戯れ言たれる侏儒
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ROOBY試験 

戯れ言たれる侏儒 / 2009.11.17 00:05 / 推薦数 : 0

ROOBY試験。
内科の循環器医にはあまり耳慣れない臨床試験かも知れません。
これはRandomized On/Off Bypass Study の略です。
結論としては
At 1 year of follow-up, patients in the off-pump group had worse composite outcomes and poorer graft patency than did patients in the on-pump group.
ということでオフポンプのオンポンプとの同等性(または非劣性)は証明されずオンポンプが良かったということです。
兵庫県立尼崎病院循環器内科 佐藤幸人先生による、CABGを行う際にオフポンプかオンポンプかという論文の解説で勉強しました。

論文はN Eng J Med 2009; 361: 1827-1837です。

On-pump versus off-pump coronary-artery bypass surgery.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19890125

 

オフポンプCABGはオンポンプCABGより優れているのか?
ROOBY試験で短期・長期成績が明らかに
背景:日本で施行比率が上昇するオフポンプCABG

■2008年度の単独初回待機手術におけるオフポンプCABG割合は65%。
日本冠動脈外科学会
http://www.med.nihon-u.ac.jp/jacas/result2008.html

■オフポンプCABGとオンポンプCABGを短期合併症,長期予後の視点から多人数で比較検討した試験は少ない。

■今回の米国のROOBY試験では,短期合併症,長期グラフト開存率,術後の認知能力について比較検討された。

#研究のポイント:短期合併症に差がなく,長期予後はオフポンプ群で不良
■2,203例がオンポンプCABG群,オフポンプCABG群に割り付けられた。短期一次エンドポイントは30日後の(死亡+再手術+機械補助の使用+心停止+昏睡+脳卒中+透析を要する腎不全),長期一次エンドポイントは1年後の(総死亡+再血行再建+非致死性心筋梗塞)とした。
■二次エンドポイントは完全血行再建,1年後のグラフト開存,術後認知能力とした。術中に輸血を要した症例はオフポンプ群で低かった(オフポンプ52.0% vs. オンポンプ56.2%,P=0.05)
■その結果,短期エンドポイント発生率について両群間に差は認められず(オフポンプ群7.0% vs. オンポンプ群5.6%,P=0.19),長期エンドポイント発生率はオフポンプ群で有意に悪かった(オフポンプ群9.9% vs. オンポンプ群7.4%,P=0.04)。
■オフポンプ群では予定していたグラフトよりも少ない本数で終了することも有意に多かった(グラフト数:オフポンプ群2.9本 vs. オンポンプ群3.0本,P=0.002,予定より少ないグラフト数で終了した症例の割合:オフポンプ群17.8% vs. オンポンプ群11.1%,P<0.001)。
1,371例のフォロー冠動脈造影により得られた結果ではグラフトの長期開存率もオフポンプ群で有意に低かった(オフポンプ群82.6% vs. オンポンプ群87.8%,P<0.001)。
総死亡には両群間で有意差が認められなかった(図,P=0.25)。

 

佐藤幸人先生による考察:臨床導入15年,そもそもの目的は人工心肺による合併症減少だったが…
■オフポンプCABGは15年ほど前から臨床に導入され,そもそもの目的は人工心肺を使用することによる合併症を減らすことであった。
しかし,今回の結果を詳細に見ても,両群とも手術時間,術後集中治療室での治療日数,術後退院までの日数,人工呼吸時間にも全く有意差が認められず,手術に関連した脳卒中の発生,術後の認知能力にも有意差が認められていない。
むしろ,長期では総死亡については有意差が認められないものの,オフポンプ群のほうが心臓死(オフポンプ群2.7% vs. オンポンプ群1.3%,P=0.03)も含めてイベントの発生が有意に増加した。
■グラフトの長期開存の検討では,内胸動脈-左冠動脈グラフトの開存率はオフポンプ群95.3%,オンポンプ群96.2%(P=0.48)と,オフポンプ群も素晴らしい成績であるが,静脈グラフトでは順に76.6%,83.8%(P<0.001)とオフポンプ群で著明に悪くなっている。
■今回の試験では,患者をオフポンプCABGとオンポンプCABGに強制的に割り付けており,その結果オフポンプ群はオンポンプ群よりも悪い結果であった。
しかし,小血管,駆出率(EF)低下例などオフポンプ群に不利な症例は除かれており,オフポンプからオンポンプへ術式を変更した症例も12.4%あった。
オフポンプには向いていない患者がオフポンプに強制的に割り付けられた可能性は比較的低いようである。

