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##米FDAがシンバスタチン・エゼチミブ併用によるがんリスクについて見解
12月22日,米食品医薬品局(FDA)は,シンバスタチンとエゼチミブの併用による心血管アウトカムを評価したSEAS(Simvastatin and Ezetimibe in Aortic Stenosis)試験で,がんならびにがん死が増加していたとされていた問題に関し,あらためて経過報告を行った。
それによると,現時点では両薬剤の使用を中止する必要はなく,引き続き評価していくべきとしている。
#現在進行中の大規模臨床試験による暫定データでは有意なリスク増加なし
昨年(2008年)8月に発表されたSEAS試験(N Engl J Med 2008; 359: 1343-1356)で,シンバスタチンとエゼチミブによる厳格な脂質低下療法は大動脈狭窄症の改善をもたらすかが検討された。
1次評価項目に有意差が認められなかったうえ,実薬群でコントロール群に比べがん発症ならびに死亡が有意に増加したことから大きな波紋を呼んだ。
これを受けて同月,FDAがearly communicationを出していた。
この間,現在進行中の両薬剤併用による大規模臨床試験SHARP(Study of Heart and Renal Protection)およびIMPROVE-IT(IMProved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial)の暫定的なデータを解析,今回の経過報告を出すに至った。
FDAによると,これらの臨床試験の対象患者2万617例におけるがん関連データを解析したが,両薬剤によるリスクの増加は見られなかったという。
また,がんによる死亡は実薬群で97例,コントロール群で72例見られたが,統計学的有意差はなかった。
FDAは,「医療従事者,あるいはこれらの薬剤を服用している人に対し,使用中止を指示することはない」との見解を示し,シンバスタチンあるいはエゼチミブにおける臨床上の便益性とリスクの可能性をほかのコレステロール低下薬を含め,引き続き比較していくべきとしている。
出典 MT Pro 2009.12.24
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
Intensive lipid lowering with simvastatin and ezetimibe in aortic stenosis.
N Engl J Med. 2008 Sep 25;359(13):1343-56.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18765433
Follow-Up to the August 2008 Early Communication About an Ongoing Safety Review of Ezetimibe/Simvastatin (marketed as Vytorin), Simvastatin (marketed as Zocor) and Ezetimibe (marketed as Zetia) - FDA Investigates a Report from the SEAS Trial
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/DrugSafetyInformationforHeathcareProfessionals/ucm194964.htm
〜SEAS試験〜
大動脈狭窄症に対する厳格な脂質低下療法の意義は認められず
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41400101&year=2008
■同試験は,欧州173施設の参加によるランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験。対象は,45〜85歳で軽度〜中等度の無症候性大動脈狭窄症。
4週間の観察期間を経て,シンバスタチン40mg/日+エゼチミブ10mg/日による脂質低下群(944例)とプラセボ群(929例)に割り付けられた。
追跡期間の中央値は52.2か月。
■脂質低下群の8週後のLDLコレステロール値は,試験開始前より61.3%低下し,平均53mg/dLであった。
複合1次エンドポイント(大動脈弁置換術,心血管死亡,大動脈狭窄症による心不全,非致死性心筋梗塞,非致死性出血性脳卒中,冠動脈バイパス術,冠動脈インターベンション,不安定狭心症による入院)の発生は,脂質低下群333例(35.3%),プラセボ群355例(38.2%)で,両群間に有意差はなかった。
■2次エンドポイントについては,大動脈関連イベントでは差が認められなかったが,虚血性心疾患リスクは脂質低下群がプラセボ群に比べ,22%有意に低下した(P=0.02)。
このうち,冠動脈バイパス術を要する頻度が脂質低下群で大幅に低下していた。
Pederson氏は「大動脈狭窄症に対する脂質低下療法の有用性を見たいくつかの試験結果からは,一貫した結果が得られていない。現在進行中の他の試験結果も待って結論すべきだろう」とした。
■一方,安全性に関する検討では,重篤な副作用が両群とも約50%と同等であったが,がんの発症に関しては,プラセボ群の70例(7.5%)に対して脂質低下群は105例(11.1%)であった。
脂質低下群で増加が認められたがんの種類は,皮膚がん,胃がん,前立腺がんなどだが,統計学的に有意な増加はなかった。SEAS試験と同様の脂質低下療法レジメで現在進行中の2試験(IMPROVE-IT,SHARP)は,脂質低下群とプラセボ群で各群1万例強の患者数を擁するが,がんの発症および死亡率の上昇は認められておらず,両試験とSEAS試験を合わせた結果によっても,脂質低下群のがんの発症および死亡率の上昇は認められなかった。
■この結果について,ハーバード大学Bringham and Women's病院(米ボストン)のEugue Braunwald氏は「現段階でこの治療レジメによるがんのリスク上昇を示す根拠は提示されなかった。
試験安全検討委員会で他の2試験の続行が決定されている」とコメントした。
<コメント>
当院の患者ではスタチン・エゼチミブ併用が必要なケースはそんなに多くはありません。
コレステロールのコントロールがうまく行かない時には、スタチンの増量でいくか、スタチンは増量せずにエゼチミブを併用するか迷うところです。
こういった場合、スタチンの副作用が懸念される場合には両者併用、スタチンの多面的作用を期待する場合には増量といったところでしょうか。
エゼチミブの大規模臨床試験はいまのところ連戦連敗といったところです。
このエゼチミブにはスタチンのような多面的作用は、はたして期待できないのでしょうか。
さきほどの増量か併用かという話も、心血管イベントに関する両群間の比較の大規模臨床試験は、すでにあるのでしょうか。
<きょうの一曲>
" Autumn Leaves " Chet Baker - Paul Desmond
http://www.youtube.com/watch?v=Gsz3mrnIBd0&feature=related

中川一政
http://www.kyoto-yakata.net/info/westernpaintings/nakagawa_kazumasa.html
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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