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昨日は「心臓周囲脂肪組織と冠動脈アテローム硬化症」をとりあげました。
心臓周囲脂肪組織と冠動脈アテローム硬化症
http://blog.m3.com/reed/20090625/1
その後調べてみたら「総体脂肪(BMIや腹囲)よりも心臓周囲といった局所の脂肪蓄積のほうが冠動脈石灰化プラークとの関連が高い」といった報告が昨年9月のMedical Tribune 誌にすでにとりあげられていました。
脂肪は、代謝と健康に影響を及ぼす蛋白質とホルモンを作り出す、一種の大きな分泌器官とも考えられるようになってきました。
心臓周囲の脂肪は、心臓機能を弱める可能性があるという考えに基づいての研究も進められています。
要するに、腹部の過剰な脂肪蓄積が糖尿病などの様々な合併症を複合的に引き起こすと認識されていますが、他の器官や部位に蓄積された脂肪も有害なのではないかと疑われているのです。
心臓周囲の脂肪が心筋梗塞リスクを上昇
ウェイクフォレスト大学バプテスト医療センター(WFUBMC,ウィンストンセーラム)老年学のJingzhong Ding助教授らが「心筋梗塞リスクという点では,心臓周囲脂肪(pericardial fat)の過剰な蓄積はBMI高値やウエスト周囲径の増大よりも重要だ」とObesity(2008; 16: 1914-1919)に発表した。
最も多い群では冠動脈石灰化プラーク率約5倍
今回の試験は,心臓周囲脂肪と呼ばれる心臓周囲の脂肪蓄積と動脈石灰化プラークの生成との間に関連性があるか否かについて検討した初めてのものである。
石灰化プラーク自体に危険性はないが,心筋梗塞や脳卒中を招く不安定なソフトプラークの存在と関連している。
Ding助教授は「心筋梗塞リスク評価において,体脂肪の分布は体脂肪の量と同じくらい重要かもしれない。やせている人でも心臓周囲に脂肪が蓄積している場合がある」と述べている。
同助教授らは,全米で6,800例が参加したMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)のデータを調べ,冠動脈周囲の脂肪が炎症および血管内のアテローム病巣増加を惹起するという仮説を検証した。
エネルギーの貯蔵場所という役割に加え,脂肪は代謝や健康に影響を及ぼす蛋白質とホルモンを産生する"臓器"と考えられている。
同助教授らの研究は,心臓や他の臓器の周囲に蓄積する過剰な脂肪は,臓器の機能障害につながるとする医学の新しい理論に基づいている。
心臓周囲に蓄積した脂肪は,炎症性サイトカインを皮下脂肪より多く分泌することが知られている。
同助教授らは,心臓周囲の脂肪が産生する炎症性蛋白質に持続的に曝露されることにより,アテローム動脈硬化の進展が加速されるのではないかと考えている。
同助教授らは今回の研究で,159例(55〜74歳)を対象に心臓周囲脂肪の量をCTにより測定した。
そのうち58%に石灰化プラークが観察された。
心臓周囲脂肪の量に基づき被験者を4群に分類したところ,脂肪の量が最も多い群では,最も少ない群に比べ冠動脈に石灰化プラークが認められる率が約5倍高かった。
同助教授らによると,心臓周囲脂肪の量と冠動脈石灰化プラークのレベルに関係が認められたが,BMIやウエスト周囲径とは関係していなかった。
同助教授は「われわれの知見は,総体脂肪よりも局所の脂肪蓄積のほうが冠動脈石灰化プラークとの関連性が高いことを示唆している。心臓周囲脂肪から分泌される炎症性のメディエータが冠動脈における炎症を促進し,冠動脈におけるアテローム動脈硬化を導くのかもしれない」と述べている。
同助教授は今後も研究を続け,心臓周囲の脂肪蓄積が予防可能か否かを明らかにしたいと考えている。
最後に,同助教授は「冠動脈疾患で命を失う人は非常に多いことから,新しい治療法や予防法を発見することは絶対に必要である」としている。
<コメント>
「やせている人でも心臓周囲に脂肪が蓄積している場合がある」ということなのでメタボの基準を鵜呑みにするわけにもいきません。
Ding助教授らは、心臓周囲の脂肪組織から作り出される炎症性蛋白質は、持続的に血管の内膜を障害し、動脈硬化を進行させると考えています。
同助教授らは、心筋梗塞リスク増加と関連がある心臓周囲の脂肪沈着と動脈内カルシウム沈着の進展との間に関係があるかどうかを解析し、2010年までに結論を出す予定になっているそうです。
心臓周囲の脂肪組織も動脈硬化を早めているのであれば、メタボリックシンドロームの基準の一つに心臓周囲脂肪組織の測定が加わる可能性もあります。
しかし、検査方法が簡単とはいえないので、多分ルーチン検査としては普及はしないものと思われます。
出典 Medical Tribune 2008.9.25(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社
<番外編>
Prevalence and causes of fatal outcome in catheter ablation of atrial fibrillation.
