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< 臨床試験・臨床研究 「その他」編 | メイン | 一次予防におけるアスピリン >
特別企画
第31回日本高血圧学会総会 ランチョンセミナー
カルシウム拮抗薬と虚血性心疾患
の記事で勉強しました。
レニン・アンジオテンシン系の血圧調整機構は非常に複雑であり,その複雑さゆえに多彩な作用機序の降圧薬が上市されている。
しかし,高血圧の治療目的が脳・心・腎におけるイベントの抑制であることを鑑みると,降圧効果に優れたCa拮抗薬は厳格な降圧の重要性の点からも有用な薬剤である。
本セミナーでは,Ca拮抗薬の優れた作用のうち,特に虚血性心疾患治療に焦点を当てて,福岡大学筑紫病院内科第一(循環器科)教授の浦田秀則氏が報告した。
なお,座長は神戸大学大学院内科学講座循環器内科学分野教授の平田健一氏が務めた。
座長
平田 健一 氏 神戸大学大学院内科学講座循環器内科学分野教授
演者
浦田 秀則 氏 福岡大学筑紫病院内科第一(循環器科)教授
降圧効果に優れたCa拮抗薬
浦田氏はCa拮抗薬の高血圧治療における位置付けについて,種々のエビデンスを示し,その有用性を次のように述べた。
Ca拮抗薬の降圧効果は非常に高く,心血管イベントに対するその一次予防効果も多くの大規模臨床試験で報告されてきた。
1995年以降には,Ca拮抗薬の安全性について問題提起が続いたものの,WHO/ISH特別小委員会によって「Ca拮抗薬の長期安全性への危惧については明らかな証拠がない」と発表されるに至った。その後の検討でもCa拮抗薬による死亡リスク増加の懸念は解消され,ALLHAT,CASE-Jなどの大規模臨床試験では出血性潰瘍やがんに対するリスクの増加が認められず,最終的にはALLHAT試験により,Ca拮抗薬の安全性と有効性が証明された。
Ca拮抗薬は心臓や血管の平滑筋の細胞膜にあるCaチャネルをブロックして細胞内へのCaの流入を防ぎ,血管収縮を抑制する機序が知られている。
1985年には,ZanchettiらによりCa拮抗薬の利尿作用も明らかにされており(Zanchetti A, et al. J Cardiovasc Pharmacol 1985; 7: S33-37),塩分摂取量の高いわが国の高血圧症患者に対する有効性にも納得がいく。
BPLTTCのメタ解析(Turnbull F, et al. Lancet 2003; 362: 1527-1535)では脳卒中や主要心血管イベントの発生抑制に対して,厳格な血圧管理が大きく貢献すると報告されている。
降圧薬のなかでCa拮抗薬は血圧降下作用がもっとも優れており,同氏は「心血管イベント発生の抑制にCa拮抗薬は不可欠な薬剤」と指摘した。
同氏の自施設で高血圧症患者906名の外来における血圧管理達成率を調査したところ,全体の41.6%が140/90mmHg未満であった。
これは国内におけるほかの調査結果と類似し,日本人の平均的な値だと考えられるが,この結果を懸念した同氏は外来を担当する全ての医師に対して高血圧治療ガイドライン2004に沿って教育を行った。
6か月後での350名の患者における140/90mmHgの達成率は介入前の45%から,介入後57%と増加した。
多変量解析の結果,「増量された降圧薬数」のみが降圧に対する有意な貢献因子であった。同氏は運動療法の必要性にも触れた上で,「運動療法の降圧度に対する影響は降圧薬の増量や追加に勝るものではなく,より一層の血圧管理のために,医師が意識して降圧薬の種類を増やすべきである。
その際にCa拮抗薬は大きな役割を果たす」と述べた。
#CSAにおける心血管イベントの抑制にはベニジピンが有効
冠攣縮の持続が器質的狭窄を進展させる可能性が報告されているが(図1),冠攣縮性狭心症(CSA)に対するCa拮抗薬の効果は周知の通りである。

浦田氏らは自施設でCSAと診断された292例を対象に平均4.1年,後ろ向きに解析した。
16名で心血管イベントの発生が認められた。
多変量解析により,イベントの予測因子として心拍出量低値,冠動脈の有意狭窄,HDLコレステロール低値などが認められた(図2)。

