世界的に高齢化が進む中で、年齢層ごとに最適の降圧治療が異なるならば、それを明確に知ることは重要だ。
■研究者たちは、主要な心血管イベントリスクを指標として、種々の降圧治療が達成できる相対リスク減少が65歳未満と65歳以上で異なるかどうかを評価するメタ分析とメタ回帰分析を実施した。
■分析対象にしたのは、無作為化試験で、降圧薬とプラセボ、または強力な降圧薬と作用が弱めの降圧薬、もしくは異なる種類の降圧薬同士を比較した試験。
最低でも1000人-年の追跡が計画されており、BPLTTCの試験採択基準提示後に結果が報告された31件の試験を選出した。
被験者は計19万606人で、65歳未満が9万6466人(平均年齢57歳)、65歳以上が9万4140人(平均年齢72歳)だった。
■主要アウトカム評価指標は、主要な心血管イベントに設定。イベントは、脳卒中(非致死的脳卒中または脳血管疾患死亡)、冠動脈疾患(非致死的心筋梗塞または突然死を含む冠動脈死亡)の総計とした。2次アウトカム評価指標は、脳卒中、冠疾患、心不全、心血管死亡、総死亡とした。
■対象となった研究では、以下の7通りの比較が行われていた。
(a)ACE阻害薬vsプラセボ
(b)カルシウム拮抗薬vsプラセボ
(c)強力な降圧薬vsそれより弱い降圧薬
(d)ARBを対照レジメンと比較
(e)ACE阻害薬を利尿薬またはβ遮断薬と比較
(f)カルシウム拮抗薬を利尿薬またはβ遮断薬と比較
(g)ACE阻害薬をカルシウム拮抗薬と比較
結果については中略
■今回の結果は、降圧治療による心血管イベント低減効果は65歳未満にも65歳以上にも同等に見られることを示した。
特定の薬剤の利益が年齢とともに変化することを示す強力なエビデンスは得られなかった。
■今回は分析対象に含まれる50歳未満と80歳超の患者は少なかったものの、目標とする降圧効果が得られるのであれば、忍容性やコストを指標として薬剤を選択してもよいことが示唆された。
原文
Effects of different regimens to lower blood pressure on major cardiovascular events in older and younger adults: meta-analysis of randomised trials
BMJ 2008;336:1121-1123 (17 May),
http://www.bmj.com/cgi/content/abstract/336/7653/1121
出典 NM online 2008.6.5
版権 日経BP社

ポール・アイズピリ アルルカン 油彩・キャンバス F20号
http://mizoe-gallery.com/products/detail.php?product_id=39
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2型糖尿病でかつ高血圧のある患者の血圧管理を厳格に行えば、大血管障害と細小血管障害のリスクが低下します。
少し前の研究になりますが、介入終了後に血圧の管理が不十分になると、こうした糖尿病合併症に対する臨床利益は消失することが、英国で行われた大規模臨床試験、UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)の追跡調査によって示されました。
詳細は、英National Institute of Health Research (NIHR) のRury R. Holman氏らにより、NEJM誌電子版に2008年9月10日に報告されました。
この記事で勉強しました。
##厳格な血圧管理をやめると、合併症減少効果もなくなる
##糖尿病患者を対象としたUKPDS試験の追跡調査(その1)
■1977年に患者登録が始まったUKPDSは、14年にわたって25〜65歳の新規発症2型糖尿病患者(空腹時血糖値が108mg/dL超)5102人を登録、中央値10.5年(最短で6年、最長で20年)の追跡を行い、心血管疾患などの合併率や危険因子について評価した試験だ。
■著者らは、この試験に参加した患者のうち、1987年に開始された血圧管理に関する無作為化試験Hypertension in Diabetes(HDS)に登録された集団を、試験終了後さらに10年間追跡。
試験期間中に行われた血圧管理がもたらした細小血管障害と大血管障害のリスク減少という利益が、どの程度持続するのかを調べた。
中略
■あらかじめ設定されていた以下の7つの臨床エンドポイントについて、intention-to-treatで分析した。
1)あらゆる糖尿病関連エンドポイント(突然死、高血糖または低血糖による死亡、致死的または非致死的心筋梗塞、狭心症、心不全、致死的または非致死的脳卒中、腎不全、下肢切断、硝子体出血、網膜光凝固、片眼失明、水晶体摘出)
2)糖尿病関連死亡(心筋梗塞、脳卒中、末梢血管疾患、腎疾患、高血糖または低血糖による死亡か突然死)
