戯れ言たれる侏儒
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PLATO試験

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.22 00:12 / 推薦数 : 0

第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)での、STEMIにおける新規抗血小板薬についての報告で勉強しました。
ACSにおける二重盲検試験PLATOのサブグループ解析です。

新規抗血小板薬とはTicagrelorで、アストラゼネカがACSの治療薬として開発中の薬剤です。
可逆的にアデノシン二リン酸(ADP)に結合する抗血小板薬としては初の薬剤で、ADP受容体のP2Y12を選択的に阻害します。

〜PLATO試験〜
新規抗血小板薬ticagrelor,STEMIでも出血増なくイベントを抑制
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者でも,新規抗血小板薬ticagrelorはクロピドグレルとの比較で,出血リスクを増すことなく心血管イベントの減少を有意に増強することが明らかになった。
パリ第7大学(パリ)のPhilippe G. Steg教授が,急性冠症候群患者を対象とした二重盲検試験PLATO※の事前に設定されたサブグループ解析をもとに報告した。
※Platelet Inhibition and Patient Outcomes

心血管イベント,総死亡が減少
■Ticagrelorは,血小板アデノシン二リン酸(ADP)受容体のP2Y12を選択的かつ可逆的に阻害する。
PLATO主解析では,発症24時間以内の急性冠症候群患者1万8,624例において,クロピドグレルに比べticagrelorが重篤な出血を増すことなく,心血管イベントのリスクを16%有意に減少させることが判明した。

■今回の解析対象は,プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行が予定される発症24時間以内のSTEMI患者8,430例で,
(1)クロピドグレル(C群)
(2)ticagrelor(T群)
に割り付けた。
全例にアスピリン75~100mg/日を投与したうえで,
(1)初回量300mg(服用中なら初回投与なし,PCI施行前300mg追加可),維持量75mg/日
(2)初回量180mg(PCI施行前90mg追加可),維持量90mg×2/日を6~12か月投与した。

■1年後の1次評価項目である「心血管死+心筋梗塞+脳卒中」の発生率は,C群11.0%,T群9.3%と,後者でリスクが15%有意に減少(P=0.02)。
1次評価項目を1イベント防ぐための治療必要人数(NNT)は59。個別にはT群で心筋梗塞リスクが23%有意に減少したが,脳卒中リスクは45%高い傾向を示した。
総死亡のリスクは,T群で18%有意に低かった。

■ステント血栓症の確定例は,C群2.5%,T群1.6%と,後者で39%有意にリスクが減少し(P=0.01),ほぼ確実例,疑い例を加えてもT群で有意に低率だった。
安全性1次評価項目のPLATOの定義による大出血は,C群9.3%,T群9.0%で,TIMI大出血,生命を脅かす/致死性出血などとともに,両群に有意差はなかった。
呼吸困難はT群で有意に高率だった。

■Steg教授は「ticagrelorはプライマリPCIが予定されるSTEMI患者の管理で,新たな標準療法となる可能性がある」と強調した。

■指定討論者のテネシー大学(テネシー州メンフィス)のLisa K. Jennings氏は,ticagrelorの利点として,
(1)血小板阻害の平均レベルが強い
(2)効果発現に肝代謝が不要で,反応性のばらつきが小さい(3)結合が可逆的であるため抗血栓作用と出血イベントの乖離が大きい可能性がある
―などを挙げたうえで,1日2回の投与は服薬コンプライアンスの点で課題となるかもしれないとした。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42510231/year/2009
出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン社

<Ticagrelor 関連サイト>
●新規抗血小板剤Ticagrelor、急性冠症候群患者を対象とした
クロピドグレルとの比較試験で心血管死と心筋梗塞を抑制
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_09_03.html
■Ticagrelorは急性冠症候群患者を対象としたクロピドグレルとの比較において、心血管死の抑制を示した初めての抗血小板剤です。
PLATO試験の結果は欧州心臓病学会で発表され、同時にNew England Journal of Medicine(www.nejm.com)に掲載されました。

Comparison of Ticagrelor, the first reversible oral P2Y12 receptor antagonist, with clopidogrel in patients with acute coronary syndromes: results of the PLATelet inhibition and patient Outcomes (PLATO) trial. Presentation at ESC 2009. Final Program Number 186

■PLATO試験では、クロピドグレル群に比べTicagrelor群では心血管イベント発症抑制は早期から認められ、試験期間を通してこの治療効果の差は増加しました。
Ticagrelorは複数の有効性副次評価項目において一貫した有効性を示しました。副次評価項目には、心血管死(全死亡とは区別)、心筋梗塞、そして心筋梗塞・脳卒中・全死亡の複合イベントが含まれています。
試験期間中に冠動脈内ステント留置術を受けた患者においてTicagrelor群ではステント内血栓症発症リスクが33%抑制されました。

