戯れ言たれる侏儒
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RE-LY試験アゲイン

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.31 00:36 / 推薦数 : 0

今年8月の欧州心臓病学会(ESC)で報告され,大きな話題となったRE-LY試験、そしてこの試験の主役の新規抗トロンビン薬dabigatranについては今年9月にもとりあげました。

 

RE-LY試験
http://blog.m3.com/reed/20090905/RE-LY_
Dabigatran
http://blog.m3.com/reed/20090922/dabigatran

 

きょうは、このRE-LY試験を再度とりあげておさらいをしました。

筒井 裕之 教授 北海道大学循環病態内科学
森本 剛 講師 京都大学医学教育推進センター
山下 武志 部長 心臓血管研究所研究本部
横井 宏佳 部長 小倉記念病院循環器科

これらの諸先生方の座談会からです。

 

 

■心房細動患者を対象に,新規抗トロンビン薬dabigatranの脳卒中予防効果を検討した試験で,対照薬にはワルファリンが用いられました。(山下)

■ワルファリンは投与法が煩雑なため,利便性の面からこれに代わる薬剤を望む声は以前からありましが,プラセボ比で約70%の相対リスク低下を誇るワルファリンに対抗できる薬剤はなかなか見つかりませんでした。(山下)

■ワルファリン群の患者にはプロトロンビン時間のモニタリングが必要になるため,盲検にはできません。そのため,オープンラベル試験として行われ,dabigatranの2種類の用量間は二重盲検とするデザインが採用されました。(山下)

■2年間の追跡の結果,1次評価項目の発症率は,dabigatranでは低用量群・高用量群ともワルファリン群を下回り,ワルファリンに対する非劣性が証明されました。
さらに,頭蓋内出血の発症率はワルファリン群より有意に低く,相対リスク低下は60%を超えました。(山下)

■これまでのゴールドスタンダードだったワルファリンの持つ不便さを解消し,しかも効果と安全性は同等もしくはそれ以上という薬剤が登場したと解釈できる試験ではないかと思います。(山下)

■非劣性試験とはいえ,高用量のdabigatran群では優位性さえ認められたわけですね。(筒井)

■NNT(number needed to treat)は200ぐらいです。
ワルファリン自体が非常に効果の高い薬剤ですので,NNTで見たインパクトはわずかです。
そもそも,この試験の目的は利便性を追求することですので,効果についてはほぼ同等と捉えたほうがいいと思います。(山下)

■ワルファリン群の年間イベント発生率が1.69%は低くはないと思います。
プラセボでの発生率が5%程度と推定される集団ですので,その7割減ですから1.5%前後なら妥当な数字だと思います。(山下)
(コメント;文脈からは「高くはない」ということでしょうか)

■途中で症例数を1万5,000例から1万8,000例に増やしていることが気になります(原著論文3ページ目,後半参照)。
予想よりイベント発生率が低かったのなら理解できますが,そうでないのなら,dabigatran群の効果が予想したほどではなかったために例数を増やしたという可能性が疑われます。(筒井)

■これは盲点でした。今までだれも指摘していないと思います。(山下)



出典 Medical Tribune 2009.11.26
版権 メディカル・トリビューン

 

<きょうの動画>
MCP-1:注目が集まるCKD進展のメカニズム
http://ds-pharma.jp/medical/ebiz/ava/contents003/index.html


<医学雑誌 切り抜き帖>
日本医事新報No.4467 2009.12.5 P46〜52
■PROGRESS試験では、ACE阻害薬単独では十分な降圧も脳卒中再発予防効果も得ることはできず、降圧利尿薬と併用することで初めて脳卒中再発予防効果が得られた。

 


中川一政「薔薇」10号
http://www.artlife-navi.com/search/gallery/detail.html?id=83

 

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BEAUTIFUL試験

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.30 00:17 / 推薦数 : 0

安定型冠動脈疾患、左室収縮機能障害はいずれもイベント発生率が高く、安静時の高心拍数は冠動脈リスク因子に影響を及ぼす可能性があるといわれています。

If電流阻害薬ivabradineは、安定型冠動脈疾患および左室収縮機能障害患者の心臓の予後を改善しないが、心拍数が≧70拍/分の患者では冠動脈疾患の発症を低下させるという昨年の話題です。
このivabradineは洞房結節のIf電流を阻害することで心拍を低下させるが、他の心機能には影響を及ぼさないとのことです。

#心拍数70拍/分以上は冠動脈疾患や左室機能不全患者の危険因子
欧州では,慢性安定狭心症に対して,洞房結節のIf電流を選択的に阻害して心拍数を減少させる心拍数低下薬ivabradineが導入されている。

第30回欧州心臓病学会(独ミュンヘン)で王立ブロンプトン病院(ロンドン)のKim M. Fox氏は冠動脈疾患または左室機能不全患者への同薬の効果を検討したBEAUTIFUL※試験の結果を報告。
1次エンドポイントでは同薬の有意な効果が認められなかったが,ベースライン時の心拍数が70拍/分以上の患者では,心筋梗塞による入院や冠動脈血行再建術のリスクを低下することが示された。さらに,心拍数70拍/分以上は冠動脈疾患の高危険因子となりうることが明らかにされた。
この研究はLancet(2008; 372: 807-821)に掲載された。

#心拍数70拍/分以上の冠動脈疾患には心拍数低下薬が有用か
同試験は,33か国781施設の参加によりランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験として行われた。
対象は,心筋梗塞既往などの冠動脈疾患患者,または左室駆出率が40%未満の左室機能不全患者で,ivabradine5mg(7.5mgまで増量)投与群(5,479例)とプラセボ群(5,438例)にランダムに割り付けられた。追跡期間の中央値は19か月。至適治療が実施されたうえで,試験薬が投与された。
割り付け時の服薬率は,レニン・アンジオテンシン系抑制薬91%,β遮断薬87%,抗血小板薬94%,脂質低下薬76%など。
 
試験開始時の平均心拍数は71.6拍/分で,ivabradine群は試験開始12か月後に6拍/分低下した。
心血管疾患関連死亡および心不全,心筋梗塞による入院を含む複合1次エンドポイントの発生は,ivabradine群15.4%,プラセボ群15.3%で,両群間に差は認められなかった(ハザード比1.00,P=0.94)。
死亡関連項目や心不全関連,冠動脈疾患関連項目のいずれも両群に有意差はなかった。
 
ベースライン時の心拍数が70拍/分以上の患者に限定して評価したところ,1次エンドポイントには有意差がなかったが,2次エンドポイントの致死性,非致死性心筋梗塞による入院は36%(P=0.001),冠動脈血行再建術は30%(P=0.0016),それぞれプラセボ群に比べivabradine群で有意なリスク低下が認められた。
 
さらに,全例を心拍数70拍/分をカットオフ値として比較したところ,70拍/分以上の患者(2,693例)は70拍/分未満の患者(2,745例)に比べ,心血管死が34%,心筋梗塞による入院が46%,心不全による入院が53%,血行再建術が38%,それぞれ有意に増加していた。
 
試験統括者のFox氏は「冠動脈疾患患者の半数程度は70拍/分以上で,これらの患者はivabradine投与により心筋梗塞や血行再建術のリスクを低下できる」とコメントし,今後心拍数管理にも留意した診療が求められる点を強調した。

※Morbidity-mortality evaluation of the If inhibitor ivabradine in patients with coronary disease and left ventricular dysfunction
出典 Medical Tribune 2008.10.2
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
Morbidity-mortality evaluation of the If inhibitor ivabradine in patients with coronary disease and left ventricular dysfunction
がどうして
BEAUTIFUL試験
なのかよくわかりません。

少し調べてみたら

ということがわかりました。
かなり苦しいです。
ivabradineによる心拍低下療法の心予後改善は?:BEAUTIFUL試験
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=5782
では

著者は、複合エンドポイントに変化がみられなかった原因について「基礎疾患ごとに必要とされる心拍数の低下の程度が異なる可能性がある。心拍数は、心筋梗塞や狭心症などそれが直接的に影響する疾患よりも、心不全など生理的反応に影響を及ぼす疾患でより低下する可能性がある」と考察している。

という著者のコメントが紹介されています。

Ivabradine for patients with stable coronary artery disease and left-ventricular systolic dysfunction (BEAUTIFUL): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
Lancet. 2008 Sep 6;372(9641):807-16. Epub 2008 Aug 29.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18757088?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

<関連サイト>
BEAUTIFUL STUDY
http://www.beautiful-study.com/static/html/index.asp

Pure heart rate reduction with ivabradine
http://www.beautiful-study.com/static/html/healthcare/about_ivabradine.asp

Figure 1. Ivabradine provides effective, baseline-dependent heart rate reduction

The BEAUTIFUL study: Ivabradine and the reduction of cardiovascular events
http://www.news-medical.net/news/2008/08/31/41024.aspx

Procoralan(ivabradine)*で心臓発作減少  欧州心臓学会で新臨床研究発表
http://japan.asiaprnews.com/2009-08-31/200351.html

BEAUTIFUL for some: No overall advantage of ivabradine, but high-heart-rate patients may benefit
http://www.theheart.org/article/898825.do

BEAUTIFUL: Ivabradine did as well as placebo
http://www.cardiologytoday.com/view.aspx?rid=31727



アンリ・マティス  「夢」  油彩/カンヴァス 1940年
http://www.fujitv.co.jp/events/art-net/go/113.html

<きょうの一曲>
Ennio Morricone - Amapola
http://www.youtube.com/watch?v=EVyiC5kJSrY&feature=related

 

