戯れ言たれる侏儒
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前糖尿病と仮面高血圧

戯れ言たれる侏儒 / 2009.11.27 00:07 / 推薦数 : 0

第82回米国心臓協会学術集会(AHA2009Orlanndo,Florida,November14-18,2009))
での発表をとりあげた以下の記事で勉強しました。

Pre-diabetes is Associated With Masked Hypertension
前糖尿病は仮面高血圧と相関する
http://www.medical-tribune.jp/cgi-local/aha2009.cgi/html/07_5146.html

発表者は
Columbia University Medical Center, New York, NY, USA
石川 譲治 先生
です。
兵庫県立尼崎病院循環器内科 佐藤幸人部長がコメントされています。

■仮面高血圧は,診療所血圧が140/90mmHg未満と正常範囲であるが,24時間自由行動下血圧(ABP)が135/85mmHg以上と高血圧を呈するもので,心血管イベントリスクの増大と相関することが知られているものの,仮面高血圧が生じる機序は詳しく解明されていない。
石川氏らは,非糖尿病の範囲での血糖値上昇〔空腹時血糖値(FPG)126mg/dL未満〕や前糖尿病状態(FPG:100~125mg/dL)と仮面高血圧が相関するか否かを検討し,非糖尿病者におけるFPGと仮面高血圧,前糖尿病状態と仮面高血圧との間に有意な相関を認めたと報告した。

#正常血圧群と仮面高血圧群に分類して比較
■診療所高血圧と糖尿病のいずれも罹患していない健康者475例において,診療所血圧測定(水銀血圧計で1診察当たり3回測定×診察回数3)と単回の24時間ABP測定(SpaceLabs 90207により昼間・夜間ともに28分おき),空腹時血糖値測定(正常値は<100mg/dL,前糖尿病は100~125mg/dLと定義)を行った。
24時間ABP測定における覚醒時間帯は,被験者の日誌と手首のactigraphyにより特定した。
■血圧測定の結果をもとに,被験者を正常ABP群と仮面高血圧群に分類し,背景と血糖・血圧・腎機能などに関する変数を比較した。統計学的有意差(P<0.05)の検定にはnon-paired t検定とχ2検定を用いた。

結果(表)

#FPGと仮面高血圧,前糖尿病状態と仮面高血圧の間に有意な相関
■交絡因子を調整後のロジスティック回帰分析の結果,FPGと仮面高血圧の間〔FPG 10mg/dL上昇ごとのオッズ比(OR):1.35, 95%信頼区間(CI):1.01~1.80,P=0.044〕,前糖尿病状態と仮面高血圧の間(OR:2.29,95%CI:1.17~4.51,P=0.016)に,それぞれ有意な相関が認められた。
■血圧とFPGの組合せにより,仮面高血圧の罹患率を比較した結果,前高血圧/前糖尿病合併群が51.2%,前高血圧のみの群が34.5%,前糖尿病のみの群が10.3%,いずれも正常な群が3.8%であった(図)。

■前糖尿病と非糖尿病者におけるFPGは,仮面高血圧の罹患と相関することが確認された。
今回の知見は,前高血圧に前糖尿病を合併する患者群では,診療所血圧測定とABPモニタリングの併用で,心血管リスクをより正確に階層化できることを示している(石川氏)。

<佐藤幸人部長のコメント>
■近年は心血管イベントという共通のエンドポイントが設定可能なことより両者の関連を調べる研究が盛んである。
例えばARBカンデサルタンを収縮能が保持された心不全に投与したCHARM preserved(Lancet 2003; 362: 777-781)試験や,高血圧患者におけるカンデサルタン vs. アムロジピンの効果を検討したCASE-J(Hypertension 2008; 51: 393-398)ではカンデサルタン投与による新規糖尿病の発症抑制が報告された。
2型糖尿病合併高血圧に対する介入試験も多く報告され,今や高血圧と糖尿病は個々に考えるのではなく同時に考えてゆく必要がある。
■一方で,pre-hypertensionを対象にカンデサルタンを投与したTROPHY試験(N Engl J Med 2006; 354: 1685-1697)では,カンデサルタン投与により顕著高血圧への進展抑制がみられ,その効果は薬剤投与中止後も数年間観察されることがわかっている。つまり,介入するのであれば早期が望ましいと思われる。
<私のコメント レガシー効果>
■そのような視点から,より早期,より軽症と一般的には捉えられがちな病態の段階で早期診断,早期治療する必要がある。
一般に仮面高血圧は医師が疑わなければ,24時間血圧測定なども行われず,診断もされにくい。
本演題のように仮面高血圧の背景因子や,規定因子が判明すれば,正確に自由行動下の血圧を評価する強い動機となり,臨床的に有用である。

<関連サイト>
CHARM preserved
Lancet 2003; 362: 777-781
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/13678871
CHARM
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2000082.html
CASE-J
Hypertension 2008; 51: 393-398
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18172059
Ca拮抗薬の優れた降圧効果を証明:CASE-J試験
http://blog.m3.com/reed/20081104/1
CASE-Jサブ解析
http://blog.m3.com/reed/20080831/CASE-J_
CASE-J試験(桑島先生の論文から)
http://blog.m3.com/reed/20081104/1
CASE-J(循環器トライアルベース)
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2002499.html
TROPHY試験
N Engl J Med 2006; 354: 1685-1697
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/16537662
TROPHY(循環器トライアルベース)
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2002457.html

<きょうの一曲>
Eric Clapton Tears in Heaven Unplugged High Quality Live TV Recording
http://www.youtube.com/watch?v=7g2IlaDLVLo&feature=related

Eric Clapton: Tears in Heaven on Classical guitar
http://www.youtube.com/watch?v=Os_AZHmmTa4&feature=related
 


鈴木信太郎「熱海」10号  (1895~1989年)
http://www.shihoudou.co.jp/new/2009/20090325.html

1895年に八王子で生まれた鈴木信太郎は、幼い頃に病を患い、
終生杖や車椅子を必要とする生活を余儀なくされました。
しかし奈良や長崎、北海道、伊豆など全国を精力的に巡り、椅子や地面に座って低い視点から描いた作品により独自の風景世界を開きました。
また、花や果物、人形などをモチーフに、愛らしくも透明感のある 色彩を放つ作品も多く残しています。
二科会や一陽会を舞台に活躍した昭和を代表する画家。没後20年を経た現在でもその作品は多くの方々に愛され続けています。
(上記サイトより転載)

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
               

 


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