■Ticagrelorについて
Ticagrelorはアストラゼネカが急性冠症候群の治療薬として開発中の抗血小板剤です。可逆的にADPに結合する抗血小板剤としては初の薬剤で、ADP受容体のP2Y12を選択的に阻害します。
<コメント>
このサイトでみる限り、副作用は決して少なくはないようです。
●新規抗血小板剤Ticagrelor
ST上昇型急性心筋梗塞患者サブグループにおいて
心血管イベント発症リスクをクロピドグレルに比べ有意に抑制
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_11_19.html
ONSET/OFFSET試験、RESPOND試験についても説明されています。
●新規抗血小板薬Ticagrelorが心血管イベント発症リスクを抑制
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/att/ac/topics/200909/512254.html
■新規抗血小板薬であるTicagrelorが急性冠症候群患者を対象としたクロピドグレルとの比較試験において、有意に心血管イベント発症リスクを抑制したことが報告された。
第3相並行群間比較試験であるPLATO試験の成果で、スペイン・バルセロナで開催された第31回欧州心臓学会(ESC2009)でスウェーデン・ウプサラ大学のLars Wallentin氏らが発表した。

<番外編 その1>
冠攣縮性狭心症(CSA)・講演会 その6
■冠攣縮性狭心症における治療
内科的治療
1)血管拡張剤
 硝酸薬
 カルシウム拮抗薬
 ニコランジル
 ファスジル(Rho-kinase阻害薬)
 デノパミン
2)血管内皮機能改善剤
 スタチン
 ビタミンC
 ビタミンE
 インスリン抵抗性改善薬
3)NO産生増加作用薬
 エストロゲン
4)その他
 β遮断剤
 ステロイドホルモン

外科的治療
 1)冠動脈バイパス術
 2)冠動脈インターベンション
 3)植え込み型徐細動器

■スパスムにスタチンが効く

■ジルチアゼムに比してベニジピンは予後がよい!?

■心不全の一因として冠スパスムも考える必要がある!?
(心不全症例の約1/3で誘発冠スパスム陽性・多くが多枝スパスム)

 

<番外編 その2>

インフルの心筋炎患者救命 特殊な人工心肺で治療
○○県の○○市民病院は14日、新型インフルエンザに感染し劇症型心筋炎の合併症を起こした患者の救命に成功したことを明らかにした。
患者は一時心停止状態になったが、特殊な人工心肺装置(PCPS)を使った治療で回復した。
日本循環器学会は「劇症型心筋炎が確認されて人工心肺装置で救命された例は、これまで日本ではないのではないか」としている。
新型インフルエンザ感染者が死亡する場合、多くは脳症や肺炎、心筋炎などを発症する。
同病院の○○院長は「この方法で心筋炎以外の心疾患の新型インフルエンザ患者も救命できる可能性がある。心筋炎を念頭に、PCPSを準備して診察することが重要」としている。
同病院の説明では、患者は○○県西部の女性(44)で、11月13日に肺炎の疑いで入院。新型インフルエンザ感染と劇症型心筋炎の発症を確認した。
14日に心機能が低下し一時心停止。
太ももからカテーテルを入れて心臓から血液を吸い出し、循環させるPCPSを使って治療し、その間タミフルなどの投与を続け、回復したという。
女性は近く退院する。
PCPSは開胸が不要で、準備しておけば約5分で利用可能という。
共同通信社 2009.12.15

<コメント>
この記事に関して、「関連メッセージ」が数多く寄せられていて勉強になります。
http://community.m3.com/doctor/showMessageDetail.do?boardId=3&messageId=1303475&messageRecommendationMessageId=1303475&topicListBoardTopicId=130324

実は報道の院長とは個人的に面識もあり、興味深く「関連メッセージ」を読んだ次第です。

<番外編 その3>
2009年度 認定内科医・総合内科医のためのセルフトレーニング問題(B)
  ー 解答と解説 ー
問題1 P1
安定狭心症から不安定狭心症に増悪した患者の症例
解説
不安定狭心症の短期リスク分類

急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2007年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_yamaguchi_h.pdf
○急性冠症候 群は冠動脈粥腫破綻,血栓形成を基盤として急性心筋虚 血を呈する臨床症候群であるが,急性心筋梗塞,不安定 狭心症から心臓急死までを包括する広範な疾患概念である。
○急性期治療の主な目的は,急性心筋梗塞へ の移行防止と心筋虚血の軽減による短期的な予後の改善 である。

<参考>
循環器病の診断と治療に関するガイドライン
http://www.j-circ.or.jp/guideline/
(今までに作成された日本循環器学会の各種ガイドラインの一覧です)

ACC/AHA 2007 Guidelines for the Management of Patients With Unstable Angina/Non–ST-Elevation Myocardial Infarction
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/full/50/7/e1

UA/NSTEMIは緊急に侵襲的治療が必要か?
http://nakax.blog88.fc2.com/blog-entry-3.html
TACTICS-TIMI18 (Cannon et al. NEJM 2001;344:1879-87)
TIMACS trial ( Mehta et al. NEJM 2009;360:2165-75)
ABOARD ACC09 LBCT
が紹介されています。

 

<きょうの一曲>
Last Christmas ・WHAM・ワム・ラストクリスマス
http://www.youtube.com/watch?v=aftURODKZvI


 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
               

 

 

 

 

 

 

 

 

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