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SEAS試験

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.29 00:06 / 推薦数 : 0

##米FDAがシンバスタチン・エゼチミブ併用によるがんリスクについて見解
12月22日,米食品医薬品局(FDA)は,シンバスタチンとエゼチミブの併用による心血管アウトカムを評価したSEAS(Simvastatin and Ezetimibe in Aortic Stenosis)試験で,がんならびにがん死が増加していたとされていた問題に関し,あらためて経過報告を行った。
それによると,現時点では両薬剤の使用を中止する必要はなく,引き続き評価していくべきとしている。

#現在進行中の大規模臨床試験による暫定データでは有意なリスク増加なし
昨年(2008年)8月に発表されたSEAS試験(N Engl J Med 2008; 359: 1343-1356)で,シンバスタチンとエゼチミブによる厳格な脂質低下療法は大動脈狭窄症の改善をもたらすかが検討された。
1次評価項目に有意差が認められなかったうえ,実薬群でコントロール群に比べがん発症ならびに死亡が有意に増加したことから大きな波紋を呼んだ。

これを受けて同月,FDAがearly communicationを出していた。
この間,現在進行中の両薬剤併用による大規模臨床試験SHARP(Study of Heart and Renal Protection)およびIMPROVE-IT(IMProved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial)の暫定的なデータを解析,今回の経過報告を出すに至った。

FDAによると,これらの臨床試験の対象患者2万617例におけるがん関連データを解析したが,両薬剤によるリスクの増加は見られなかったという。
また,がんによる死亡は実薬群で97例,コントロール群で72例見られたが,統計学的有意差はなかった。

FDAは,「医療従事者,あるいはこれらの薬剤を服用している人に対し,使用中止を指示することはない」との見解を示し,シンバスタチンあるいはエゼチミブにおける臨床上の便益性とリスクの可能性をほかのコレステロール低下薬を含め,引き続き比較していくべきとしている。

出典 MT Pro 2009.12.24
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
Intensive lipid lowering with simvastatin and ezetimibe in aortic stenosis.
N Engl J Med. 2008 Sep 25;359(13):1343-56.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18765433

Follow-Up to the August 2008 Early Communication About an Ongoing Safety Review of Ezetimibe/Simvastatin (marketed as Vytorin), Simvastatin (marketed as Zocor) and Ezetimibe (marketed as Zetia) - FDA Investigates a Report from the SEAS Trial
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/DrugSafetyInformationforHeathcareProfessionals/ucm194964.htm

〜SEAS試験〜
大動脈狭窄症に対する厳格な脂質低下療法の意義は認められず
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41400101&year=2008
■同試験は,欧州173施設の参加によるランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験。対象は,45〜85歳で軽度〜中等度の無症候性大動脈狭窄症。
4週間の観察期間を経て,シンバスタチン40mg/日+エゼチミブ10mg/日による脂質低下群(944例)とプラセボ群(929例)に割り付けられた。
追跡期間の中央値は52.2か月。
■脂質低下群の8週後のLDLコレステロール値は,試験開始前より61.3%低下し,平均53mg/dLであった。
複合1次エンドポイント(大動脈弁置換術,心血管死亡,大動脈狭窄症による心不全,非致死性心筋梗塞,非致死性出血性脳卒中,冠動脈バイパス術,冠動脈インターベンション,不安定狭心症による入院)の発生は,脂質低下群333例(35.3%),プラセボ群355例(38.2%)で,両群間に有意差はなかった。
■2次エンドポイントについては,大動脈関連イベントでは差が認められなかったが,虚血性心疾患リスクは脂質低下群がプラセボ群に比べ,22%有意に低下した(P=0.02)。
このうち,冠動脈バイパス術を要する頻度が脂質低下群で大幅に低下していた。
Pederson氏は「大動脈狭窄症に対する脂質低下療法の有用性を見たいくつかの試験結果からは,一貫した結果が得られていない。現在進行中の他の試験結果も待って結論すべきだろう」とした。
■一方,安全性に関する検討では,重篤な副作用が両群とも約50%と同等であったが,がんの発症に関しては,プラセボ群の70例(7.5%)に対して脂質低下群は105例(11.1%)であった。
脂質低下群で増加が認められたがんの種類は,皮膚がん,胃がん,前立腺がんなどだが,統計学的に有意な増加はなかった。SEAS試験と同様の脂質低下療法レジメで現在進行中の2試験(IMPROVE-IT,SHARP)は,脂質低下群とプラセボ群で各群1万例強の患者数を擁するが,がんの発症および死亡率の上昇は認められておらず,両試験とSEAS試験を合わせた結果によっても,脂質低下群のがんの発症および死亡率の上昇は認められなかった。
■この結果について,ハーバード大学Bringham and Women's病院(米ボストン)のEugue Braunwald氏は「現段階でこの治療レジメによるがんのリスク上昇を示す根拠は提示されなかった。
試験安全検討委員会で他の2試験の続行が決定されている」とコメントした。

<コメント>
当院の患者ではスタチン・エゼチミブ併用が必要なケースはそんなに多くはありません。
コレステロールのコントロールがうまく行かない時には、スタチンの増量でいくか、スタチンは増量せずにエゼチミブを併用するか迷うところです。
こういった場合、スタチンの副作用が懸念される場合には両者併用、スタチンの多面的作用を期待する場合には増量といったところでしょうか。
エゼチミブの大規模臨床試験はいまのところ連戦連敗といったところです。
このエゼチミブにはスタチンのような多面的作用は、はたして期待できないのでしょうか。
さきほどの増量か併用かという話も、心血管イベントに関する両群間の比較の大規模臨床試験は、すでにあるのでしょうか。

<きょうの一曲>
" Autumn Leaves " Chet Baker - Paul Desmond
http://www.youtube.com/watch?v=Gsz3mrnIBd0&feature=related


中川一政
http://www.kyoto-yakata.net/info/westernpaintings/nakagawa_kazumasa.html

 

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アテローム血栓症(ATIS)については

アテローム血栓症(ATIS・エイティス)
http://blog.m3.com/reed/20091224/_ATIS_

でとりあげました。
「動脈硬化が基盤となって血栓ができ、血管が詰まる」という概念です。
したがって心源性脳塞栓はアテロームが原因ではないということでATISではないということになるのでしょう。
これはある日の新聞広告の対談記事ですが、冠動脈疾患との関連が書かれた記事で勉強しました。

##アテローム血栓症(ATIS)と冠動脈疾患
#日本でも増える冠動脈疾患
  生活習慣病の管理と禁煙で予防を
■日本人のエイティスのなかでは脳血管障害が多いのが特徴といえますが、冠動脈疾患は近年の食事やライフスタイルの欧米化などをベースに、高齢化社会に向けて高齢者で増えているだけではなく、若年層でも着実に増え続けています。
疾患別死亡原因をみた場合、冠動脈疾患で亡くなる日本人は欧米人の約半数ですが、日本での死因の第2位である心臓病は大きな課題といえます。(一色)

■発症領域別の特徴では、脳血管障害で高血圧の関与が非常に大きいですが、冠動脈疾患では脂質異常症や糖尿病のほうが強く影響を与えます。(一色)

■糖尿病があると、まず動脈硬化の進行が非常に速く、血管が細くなりやすく、さらに管理の悪い患者さんの血管は石灰化を伴ってきて硬くなりやすく、非常に血栓形成性が高まってきます。
また、治療しても再び血管が狭くなる確率が高く、あちこちの血管で合併症や心筋梗塞の再発を起こしやすいので、治療に難渋する可能性が高いといえます。(一色)

■喫煙自体が血栓の形成性を高めるといわれており、いくつかの危険因子にさらに喫煙が加わると、相乗効果でかなりリスクが高くなります。
とくに40歳未満の急性冠疾患の人では9割以上にタバコが関係していたという研究報告がありますので、若い人ほど喫煙によるインパクトが強いといえます。(一色)


#再発予防には全身を管理する薬物治療の継続も重要
■心筋梗塞や狭心症などのエイティスを発症した患者さんの冠動脈を内視鏡で見ると、疾患を起こした特定の場所だけが詰まっているのではなく、冠動脈のあちこちにプラーク(動脈硬化巣)が認められますので、たまたま一ヵ所で発症が起こっただけで、いつまた違う場所で発症するか分からない状態といえます。(一色)

■一度冠動脈疾患を発症した人がしっかりとした管理や治療をしないと、次に心臓以外の場所を含むエイティスで亡くなられる確率は年間で数%、5年で10〜20%位と、非常に高い可能性があります。
冠動脈疾患を発症した人の再発を防ぐ「二次予防」でも、一次予防と同じ管理を厳密に行うことが基本的に大事です。加えて、脂質異常症を改善するスタチン系の薬や、血栓を予防する抗血小板薬など複数の薬剤を続けて服用する必要があります。(一色)

■ステントは非常に狭くなった部分や詰まった部分の血管を広げて血流を局所的には正常化させることができますが、ステントでは全身の血管をカバーしきれません。
エイティスは全身の血管の病気ですから、長期的には心臓のほかの部分や、脳や足の血管障害を再発する可能性が高いことを忘れずに、ステントを入れても入れなくても健康管理や薬物治療を継続して行わなければなりません。(一色)

■ステント自体が血管にとって異物であるために、非常に血栓が着きやすいという性質がありますので、とくにステントを植え込まれた方では十分な血栓予防のために抗血小板薬の服用が必須です。
http://www.asahi.com/ad/clients/ATIS/conversation_03.html

 

その他
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ALLHAT・10年追跡結果

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.27 00:13 / 推薦数 : 0

第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)のALLHATに関する記事で勉強しました。

ALLHATは高血圧治療における降圧の重要性を改めて示した試験です。
今となってはあまり耳にしなくなった試験ですが、当時は一大センセーションを起こしました。
その後もサブ解析がいろいろ出たことは先生方のご存知の通りです。