3)全死因死亡
4)心筋梗塞
5)脳卒中(致死的または非致死的)
6)末梢血管疾患
7)細小血管疾患(硝子体出血、網膜光凝固、腎不全)
■試験後モニタリング開始時点の血圧値は、厳格管理に割り付けられた患者群で、収縮期血圧が9mmHg低く(p<0.001)、拡張期血圧が3mmHg低かった(p<0.001)が、HbA1c値は厳格管理群で0.8%(p=0.001)高かった。
■また、厳格管理群のうち、ACE阻害薬グループとβ遮断薬グループの間でモニタリング開始時に差が有意だったのは、体重(β遮断薬群で4kg多かった、p=0.01)と、総コレステロール値(β遮断薬群で7mg/dL低かった、p=0.04)、HDLコレステロール値(β遮断薬群で3mg/dL低かった、p=0.009)だった。
■降圧薬を2剤以上使用していた患者の割合は、厳格管理群では61%、緩やかな管理群では36%。
脂質降下薬使用は全体の2%未満だった。
■追跡期間の中央値は、厳格管理または緩やかな管理に割り付けてから14.5年、試験終了後モニタリングの開始からでは8.0年だった。ACE阻害薬とβ遮断薬の比較については、それぞれ14.6年と7.6年となった。
■試験後モニタリング期間中の死亡率は51%。心血管死亡が全体の53%と多く、続いて癌死が21%だった。
■モニタリング開始から5年の時点で、2剤以上の降圧薬使用者の割合は、厳格管理群75%、緩やかな管理群73%と同等になり、脂質降下薬使用(全体の24%)とアスピリン使用(44%)の頻度も差はなかった。
■モニタリング開始時に両群間に認められた血圧の差は急速に消失。収縮期血圧については、試験終了後1年時に、拡張期血圧も2年時には有意差がなくなった。
ACE阻害薬群とβ遮断薬群の間に存在した体重の差のみが、モニタリング期間を通じて維持された。HbA1c、空腹時血糖、血清クレアチニン値、アルブミン/クレアチニン比は、どの時点のどの比較においても差はなかった。
■さて、介入試験期間中に厳格管理群で有意にリスク低下が大きかったのは、1)〜7)のエンドポイントのうち、
1)あらゆる糖尿病関連エンドポイント(相対リスク減少は24%、p=0.005)、
2)糖尿病関連死亡(32%、p=0.02)、
5)脳卒中(44%、p=0.01)、
7)細小血管疾患(37%、p=0.009)
の4項目だった。
■これらの利益は、試験後モニタリングの期間中に有意性を失っていった。
10年時には、厳格管理群におけるあらゆる糖尿病関連エンドポイントの相対リスク減少は7%(p=0.31)、糖尿病関連死亡は16%(p=0.12)、脳卒中は23%(p=0.12)、細小血管疾患は16%(p=0.17)となった。
■試験中、試験終了後ともに、3)全死因死亡と、4)心筋梗塞のリスク低減は有意ではなかった。
心筋梗塞は、厳格管理群の相対リスク減少が試験中は21%(p=0.13)、モニタリング10年時には10%(p=0.35)。全死因死亡は試験中が18%(p=0.17)、10年時は11%(p=0.18)だった。
■イベント発生件数が少なかったものの、厳格な血圧管理に関係する、6)末梢血管疾患のリスク低下は、試験中は有意でなく(両群共にイベント発生は8人ずつ、相対リスク減少は49%、p=0.17)、モニタリング10年時は有意だった(両群共にイベント発生は21人ずつ、リスク減少は50%、p=0.02)。
■一方、厳格管理群の中のACE阻害薬グループとβ遮断薬グループの比較においては、試験期間中も、試験後モニタリング期間中も、7つのエンドポイントに有意差は見られなかった。
唯一の例外は全死因死亡で、モニタリング10年の時点で、わずかではあるが有意差が見られた(ACE阻害薬群の相対リスクはβ遮断薬群に比べ23%高く、p=0.047)。
■2型糖尿病で高血圧の患者に対し、早期に厳格な血圧管理を行えば、合併症リスクは低下する。
しかし、利益の継続には良好な血圧管理の継続が必要であることが示された。
出典 NM online 2008.10.10
版権 日経BP社
原文
Long-Term Follow-up after Tight Control of Blood Pressure in Type 2 Diabetes
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/NEJMoa0806359v1
<番外編>
学会発表に関する興味深い記事がありました。
来月、MRさんを相手に講演をしますが、その参考にしたいと思います。
MRさんは入社時の研修でプレゼンしついての講習を受けているようで、講演会の際の「前座」の製品紹介も実に巧みです。
医師のわれわれはこういった教育を意外と受けていません。
学ぶべき点は多いようです。
記事の中の諏訪邦夫先生は以前に医学におけるパソコンの活用法についての本も書いておられ、以前に購読した覚えがあります。
#聴衆ウケする学会発表のコツ カギは情報の切り捨てにあり!