Cappato R, Calkins H, Chen SA, Davies W, Iesaka Y, Kalman J, Kim YH, Klein G, Natale A, Packer D, Skanes A.
OBJECTIVES:
The purpose of this study was to provide a systematic multicenter survey on the incidence and causes of death occurring in the setting of or as a consequence of catheter ablation (CA) of atrial fibrillation (AF).
BACKGROUND:
CA of AF is considered to be generally safe. However, serious complications, including death, have been reported.
METHODS:
Using a retrospective case series, data relevant to the incidence and cause of intra- and post-procedural death occurring in patients undergoing CA of AF between 1995 and 2006 were collected from 162 of 546 identified centers worldwide.
RESULTS:
Thirty-two deaths (0.98 per 1,000 patients) were reported during 45,115 procedures in 32,569 patients.
Causes of deaths included tamponade in 8 patients (1 later than 30 days), stroke in 5 patients (2 later than 30 days), atrioesophageal fistula in 5 patients, and massive pneumonia in 2 patients.
Myocardial infarction, intractable torsades de pointes, septicemia, sudden respiratory arrest, extrapericardial pulmonary vein (PV) perforation, occlusion of both lateral PVs, hemothorax, and anaphylaxis were reported to be responsible for 1 death each, while asphyxia from tracheal compression secondary to subclavian hematoma, intracranial bleeding, acute respiratory distress syndrome, and esophageal perforation from an intraoperative transesophageal echocardiographic probe were causes of 1 late death each.
CONCLUSIONS:
Death is a complication of CA of AF, occurring in 1 of 1,000 patients. Knowledge of possible precipitating causes is key to operators and needs to be considered during decision making with patients.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19422987?dopt=Abstract
J Am Coll Cardiol. 2009 May 12;53(19):1798-803.
心房細動に対するアブレーション:リスクがないわけではない
Ablation for Atrial Fibrillation: Not Risk Free
2009 June 09
カテーテルアブレーションは、薬物療法が奏効しない心房細動(atrial fibrillation:AF)患者の治療として受け入れられている手技の1つである。
現在、AFアブレーションが適応とされるのは生活の質(quality of life:QOL)が損なわれている場合のみであり、単にwarfarinの服用中止を希望している症状のない患者には推奨されない。
AF患者は死亡リスクが上昇しており、そのリスクはアブレーションを含むAFの治療によっても低下しないことが示されている。
AFアブレーション手技そのものにもさまざまなリスクがある。
しかし、データが単一施設試験または小規模な多施設試験由来のものであるため、AFアブレーションの合併症による死亡率は決定されていない。
162ヵ所の医療センターを対象としたこの国際的調査において、患者32,569人に45,115件のAFアブレーション手技が行われた。全体で32人が死亡し(患者1,000人あたり0.98人、手技1,000件あたり0.71件)、死因にはタンポナーデ7件、心房食道瘻5件、脳卒中3件が含まれた。
コメント:
同時掲載のエディトリアルに記されているように、これらのデータから医師と患者はAFアブレーションのリスクに関する有用な指針が得られる。
1,385件あたり1件というアブレーションの死亡リスクがQOL改善の可能性に見合うかどうかは、患者個人の判断による。
しかし、このリスクを総体的に考えると、QOLを改善する別の侵襲的手技である膝関節置換術のリスクとほぼ同等であり、議論はあるものの主にQOLの改善を目的として実施されている待機的な経皮的冠動脈介入のリスクよりはるかに低い。
Journal Watch Cardiology May 27, 2009
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW09-0609-08.html
<きょうの一曲> Queen-We Will Rock You
Queen-We Will Rock You
http://www.youtube.com/watch?v=iikKzQwgBJc&hl=ja
Queen - We Will Rock You
http://www.youtube.com/watch?v=Cv5dnWZ3YyE&feature=fvw
Queen - We Will Rock You
http://www.youtube.com/watch?v=3VTXBNadd28&feature=related
PEPSI (Britney Spears, Beyonce, Pink - We Will Rock You)
http://www.youtube.com/watch?v=SkELRp4wKPs&feature=related
Rock Youの部分を脱臼、卓球、(ネコの)肉球に変えても歌えますよね。

ポール・アイズピリ サントロペの港 油彩 12号
http://www.suiha.co.jp/cms/work.cgi?ano=1150961687&wno=1174960986
その他
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。