戯れ言たれる侏儒
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朝日生命成人病研究所/べっくメディカルクリニックの高遠哲也氏らが、第32回日本高血圧学会総会(2009.10.7〜10.3 大津市)で発表した診療科別に高血圧患者の治療遵守を検討したという記事で勉強しました。。

#循環器科の高血圧患者は他科患者より治療に積極的
家庭血圧の測定頻繁、サプリ服用も多い
高血圧症の罹患率は高いため、必ずしも循環器科で治療を受けているとは限らない。
診療科による高血圧患者の治療遵守(アドヒアランス)状況の違いを調べた研究で、循環器科の患者は他科に比べ、家庭血圧を頻繁に測定しており、サプリメントの服用も多いなど、高血圧治療により熱心であることが示された。

対象は、朝日生命成人病研究所附属丸の内病院(以下、A院)の循環器科、糖尿病代謝科、消化器科に通院患者4416例(平均66±11歳、男性72%)と、べっくメディカルクリニック内科(静岡県沼津市、以下B院)の通院患者325例(平均66±9歳、男性46%)とした。

両院とも、2009年1〜3月の外来診察時、同じ形式のアンケート用紙を患者に渡し、家庭血圧計の有無、家庭血圧の測定回数、降圧薬服用の有無、降圧薬ののみ忘れ状況、サプリメントの服用状況について、診療終了後に記入・提出してもらった。

高血圧患者の家庭血圧計保有率は、A院循環器科の患者が最も高くて95%、次いでB院の91%、A院消化器科の86%、同糖尿病代謝科の83%だった。A院循環器科患者の保有率は、同院他科とB院に対し、有意に高かった(いずれもp<0.01)。

さらに家庭血圧計を保有している高血圧患者のうち、「家庭血圧を毎日測定する」と答えたのは、A院消化器科が53%と最も多く、B院が46%、A院循環器科46%、A院糖尿病代謝科37%の順で、A院循環器科(p<0.001)とB院(p<0.01)は、A院糖尿病代謝科に対して有意に高率だった。

降圧薬服用者で、降圧薬を週1回以上のみ忘れる患者の比率を調べたところ、A院循環器科が8.0%、同院糖尿病代謝科が9.6%、B院が8.1%だったのに対して、A院消化器科は18%で、A院循環器科(p<0.01)、およびB院(p<0.05)に対し、有意に高かった。

降圧薬服用者におけるサプリメント服用の頻度は、A院循環器科が31%と最も高く、以下、B院(29%)、A院消化器科(25%)、同院糖尿病代謝科(24%)の順だった。
A院循環器科と同院糖尿病代謝科の間には有意差が認められた(p<0.001)。

降圧薬服用アドヒアランスと血圧の関連を調べたところ、A院循環器科では収縮期血圧(p<0.04)、拡張期血圧(p<0.04)とも、服薬遵守者の方が有意に低かった。
他科でもおおむね同様の傾向がみられた。

これらの結果から高遠氏は、循環器科の高血圧患者は、家庭血圧測定や服薬を含む高血圧治療に積極的であることが示唆されたとした。
出典 NM online 2009.10.7
版権 日経BP社
<コメント>
循環器科専門医が高血圧患者の外来診療で、診察時間が制約される中でどのような説明をされているか、つまり診療場面での工夫が一番知りたいところです。
そのところがこの発表ではわかりません。
どんなに著明な高血圧専門の大学教授でもおそらくそれほど素晴らしい外来診療をしているとは思えません。
高血圧の治療は一般的に血圧を測定して処方してそれだけで患者さんの持ち時間(?)はなくなってしまうからです。
当院でもこんな診療でいいのかなとしばしば思います。
前もって啓蒙パンフを用意しておくとか、その日(週)の説明のネタを仕込んでおくとかの工夫もいるのではないでしょうか。
医者は同じでも患者さんは変わりますから同じ話を2〜4週間していても差し支えありません。
医者の説明(ムンテラ)も僧職の説教と同じです。
世間話で終わるのではなく「有り難いお話」も毎回少しは必要と私は思うのですがいざ実となるとなかなかうまくいきません。

しかし勤務医に比べて開業医にはこの点に関して大きなアドバンテージがあります。
それはマイデスクで診療がで出来ることです。

診察机の上にはネットにつないだパソコン(当院では電子カルテには意義を見出していないためパソコンは患者啓蒙用に使用しています。このブログも診療時間外に診察室で作っています。これは院長室がないからですが。)、机の引き出しや診察台の下に置かれたファイルには啓蒙パンフがぎっちり入っています。

実際は世間話に花が咲いて手渡す時間はあまりありませんが。


<番外編>
#日本人における動脈硬化性疾患の現状
http://med.astrazeneca.co.jp/nmo/nmo_statin01.html
日本では、脳卒中を主体とする脳血管疾患が1979年までの死因の第1位でしたが、血圧測定、食塩制限などの保健指導や降圧薬の開発、保健医療制度の普及など複数の要因によって、脳血管疾患による死亡率は減少しています。
それに対して、脂質異常症、耐糖能異常など代謝性疾患の発症頻度が上昇するに従い、虚血性心疾患を中心とした心疾患は増加しています。
脳血管疾患と心疾患は動脈硬化を基盤とする疾患であり、両者を合算すると日本人の死因の第1位である悪性新生物に匹敵します。

※1960年以降、脳血管疾患、心疾患、悪性新生物の3疾患は、ほぼ半世紀に渡って死因の上位を占めている。悪性新生物は1981年に死因の第1位となり、現在も死亡率は上昇を続けている。また、脳血管疾患と心疾患が上昇する傾向は、ここ10年間変わっていない。

また、日本の動脈硬化性疾患による死亡率は米国と比較して決して低いレベルではなく、同等レベルまで上昇しています。
(動脈硬化性疾患=虚血性心疾患+脳卒中:米国23.1%vs日本20.6%)


<きょうの一曲>
Bud Powell Trio - Cleopatra's Dream
http://www.youtube.com/watch?v=cB2268XuWbI&feature=related


 

その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。
           

   

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