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ACTIVE I試験
戯れ言たれる侏儒
/ 2009.09.19 00:23 / 推薦数 : 3
ACTIVE試験についてはすでにACTIVE A試験が発表されており
ACTIVE A試験
http://blog.m3.com/reed/20090425/ACTIVE_A_
ACTIVE A試験
http://blog.m3.com/reed/20090605/ACTIVE_A_
ですでにとりあげました。
きょうはACTIVE I試験を勉強しました。
再考迫られる? 心房細動のアップストリーム療法
ACTIVE I試験について山下武志氏に聞く
不整脈の発生をもたらす病態そのものの進行を抑える治療戦略として,近年レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬を用いたアップストリーム療法が注目され,その臨床的裏づけが望まれてきた。
約1万例の心房細動患者を対象に行われた比較試験ACTIVE I※で,その答は出たのか。
第31回欧州心臓病学会(ESC Congress 2009)で報告された同試験の結果(現時点では文献未発表)を,心臓血管研究所・研究本部長の山下武志氏に聞いた。
同氏は,心房細動患者の治療目標は,
(1)血栓塞栓予防,
(2)心不全予防,
(3)心房細動による症状軽減(心房細動自身の進行予防)
—の3点があり,これらすべてに対する効果が期待されたアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の効果は,(2)のみで示されたと評価し,臨床的裏づけが十分ないまま,臨床家の期待が高まっていたアップストリーム療法の位置付けそのものを再考すべきときに来たと指摘している(以下,ACTIVE I試験のポイントと,それに対する同氏のコメント)。
アップストリーム療法に対して高まっていた期待
(1)
心房細動のアップストリーム療法に関するこれまでの臨床試験の動向から,今回の試験結果をどのように推測していたか。
抗不整脈薬治療の限界が判明したなかで,新しい,より根本的な治療を模索しようという流れで生まれたのがアップストリーム療法という概念で,その端緒はSicilian Gambit会議における「論理」から始まる。
クリニカルエビデンスが乏しいなか,心房細動初発予防,心房細動再発・慢性化予防,心房細動による脳梗塞予防と幅広い領域で,なんらかのbeneficial effectがRAS抑制薬に期待された。
ある意味で抗不整脈薬の限界を知ったうえでの反動という勢いもあったかもしれない。
しかし,それを支持する情報としては,実験的な研究(線維化抑制や内皮機能改善),ならびに臨床試験の後付け解析,あるいは単施設のsmall studyのみであり,多数の心房細動患者を対象とした前向き試験,しかも心電図所見ではなく,患者のアウトカムをエンドポイントとする試験が待ち望まれ,その結果がたいへん注目されていた。
自分自身もその潮流のなかにおり,今回の試験ではACE阻害薬の併用が多いにせよ,期待を持って,その結果を聞いた。
アップストリーム療法による血栓性イベント抑制効果は否定
(2)
脳卒中,心筋梗塞,血管死による複合一次評価項目でARB群と対照群に差がなかった。
アップストリーム療法の一翼を担っていたARBの「血栓性イベント抑制効果」が明確に否定された結果と考えられる。
アップストリーム療法という概念は,あくまで基礎実験と論理のみで立ち上げられた概念であり,クリニカルエビデンスの観点から,先日発表されたGISSI-AF研究(N Engl J Med 2009;360:1606-1617)と合わせ,この概念の再考を要求する結果だと言える。
Valsartan for prevention of recurrent atrial fibrillation.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19369667
不整脈領域では,このような反省を繰り返す運命にあるようで,古くはCAST研究,AFFIRM研究にさかのぼる。
分析としては,血圧が良好にコントロールされている高血圧患者で,ACE阻害薬(ベースラインで6割程度が服用)にARBが上乗せされていることから,厳しい条件であったと考えることはできる。
しかし,それより重要なメッセージは,アップストリーム療法という広範な概念の存在を臨床的に安易に受け入れてはいけないということかもしれない。
(3)
試験対象者の収縮期血圧基準は110mmHg以上であり,既に降圧管理が十分なされていた患者が多く含まれていると考えられるが,その点が結果に影響したか。
ACE阻害薬の併用と合わせ,厳しい結果を生んだ原因には挙げられるだろう。
しかし,そもそもアップストリーム療法の概念は“beyond BP effect”を目指したものであり,その効果が「血栓性イベント抑制」においては期待できないということは揺るがない。
ARBの位置付けは「心房細動患者の心不全予防」へ
(4)
心不全による入院リスクについては14%の有意な低下がARB群で認められている。この点はどのように評価すべきか。
過去の心不全における臨床試験で, RAS抑制薬がbeneficial effectをもたらすことが知られているが,これはそのまま心房細動患者にも当てはまるということが証明された。
