戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 一次予防におけるアスピリン | メイン | 心臓周囲脂肪組織と冠動脈アテローム硬化症... >

NSTEMIと抗血小板薬

戯れ言たれる侏儒 / 2009.06.24 00:35 / 推薦数 : 0

非ST上昇型急性冠症候群(NSTEMI)に対してはあまり早期から抗血小板薬は投与しないほうがよいという報告で勉強しました。

 

非ST上昇型急性冠症候群への抗血小板薬投与は、血管造影12時間以上前ではリスク増大
非ST上昇型急性冠動脈症候群の患者への、血管造影前の、抗血小板薬、糖蛋白IIb/IIIa阻害剤の投与は、12時間以上前では、血管造影後の投与(PCI前)と有効性が変わらないばかりか、安全性の面で、非致死的出血リスクの上昇および輸血の必要性が増加することが明らかになった。
これまで、同剤投与の開始時期については明らかにされていなかった。
報告は、アメリカ・Brigham and Women’s病院TIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)研究グループのRobert P. Giugliano氏らによるもので、早期投与はハイリスク患者の虚血性合併症予防に有効であるとの仮説を立て行われたEARLY ACS(Early Glycoprotein IIb/IIIa Inhibition in Non.ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndrome)試験の結果。NEJM誌2009年5月21日号(オンライン版2009年3月30日号)で発表された。

患者9,492例を早期投与群と待機的投与群に無作為化
EARLY ACS試験には、2004年3月~2008年8月の間に、29ヵ国440施設から、非ST上昇型急性冠動脈症候群で侵襲的治療適応とされた患者9,492例が参加した。
被験者は、ルーチンのeptifibatide早期投与群(血管造影12時間以上前に、180μg/kg体重のボーラス投与を10分間隔で2回と、標準注入)と、待機的投与群(造影前はマッチするプラセボを投与し、造影後PCI実施までに所見に基づき投与)とに無作為に割り付けられた。

有効性の主要エンドポイントのオッズ比は0.92
有効性の主要エンドポイント[96時間時点での以下の複合:死亡、心筋梗塞、緊急血行再建術を要した虚血の再発、最初の割り付けとは反対のボーラス投与を必要としたPCI中の血栓性合併症(血栓性の緊急処置)]の発生は、早期投与群9.3%、待機的投与群10.0%で、オッズ比は0.92(95%信頼区間:0.80~1.06、P=0.23)だった。

また、主な副次エンドポイント(無作為化後30日以内における死亡と心筋梗塞の複合)の発生は、早期投与群11.2%、待機的投与群12.3%で、オッズ比は0.89(0.79~1.01、P=0.08)だった。 安全性のエンドポイント(無作為化後120時間以内の出血と輸血の必要性)については、早期投与群で出血率と赤血球輸血率が、有意に高かった。
なお、重度の出血、非出血性の重篤な有害事象については、両群で有意差は見られなかった。
これらからGiugliano氏は、「eptifibatideの早期投与(血管造影12時間以上前)は、造影後投与より優れていることは確認できなかった。また、リスクに関して、早期投与と非致死的出血リスクの上昇と輸血の必要性の増加との関連が認められた」と報告をまとめた。

Giugliano RP et al. Early versus delayed, provisional eptifibatide in acute coronary syndromes.
N Engl J Med. 2009 May 21; 360(21): 2176-90. Epub 2009 Mar 30.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19332455?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

出典 Care Net.com 2009.6.3
出典 (株)ケアネット

 

<EARLY ACS 関連サイト>
EARLY ACS: Early Glycoprotein IIb/IIIa Inhibition in Patients With Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndrome (Study P03684AM2)(COMPLETED)
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00089895