この試験は脳卒中の予防でCa拮抗薬が利尿薬を上回る傾向を示した点も注目されました。
2000年に報告されたWHO/ISHメタ解析において、Ca拮抗薬の脳卒中予防効果は利尿薬・β遮断薬治療に比べ有意に優れていたという結果が出ていましたが、ALLHATも同様の傾向でした。
そういった意味ではCa拮抗薬の脳卒中予防効果は確立したといって良い試験でした。

##〜ALLHAT〜
##10年追跡でも心血管死抑制に降圧薬間の有意差認めず
高リスク高血圧患者の冠動脈性心疾患(CHD),心血管疾患(CVD)の抑制には,カルシウム(Ca)拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,α1遮断薬などの新規降圧薬でも利尿薬を超えられないとの予想外の結果が論争を呼んだ空前の大規模臨床試験ALLHAT※。
2002年に終了した同試験の通算10年に及ぶ長期追跡結果が,当地で開かれた第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)において退役軍人局医療センター(テネシー州メンフィス)のWilliam Cushman教授から発表された。
1次評価項目の心血管死をはじめ,新規降圧薬による予後改善効果は,今回も利尿薬に勝る結果ではなかった。

#心不全抑制は利尿薬がCa拮抗薬をしのぐ
ALLHATの対象は,55歳以上,1つ以上の冠危険因子を有する北米の高リスク高血圧患者4万2,418例。
主解析ではCHDを1次評価項目として,利尿薬クロルタリドン(C群)との比較でCa拮抗薬アムロジピン(A群),ACE阻害薬リシノプリル(L群),α1遮断薬ドキサゾシン(D群)のイベント抑制効果に差があるか,二重盲検で検証した。

その結果,D群では中間解析から心血管死,脳卒中,心不全などの有意な増加が判明,3年の追跡で早期終了された。
平均5年の追跡による主解析では,1次評価項目には有意な群間差が認められなかったものの,C群に比べA群で心不全〔ハザード比(HR)1.38〕,L群で脳卒中(HR 1.15),心不全(HR 1.20)の有意な増加が明らかになった。

今回の10年時解析では,A群,L群で5年,D群では心血管死増などによる早期終了のため3年の治療による長期効果が検討された。
試験終了後のイベントデータは,行政データベースから取得。試験終了後の血圧,治療薬の情報はなかった。
解析対象は,死亡率についてはカナダ人を除く4万1,719例,死亡率と罹患率の複合評価項目については2万7,246例。

C群に対する各評価項目のHRを見ると,今回の1次評価項目の心血管死はA群1.00〔95%信頼区間(CI)0.93~1.06〕,L群0.97(同0.90~1.03)となり,D群とともに群間に有意差は認められなかった。
総死亡,CHDも同様に薬剤間に有意差はなかった。

一方,心不全による入院・死亡リスクはA群でHR 1.12(95%CI 1.02~1.22,P=0.01)と10年後もC群に比べて有意に高く,L群(HR 1.00),D群(HR 1.07)では試験終了時に認められた有意差が消失していた。
脳卒中による入院・死亡のHRは,A群0.99,L群1.04,D群1.02,CVDもA群1.03,L群0.99,D群1.03で,試験終了時に認められた有意な群間差は消失していた。

試験終了後に限ると, L群でCVDのHRが0.90(95%CI 0.82~0.98)と軽度だが有意な減少へ転じていた。

これらの成績を踏まえ,Cushman教授は「通算10年の解析結果は主解析の結論を追認するもので,サイアザイド系利尿薬は,なおほとんどの高齢高血圧患者で第一選択薬として優先されるべきだ」と述べた。

試験終了後の使用薬に関するデータがなく,今回の結果には早期終了したD群をはじめ,薬剤変更の影響が考えられるが,同教授は「利尿薬を第一選択薬としたことで,5年間の試験期間には有益性も認められ,10年後も心不全ではその効果が持続しており,不利益は生じていない」と述べた。

指定討論者のミシシッピ大学(ミシシッピ州オックスフォード)のDaniel W. Jones氏は「血圧下降は最も重要であるが,心血管保護を来す降圧薬はいくつかあり,副作用の可能性,コスト,服薬上の不便などが最小限のアプローチで降圧を図るべきだ」との見解を示した。

現在,来春予定の高血圧診療ガイドライン第8次報告(JNC 8)素案発表に向けて,改訂作業が進められている。今回の結果から,第一選択薬として利尿薬優先が堅持されるのか,動向が注目される。

※Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial
[2009年12月17日(VOL.42 NO.51) p.22]
出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン

<ALLHAT関連サイト>
ALLHATが明らかにしたCa拮抗薬の有用性
http://www.carenet.com/hypertension/allhat/matsumoto/index.html
「ALLHAT」研究の性、年齢、人種別サブ解析が公表−−ASH学会
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/247701.html
上原譽志夫-降圧治療の新しいエビデンスはわが国に何をもたらすかー
http://www.lifescience.jp/ebm/opinion/200305/index.html
ALLHATに基く降圧治療FAQhttp://www.gik.gr.jp/~skj/ht/ALLHAT-FAQ.php3
Antihypertensive and Lipid Lowering Therapy to Prevent Heart Attack Trial
http://www.novartis.co.jp/ebm/navigator/16ALLHAT.html
ALLHAT」研究結果が医師の処方動向に大きく影響、利尿薬が急増、RA系抑制薬が急減−−加研究
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/284886.html
特別講演
ALLHAT:最大規模の高血圧臨床試験/日本人患者のために何がいえるか?
http://www.gclew.com/gakkai/26th_jsh/contents/1031_1.php
高血圧患者の主要心血管イベント発生に対するドキサゾシンとクロルタリドンの無作為化ニ重盲検実薬対照試験(ALLHAT)
http://ds-pharma.jp/medical/gakujutsu/view/articles/d_00128.html

<番外編 その1>
同じく
第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)
の記事からです。

#日本のiPS研究論文がCirculation年間ベスト
基礎科学論文賞を受賞
京都大学再生医科学研究所/iPS細胞研究センターの楢崎元太氏,山下潤准教授らの「Directed and Systematic Differentiation of Cardiovascular Cells From Mouse Induced Pluripotent Stem Cells」がCirculationの年間ベスト基礎科学論文賞を受賞し,AHAにおいて表彰された。

楢崎氏らは,マウス胚性幹(ES)細胞を用いて構築した系統的心血管細胞分化誘導法を,マウスの皮膚細胞から樹立した人工多能性幹(iPS)細胞に適用することにより,内皮細胞や壁細胞,心筋細胞などを系統的に誘導し,立体的に培養することで,血管構造を形成することや拍動させることに成功し,同誌(2008; 118: 498-506)で報告した。

同氏らは,ヒトiPS細胞に発展させた研究を進めているという。

出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン


<番外編 その2>
#PPARγ遺伝子の変異が血圧に影響
ノースカロライナ大学(ノースカロライナ州チャペルヒル)病理学・実験医学のOliver Smithies教授らは,ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γ遺伝子の変異による発現の量的変化が血圧に影響するとProceedings of the National Academy of Sciences, USA(2009; 106: 19084-19089)に発表した。

#遺伝子側に潜在的誘因
インスリン抵抗性,高血圧,肥満を含む複数の徴候によって特徴付けられるメタボリックシンドロームは,心血管疾患の罹患と死亡の危険因子である。

脂肪細胞の分化と脂質代謝を制御している核内受容体型転写因子のPPARγは,インスリン抵抗性の分子標的で,PPARγを活性化させる薬剤がインスリン抵抗性改善薬として注目されている。
このPPARγ遺伝子発現に影響する遺伝子変異は,メタボリックシンドロームの潜在的誘因となる可能性がある。

Smithies教授らは,マウスの遺伝子を操作し,PPARγが通常の28〜182%のさまざまなレベルで発現する350匹超の変異マウスと,280匹超の同腹の野生型マウスの血圧を比較した結果,PPARγ発現レベルの2倍の増加(または減少)が,血圧を2.8 mmHg低下(または上昇)させることを示した。

PPARγ遺伝子の3'-非翻訳領域をβ-グロビン遺伝子のそれと代替させることによって転写産物を安定させたPPARγ mRNAの定常レベルが182%のマウスは,同腹の野生型マウスよりも低い血圧を示した。

一方,PPARγ遺伝子の3'-非翻訳領域へmRNA不安定化配列を挿入したマウスでは,PPARγ mRNAが減少し,血圧上昇傾向が観察された。

同教授らは「ヒトのPPARγ遺伝子のいくつかのバージョンによるさまざまな発現レベルが,高血圧とその結果である心疾患のリスクを高めている可能性がある」と述べている。

出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン

<きょうの一曲>
諏訪内晶子 Cristal
http://www.youtube.com/watch?v=x6kuyiEWINU&feature=related

 

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高齢者高血圧の降圧治療

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.26 00:23 / 推薦数 : 0

日経メディカル2009年12月号特別編集版「スペシャルレポート」の記事で勉強しました。

第32回日本高血圧学会総会(2009.10)の特別企画「JSH2009ガイドラインを検証する」では、公表後の同ガイドラインの認知状況や主な変更点などが紹介されました。
その他に、学会に寄せられた意見を踏まえ、今後の検討課題について議論が交わされました。
その一つとして「高齢者高血圧」が議論されました。

##高齢者高血圧は積極的な降圧治療が基本
■JSH2009ガイドラインにおける高齢者高血圧の治療に関する内容に関する概説と検証は、大阪大学大学院老年・腎臓内科学教授の楽木宏実氏が担当した。
同ガイドラインでは、「高齢者でも最終降圧目標達成のために積極的に治療すること」を基本姿勢として強調しており、降圧療法の対象年齢に上限を設けていないことが特徴だ。