■一昔前よりも格段に学会発表が上手になりました。とはいえ、気になる点は幾つかあります。
その1つが、聴衆とのコミュニケーションの上に成り立つはずの学会発表が、まるで論文の朗読のようになってしまっていることです。
■研究テーマについての歴史的な考察や、他人の業績紹介などから始まり、自分たちが得たデータを1つ残らずスライドに盛り込んで、早口でまくし立てる・・・。
これでは、移り気な聴衆の心をつかむことはできません。
■学会発表で、すべての研究成果を伝えるのは不可能です。
「これだけは伝えたい!」というメッセージに的を絞り、枝葉の情報をそぎ落とすことが大切です。

■スライド1枚に40秒かけるとして、全体で何枚必要か。
どの図を見せるか。
どの部分が表になるか。
写真を使うか。
結論は何か。
そうしたことを考えながらスライドを作り、それに合わせて何をしゃべるかを考えます。
最も重視するのは、冒頭部分。聴衆が身を乗り出すか、席を立つかはここにかかっているので、全体の要となるスライド(結果が一目で分かる図や患者の特徴的所見など)をまず見せて、そこから説明を始めます。
説明の最後に、もう一度そのスライドを見せるのも効果的です。
■1枚のスライドの内容は、5〜10秒で理解してもらえる情報量にとどめます。
言葉であれば、文章をダラダラ書くのではなく、フレーズで見せる(下図)。
図表であれば、項目数を減らし、標準偏差やP値も省略するなどして、一目で分かるように作り変えます。
分かりにくい写真にはポイントに矢印を付け、英語は日本語に書き換えます(聴衆に英語を読ませながら日本語でしゃべるのは、無神経な行為だと思ってください)。
サイエンスである以上、結論をはっきり述べることも重要です。仮に思うような結果が得られなかった場合でも、まず結論を述べてから、その理由を述べましょう。
スライドの説明は、頭で考えるだけでなく、実際に声に出してしゃべってみるといいでしょう。
一通り完成したら、人前での練習も忘れずに!

出典 NM online 2010.1.25
版権 日経BP社

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があります。
高用量スタチン系薬剤は中用量と比べて、初発心血管イベントをより効果的に予防するだけでなく、再発予防においても有効であるという研究がJACC誌に掲載されました。
きょうはJACC誌12月15/22日号に2件掲載された記事で勉強しました。
集中スタチン療法は再発性心血管イベントを予防
■数年前のPROVE IT-TIMI 22試験では、主要複合エンドポイントである死亡、心筋梗塞、脳卒中、再入院を必要とする不安定狭心症、または指標となるイベントの少なくとも30日目以降に発生する血行再建術からなる初発の抑制に、アトルバスタチン80mgはプラバスタチン40mgより有効であった。
■後付解析で、現在、Brigham and Women's Hospital(ボストン)のDr. Eugene Braunwaldらは、最初のPROVE IT-TIMI 22コホートの追跡調査を2年間延長している。
■「冠動脈疾患患者には一生涯続く心臓発作およびその他の心イベントリスクがあることが判明しているため、我々は全イベントの全体像について調査したいと考えた」と共著者のDr. Christopher P. Cannonはロイターヘルスに語った。
■最近の解析で、2試験群のイベント数を比較した場合に、強化療法は中用量療法と比べて、心血管イベントの総発生数を16%低下させた(p=0.009)。
■初発イベントを予防するために治療が必要な患者数は26名だったが、全イベントを予防するために治療が必要な患者数はわずか14名であった。
■「患者はスタチン療法を長期間続けるべきであることは確かである。そうすれば付加的なベネフィットが生じるであろう」とDr. Cannonは結論付けた。
■2件目の論文も同様に、心筋梗塞の既往歴のある患者8,888名を、シンバスタチン20mg~40mgを毎日、またはアトルバスタチン80mgを毎日服用する群に無作為に割り付けたIDEAL試験の後付解析について報告している。
Helsinki University Central Hospital(フィンランド)のDr. Matti J. Tikkanenらは、PROVE-IT-TIMI追跡調査と同様に、最初の研究において主要エンドポイントであった初発イベント以外に、様々の二次心血管イベントの発生率を評価するために調査をおこなった。
■同研究者らは、「冠動脈疾患死亡、非致死的心筋梗塞、心停止後の蘇生に加えて、脳卒中、血行再建術、不安定狭心症による入院、鬱血性心不全による入院、末梢性動脈疾患から成る広義の二次エンドポイント」を用いたことを同論文で報告している。
■「試験で有意なイベント数は初発よりも再発である。本試験では、再発を含めた場合、イベント数は40%増加した。初発イベント発生後の患者にとって最大の危険は新規にイベントを発症することであり、致死的イベントになる可能性がある」とDr. Tikkanenはロイターヘルスに語った。
■中用量のシンバスタチン服用患者と比べて、高用量のアトルバスタチン服用患者の初発心血管イベントの相対リスクは17%、二次イベントのリスクは24%、三次、四次、五次イベントのリスクは、それぞれ19%、24%、28%低かった。
■「心筋梗塞またはその他のCVDイベントの後には、再発性の発作リスクを軽減するために高用量のスタチン系薬剤により治療すべきである」とDr. Tikkanenは助言した。
「患者が従来通りの用量のスタチン系薬剤を服用している場合には、高用量スタチン療法を始めるべきである。何らかの理由で高用量が適さない場合には、低用量スタチン系薬剤とエゼチミブの併用療法により治療すべきである」
