戯れ言たれる侏儒
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< CTOに対する血管内治療 | メイン | KYOTO HEART Study >

動脈石灰化のCT検診/ルーチン実施の前に便益と被曝リスクの評価を
米国立がん研究所(NCI)のKwang Pyo Kim博士〔現・慶熙大学(韓国・龍仁)核工学部〕らは,CTによる動脈石灰化診断をルーチンの検診に組み込んだ場合の有害な影響をコンピュータモデルを用いて解析し,放射線誘発性のがん患者が,男性で10万人当たり42人,女性では同62人増加するとの推定結果をArchives of Internal Medicine(2009; 169: 1188-1194)に発表した。

検診内容の標準化が必要
今回の論文の背景情報によると,冠動脈石灰化は冠動脈疾患の発症と関連しており,無症候性患者の総合的リスク評価の一環として,CTによる冠動脈石灰化検診をルーチンに実施することが提案されてきた。
この検診を行えば,従来の危険因子に基づく評価では低リスクと診断されるような患者でも,動脈内のカルシウム沈着が検出される可能性があり,エビデンスも報告されている。
しかし,Kim博士は「CTによる検診については見込まれる便益だけでなく,放射線による発がんリスクなども検討していく必要がある」と述べている。
 
現在,CTを使って冠動脈石灰化を診断する単一の標準的方法が確立されていないため,同博士らは,文献で紹介されている複数の検査方法を検討した。
そして,成人患者がルーチンで検診を受けた場合の放射線被曝量を推算し,放射線誘発性がんの生涯発症リスクを評価した。
放射線リスクモデルは,医療被曝者や日本の原爆被曝者のデータをもとに作成し,乳房,肺,甲状腺,食道,骨表面,副腎などの組織における吸収線量をもとに被曝線量を推算した。
 
同博士は「CT装置の型や技術の違いにより,検査1回当たりの被曝線量に10倍の開きがあり,放射線誘発性の発がんリスクの推算値にもかなりのばらつきが認められた。
そこで,男性で45歳から75歳まで,女性で55歳から75歳まで5年ごとに検診を行うと仮定し,被曝線量の中央値を2.3mSvとして生涯発がんリスクの上昇率を検討したところ,発症者が男性で10万人当たり42人(14〜200人),女性で同62人(21〜300人)増加することがわかった。
 
一方,CTによる冠動脈石灰化検診の便益を検討した研究はまだ存在しないが,そうした研究が実施されれば,見込まれる便益と今回の推定リスクを比較し,冠動脈石灰化の適切な診断・予防戦略の策定に活用できるかもしれない。
同博士は「CTによる冠動脈石灰化診断時の被曝線量には,多くの技術的要因が影響を与える。
こうした要因を慎重に検証することで,検診の臨床的意義を減じることなく放射線被曝量を低減できるかもしれない。
また,不要な放射線被曝を減らし,発がんリスクを最小限に抑えるために,専門学会が検診内容を標準化していく必要がある」と結論付けている。

患者にリスクと便益の説明を
メイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)のRaymond J. Gibbons博士らは,同誌の付随論評(2009; 169: 1185-1187)で「無症候の患者にCTによる冠動脈石灰化検診を実施した場合のリスクと便益,費用を正確に把握することは難しいが,今回の研究は,既存の文献に記載されているさまざまなCT装置と検査実施手順に関して,冠動脈石灰化検診を実施した場合の推定被曝線量と放射線誘発性の発がんリスクの増大率を報告しており,想定されるリスクについてわれわれの知識を高めてくれるものだ」と指摘している。

出典 Medical Tribune 2009.9.3
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
どちらでも訴えられそう
http://blog.m3.com/kiru/20071201/1

MDCT,電子ビームCTによる石灰化スコア
http://blog.m3.com/reed/20080426/MDCT_CT_

心疾患高リスク患者とCTの活用
http://blog.m3.com/reed/20080731/_CT_


<きょうの一曲>
The Beatles - And I Love Her
http://www.youtube.com/watch?v=96YQdiMV-Jc&feature=related

 

 

その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

 

 

 

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