■降圧目標に関しても、「いずれの年齢層でも140/90mmHg未満の降圧により予後改善が期待される。65歳未満から治療中の患者において、65歳になって降圧を緩める必要はない」と明記している。
その理由は、降圧薬治療介入に関する大規模試験はSBP160mmHg以上、DBP90〜100mmHg以上を対象としたものがほとんどで、I度高血圧に関するエビデンスはわずかしかない。
しかし、疫学的には70歳以上でも、140/90mmHg以上で心血管疾患のリスクが増加することは明らかだ。
また、降圧療法による心血管疾患発症リスクの軽減は年齢によらないというデータもあり、薬物療法を行うかどうかは別として、少なくとも管理対象にはなると判断した。(楽木氏)

■ただし、75歳以上でSBP160mmHg以上の場合は、降圧の最終目標は140/90mmHgとしながらも、150/90mmHg未満を中間目標として慎重に降圧を行うべきと付記している。

■75歳以上のII度以上高血圧で、140/90mmHgを降圧目標とすることに関して介入試験のエビデンスはない。
例えば、日本人の高齢高血圧患者を対象にしたJATOS試験では、降圧目標を140mmHg未満に設定した場合と140〜160mmHgに設定した場合で、イベント発生に差はみられていない。
このため、ガイドライン作成委員会では150mmHg未満を目標にすべきとの意見も出たが、厳格な降圧を否定するものではないとの見方から、疫学研究の成績を重視してこの形にまとまったという。(楽木氏)

■高齢者での厳格な降圧がこれまで懸念されてきた背景には、過度な降圧でイベントがかえって増加するJ型現象の可能性が指摘されてきたことがある。

■しかしJSH2009ガイドラインでは、「一般には過降圧の危険性はまれである」としている。
J型現象が生じる恐れのある対象患者のプロファイルやその血圧値、失神や転倒・骨折に対する降圧の影響などについては、今後の重要な検討課題といえる。(楽木氏)

#併用療法の新知見に期待
■ 高齢者高血圧の薬物療法では、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、少量利尿薬を第一選択薬とし、一般に常用量の2分の1から開始して、降圧効果が不十分な場合はこれらを併用する(図1)。
薬剤の選択は、患者の病態や合併症、臓器障害、QOLなどを考慮して行う。

図1 高齢者高血圧の治療計画

■高齢者における第二選択薬に関するエビデンスはこれまで十分ではなかったが、心血管系疾患の危険因子を有する高齢者高血圧患者を対象に、併用療法での第二選択薬の組み合わせを群間比較する試験が国内でいくつか進行中だ。
その1つであるCOPE試験はCa拮抗薬+利尿薬、Ca拮抗薬+β遮断薬、Ca拮抗薬+ARBの併用を比較するもので、2009年11月に終了予定。
また、ARB+利尿薬とARB+Ca拮抗薬を比較するCOLM試験は2011年8月に終了の見込みだ。
これらの試験の結果を通じて、わが国の高血圧治療ガイドラインはさらに一歩進化すると思われる。(楽木氏)

■なお、楽木氏は日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン作成委員会の事務局長としてガイドライン発表後に学会に寄せられた様々な意見に対応しているが、JSH2009ガイドラインに対する評価は高く、「公表以後、内容に関して大きな変更はない」という。
ただし、細かな訂正内容については、同学会のホームページで随時告知している。

■また、JSH2009ガイドラインの主要ポイントを抜粋し、治療方針を理解しやすくするためのフローチャート、若干の注釈・訂正などを加えた「高血圧治療ガイドライン2009ダイジェスト」が2009年9月に発行されている

出典 NM online 2009.12.24
版権 日経BP社

<関連サイト>
高血圧治療ガイドライン2009ダイジェスト

http://www.jpnsh.org/guideline_n.html

「高血圧治療ガイドライン2009」正誤表
http://www.jpnsh.org/files/cms/62_1.pdf

今回の講演は

特別企画2:ガイドラインシンポジウム 10月3日
座長: 荻原 俊男 大阪府立急性期・総合医療センター
島本 和明 札幌医科大学医学部 内科学第二講座
JSH2009 ガイドラインを検証する
SP2-1 高血圧治療ガイドライン(リスク評価と血圧管理計画)
今井 潤 (Imai, Yutaka) 東北大学大学院臨床薬学
SP2-2 第一選択薬と併用療法
島田 和幸 (Shimada, Kazuyuki) 自治医科大学 循環器内科
SP2-3 糖尿病、メタボリックシンドロームを伴う高血圧の治療
島本 和明 (Shimamoto, Kazuaki) 札幌医科大学 医学部 内科学第二講座
SP2-4 CKDを伴う高血圧の治療
伊藤 貞嘉 (Ito, Sadayoshi) 東北大学 大学院医学系研究科 内科病態学講座腎・高血圧・内分泌学分野
SP2-5 高齢者高血圧の治療
楽木 宏実 (Rakugi, Hiromi) 大阪大学大学院 医学系研究科 老年・腎臓内科学
の中にあります。

主要講演プログラム一覧
http://jsh32.umin.ne.jp/PDF/program_main.pdf
教育セッション(予防)に

座長: 木村 玄次郎 名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学
EP-3 MRに誤魔化されない臨床試験のみかた
山崎 力 (Yamazaki, Tsutomu) 東京大学 医学部 臨床疫学システム講座

という面白いタイトルの教育講演があったようです。
<きょうの一曲>
シューベルト ピアノ三重奏曲1番
(メニューイン兄・妹&モーリス・ジャンドロン)
(1/2) Schubert - Piano Trio No.1 - I. Allegro moderato
http://www.youtube.com/watch?v=ZR5pWFZpx2g&feature=related
(2/2) Schubert - Piano Trio No.1 - I. Allegro moderato
http://www.youtube.com/watch?v=k8HIzv61ZKE&feature=related
Piano Trio No. 1 Schubert - andante con moto
http://www.youtube.com/watch?v=GBuHBQaYZoU



マチス 「花瓶とビンと果物」
http://dognorah.exblog.jp/1155658/
(とてもマチスの絵とは思えないような作品です。エルミタージュ美術館所蔵とのこと。)


 

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LDL-C直接測定に黄信号

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.25 00:06 / 推薦数 : 0

LDL-C値、今なお正確性に問題
http://blog.m3.com/reed/20090801/LDL-C_
でLDL-C直接測定の問題点を取り上げました。

特定健診では総コレステロールが検査項目から削除され、フリードワルドの式で算出できなくなりました。
当院もこれから検査センターに間接法での算出を併記してもらうように依頼します。
##LDL-C直接測定に黄信号
##日米共同の評価で精度の問題が明らかに
2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改定以降、普及に拍車がかかったLDL-Cの直接測定。
しかし、脂質異常症の患者では精度に問題のあることが明らかになり、その対応が急がれている。
 
2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改定では、動脈硬化性疾患のリスク評価の指標として、長年使われていた総コレステロール(TC)に代わり、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)を用いるように改められた。

LDL-Cは従来、フリードワルドの式(表1)によりTC、高比重リポ蛋白(HDL-C)、中性脂肪(TG)の値から算出していた。
だが10年ほど前に日本の試薬メーカー各社が直接測定法を開発。その利便性の高さから急速に普及、ガイドライン改定はそれに拍車を掛けた。

しかし、今年7月に行われた日本動脈硬化学会で、LDL-C直接測定法の標準化に関するデータが発表され、改めて精度についての問題点が浮き彫りになった。

同学会で発表されたのは、06年から2年間にわたり分析した、日本の99施設約600検体のLDL-C値に関するデータだ(図1)。
全検体のLDL-C値を、国際標準法である超遠心法(Beta-Quantifi cation)で正確に測定し、直接測定による値との相違をみた。すると、米疾病対策センター(CDC)の標準化判定基準である±4%以内に収まったのは全体の70.4%で、標準値(BQ値)からのぶれは、−52.5mg/dLから+32.3mg/dLにも及んだ。

脂質測定標準化についてCDCから日本で唯一認証を受けている大阪府立健康科学センター脂質基準分析室の中村雅一氏は、「BQ値と直接測定による値のバイアスは、想像以上に大きかった」と指摘する。
また試薬メーカーを対象とした、CDCの要求する精度を満たすかどうかを調べる認証試験の合格率もLDL-Cは約6割だった(図2)。


#脂質異常検体でばらつき大
LDL-C直接測定法の試薬は海外にも輸出され始めたことから、08年2月には、試薬を評価するための日米共同研究もスタートした。日本からは中村氏ら3人が研究に参加し、日本7社の試薬を提供。米国立衛生研究所(NIH)とCDCが米国人の脂質異常症の患者も含む検体を用い、測定精度の検討を行った。

間もなく論文が出るが、その概要は、7月の日本動脈硬化学会でNIHの研究者が報告した。
中村氏は、「米国の結論は、LDL-C直接測定法は脂質異常症の検体では正確性と特異度に問題があり、現状では推奨できないというもの。この結論を日本側は重く受け止めるべきだ」という。

#改定ガイドラインの誤算
「以前から測定値の精度を問題視する声もあったが、それが解決しない間に直接測定が急速に普及してしまった」と話すのは、名古屋市立大教授で日本動脈硬化学会・脂質代謝部会長の横山信治氏だ。

こうした事態を招いた理由の一つが、前述のガイドラインの改定だ。
もっとも診断基準におけるLDL-C値は、基本的にはフリードワルドの式で算出し、食後やTGが400mg/dL以上の場合には直接法で測定する、とある。
しかし診療報酬上、コレステロール(TC、HDL-C、LDL-C)は同時に2つしか算定できないという制約があるため、臨床現場ではHDL-CとLDL-Cの2つを測定する方向に動いた。
さらに、08年から始まった特定健診でTCが健診項目から外れたことも、LDL-C直接測定の普及に拍車をかけた。