■Cleveland Clinic Foundation(オハイオ州)のDr. Steven E. Nissenは関連論説で、「これら2件の再解析の研究結果は、意外ではないが興味深い」と記述している。
■同研究が心血管疾患による死亡、心筋梗塞、脳卒中以外のソフトなエンドポイントを用いたことに対して、Dr. Nissenは異議を唱えている。
「全ての研究中の療法において、ベネフィットを誇張し過ぎるリスクは大きく、有効性分析の信頼性を危うくするだろう」
■それに答えて、「心血管疾患の臨床像は変化している。効果的な予防療法は死亡率を低下させ、急性冠動脈症候群における経皮的冠動脈形成術のような適時介入は、疾患の経過を変えるであろう。
今後は、試験では(ハードポイントは稀になるので)、『ハードエンドポイント』の必要性から、より包括的なエンドポイントへの移行が必要になるだろう」とDr. Tikkanenは述べた。
J Am Coll Cardiol 2009;54;2353-2357
J Am Coll Cardiol 2009;54;2358-2362
J Am Coll Cardiol 2009;54;2363-2365.
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912240039220
出典 ロイターヘルス
版権 ロイター通信社
<番外編>
冠動脈疾患リスクとしてのLp(a)リポ蛋白、遺伝子調査で裏づけ
Lp(a)リポ蛋白値の上昇は、冠動脈疾患のリスクとなることが確認されている。
本研究では、Lp(a)高値および冠動脈疾患リスク増加の両方に強く関連した2カ所のLPA遺伝子変異(rs10455872とrs3798220)を同定した。
著者らはこの結果から、冠動脈疾患リスクとしてのLp(a)リポ蛋白の役割が裏付けられると結論している。
文献:
Clarke R et al. Genetic Variants Associated with Lp(a) Lipoprotein Level and Coronary Disease. NEJM. 2009;361(26):2518-2528
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/361/26/2518

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があります。
ショッキングなタイトルに釣られて読んだ記事です。
多枝冠動脈疾患の内科的管理の長期予後は良くないということです。
この内科的管理の内容にインターベンションが含まれるのか、単なるmedicationのみを内科的管理というのか、そして多枝冠動脈疾患の具体的内訳はどうだったのかといった点が今一つ分かりませんでした。
内科的に管理されている多枝冠動脈疾患の長期予後は不良
■狭心症と多枝冠動脈疾患を有する患者では内科治療による長期予後は不良である、とAmerican Heart Journal誌12月号に報告されている。
■「実際には、虚血性心疾患患者の死亡率を低下させることが立証されている有効な治療法はほとんど存在しない」とCleveland Clinic Foundation(オハイオ州)のDr. Matthew A. Cavenderはロイターヘルスへの電子メールで述べた。
「我々の研究は、虚血性心疾患患者における予後不良を明らかにし、有効な治療法によって得られる可能性のある効果を示している」
■Dr. Cavenderらは、Duke Databank of Cardiovascular Diseaseを用いて多枝冠動脈疾患の患者2,776名の長期予後を評価した。
これらの患者は重度狭心症の評価のためにカテーテル法を受けたことがあるが、血行再建術は受けていなかった(検査後最大30日間)。
■「1年目では、11%が死亡し、14%が死亡したか非致死的な心筋梗塞(MI)を発症し、29%が心臓病棟に再入院し、10%が晩期の血行再建術を受けていた」と著者らは報告している。
「死亡、MI、晩期の血行再建術、または心臓病棟への再入院から成る複合イベントの1年発生率は38%であった」
■1年目の死亡の有意な独立予測因子は、高齢、内科的併存疾患の重症度、腎不全、冠動脈疾患、およびその他の因子であったのに対し、過去の冠動脈バイパス術は死亡、心臓病棟への再入院、および晩期の血行再建術に対する保護効果を示した。
■「5年目では、37%が死亡し、44%が死亡したか非致死的MIを発症し、61%が心臓病棟へ再入院し、27%が晩期の血行再建術を受けていた。死亡、MI、晩期の血行再建術、または心臓病棟への入院からなる複合イベントの5年発生率は76%であった」と同研究者らは続けた。
■「虚血性心疾患の罹患率と死亡率を抑制する試みを、冠動脈疾患の一次予防と共に始める必要がある」とDr. Cavenderは述べた。
「人々は自分の健康に責任を持ち、食事を改善し、運動を増やし、禁煙することによって予防手段を講じるべきである」
「診断が確立している虚血性心疾患患者においては、幹細胞療法が大きな希望を与えてくれる」とDr. Cavenderは補足した。
「Cleveland ClinicはNational Institutes of Health Cardiovascular Cell Therapy Research Networkに加盟しており、現在、患者本人の骨髄由来幹細胞を用いる試験への患者登録を進めている。安全性と有効性が共に立証されれば、細胞療法は虚血性心疾患患者に理想的な方法となるだろう」
Am Heart J 2009;158:933-940.