もう1つのメッセージとしては,これまで心房細動患者のアウトカムとして,脳梗塞,そして心房細動の進行が注目されてきたわけだが,アウトカムとして,繰り返す心不全が相当程度あり,重要な問題だと提起したことが挙げられる。
今後,高齢者,高血圧を有する心房細動患者が確実に増加する。そのとき,脳梗塞や心房細動を中心に考えるのでなく,心房細動は将来の心不全発症のマーカーかもしれないと考えて診療に当たることが重要だと言えるだろう。
これまで,リズムvsレートのランダム化比較試験がなされてきたが,心不全発症を低下させることはできなかった。
心不全発症を考慮し,それを予防する努力が要求され,そのツールとして,これまで心不全領域で証明されてきたARBが有効であるという認識を持っている。
(5
)
心房細動患者の多くが,高血圧を合併することによって心不全リスクが高まるという疾患の転帰を考えるうえで,ARBをどのように位置付けるべきか。
どのような患者にはARBが有用と言えるか。この試験を受けて,その考えは変わったか。
心房細動患者の治療における注目点は現時点で,
(1)血栓塞栓予防,
(2)心不全予防,
(3)心房細動による症状軽減(心房細動自身の進行予防)
―の3点が存在する。アップストリーム療法という論理的な概念は,RAS抑制薬がこの3点すべてにおいてなんらかのbeneficial effectがあるという仮説であったが,ARBはこのうち(2)のみに有効な薬剤であると位置付けられる。
高血圧は心房細動のリスク因子であり,心房細動は心不全のリスク因子である。
高血圧による心房細動発症には降圧自身の影響が大きく,ARBは血圧を下げるツールとして捉えられる。
一方,心房細動患者の心不全発症抑制効果に関しては,現時点でARBのみが,その効果が実証されているのだろう。
心房細動患者で,どのような患者が心不全を発症しやすいかについては,まだ十分な知見がない。
現時点では,将来,心不全になる可能性が高いと考えられる心房細動患者に対して,その発症抑制のためにARBを投与することはきわめて妥当と考えている。
発症して間もない再発性心房細動のアップストリーム療法を日本で検証中
(6)アップストリーム療法について,現時点で結論付けることはできるか。
今後のアップストリーム療法に関する試験の動向は。
繰り返しになるが,現時点で論理的思考,実験的思考から出発したアップストリーム療法の定義を,自分も含めて,あらためて反省する時期に入っていると感じている。
アウトカムから見た場合に,
(1)脳梗塞
(2)心不全
(3)心房細動自身の進行
―という3つの側面にきっちり分解する必要があり,そのときアップストリームという言葉は残ったとしても,それを包括的に治療するアップストリーム療法は存在しえないのではないかというクリニカルエビデンスが眼前に存在する。
(1)に関してはRE-LY試験に見られるように新しい薬剤が必要であろう。
(2)に関してはARBが有効なのだろう。
残る(3)に関しては,心房細動患者全体として見たときに,ARBはそのツールになりえないことがGISSI-AF研究により証明されている。
まだ,心房細動の進行を食い止める薬剤のエビデンスは存在しない。
可能性としてまだ残されているのは,唯一,発症して間もない再発性心房細動という一部の集団だ。
日本ではJ-RHYTHM II試験が,ドイツではANTIPAF試験が,この問題に関して果たしてARBに効果があるのかを現在検証している。
少なくとも,その結果を待たなければはっきりとしたことは言えない。ただし,これまで提唱されてきた包括的なアップストリーム療法の概念が縮小していることは確実であろう。
※ACTIVE I 試験概要
試験名:Atrial Fibrillation Clopidogrel Trial with Irbesartan for Prevention of Vascular Events
対象:ACTIVE試験に登録した対象者のうち収縮期血圧110mmHg以上でARBを使用していない心房細動患者9,016例
デザイン:ランダム化二重盲検プラセボ比較試験,ARB(イルベサルタン150mg/日)群とプラセボ群に割り付け平均3年間追跡
結果:一次評価項目(脳卒中,心筋梗塞,血管死)はARB群,プラセボ群とも5.4%で有意差なし。
心不全による入院リスクは,ARB群で14%有意に低下した(本文に戻る)
出典 MT pro 2009.9.8
版権 メディカル・トリビューン社
<きょうの一曲>
Puff: Mary Travers of P.P.M passed away today.
http://www.youtube.com/watch?v=YKIFEuwH4RY&hl=ja
その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
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「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
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(内科医向き)
があります。
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