「TCは専門家ならば当然測るものという認識なのだが、ガイドラインの記述は一般医に誤解を招く可能性があり、不備があったかもしれない」と横山氏は話す。
TCが測定されていないと、フリードワルドの式によってLDL-Cを算出することが不可能となる。
筑波大内分泌代謝・糖尿病内科教授の島野仁氏も、「測定の信頼性が最も高く、エビデンスの豊富なTCが臨床の場で測られなくなることは問題だ」と指摘する。

学会も対応策を検討中
 こうした事態を踏まえ、日本動脈硬化学会ではいくつかの対策を検討している。
横山氏によれば、既に着手しているのは、
(1)試薬メーカーに、どのような条件だと測定値のばらつきが大きくなるかを公開してもらう
(2)臨床検査センターに、どこの試薬で測定したかを医療機関に情報開示してもらう
──の2つ。
また2010年の国民健康・栄養調査はTCの測定を外さない方針で進んでおり、特定健診においてもTCを測るように、学会から働きかけを行うという。

ガイドラインについても、来年の動脈硬化学会に向けて何らかの対応策を検討中だ。
横山氏は、「現場でTCが測られない状況を改善するための手立ては必要だ。また、信頼性の高い指標としてnonHDLを推奨することも検討している」と話す。

nonHDLとは、TCからHDL-Cを引いた値(図3、表1)。
TCやHDL-Cは食事の影響を受けにくく、測定精度の信頼性が高い。
「LDL-Cだけだと見落としてしまう、VLDLやIDLなどの動脈硬化惹起性の高いリポ蛋白を総合的に判断できる」と順天堂大循環器内科准教授の大村寛敏氏。TGが高い症例でも、管理指標として利用できる。

とはいうもののLDL-Cは、冠動脈疾患のリスクファクターとして評価が確立しており、今後も診断治療において中心的役割を果たすことには変わりない。
中村氏は、「試薬メーカーが、その高い技術力を持って、異常検体においても測定値の精度を向上させることを期待している」と話している。

出典 NM online 2009.12.21
版権 日経BP社

<番外編 その1>
冠攣縮性狭心症(CSA)・講演会 その8
■欧米人に比し、我々日本人では院外心停止例に約3倍冠スパスムが関与
■ 「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ogawah_h.pdf
○『冠攣縮性狭心症確定』
発作時の心電図所見上,明らかな虚血性変化が認められた場合(*).その心電図所見が境界域の場合は,病歴,発作時の症状に加え,明らかな心筋虚血所見もしくは冠攣縮陽性所見が諸検査(**)によって認められた場合とする。
発作時の心電図変化が陰性もしくは心電図検査非施行の場合でも,下記の参考項目を一つ以上満たし,明らかな心筋虚血所見もしくは冠攣縮陽性所見が諸検査(**)によって認められる場合は冠攣縮性狭心症確定とする。

<参考項目>
硝酸薬により速やかに消失する狭心症様発作で,以下の4つの項目のどれか一つが満たされれば冠攣縮疑いとする.
1)(特に夜間から早朝にかけて)安静時に出現する,
2)運動耐容能の著明な日内変動が認められる(早朝の運動能の低下),
3)過換気(呼吸)により誘発される,
4)カルシウム拮抗薬により発作が抑制されるがβ遮断薬では抑制されない.
(*)明らかな虚血性変化とは,12誘導心電図にて,関連する2誘導以上における一過性の0.1mV以上のST上昇または0.1mV以上のST下降か陰性U波の新規出現が記録された場合とする.虚血性心電図変化が遷延する場合は急性冠症候群のガイドラインに準じ対処する.
(**)心臓カテーテル検査における冠攣縮薬物誘発試験,過換気負荷試験などを指す.なお,アセチルコリンやエルゴノビンを用いた冠攣縮薬物誘発試験における冠動脈造影上の冠攣縮陽性所見を「心筋虚血の徴候(狭心痛及び虚血性心電図変化)を伴う冠動脈の一過性の完全または亜完全閉塞(>90%狭窄)」と定義する.

<番外編 その2>
高血圧合併2型糖尿病とアリスキレン
http://blog.m3.com/reed/20091220/_2_

で直接的レニン阻害薬(Direct Renin Inhibitor : DRI)アリスキレンの「ラジレス」の使用経験のコメントをいただきました。
コメントをいただくにはとても嬉しいものです。

循環器領域のピカ新ともいうべきこの「ラジレス」は開業医の私にとって10月に発売になっていたことは全く寝耳に水でした。
MRの「売り込み」もまったくありません。
「講演会」はもう行われたのでしょうか。

何だか不気味なスタートです。

早速出入りのMSに訊いてみました。
どうやら開業医には今のところ宣伝しないようになっているようだということと、パンフレットもまだ出来ていないとのこと。
勤務医の先生方はいかがでしょうか。

さらに担当のMRがMR認定試験の受験勉強をしているとのこと。
前から思っていましたが、これもなんだか変です。

受験勉強のために本来業務はおろそかになる。
一般社会ではありえないことです。

クレストールが発売された時にも開業医への紹介は随分後まわしになりました。
そんなことを思い出した一日でした。


「サンタさん危うし」 2009.12.24撮影 


お歳暮に医療機器メーカーからいただいたブルゴーニュです。
ブルゴーニュ特有の軽い口当たりで、たまにはボルドー以外もいいものです。
来年の循環器関連の機器購入を迫られています。
どうやら高いワインにつきそうです。
当方開業医のため、こういったやりとりはノープロブレムです。
2009.12.24撮影

 

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きょうは少し趣向を変えてサノフィ・アベンティス社の新聞広告記事でATISの勉強しました。

ATISはAtheroTrombosISの略語で、脳や心臓、足の血管に血栓が詰まる病気の総称です。
この統一概念は池田康夫先生が命名しました。

以下は座談会の内容です。


 

■エイティスとは

■エイティスは全身の血管の病気
永田
頭の血管の場合は、くびの血管(頸動脈)と頭の中の比較的大きな血管で動脈硬化が起こりますが、最近
は頸動脈の動脈硬化が多くみられ、手術も多く行われています。こうした患者さんでは、心臓や足の血管も狭い(狭窄)場合がとても多く、とくに心臓に血液を送る冠動脈の病変を合併する方が3割程度みられます。
さらに、くびの手術の後の死因で一番多いのは心筋梗塞で、毎年5%位の方が亡くなられます。ですから、頭やくびの手術のときは、循環器や末梢血管の先生方に相談する必要があります。

古森
下肢の動脈が詰まって症状が出ている患者さんを診るとき、エイティスの一部分症であるということを念頭に置いて、必ずくびや心臓など他の部位の動脈硬化の合併症がないかを診ます。
実際に、とくに脳、心臓、足と3カ所の動脈硬化症の合併はおよそ5〜10%もあるということが分かっています。
また、末梢の動脈が詰まる疾患のある人では、冠動脈の動脈硬化症で亡くなられる頻度が高いという報告もあります。

小川
心筋梗塞や狭心症で心臓の血管を調べるときにも頭と末梢の血管の検査を行いますが、心臓以外の血管障害がかなり多く見つかります。
冠動脈疾患のある人の超音波検査をすると、ほとんどの人の頸動脈にも病変があるということが分かっています。

■欧米化している日本人の疾病構造
永田
日本人はくびの血管よりも頭に入った中の血管が詰まる人が大変多かったのですが、最近では頭の中の血管が詰まる人は少なくなり、くびの狭窄の人が多くなっています。
食事などライフスタイルの欧米化とともに、変化してきていると考えられます。

小川
日本人の冠動脈疾患の頻度は欧米人より低いのですが、その数は年々少しずつ高くなってきています。
また、昔は日本人は3本の冠動脈のうち1本だけに病変を起こす人が多かったのですが、最近は、2本、3本と病変を起こす多枝病変が明らかに増えてきています。
さらに、病変の壁の動脈硬化の度合いも、昔と比べていまは目に見えてひどくなってきています。

■危険因子を管理して発症予防を
小川
心筋梗塞を起こす危険因子で一番にあげられるのは高血圧で、次に喫煙、糖尿病と続きます。最近注意が必要なのは、30〜50歳代と若いときに心筋梗塞を発症する人で、三つの因子に加えてコレステロールや中性脂肪が高い脂質異常症の人が増えています。
また、危険因子には男女差があり、女性の場合には喫煙と糖尿病が大変強い因子になってますので、とくに注意が必要です。

永田
エイティスという概念で全部つながってはいますが、多少、起こる場所によって危険因子は異なってきます。
頭では基本的に高血圧が重要で、コントロールすれば3割方で脳梗塞などの発症が減ります。
コレステロールや糖尿病も危険因子としてはっきりしていますが、治療してどのくらい脳梗塞が減るかを比較すると、高血圧に比べていくらか少ないといえます。

古森
末梢動脈が狭窄したり閉塞したりすると、歩くと足が痛くなる間欠性跛行という症状が出て、さらに進むと何も運動しないのに安静時に痛みが出る(安静時疼痛)、あるいはひどいものは壊疽や壊死につながる重症虚血肢という状態になります。
間欠性跛行の患者さんが重症虚血肢になるリスクは、糖尿病があると4倍、喫煙が3倍、脂質異常症が2倍になるという報告がありますので、これらのコントロールが重要です。

永田
エイティスの脳梗塞に加えて、小さな脳梗塞のラクナ梗塞も高血圧が基盤となるので、高血圧の管理がまず重要だといえます。
また、最近増えている糖尿病は動脈硬化を進めて頸動脈狭窄症や頭の後ろの方の動脈を狭窄させます。
さらに、脳梗塞とラクナ梗塞の間のBADという細い動脈に起こる梗塞も糖尿病の人に多くみられるので注意が必要です。