出典 ロイターヘルス 2009.12.15
版権 ロイター通信社
<コメント>
原著にあたっていないので内容がいまひとつ理解不能です。
消化不良ですいません。
勤務医の頃といってもはるか昔のことですが、今回の出典のAm Heart J とAm J of Cardialを個人的に定期購読していました。Circulationという雑誌もあったようですが、JACCは確かなかったようです。
現在はわかりませんが、当時のAm Heart J はわりと簡潔な内容で臨床志向だったように記憶しています。
現在もこの雑誌、あるんですね。
きっと読者数は減少しているものと思われます。
American Heart Journal - Home
http://www.ahjonline.com/

吉川龍 「緑に射す」 20F
http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2009/07/3_1.html
<きょうの一曲> モーツアルト ピアノソナタ 第7番
"III. Presto" from: Sonata No. 7 in A minor, K. 310. (Mozart)
Claudio Arrau plays Mozart (vaimusic.com)
http://www.youtube.com/watch?v=pRXdIfNPib4&feature=related
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(内科医向き)
があります。
日本の食塩摂取量は欧米に比べて多く、高血圧への移行を防ぐためにも、あらためて減塩の重要性を認識する必要がありそうです。
きょうは、昨年(2009年)3月20日から22日にかけて大阪で開催された第73回日本循環器学会総会・学術集会のプレナリーセッション「食塩と高血圧」の記事で勉強しました。
演者は、滋賀医科大学の三浦克之准教授です。
日本における減塩の必要性を強調した内容です。
##日本ではあらためて減塩が必要だ
高血圧のリスク因子の1つでとして忘れてならないものに食塩があります。
これまでの疫学研究などから、食塩摂取量が多い人では、加齢に伴う収縮期血圧の上昇が大きくなることが分かっている。
三浦氏は、1996年から99年にかけて実施され、現在も解析が続いているINTERMAP(International Study of Macro-Micro nutrients and Blood Pressure)研究の結果を紹介した。INTERMAP研究の対象は、日本、中国、英国、米国の4カ国17集団で、40歳から59歳の男性2359人、女性2321人の合計4680人。
4回の訪問時に合計8回、血圧を測定し、2回の24時間蓄尿による尿中ナトリウム排泄量と尿中カリウム排泄量から食塩摂取量を算出。
24時間思い出し法により栄養調査を実施して、血圧に影響を及ぼす食事因子、特にたんぱく質や炭水化物などの主要栄養素と、微量栄養素の役割を明らかにする疫学研究だ。
研究の結果、平均食塩摂取量は、日本の男性で12.3g、女性で10.9g、中国の男性で14.3g、女性で12.3g、英国の男性で9.4g、女性で7.5g、米国の男性で10.7g、女性で8.3gとなり、依然として欧米よりも食塩摂取量が多いことが分かった。
にもかかわらず、減塩を実施している人の割合は、英国の10.3%、米国の14.7%に対し、日本は9.0%、中国5.8%と、欧米に比べて少なかった。
主な食塩摂取源を調べたところ、日本では、しょうゆや味噌、つけものなどの加工食品が大部分を占めていた。
出典 NM online 2009.3.23(一部改変)
版権 日経BP社
<番外編>
##1日5gの塩分制限で脳卒中とCVDのリスクが減少
ナポリ大学(伊ナポリ)のPasquale Strazzullo博士とワーウィック大学(コベントリー)のFrancesco Cappuccio博士らは,塩分の取りすぎは脳卒中と心血管疾患(CVD)の発症リスクを有意に高めるとの研究結果をBMJ(2009; 339: b4567)に発表した。
#集団レベルでの制限が必要
■塩分の過剰摂取と高血圧との関係については疑問の余地がなく,これまでにも食塩の摂取量を集団レベルで減らせば,CVDの発症を大幅に減少できることが示唆されてきた。
■世界保健機関(WHO)が推奨する塩分摂取量は,集団レベルで1日5g(約小さじ1杯)である。
しかし,西洋のほとんどの国では1日10g近くの塩分を摂取しており,東欧ではそれをはるかに上回る国が多い。
■Strazzullo博士らは,食塩摂取量と脳卒中およびCVDの発症率との関係を直接評価した13の前向き研究(対象者総数17万例超)を対象にメタアナリシスを行った。
■研究計画とその質を考慮に入れ,バイアスは最小となるようにした。
その結果,1日の塩分摂取量が5g変わると脳卒中の発症リスクは23%,CVDの発症リスクも17%変化したことが明らかになった。
■今回の結果から,同博士らは「集団レベルで塩分摂取量を1日5g減らすと,年間推定約125万人の脳卒中死と約300万人のCVD死を回避できる。
しかし,塩分摂取量の計測は正確性を欠くことから,この塩分制限による効果は過小評価される傾向がある」と指摘。「今回の研究結果から,CVDを予防するためには,集団レベルで塩分摂取量を減少させることが重要だとわかった」と結論している。
出典 Medical Tribune 2010.1.21
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
アルドステロンエスケープとブレークスルー
http://blog.m3.com/reed/categories/618
食塩と高血圧の関係はどこまで解明されたか
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt7/salt7-ferment-1.html
