| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
2年前のちょっと旧聞に属する大規模臨床試験で恐縮ですが、たまたまスタチンの動脈硬化退縮効果を調べていて見つけたMETEOR試験で勉強しました。
Crouse JR 3rd et al for the METEOR study group: Effect of rosuvastatin on progression of carotid intima-media thickness in low-risk individuals with subclinical atherosclerosis: the METEOR trial. JAMA. 2007; 297: 1344-53.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17384434?dopt=Abstract
METEOR は、頸動脈疾患の早期徴候である頸動脈肥厚があり、冠動脈疾患(CHD)発症リスクが低い人においてアテローム性動脈硬化に対する効果を示した最初の試験です。
METEOR 試験では、クレストールⓇ(一般名:ロスバスタチン)40 mg が2 年間投与された群は、プラセボ投与群と比較してアテローム性動脈硬化の進展が有意に抑制されました。
また、投与前値との比較では、プラセボ投与群ではアテローム性動脈硬化の有意な進展が認められましたが、クレストールⓇ投与群では有意な進展は認められませんでした。
第56 回米国心臓病学会(ACC)年次学術集会で発表されたデータによると、LDL コレステロール(LDLC)という悪玉コレステロールの値が中等度に高く(平均154 mg/dL)、アテローム性動脈硬化性疾患の発症は確認されていない患者にクレストールⓇ40 mg を投与したところ、アテローム性動脈硬化のマーカー1である頸動脈内膜中膜肥厚の最大値平均が0.0014mm/年減少し、それに対してプラセボ投与群では0.0131mm/年の進展が認められました(p<0.0001)。
クレストールⓇ40mg の忍容性は良好でした。
今回、動脈硬化の初期で、CHD 発症リスクが低い患者を対象としたMETEOR 試験が終了したことにより、冠動脈疾患を有しCHD 発症リスクが高い患者を対象としたASTEROID 試験と合わせて、アテローム性動脈硬化の初期病変から高度病変までクレストールⓇの効果が認められたことになります。
主任試験責任医師であり、Medicine and Public Health Sciences(医学及び公衆保健科学)教授ならびに
Wake Forest University School of Medicine General Clinical Research Centre(ウェイク・フォレスト大学医学部一般臨床研究センター)副所長であるJohn R. Crouse, III(ジョン R. クロース3 世)医学博士は次のように述べています。
「アテローム性動脈硬化が比較的軽度な患者において、ロスバスタチンを投与することによって疾患の進展を遅延させるあるいは抑制する可能性が示されました。METEOR 試験により、脂質異常症に対するロスバスタチンの効果がアテローム性動脈硬化に対して有益な効果をもたらすことが確認されました。」
出典
[PDF] 「初期の動脈硬化に対して効果を認めた最初の試験」
http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/070327.pdf
<コメント>
最大CIMT(頸動脈内膜-中膜肥厚)の年間変化率が一次エンドポイントです。
METEOR
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2002559.html
■GALAXYは「動脈硬化の発症に関与する脂質および炎症マーカーに対する効果」,「動脈硬化の進展抑制に対する効果」,「心血管疾患の発症率や死亡率の低下に対する効果」を評価する試験の三段階に分かれているが,METEORはこの2番目に位置づけられる。
■強力なLDL-C低下で頸動脈病変の改善効果を証明しているが,本試験の特徴は,低リスク患者を対象にしている点である。
無症候性の頸動脈硬化をどのように評価するかという点と,このような低リスクの患者のLDL-Cを78mg/dLにすることに意味があるのかという点については今後の大きな議論を呼ぶものと思われる。
ここには,医療経済の問題も含まれており,慎重な議論が必要であると思われる。
<関連サイト>
日本人の安定期冠動脈疾患患者において初めて動脈硬化退縮を実現―クレストールCOSMOS試験―
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_03_22.html
http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090322.pdf
■第73回日本循環器学会総会・学術集会(大阪)で、日本人の安定期の冠動脈疾患を有する高コレステロール血症患者を対象に、クレストール(ロスバスタチン)による動脈硬化退縮効果を検討したCOSMOS(コスモス)試験が発表されました。
COSMOS試験の結果、一次エンドポイントである冠動脈プラーク体積は5.07%の減少が確認されました(p<0.0001 vs 投与前)。
これにより、クレストールは日本人の安定期冠動脈疾患患者において、初の動脈硬化退縮を実現させたことになります。
■COSMOS試験はクレストールを2.5mg/日から投与を開始し、LDL-Cを80mg/dL未満に低下するまで漸次増量させて(最大20mg/日)、76週間投与後の冠動脈プラーク体積の変化をIVUS(血管内超音波法)を用いて検討した試験です。
投与後のLDL-Cは82.9mg/dLまで低下、HDL-Cは55.2mg/dLまで上昇、LDL-C/HDL-C比は1.56まで低下しました。
■試験を発表した順天堂大学医学部循環器内科学の代田浩之教授は「これまで、日本人の急性期冠動脈疾患患者を対象にスタチンによる冠動脈プラークの体積変化が検討された報告はありましたが、COSMOS試験は、安定期冠動脈疾患患者を対象とした初めての試験です。この結果を受け、これからの脂質異常症治療には、日本人においても動脈硬化の退縮を目指した治療が重要であると考えます。また退縮を実現するためには積極的なLDL-CとHDL-Cの管理を進めていくこと、つまりLDL-C/HDL-C比1.5を目指した治療が重要であると考えます」と語っています。
■COSMOS (COronary atherosclerosis Study Measuring effects Of Rosuvastatin using intravascular ultrasound in Japanese Subjects) 試験
動脈硬化退縮の時代へ 1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20080119/1
動脈硬化退縮の時代へ 2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20080120/1
COSMOS試験
http://blog.m3.com/reed/20090410/COSMOS_
Effect of Rosuvastatin Therapy on Coronary Artery Stenoses Assessed by Quantitative Coronary Angiography. A Study to Evaluate the Effect of Rosuvastatin on Intravascular Ultrasound-Derived Coronary Atheroma Burden
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/CIRCULATIONAHA.108.773747v1
-クレストール®のアテローム性動脈硬化の積極的治療
を検討したASTEROID試験-
http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/080401.pdf
高脂血症・動脈硬化臨床研究の動向1/6
http://www.lifescience.jp/ebm/doukou/doukou_0101/1.html
■PLAC-IやMAASをはじめとするコレステロール低下療法による冠動脈造影試験が盛んに行われている。
その結果,治療により冠動脈の狭窄化が有意に抑制されていることが判明した。

治療効果は有意であり,LDL-Cを25%以上低下させることにより,狭窄度の進展抑制効果があることが示された。
しかし,抑制の程度は極めて僅少であった。
それにもかかわらず心血管イベントの発症率は有意に減少していることは他の試験からも明らかである。
Fusterらは心筋梗塞や不安定狭心症などのAcute coronary syndrome(ACS)で死亡した症例の責任病変を検討したところ,その約75%はプラークの破綻に伴う血栓形成によるものであったとしている 。
さらにプラークの程度も軽症のものが多く,狭窄率が50%以下のものが多いことを報告している。
この事実を踏まえて,ACSの抑制はプラークの退縮効果というよりプラークの安定化によるのではないかと考えられている。

http://www.tokai-cvf.or.jp/p/p_statistics5.html
http://med.astrazeneca.co.jp/disease/bbweb/bbweb10.html



出典 Nikkei Medical 2008.1
版権 日経BP社
<きょうの一曲>
chega de saudade - Gal Costa
http://www.youtube.com/watch?v=3or_wthpOkE&feature=related
その他
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。