出典 MT pro 2009.11.10
版権 メディカル・トリビューン社

 

<関連サイト>
第14回日本冠動脈外科学会  
〜2008年CABG施行例の全国調査〜
■2008年の1年間に施行された冠動脈手術症例について,全国409施設にアンケート調査票を送付し,284施設(69.4%)から得られた回答を分析した。
CABGは1万4,035例に行われ,うち1万1,053例が単独手術だった。
単独手術のうち初回待機手術が9,301例,それ以外が1,752例。off-pump手術の割合は初回待機手術で65%,それ以外でも54%と半数を超え,off-pump手術がスタンダードな術式として定着していることが確認された。
■術式別の死亡率は,off-pumpで0.64%(完遂例で0.62%),on-pumpの心停止下で0.90%,心拍動下で1.81%,off-pumpからon-pumpに移行した症例(移行率は前回の3.7%から2.4%に低下)で1.34%と,前回1.54%であった心拍動下を除き,いずれも前回を凌駕する成績が得られた(図1)。

■バイパス本数は平均2.95本。4枝以上の手術でも60%近くがoff-pumpで行われ,多枝症例でもoff-pump手術を選択する傾向がより顕著となった。
■後脳血管有害事象の術式別の頻度はopp-pump完遂1.03%,on-pump心拍動下1.50%,on-pump心停止下0.72%,off-pumpからon-pumpへの移行1.68%で,4群間に有意差は見られなかった。

出典 Medical Tribune 2009.9.17
版権 メディカル・トリビューン社

2007年CABG全国調査
Off-pump CABGの割合がさらに上昇,単独手術の死亡率は過去最低を更新
■近年,人工心肺を使用しないOff-pump CABGが急速に普及しつつあるが,単独初回待機手術における割合は前年比5ポイント増の66%に達した。
2004年に60%を突破してからは3年間横ばい状態が続いていただけに,今回の結果から再上昇の気配もうかがえる。

出典 MT pro 2008.7.16
版権 メディカル・トリビューン社

<新聞切り抜き帖>
朝日新聞・夕刊 2009.11.16 「窓」
■今年で25回目となる稲盛財団の京都賞の先端技術部門は、その生みの親である赤崎勇名大特別教授に贈られた。
■赤崎さんの成果は、他の研究者が諦める中、15年gかりの粘り強い研究の末に生まれた。
■高く飛ぶには、それだけ長い助走が必要だ。
赤崎さんの受賞は、改めてそう教えてくれる。
<コメント>
『高く飛ぶには、それだけ長い助走が必要』
研究者を勇気づける言葉です。
しかし跳ぶなら飛ぶということになると鳥に例えるなら少なくとも飛べる鳥でなければなりません。
多くの研究者は自分が飛べない駝鳥やペンギンではないかと怯えつつ研究を続けているのです。

<飛べない鳥 関連サイト>
飛べない鳥たち
http://eda.s68.xrea.com/archives/000115.php
■飛べない鳥たちはモアのように既に絶滅したり、絶滅危惧に瀕している場合が多い。
(飛べない研究者は絶滅するのでしょうか)

ゆず - 飛べない鳥
http://www.dailymotion.com/video/x3n63n__music


<自遊時間>

撮影 2009.11.15
高地のため紅葉はすでに終わっていました。
この場所にだけ紅葉が残っていました。
何故だろうと思いましたがこのすぐ下には露天風呂がありました。
背景の滝は「日本の滝100選」の一つです。

日本の滝百選(地図)
http://滝.biz/
マピオン>日本の滝100選特集
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=日本の滝100選&btnG=Google+検索&lr=&aq=f&oq=&aq=f&oq=

 

その他
ふくろう医者の診察室 
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 井蛙内科/開業医診療録(3)
~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
               

 

 

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