小川
心臓でも高血圧と糖尿病は一番注意が求められますが、禁煙も非常に効果があります。
最近病院は禁煙になっていますので、発作が多くあった患者さんでも入院すると軽快することがよく見受けられます。

■予兆を見逃さず早めの受診と適切な検査を
小川
心筋梗塞は突然に起こる場合が多いですが、全体の半数位では何らかの症状が出ています。
胸が締め付けられるような圧迫感があったという人が多くみられますが、胃の症状と思い込んだりしてなかなか病院に来ていただけません。
一番怖いのは、そうした症状が次第に頻繁に起こるようになったり、痛みが強くなってきても、受診されない方です。早めに受診すれば心筋梗塞にならずにすんだ例は多く見受けられます。

永田
脳のエイティスには一過性脳虚血発作という疾患があり、一時的に1時間位手足の麻痺が出たり、話しにくくなるなどの症状が出ます。
これは緊急の事態ですからすぐに病院に来ていただく必要があります。その段階の前に見つけるのはなかなか難しいのですが、危険因子がある中年以上の方は脳ドックを受けることをお勧めします。

古森
足が痛いとき整形外科に行く患者さんが多いのですが、足の脈まで診てもらえず、末梢動脈の病気が見逃されることもあります。危険因子があってある程度高齢の患者さんに対しては、まず脈がふれているかを診て、足の血圧と上肢の血圧の比をとる検査をするという簡単な方法で病変の有無を診断します。
問題があれば頸動脈や末梢血管の超音波検査を行います。

永田
頸動脈のIMTという血管壁の厚さを測る超音波検査は、心臓疾患などのリスクが評価できますし、超音波のなかではくびの検査が一番簡単にできるものだと思います。

■動脈硬化は改善できるか
永田
いろいろな薬物療法によって、頸動脈のプラークの退縮やIMTの値の減少は可能性があります。
ただし、年齢も一つの大きな危険因子なので長い目でみるとまた悪くなってくるようではありますが、とりあえずは良く効くという薬もあります。

小川
頸動脈と同様に心臓でも動脈硬化の退縮は確かにあります。
とくに、コレステロールを十分に抑えると目に見えて退縮します。
また、アンジオテンシンIIに作用する降圧剤を使用すると、血管の機能が良くなるということはありえます。
そして、予防のためには抗血小板薬は非常に重要な役割を果たすと考えられます。

古森
末梢動脈のプラークの退縮についてまでは研究が進んでいませんが、ステントなどの血管内治療やバイパス手術などの外科的治療の後に、抗血小板薬やスタチンなどを長期に投与すると治療成績が良くなるという結果は報告されています。
冠動脈疾患の抑制も含めて、術後の薬物療法のフォローは非常に重要なポイントだと思います。

■抗血小板薬による再発防止と全身の血管管理
古森
軽度の間欠性跛行では運動療法や薬物療法、高度の間欠性跛行や重症虚血肢では、ステントなどの血管内治療やバイパス手術などの血行再建術を行います。
そうした外科的な治療の局部的血行を良くするために、また、治療によって血流が良くなったとしても、全身的な血栓の予防のために主に抗血小板薬の投与を続けていきます。

小川
冠動脈疾患の治療においても、局所だけではなく全身のトータルな治療に効果がある抗血小板療法は必須といえます。
抗血小板薬により、ステントを入れたり、バイパス手術を行うなど外科的治療後の心筋梗塞の再発も防げますし、脳や末梢動脈の血栓の形成を制御することもできます。
また、心臓に限って考えても、3本ある冠動脈のうちの1本にステントで治療した場合、残りの2本のどちらかに血栓が詰まる可能性も高くあります。
こうした新しい病変を防ぐためにも抗血小板薬は有効です。

永田
既に脳梗塞の症状がある方では、頸動脈の狭窄が70%以上の場合には抗血小板薬の投与に加えて、心臓のように外科的治療を行いますが、それより狭窄度が低い方へは、基本的に抗血小板薬による内科的治療を柱に全身の血管の管理が行われています。

出典
http://www.asahi.com/ad/clients/ATIS/discussion.html
版権
朝日新聞社

 

<コメント>
一般市民向けの啓蒙記事のため諸先生方には時間の無駄遣いをさせてしまいました。
このATISという概念は、以下の<番外編>のCSAの講演の際に紹介されて初めて耳にした言葉です。
新聞読者の方が先に知っていたという訳です。
ネットを含む種々の知識の入手法の発達で患者さんから逆に教えて貰うことも多く、冷や汗を時々かいています。
さて、このATISという概念ですが、どうやら国産の用語のようです。
細かくいえば血栓の発生メカニズムは各々異なる訳ですから、少し乱暴な概念のような気もします。
同じ抗血小板剤の適応疾患として、製薬メーカー主導の概念のような気もします。
はたして普及するのでしょうか。
<番外編>
冠攣縮性狭心症(CSA)・講演会 その7
■減少していた異型狭心症を経験する機会が再び増加した。
これにはARB旋風によるCCBの処方減少が関与していると思われる。
■スパスムは内膜・中膜・外膜が一緒に収縮するのか?
(OCTでの観察で外膜は収縮していな可能性がある)
■DES留置が誘発冠スパスムを生むか?
(DESとBMSではステント留置枝、多数枝スパスムについては差はない。しかし誘発スパスムはBMSに多い傾向。つまり、DES例は誘発スパスムを起こしにくいかも知れない。)
■冠攣縮性狭心症の頻度
(臨床現場の狭心症の4割にスパスムが関与)
■日本の循環器科医はCAGとPCIが忙しい!


<きょうの一曲> O Holy Night
o holy night (These are the special times concert)
http://www.youtube.com/watch?v=7Jr-2eyRtV4&feature=related

Mariah Carey - O Holy Night
http://www.youtube.com/watch?v=OvKF__2r5Tw&feature=related

O Holy Night!
http://victorian.fortunecity.com/rodin/485/holynight.html

讃美歌第二編219番 さやかに星はきらめき
Hymn No.148 O Holy Night!/Minuit, Chretiens
http://www.soundpie.com/hymn/219.htm



2009.12.19撮影

 

 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
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井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
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(内科医向き)
があります。
               

 

 

 

 

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第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)の「生体吸収性エベロリムス溶出ステント」の記事で勉強しました。

「生体吸収性エベロリムス溶出ステント」については

生体吸収性エベロリムス溶出ステントの2年後成績
ABSORB試験より
http://blog.m3.com/reed/20090331/ABSORB_

でもとりあげました。

##〜生体吸収性エベロリムス溶出ステント〜
##3年後の虚血性MACE発生率は3.4%
次世代ステントとして,生体吸収性ポリマーを使用した薬剤溶出ステント(DES)が注目を集めている。
エラスムス医療センター(オランダ・ロッテルダム)のPatrick W. Serruys氏らは,新規1枝冠動脈病変に生体吸収性エベロリムス溶出ステント(BVS)を留置する前向きオープン試験ABSORB※の3年間の追跡結果を報告。虚血性の主要有害心血管イベント(MACE)発生率は3.4%で,遅発性ステント血栓症は認められなかったことを明らかにした。

#内皮依存性血管反応が保持
DESの登場で再狭窄は激減したものの,遅発性ステント血栓症など課題も残る。BVSは,生体吸収性のポリ-L-乳酸の支持体に,抗増殖薬エベロリムスを含有するポリ-D,L-乳酸をコーティングしたステント。永久的な金属留置を避けることで,
(1)自然な血管治癒,正常な血管運動や遠隔期の内腔拡大
(2)抗血小板薬併用療法の期間短縮
(3)再血行再建術の施行容易化
―などを目指している。

解析対象は,安定/不安定狭心症,無症候性心筋虚血を伴い,3.0×12mmか18mmステントが使用可能な新規1枝病変を伴う29例。抗血小板薬併用療法は6か月以上施行とした。
病変長は8.66±3.97mm,最小血管径(MLD)1.10±0.26mm,径狭窄率(DS)は59±12%だった。

2年時の成績は論文化されており(Lancet 2009; 373: 897),(1)血管内エコー所見で,内腔がステント留置6か月後に減少を示した後,2年時にかけて拡大に転じ,留置後と内腔面積,プラーク面積などに有意差はない
(2)光干渉断層計による解析で,ステントストラット数が34.5%減少し,血管壁は内皮で滑らかに被覆されている
―などが判明した。

BVSのメリットの1つは,MRIやCTでの非侵襲的な追跡が可能になった点で,18か月後のマルチスライスCTによる平均面積狭窄率は34%,平均DSは19%,一方,定量的冠動脈造影での平均DSは28%であることが確認された。

また,血管反応性の検討からは,内皮依存性の血管運動能が保持されていることもわかった。

3年時の臨床成績を見ると,虚血性のMACEは,6か月時に認められた非Q波心筋梗塞の1例(3.4%)のみで,それ以降にイベント発生はなく,虚血性の標的病変再血行再建(TLR)もなかった。ステント血栓症も,2年以降一過性に生じた1例以外に発症はなかった。
心臓死以外の死亡は2例(6.9%),非虚血性のTLRは1例(3.4%),同標的血管再血行再建(TLR除く)は2例(6.9%)だった。

Serruys氏は,課題として内皮依存性血管運動の検討を挙げ,「遅発性ステント血栓症の予防にきわめて重要な可能性がある」と述べた。

※A bioabsorbable everolimus-eluting coronary stent system

出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
#生体吸収型ステントは2年後も安全
3分の1は体内に吸収される、ABSORB試験の結果
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090402/143334/
■薬剤溶出型かベアメタルステントかに関わらず、金属製ステントを留置すると、血管腔の拡張が妨げられ、外科的な血行再建術が困難になり、マルチスライスCTやMRIによるイメージングの適用が難しくなる。