また,イベント発生率は投与薬剤間で異なっており,ベニジピン投与群ではもっとも低い傾向が認められた(図3)。

同氏は,同様の検討として下川氏ら(Shimokawa H, et al. J Cardiovasc Pharmacol 2004; 44: 480-485)のデータを紹介。「CSAの治療においては,各Ca拮抗薬間で,イベント発生抑制に差があり,そのなかでベニジピンが優れている可能性がある」と強調した。
#腎保護作用も踏まえた多面的な治療が可能
また,浦田氏はCSA患者での解析でCKDの重症度が高いほど心血管イベントの発生率が高値を示す結果を得ており,同様の報告も示した上で(図4)「CSAの治療では狭心発作や冠動脈病変の有無だけでなく,腎機能も注意して診る必要がある」と述べた。

Ca拮抗薬の腎保護作用のエビデンスは種々報告されているが,その効果はCa拮抗薬間で差がある可能性も考えられ,長期予後に対する効果について今後の臨床研究が望まれる。
さらに同氏は,Ca拮抗薬とARBの併用によりアディポネクチンの内分泌がより増加する可能性を付言した(Inoue Y, Urata H, Clin Exp Hypertens, in press)。
最後に,同氏は「Ca拮抗薬は降圧効果に優れ,その機序の1つとして利尿作用が認められるので,食塩を取りすぎている患者にはCa拮抗薬を用いるとよい」と講演を締めくくった。
出典 Medical Tribune 2009.1.1,8(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社
<医学雑誌 斜め読み>
善玉・悪玉血圧 東京医大八王子医療センター循内 高沢謙二教授 日本医事新報 No.4443 2009.6.20 P76~78
■収縮期血圧は駆出圧波と反射圧波の二つから成り立っている。
■反射圧波;駆出圧波が心臓から末梢に向かって進んでいく時に、血管から反射して戻ってきた血圧による再上昇圧波
■大動脈起始部の収縮期最大血圧は反射圧波が主体となっている。
■つまり大動脈起始部血圧(中心血圧)の最大血圧は、反射圧波の大きさに左右されている。
■反射圧波は、血管が硬ければ硬いほど大きくなる(ボールを落とした時、床が硬いほど跳ね返りが大きくなるのと同じ)
■動脈硬化がなくても高血圧、血管収縮などでは血管が硬くなって反射圧波が大きくなる。
■つまり、反射圧波が大きいということは血管が硬いということを意味しており、血管事故が起きやすいということになる。
■反射圧波により血圧が再上昇している時には、血流速度は減衰している。 つまり、心臓が血液の最大駆出を終えて休もうとしているのに、そこに過剰な圧がかかっているため、心臓は過剰な負荷を受けることになる。
■反射圧波が大きくなると心臓肥大が起こってくることも確認されている。 (血管が硬いことにより反射圧波が高くなり、心臓に負担をかけるということで、この反射圧波を「悪玉血圧」と名付けた)
■駆出圧波は臓器に血液を送る本来の良い役割を果たしていることから「善玉血圧」と名付けた。
■善玉血圧と悪玉血圧の比を増幅指数(augmentation index, AI)という。
<コメント> 「高血圧、血管収縮などでは血管が硬くなって」・・・血管収縮での血管硬化は何となく理解できるのですが、高血圧で血管が硬くなる理由が今ひとつ理解できませんでした。 文中から察するに善玉血圧と悪玉血圧という呼称は高沢先生の命名のようです。
<自遊時間>
昨日は「父の日」でした。
先生方はどのような1日をお過ごしでしたか。
我が家はリアップとシャツで祝って貰いました。
リアップはこちらのリクエストです。
そうでなければ寂しいですよね。
大型店舗では「父の日」を当て込んだコーナーがあちこちにあり、食料品売り場も高級そうなステーキ肉やお刺身が飛ぶように売れていました。
家族もご馳走を「当て込んで」いるようでした。
昨夜はつい気分よく飲み過ぎた先生はいませんか?
私は・・・
飲み過ぎました。

<きょうの一曲> Bill Evans - Waltz For Debby
Bill Evans - Waltz For Debby
http://www.youtube.com/watch?v=dH3GSrCmzC8&hl=ja
2009.6.21
山小屋の敷地の雨上がりの景色です。
前回の連休に訪れた時に比べてはるかに緑が濃くなっています。
標高1650mです。
その他
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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