インターソルト・スタディにおける食塩排泄量と高血圧罹患率
http://www.ibasalt.co.jp/kenko/ketsuatsu.htm
包装食品の栄養成分表示にも注意しましょう
http://kanja.ds-pharma.jp/health/ketuatu/lifecustom/lc03.html
(カップ麺でもスープまで飲むと6gの食塩摂取量となります。しかしスープを飲まないということはとてもできません。)
食塩と高血圧
http://maglog.jp/kenko-ho2007-3-21/index.php?module=Article&action=Reader&type=2&subtype=200705&page=3
食塩と高血圧
http://petnotame.com/koukoku_backnumber/04/index.php
塩と高血圧について
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt7/salt7-soda.html
「みそは塩分が高いから、高血圧になる?」
http://www.takeya-miso.co.jp/ta-ken05.html
加齢と高血圧
http://sugp.int-univ.com/Material/Medicine/cai/text/subject06/no8/html/section9.html
食塩感受性と臓器障害
http://blog.m3.com/reed/20091028/1
塩分の摂取について
http://www.echigo-ryokan.jp/shoku-kenko/shoku-kenko_04.html
血圧の自己管理(改訂版)
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/pamph43.html
減塩 その1
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2010/01/18
減塩 その2
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2010/01/19
減塩 その3
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2010/01/23
<番外編>
オルメテックとカルブロックの合剤が発売になります。
ラインアウトはLDとHDとすっきりしています。
しかし、循環器専門医は合剤はあまり使いたくない、つまり匙加減をこまめにしたいというのが現状ではないでしょうか。


歳嶋洋一朗「運河・アムステルダム」66×120cm 油彩
http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2008/07/post_59.html
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井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
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があります。
##HDLコレステロールは糖尿病患者への予防効果は小さいが、ナイアシンは有用性を回復
■2型糖尿病では、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL)は、その血管内皮保護特性を喪失させるが、ナイアシンは喪失した血管保護作用を回復させる可能性があることを、研究者らは見出した。
■University Hospital Zurich(スイス)のDr. Ulf Landmesserらは、Circulation誌1月5/12日号において、健常者では、HDLは、血管内皮細胞による一酸化窒素産生を刺激し、抗酸化作用を発現し、血管内皮の修復を促進することにより、脈管構造を保護する、と指摘している。
■しかし、メタボリックシンドロームを有する2型糖尿病患者33名および健常対照群10名から得られたHDLと内皮前駆細胞を比較したところ、差異がいくつか示された。
■第一に、3週間以上にわたるスタチン療法をおこなったものの、糖尿病患者の平均HDL値は低かった(男性では40mg/dL未満、女性では50mg/dL未満)。
■さらに、正常なHDLには、糖尿病性HDLにはない能力、すなわち内皮細胞による一酸化窒素(NO)産生を刺激する能力、無傷血管の内皮依存性NO媒介性血管拡張を刺激する能力、酸化作用を阻害する能力、内皮細胞と結合する能力および内皮前駆細胞媒介性内皮修復能を刺激する能力があった。
■しかし、糖尿病患者を、3ヶ月間の徐放性ナイアシン療法群(初期用量500mg、最大用量1,500mg/日)またはプラセボ投与群に無作為に割り付けたところ、ナイアシン投与により、HDL値が上昇したが、「さらに重要なことに」、ナイアシン療法によりHDLの血管内皮保護特性が改善した、と著者らは述べている。
■改善に関する一つの説明として、「徐放性ナイアシン療法後にHDLの脂質酸化が軽減した」ことが考えられる、と著者らは記している。
■「HDLの血管保護特性を回復させる能力について、HDL上昇薬物療法を検討すべきである」と同研究者らは促している。
■さらに同研究者らは、「糖尿病患者におけるHDLの有益な効果の喪失の根本的な機序は、複数の要因がある可能性が高く、HDLの酸化修飾、HDL組成の変化およびHDLの内皮結合の変化の可能性が含まれると考えられる」と推測している。さらに、糖尿病患者から得られたHDLの分析は、HDLのミエロペルオキシダーゼ依存性酸化は、少なくとも部分的に内皮効果の変化に関与している可能性があることを示した。
