戯れ言たれる侏儒
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どうするLDL-C測定?

戯れ言たれる侏儒 / 2009.08.29 00:58 / 推薦数 : 0

直接測定法によるLDLコレステロール(LDL-C)値は正確性に問題があるとしたMTpro記事(「直接測定法によるLDL-C値, 今なお正確性に問題あり」http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0907/090757.html?ap,「LDL-C,現状では間接測定法を原則とすべき」http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0908/090826.html?ap)は大きな反響があったようです。

LDL-C直接測定法の正確性問題についてのアンケートで,「現時点では何とも言えない」が「直接測定法を続ける」を上回るという結果が示されました。

##どうするLDL-C測定? 「現時点では何とも言えない」が「直接法を続ける」を上回る

#管理指標としてLDL-CがTCを圧倒,臨床に根付くガイドラインの方針
8月21日実施の「MTpro時事アンケート」は回答者251人で締め切り,集計を行ったが,LDL-Cの測定に関する質問は,日常診療において脂質値を活用している医師に向けた任意回答とした。そこで,ここでの集計はLDL-Cの測定に関する質問すべてに回答しなかった42人を除いた209人を対象に行っている。

 まず,脂質管理に活用している指標を複数回答で聞いたところ,LDL-Cが85.2%と最も多く,次いでトリグリセライド(TG)73.2%,HDLコレステロール(HDL-C)71.8%,総コレステロール(TC)43.1%など。LDL-Cを挙げた割合はTCの2倍近くに達した。

 最も重視する脂質管理指標でも,LDL-Cが69.9%と群を抜いて高く,第2位のTC(13.9%)を圧倒した(図1)。日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」では,動脈硬化性疾患の診断・管理指標をこれまでのTCからLDL-Cに変更したが,その方針は確実に臨床の場に根付いていることが示唆された。

#信頼できる指針を求める声も
一方,所属施設におけるLDL-Cの測定方法については,「直接測定法」44.5%,「Friedewald計算式による間接測定法(以下,間接測定法)」13.9%,「直接測定法と間接測定法の両方」11.0%,「わからない」29.7%などで,直接測定法が広く導入されている実態が示された。

 次に,直接測定法,直接測定法と間接測定法の両方と回答した116人を対象に,今後どの測定法を用いるかを聞いたところ,「現時点では何とも言えない」(42.2%)が「直接測定法を続ける」(36.2%)を上回る結果で,臨床現場のとまどいがうかがえた。少数ながら「間接測定法に変更する」(5.2%)との回答もあった(図2)。

さらに,自由回答欄に寄せられた声からは,医師のとまどいの姿が浮き彫りにされた。目に付いたのは,TGが高値の場合の適切な指標が必要とする意見。食後採血を余儀なくされるような場合,間接測定法によるLDL-C値は信用できない。そもそも糖尿病患者では食後採血に意味がある。ただし,この点については,今後はnonHDL-Cを重視しようという意見も多かった。「nonHDL-Cを含め,ガイドラインがもう少しはっきりした指標を示すべき」「動脈硬化学会などの学会で研究,診断,治療指針を早急に立てていただくのがよいと思います」などの声からは,信頼できる新たな指針の必要性が浮き彫りにされた。

 なお,116人には上記MTpro記事(記事1,記事2)に対する感想も聞いたが,「知っていたので驚かなかった」19.8%,「知っていたが改めて驚いた」20.7%,「知らないことだったので驚いた」46.6%,「知らないことだったが驚かなかった」6.9%,「記事で取り上げた事実の信憑性を疑う」4.3%などで,「驚いた」(合計67.3%)が「驚かなかった」(26.7%)の2倍以上だった。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0908/090847.html?ap
出典 MT pro 2009.8.28
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
LDL-C
http://blog.m3.com/reed/20090822/LDL-C

直接測定法によるLDL-C値,今なお正確性に問題あり
参考値として活用するのが妥当か
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0907/090757.html?ap
■直接法が開発され,実用化されてから10年以上が経過する今なお,LDL-Cの測定精度,特に正確性に疑問が残る状況である。
■現時点では直接測定法の精度がガイドラインや特定健診で採用されるほどの信頼度には達しておらず,参考値として活用するのが妥当ではないかという指摘もある。
■LDL-Cの直接測定法は1995年から世界的に開発が本格化したが,その結果残ったのはわが国の7社の試薬である。
界面活性剤の特性を巧みに生かした点に共通性があるが,測定原理は各社で異なる。
(コメント;この表現からは日本の7つの試薬が世界的スタンダードになっていると解釈されます)
■TCやHDL-Cは成熟した測定法として信頼性も高く,ガイドラインや健診での活用が推奨されるが,LDL-Cは長期的な安定性と正確性のさらなる向上が強く期待され,それが達成されるまではスクリーニングで使う場合でも注意して使うべきではない。

<コメント>
Friedewald計算式(LDL-C=TC-HDL-C-TG/5)からちょっと考えてみると、中性脂肪値は食事の影響を大きく受けるため同一人の検体であっても食事の内容や食後の時間に大きな影響を受けるはずです。
たとえTGが400mg/dL未満まではリニアといわれても俄には信じられません。


デュフィ 『電気の精』
http://blogs.yahoo.co.jp/pas_de_roses_sans_epines/49145683.html
<番外編>
上記の検査値でちょの標準化でちょっと気になることがあります。
それはCKDのステージ分類のすべてと言っても過言ではないクレアチニン値です。
このきわめて重要なクレアチニン値が検査センター間で正常値が異なるということです。
これはeGFRでも解決されません。
クレアチニン値に準拠しているから当然のことです。
ちなみに当院が利用している2つの検査センターの正常値は
①男性 0.61〜1.04 mg/dl
 女性 0.47〜0.79 mg/dl
②男性 0.60〜1.10 mg/dl
 女性 0.47〜0.80mg/dl
いずれも酵素法。
正常値が異なるだけで検査自体は正確(標準化)ということなのでしょうか。
手元にある「CKD診療ガイド」を繙いてみましたが、クレアチニンは索引にもなく、P33に「わが国の大半の施設で施行されている酵素法によるクレアチニン測定結果により改訂MDRD簡易式を用いて・・・」という表現があるだけです。
どうやらeGFRに力点があるようです。
高血圧の研究もデータでとりあげられる血圧値の定義が曖昧で、クレアチニン値と一緒で少し釈然としません。

クリティカルといえるクレアチニン値は、検査センター間の差がないという担保が欲しいものです。

最近、Clinical Journal of the American Society Nephrology(CJASN,2009; 4: 419-427)に推定糸球体濾過量(eGFR)にようる慢性腎臓病(CKD)の診断は,費用効果が不十分である可能性があるという論文が掲載されました。

eGFRによるCKD診断の費用効果
血清Cr値単独と比べて優位性示されず
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42170301/year/2009
Medical Tribune 2009.4.23,30

<きょうの一曲> Faure Requiem Sanctus
http://www.youtube.com/watch?v=qFAx5Squ5DE&feature=related

その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

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