#エベロリムス溶出ステントは内径損失と重大な心有害事象が少ない
パクリタキセル溶出ステントと比較したSPIRIT III試験の結果
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200805/506391.html
■エベロリムス溶出ステントとパクリタキセル溶出ステントの有効性と安全性を比較する大規模な前向き単盲検試験SPIRIT IIIの結果、エベロリムス溶出ステントの方が内径損失と有害な心イベントは有意に少なく、標的血管不全の発生率については非劣性であることが示された。
米国Columbia大学医療センターのGregg W. Stone氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年4月23/30日号に掲載された。
■エベロリムスは、半合成のマクロライド系免疫抑制剤で、ラパマイシンのアナログだ。
エベロリムスを溶出する高耐久性フルオロポリマーでコートしたコバルトクロム合金製ステントは、予備的な研究において、シロリムス溶出ステント、パクリタキセル溶出ステントに比べ内皮化が早いと報告されている。
欧州で行われた小規模な研究と中規模な試験では、冠動脈疾患患者の臨床転帰と血管造影の結果を向上させることが示されている。
■8カ月時の病変内内径損失は、エベロリムス溶出ステント群(301病変)で、パクリタキセル溶出ステント群(134病変)に比べ有意に少なかった。
平均は0.14mmと0.28mm、差は-0.14(95%信頼区間-0.23から-0.05)。非劣性のP≦0.001で、優越性のP=0.004となった。
■ ステント内の内径損失も同様で、それぞれ0.16mmと0.31mm、差は-0.15(95%信頼区間-0.25から-0.04)。
非劣性のP<0.001、優越性のP=0.006だった。
■ステント留置から約半年間はエベロリムス群で心筋梗塞が少なく、その後はエベロリムス群で標的病変部の血行再建術再施行が少なかった。
■大規模な前向き研究で、エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントに比べ8カ月時の内径損失が少ないこと、9カ月時の標的血管不全の発生率においては非劣性であることが示された。

原文
Comparison of an Everolimus-Eluting Stent and a Paclitaxel-Eluting Stent in Patients With Coronary Artery Disease
JAMA. 2008;299(16):1903-1913.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/299/16/1903
#NEJM誌から
薬剤溶出ステントの方が1年間の再狭窄は有意に少ない
HORIZONS-AMI試験の結果
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/200906/511010.html?ref=RL1
■ ST上昇心筋梗塞(STEMI)でプライマリPCIを受ける患者を対象に、薬剤溶出ステント(DES)の安全性と有効性をベアメタルステント(BMS)と比較する無作為化試験を行った結果、治療から12カ月間の再狭窄と血行再建術施行はDES群で有意に少ないことが示された。
心血管安全性には差は見られなかった。米Columbia大学のGregg W. Stone氏らの報告で、詳細はNEJM誌2009年5月7日号に掲載された。
■HORIZONS-AMI試験は、今回のSTEMI患者を対象にBMSとDESの安全性と有効性を比較する目的と同時に、ビバリルジンの安全性と有効性をヘパリン/GP IIb/IIIa阻害薬併用と比較する目的で実施された。こちらの結果は、2008年にNEJM誌に報告されている。
NEJM誌から
ビバリルジンはST上昇心筋梗塞の大出血リスクを低減
ヘパリン+GP IIb/IIIaとの比較試験の結果
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/200806/506812.html
Bivalirudin during Primary PCI in Acute Myocardial Infarction
N Engl J Med 358:2218-2230,2008


<番外編 その1>
第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)から。
##〜EFFECT試験〜
##診療実績の公表がAMI死亡率低下に寄与
患者・一般市民への心疾患診療実績の公表が,診療の質改善につながる可能性が,カナダ心血管転帰研究チームが実施したEFFECT※試験から判明した。
臨床評価科学研究所(カナダ・トロント)のJack V. Tu氏によると,総合評価で診療実績の公表による診療の質の有意な改善は示せなかったものの,公表により急性心筋梗塞(AMI)30日後死亡率の有意な低下が認められたという。

#公表が質改善活動を活性化
患者・一般市民への病院診療実績の公表は,診療の質改善策として,行政当局によって義務付けられつつある。
そこでTu氏らは,「診療実績の公表が心疾患の診療の質を改善する」との仮説を証明するため,オンタリオ州で初の大規模ランダム化比較試験EFFECTを実施した。

質評価には,AMIとうっ血性心不全(CHF)の「治療プロセスの質指標」を用いた。
AMIは左室機能の評価,30分以内の血栓溶解療法または90分以内のプライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)など12項目,CHFは連日の体重記録,左室不全に対するACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の使用など6項目の実施率から成る。

ベースライン(1999年4月~2001年3月)の同指標に関する診療実績公表時期により,参加施設を
(1)2004年1月に早期公表する I 群(解析対象42施設,実質的公表群)
(2)2005年9月に遅れて公表するII群(同39施設,対照群)
に割り付け,II群の公表前の2004年4月~05年3月までの変化を診療記録から検討した。
公表にはインターネットを用い,早期公表時には記者会見も行った。
早期公表はカナダでメディアの注目を集め,1,200万人以上がニュースを視聴したと推定された。

解析の結果,1次評価項目の複合AMI質指標の改善は, I 群が1.5%大きかったものの,両群に有意差はなかった。個別の12指標のうち,「CCU/ICUへ搬送前の救急部門での血栓溶解療法施行率」については, I 群の改善が有意に優れていた。

同じく1次評価項目の複合CHF質指標の改善も,早期公表群が0.6%大きかったものの両群に有意差はなかった。
個別の6指標のうち,「左室収縮不全に対するACE阻害薬またARBの使用率」は, I 群で有意に優れていた(P=0.02)。

一方,AMI 30日後死亡率は I 群で11.7%から9.8%に低下したのに対し,II群では12.2%のまま推移し, I 群の改善効果が有意に優れていた(P= 0.045)。
CHFの30日後および1年後死亡率は,群間に有意差はなかった。

2004年6日の調査によると,「早期公表に対応するためのAMI,CHFの治療変更実施」は,AMI 73.2%対46.7%,CHF 61.0%対50.0%と,ともに I 群で有意に高かった。しかし,II群でも予想以上に治療の質改善の取り組みが進んでおり,これが1次評価項目に有意差がなかった理由の1つと考えられるという。

指定討論者のコロラド大学デンバー校(コロラド州デンバー)のFrederick A. Masoudi氏は,同試験が臨床転帰にも焦点を当てた点などから,「質戦略のランドマーク試験」と評価。一般市民への診療実績公表は,質改善活動を活性化し,臨床転帰を改善した可能性があるとした。この試験の結果は,JAMA(2009; 302: 2330)に掲載された。

※Enhanced Feedback for Effective Cardiac Treat

出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン社

<番外編 その2>
##PCI前日のアトルバスタチン単回高用量投与で術中MIが有意に減少
待機的に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける患者に対し,前日にアトルバスタチンの単回高用量投与を行うことで周術期の心筋梗塞(MI)が有意に減少すると,イタリアのグループがJournal of the American College of Cardiologyの12月1日号に発表した。

PCI前に少なくとも7日間アトルバスタチンを投与することで,周術期のMI発症が減少する。
同グループは,PCI前のアトルバスタチンの単回高用量投与が周術期MIの発症率低下に有効かどうかを検討した。

対象は,待機的PCIを施行するスタチン治療歴のない668例。前日にアトルバスタチン80mgを単回投与する群338例と,非投与群の330例にランダムに割り付けた。

介入前6時間と介入後12時間に,クレアチニンキナーゼ心筋アイソザイム(CK-MB,正常上限値3.5ng/mL)と心トロポニン I 値(正常上限値0.10ng/mL)を測定。周術期MIの発症はCK-MBの正常上限値の3倍を超える上昇あるいは胸痛,STまたはT波の異常と定義した。

その結果,周術期のMI発症率は対照群の15.8%に対し,アトルバスタチン群では9.5%と有意に低かった〔オッズ比0.56,P=0.014〕。
PCI後のCK-MB最高中央値は対照群が3.20ng/mL,アトルバスタチン群が2.10ng/mLであった(P=0.014)。アトルバスタチン群では,心トロポニン I が正常上限値の3倍を超えた割合も有意に低かった(P<0.001)。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42510625/year/2009

Novel approaches for preventing or limiting events (Naples) II trial: impact of a single high loading dose of atorvastatin on periprocedural myocardial infarction.
Briguori C, et al. J Am Coll Cardiol 2009; 54: 2157-2163.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19664895

出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン社

<きょうのドクターズライフ掲示板>
晩酌のパターンについて
http://community.m3.com/doctor/showMessageDetail.do?boardId=7&messageId=1291015&messageRecommendationMessageId=1291015&topicListBoardTopicId=128990
(面白く読みました)


平山郁夫 『アンコールワットの月』
http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/kakejikudo.com/g/HG-8028/index.shtml

<きょうの一曲>
Tony Bennett - Winter Wonderland HDTV
http://www.youtube.com/watch?v=rhcg25ShZgs


 

その他
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 井蛙内科/開業医診療録(3)
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PLATO試験

戯れ言たれる侏儒 / 2009.12.22 00:12 / 推薦数 : 0

第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009)での、STEMIにおける新規抗血小板薬についての報告で勉強しました。
ACSにおける二重盲検試験PLATOのサブグループ解析です。