■同研究者らによる説明の一つの欠点は、患者がメタボリックシンドロームと糖尿病を併発したため、本知見が肥満や脂質値の差に関連していた可能性がある、ということである、と著者らは述べている。
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912220039165
出典 ロイターヘルス 2009.12.21
版権 ロイター社
##ナイアシン補充はシンバスタチン/エゼチミブの効果を亢進
■脂質異常症の高リスク患者において、徐放性のナイアシンの補充は、シンバスタチンおよびエゼチミブ単独の治療よりも優れた結果を提供する、とAmerican Journal of Cardiology誌11月16日号オンライン版に研究者らが報告している。
■「脂質調節が必要な患者のほとんどはスタチン単剤療法によい反応を示すだろうが、中には、複数の脂質異常症を抱えている、脂質問題の重症度が高い、または脂質の目標が非常に厳しいことで、併用療法が必要な患者もいる」と主任研究者のDr. Sergio Fazioはロイターヘルスに語った。
■「このような症例の中には、2剤療法でも十分でないこともあるだろう」と同研究者は補足した。
■Vanderbilt University(テネシー州ナッシュビル)のDr. Fazioらは、3剤併用療法について研究するために、Ⅱa/Ⅱb型脂質異常症患者942名を研究した。
この中には「心血管イベントの10年リスクが20%以上」の被験者が含まれていた、とDr. Fazioは述べた。
■被験者を4種類の治療群、すなわち、64週間ナイアシン併用と非併用でエゼチミブ/シンバスタチンを投与する群、ナイアシンを24週間投与後に次の40週間にエゼチミブ/シンバスタチンを追加投与する群、またはナイアシンを24週間投与後に残りの40週間はエゼチミブ/シンバスタチンに切り替えて投与する群に無作為に割り付けた。
■64週間目に、シンバスタチンとエゼチミブ単独に比べて、3剤併用療法は、HDLコレステロール(+21.5%)、トリグリセリド(-17.6%)、非HDLコレステロール(-7.3%)、低比重リポ蛋白コレステロール、アポリポ蛋白質BおよびA-I、リポ蛋白質の比率を有意に改善した。
■ナイアシン関連の顔面紅潮により、3剤併用群の方が2剤併用群より研究を中断する比率が高かった(10.3%対0.7%)。しかし、顔面紅潮以外はこのレジメンの忍容性は一般的に良好であった。
■「3剤併用療法は、高リスク患者で全脂質パラメーターの調整を最大化するために安全に使用できるという主張を、本研究は裏付けている」とDr. Fazioは続けた。
「臨床的議論で、スタチン療法に対する追加方法として、脂質に対する異なった薬剤療法の比較価値を検討する場合に、本研究は、エゼチミブと徐放性のナイアシンが相乗的、付加的に働いて、スタチンが脂質コントロールを促すという注意喚起となる」と同研究者は指摘した。
■先月American Heart Associationの年次総会で、研究者らは、Abbott Laboratories社の徐放性ナイアシン(ナイアスパン)は、多くの人々が推測したように、ゼチア(Merck社製エゼチミブ)より安全かつ効果的であると発表した。
本研究結果は、最初のコレステロール低下療法における効果の亢進を見守る新薬としての、ナイアスパンまたはその他の同じような長時間作用型のナイアシン複合剤に対する熱意を助長している。
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200912170039069
出典 ロイターヘルス 2009.12.16
版権 ロイター社
<関連サイト>
ナイアシンの効果・効能と副作用や成分のまとめ
http://www.bbs-nara.com/naiashin.html
ナイアシンの効果
http://www.geocities.jp/top_piping/niacin.htm
ARBITER 6-HALTS スタチンとナイアシンの併用
http://blog.m3.com/reed/20091209/ARBITER_6-HALTS_
ARBITER 6-HALTS:徐放ナイアシン製剤のスタチン併用頸動脈IMT退縮効果 vs ゼチーア無残
http://intmed.exblog.jp/9252771/
水溶性ビタミン:ナイアシン
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000400/hpg000000388.htm
ナイアシン-続1
http://www.choicetheory.net/kcc/mailmagazine5.html
Abbott社 スタチンとナイアシンの合剤・SimcorがFDA承認された
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=25088
2008年2月15日、Abbott社は、ナイアシン(niacin)徐放製剤・Niaspanやシンバスタチン(simvastatin)の単独治療では不十分な複雑な脂質疾患を有する患者のHDLコレステロールを上昇させ、総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセリドを低下させる薬剤としてNiaspanとシンバスタチンの固定用量合剤・SimcorがアメリカFDAに承認されたと発表した。
脂質降下薬
http://ja.wikipedia.org/wiki/脂質降下薬
■ニコチン酸
商品名としてペリシットなどがある。
レジンやスタチンに併用する例が最近では多い。
他の薬では下がらないLp(a)を若干下げる。
ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称をナイアシン(ビタミンB3)という。
ナイアシン
http://ja.wikipedia.org/wiki/ナイアシン