EARLY ACS
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2003027.html

■非ST上昇型ACS症例において,欧米のガイドラインではCAGは入院後すぐには行われないが,GP IIb/IIIa受容体拮抗薬(以下GP薬)をどの時期から開始するのが最適かは明らかではない。■ACC/AHA2007ガイドラインでは,ハイリスク症例はCAG前にアスピリンとクロピドグレルあるいはGP薬の投与がclass Iである。
■ESCではアスピリン+クロピドグレルの2剤併用がclass Iであり,GP薬の追加はトロポニンの上昇・ST低下・糖尿病症例に対してclass IIaとなっている。
■この相違は,非ST上昇型ACS症例に対してGP薬の役割が明らかでないことに由来する。
すなわち,ガイドラインは以前のstudyに基づいており,最新の内科的治療やデバイスの進歩が反映されておらず,GP薬も高用量使用されていた。
■本論文は非ST上昇型ACSのハイリスク例において,GP薬eptifibatideの早期投与がPCI直前の投与よりも虚血性合併症により有用であることを示すために企画された。
■結果としては,投与の時期による臨床的有用性には差はなく,早期投与の方が出血性合併症はより多い結果であった。プラセボを対照とした従来の同様の試験よりも,今回は年齢が高く,よりハイリスク例が多く,内服治療や冠血行再建術がより進化している。
■これまでもGP薬の早期投与の有用性に関して一定の見解は得られていない。
■ACSにおいてプラセボ対照のGP薬を用いた6つの大規模無作為化試験のメタ解析では,30日後の死亡/心筋梗塞が9%低下し,トロポニン上昇のない例では効果がみられないと示されており(Lancet. 2002; 359: 189-98.),本論文の結果と相違はない。
■PCI時にはガイドラインがGP薬を推奨しているので倫理的にもプラセボをPCI時に用いることが出来ないこと,クロピドグレル・低分子へパリン・スタチンなどがすでに高頻度に処方されていること,手技に伴う合併症が予想よりも多かったこと,が今回早期投与の有用性を示せなかったことに関連する。
■CABGや内服治療のみに終わった症例が少なからずみられることも影響しており,今回のPCI例のみの検討では,GP薬の早期投与により虚血性合併症はより少ない結果であった。
■プロトコール上,途中でランダム化試験からオープンラベルに変更したこと,待機投与群のみプラセボを持続投与する症例が存在すること,など試験結果の評価には一定の注意が必要である。■サブグループ解析では,トロポニン非上昇例・非糖尿病例・75歳以上例では早期投与の効果はみられず,出血の合併症のみ増加している。
■非ST上昇型ACSの病態は均一ではないので,本邦で使用できる前にリアルワールドでのGP薬の早期投与が望ましいと考えられる症例のサブグループの解明が期待される。
(コメンテーター 八尾市立病院 星田四朗副院長  )
EARLY ACS: Delay GP IIb/IIIa blockers until in the cath lab
http://www.theheart.org/article/952427.do

Schering-Plough Announces Results Of The Early ACS Trial
http://www.medicalnewstoday.com/articles/144224.php

ST部分非上昇急性冠症候群治療:重症例をのぞけば早期治療に必ずしも軍配無し
http://intmed.exblog.jp/8300870/

 

<今日の一曲>
ダイアナクラール/ライヴ・イン・リオ
http://www.youtube.com/watch?v=o0c0WdXWvXg&hl=ja

イパネマの少年 ダイアナクラール Boy From Ipanema Diana Krall
http://www.youtube.com/watch?v=fnLVXWKs_LE&feature=related

Diana Krall - The Boy From Ipanema
http://www.youtube.com/watch?v=7TNX82Oqf-M&feature=related


<自遊時間> 2009.6.24 AM7:30
今朝、戦時中の沖縄の話をやっていました。
我が家には自宅通学の医学部3年の男の子がいます。
6年間中高一貫の学校の寮生活で何かと一般常識に欠けます。
昨年の夏休み、中高の時の友達を尋ねて沖縄へ行ったこともあり、
「沖縄の白兵戦、超ヤバかったんだね」
と宣いました。
私も「白兵戦」という難しい言葉を知っていることを訝り、
「すごい難しい言葉を知ってるね」
と聞きました。
返ってきた答えは
「遊戯王のカードに確かあった」
でした。


白兵戦
http://ja.wikipedia.org/wiki/白兵戦

遊戯王カードWiki - 《白兵戦》
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=白兵戦+遊戯王&lr=&aq=4r&oq=はくへいせん

 

 

その他
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

固定リンク | コメント (0)

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。