新規抗血小板薬とはTicagrelorで、アストラゼネカがACSの治療薬として開発中の薬剤です。
可逆的にアデノシン二リン酸(ADP)に結合する抗血小板薬としては初の薬剤で、ADP受容体のP2Y12を選択的に阻害します。

〜PLATO試験〜
新規抗血小板薬ticagrelor,STEMIでも出血増なくイベントを抑制
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者でも,新規抗血小板薬ticagrelorはクロピドグレルとの比較で,出血リスクを増すことなく心血管イベントの減少を有意に増強することが明らかになった。
パリ第7大学(パリ)のPhilippe G. Steg教授が,急性冠症候群患者を対象とした二重盲検試験PLATO※の事前に設定されたサブグループ解析をもとに報告した。
※Platelet Inhibition and Patient Outcomes

心血管イベント,総死亡が減少
■Ticagrelorは,血小板アデノシン二リン酸(ADP)受容体のP2Y12を選択的かつ可逆的に阻害する。
PLATO主解析では,発症24時間以内の急性冠症候群患者1万8,624例において,クロピドグレルに比べticagrelorが重篤な出血を増すことなく,心血管イベントのリスクを16%有意に減少させることが判明した。

■今回の解析対象は,プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行が予定される発症24時間以内のSTEMI患者8,430例で,
(1)クロピドグレル(C群)
(2)ticagrelor(T群)
に割り付けた。
全例にアスピリン75~100mg/日を投与したうえで,
(1)初回量300mg(服用中なら初回投与なし,PCI施行前300mg追加可),維持量75mg/日
(2)初回量180mg(PCI施行前90mg追加可),維持量90mg×2/日を6~12か月投与した。

■1年後の1次評価項目である「心血管死+心筋梗塞+脳卒中」の発生率は,C群11.0%,T群9.3%と,後者でリスクが15%有意に減少(P=0.02)。
1次評価項目を1イベント防ぐための治療必要人数(NNT)は59。個別にはT群で心筋梗塞リスクが23%有意に減少したが,脳卒中リスクは45%高い傾向を示した。
総死亡のリスクは,T群で18%有意に低かった。

■ステント血栓症の確定例は,C群2.5%,T群1.6%と,後者で39%有意にリスクが減少し(P=0.01),ほぼ確実例,疑い例を加えてもT群で有意に低率だった。
安全性1次評価項目のPLATOの定義による大出血は,C群9.3%,T群9.0%で,TIMI大出血,生命を脅かす/致死性出血などとともに,両群に有意差はなかった。
呼吸困難はT群で有意に高率だった。

■Steg教授は「ticagrelorはプライマリPCIが予定されるSTEMI患者の管理で,新たな標準療法となる可能性がある」と強調した。

■指定討論者のテネシー大学(テネシー州メンフィス)のLisa K. Jennings氏は,ticagrelorの利点として,
(1)血小板阻害の平均レベルが強い
(2)効果発現に肝代謝が不要で,反応性のばらつきが小さい(3)結合が可逆的であるため抗血栓作用と出血イベントの乖離が大きい可能性がある
―などを挙げたうえで,1日2回の投与は服薬コンプライアンスの点で課題となるかもしれないとした。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42510231/year/2009
出典 Medical Tribune 2009.12.17
版権 メディカル・トリビューン社

<Ticagrelor 関連サイト>
●新規抗血小板剤Ticagrelor、急性冠症候群患者を対象とした
クロピドグレルとの比較試験で心血管死と心筋梗塞を抑制
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_09_03.html
■Ticagrelorは急性冠症候群患者を対象としたクロピドグレルとの比較において、心血管死の抑制を示した初めての抗血小板剤です。
PLATO試験の結果は欧州心臓病学会で発表され、同時にNew England Journal of Medicine(www.nejm.com)に掲載されました。

Comparison of Ticagrelor, the first reversible oral P2Y12 receptor antagonist, with clopidogrel in patients with acute coronary syndromes: results of the PLATelet inhibition and patient Outcomes (PLATO) trial. Presentation at ESC 2009. Final Program Number 186

■PLATO試験では、クロピドグレル群に比べTicagrelor群では心血管イベント発症抑制は早期から認められ、試験期間を通してこの治療効果の差は増加しました。
Ticagrelorは複数の有効性副次評価項目において一貫した有効性を示しました。副次評価項目には、心血管死(全死亡とは区別)、心筋梗塞、そして心筋梗塞・脳卒中・全死亡の複合イベントが含まれています。
試験期間中に冠動脈内ステント留置術を受けた患者においてTicagrelor群ではステント内血栓症発症リスクが33%抑制されました。

■Ticagrelorについて
Ticagrelorはアストラゼネカが急性冠症候群の治療薬として開発中の抗血小板剤です。可逆的にADPに結合する抗血小板剤としては初の薬剤で、ADP受容体のP2Y12を選択的に阻害します。
<コメント>
このサイトでみる限り、副作用は決して少なくはないようです。
●新規抗血小板剤Ticagrelor
ST上昇型急性心筋梗塞患者サブグループにおいて
心血管イベント発症リスクをクロピドグレルに比べ有意に抑制
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_11_19.html
ONSET/OFFSET試験、RESPOND試験についても説明されています。
●新規抗血小板薬Ticagrelorが心血管イベント発症リスクを抑制
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/att/ac/topics/200909/512254.html
■新規抗血小板薬であるTicagrelorが急性冠症候群患者を対象としたクロピドグレルとの比較試験において、有意に心血管イベント発症リスクを抑制したことが報告された。
第3相並行群間比較試験であるPLATO試験の成果で、スペイン・バルセロナで開催された第31回欧州心臓学会(ESC2009)でスウェーデン・ウプサラ大学のLars Wallentin氏らが発表した。

<番外編 その1>
冠攣縮性狭心症(CSA)・講演会 その6
■冠攣縮性狭心症における治療
内科的治療
1)血管拡張剤
 硝酸薬
 カルシウム拮抗薬
 ニコランジル
 ファスジル(Rho-kinase阻害薬)
 デノパミン
2)血管内皮機能改善剤
 スタチン
 ビタミンC
 ビタミンE
 インスリン抵抗性改善薬
3)NO産生増加作用薬
 エストロゲン
4)その他
 β遮断剤
 ステロイドホルモン

外科的治療
 1)冠動脈バイパス術
 2)冠動脈インターベンション
 3)植え込み型徐細動器

■スパスムにスタチンが効く

■ジルチアゼムに比してベニジピンは予後がよい!?

■心不全の一因として冠スパスムも考える必要がある!?
(心不全症例の約1/3で誘発冠スパスム陽性・多くが多枝スパスム)

 

<番外編 その2>

インフルの心筋炎患者救命 特殊な人工心肺で治療
○○県の○○市民病院は14日、新型インフルエンザに感染し劇症型心筋炎の合併症を起こした患者の救命に成功したことを明らかにした。
患者は一時心停止状態になったが、特殊な人工心肺装置(PCPS)を使った治療で回復した。
日本循環器学会は「劇症型心筋炎が確認されて人工心肺装置で救命された例は、これまで日本ではないのではないか」としている。
新型インフルエンザ感染者が死亡する場合、多くは脳症や肺炎、心筋炎などを発症する。
同病院の○○院長は「この方法で心筋炎以外の心疾患の新型インフルエンザ患者も救命できる可能性がある。心筋炎を念頭に、PCPSを準備して診察することが重要」としている。
同病院の説明では、患者は○○県西部の女性(44)で、11月13日に肺炎の疑いで入院。新型インフルエンザ感染と劇症型心筋炎の発症を確認した。
14日に心機能が低下し一時心停止。
太ももからカテーテルを入れて心臓から血液を吸い出し、循環させるPCPSを使って治療し、その間タミフルなどの投与を続け、回復したという。
女性は近く退院する。
PCPSは開胸が不要で、準備しておけば約5分で利用可能という。
共同通信社 2009.12.15

<コメント>
この記事に関して、「関連メッセージ」が数多く寄せられていて勉強になります。
http://community.m3.com/doctor/showMessageDetail.do?boardId=3&messageId=1303475&messageRecommendationMessageId=1303475&topicListBoardTopicId=130324

実は報道の院長とは個人的に面識もあり、興味深く「関連メッセージ」を読んだ次第です。

<番外編 その3>
2009年度 認定内科医・総合内科医のためのセルフトレーニング問題(B)
  ー 解答と解説 ー
問題1 P1
安定狭心症から不安定狭心症に増悪した患者の症例
解説
不安定狭心症の短期リスク分類

急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2007年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_yamaguchi_h.pdf
○急性冠症候 群は冠動脈粥腫破綻,血栓形成を基盤として急性心筋虚 血を呈する臨床症候群であるが,急性心筋梗塞,不安定 狭心症から心臓急死までを包括する広範な疾患概念である。
○急性期治療の主な目的は,急性心筋梗塞へ の移行防止と心筋虚血の軽減による短期的な予後の改善 である。

<参考>
循環器病の診断と治療に関するガイドライン
http://www.j-circ.or.jp/guideline/
(今までに作成された日本循環器学会の各種ガイドラインの一覧です)

ACC/AHA 2007 Guidelines for the Management of Patients With Unstable Angina/Non–ST-Elevation Myocardial Infarction
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/full/50/7/e1

UA/NSTEMIは緊急に侵襲的治療が必要か?
http://nakax.blog88.fc2.com/blog-entry-3.html
TACTICS-TIMI18 (Cannon et al. NEJM 2001;344:1879-87)
TIMACS trial ( Mehta et al. NEJM 2009;360:2165-75)
ABOARD ACC09 LBCT
が紹介されています。

 

<きょうの一曲>
Last Christmas ・WHAM・ワム・ラストクリスマス
http://www.youtube.com/watch?v=aftURODKZvI


 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
               

 

 

 

 

 

 

 

 

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