■ナイアシン (Niacin) は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3 ともいう。
水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。
■多く含む食材
カツオ、さば、ぶり、いわし、レバー、鶏ささみ、まぐろ、シラス干し、たらこ、豆類
■ナイアシン(Niacin)はニコチン酸ビタミン(NIcotinic ACid vitamIN)の略称であるが、この名称は元のニコチン酸という言葉が有害物質であるニコチンと混同されるのを避けるために付けられたものである。
~ARBITER 6-HALTS~ 動脈硬化退縮にはLDL-C低下増+HDL-C上昇を
■ 長期スタチン服用例に対し,心血管疾患抑制を目指した次のアプローチを考えるRCTであるARBITER 6-HALTSの結果を,ワシントン病院センター(ワシントン)のAllen J. Taylor氏が同集会で報告し,NEJM(2009; 361: 2113-2122)に掲載された。
HDLコレステロール(HDL-C)を上昇させる徐放性ナイアシン(ニコチン酸製剤),またはLDLコレステロール(LDL-C)のさらなる低下をもたらすコレステロール吸収阻害薬エゼチミブが追加投与された結果,動脈硬化の指標である平均頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)の14か月後の退縮には,徐放性ナイアシンが有意に優れていた。
■指定討論者でアムステルダム大学医療センター(オランダ)のJohn J. P. Kastelein氏は,
(1)N群の効果にはHDL-C上昇だけでなくLDL-C・TG低下の上乗せも加わっており,同試験はHDL-C上昇対LDL-C低下の比較ではなく,2剤を比較したもの
(2)両群の相違は試験の早期中断のために過大評価された可能性がある
(3)事後解析には多変量解析を実施すべき
―などを指摘。
徐放性ナイアシンの臨床イベント成績は,進行中の大規模試験で評価されるとした。
また,2007年のコレステロールエステル転送蛋白質(CETP)阻害薬torcetrapibによる心血管イベント増加の報告により生じたHDL-C上昇への懸念を,同試験が払拭した点も評価された。
ナイアシンによる潮紅対策として,Taylor氏は「通常就寝前に服用し,軽食やアスピリンと一緒に服用するのもよい」と説明した。服用前後にアルコールや熱い飲料,入浴を避けるのも一法だ。徐放性製剤自体が潮紅軽減を目指したものだが,プロスタグランジンD2が潮紅を惹起することが判明しており,その受容体拮抗薬との合剤も既に開発されている。
出典 Medical Tribune 2009.12.10
版権 メディカル・トリビューン社
Nicotinamide
http://en.wikipedia.org/wiki/Nicotinamide
niacinamide
http://www.healthline.com/natstandardcontent/niacin-niacinamide
■Niacin is a well-accepted treatment for high cholesterol. Multiple studies show that niacin (not niacinamide) has significant benefits on levels of high-density cholesterol (HDL or "good cholesterol"), with better results than prescription drugs such as "statins" like atorvastatin (Lipitor®).
■There are also benefits on levels of low-density cholesterol (LDL or "bad cholesterol"), although these effects are less dramatic.
■ Adding niacin to a second drug such as a statin may increase the effects on low-density lipoproteins.
■The use of niacin for the treatment of dyslipidemia associated with type 2 diabetes has been controversial because of the possibility of worsening glycemic control.
■Patients should check with a physician and pharmacist before starting niacin.
<番外編>
国内初のARB/Ca拮抗薬配合剤として、エックスフォージ配合錠がノバルティスファーマから発売されます。
ディオバン錠80mgとアムロジピン5mgの配合剤です。
薬価収載日、発売日は未定です。

さて、こういった配合剤ラッシュで気になることがあります。
こういった場合の多くは片方がジェネリックであることが多いのです。
しかし、こういったことは公表されません。
そしてこの場合の薬価としての評価はどうなっているのでしょうか。
新薬の発売後1年間は14日以内の処方日数というのも大きな足かせです。
循環器疾患の患者さんの多くは、最低30日処方です。
何とかならないものでしょうか。
14日処方の隔日服用で28日分という禁じ手も本気で考えています。
実際、昨日の処方でDPP-Ⅳ阻害剤を隔日で2週間処方しました。
<きょうの一曲>
ブリーフ&トランクス さなだ虫
http://www.youtube.com/watch?v=2BBM_8JIId8
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。