| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
< SYNTAX試験 :重度冠動脈疾患の標準... | メイン | 低LDLコレステロールと脳出血死亡リスク... >
心エコー指標の組み合わせで,心臓再同期療法のノンレスポンダー予測精度向上
多施設共同コホート研究J-CRTから
第73回日本循環器学会総会・学術集会(3月20~22日,大阪市)のLate Breaking Clinical Trialsでは,重症心不全に対するデバイス治療に関する2つの多施設共同研究の結果が報告された。
このうち国内18施設が参加したJ-CRT※では,心臓再同期療法(CRT)のレスポンダー予測における心エコーの有用性が筑波大学循環器内科教授の青沼和隆氏らによって示唆された。
心エコー診断の複数の指標を活用することで,ノンレスポンダーの予測精度向上が望めるという。
CRTレスポンダーの予後は良好
重症心不全に対するCRTの導入基準としては,現在のところ心電図QRS幅が用いられているが,この指標を用いて植え込みを行う患者の3~4割程度がノンレスポンダーであることが問題となっている。
このため,より精度の高い導入診断として心エコーの活用が期待されていたが,昨年発表されたPROSPECT試験では,その有用性は認められなかった。
しかし,PROSPECT試験では,験者間における診断レベルの差も浮き彫りになっていたことから,今回,青沼氏らは,心エコー実施者のトレーニングを行ったうえで,多施設共同のコホート研究を行った。
J-CRTには国内18施設が参加し,2006年から約2年間の登録期間に225例が登録された。
対象は,左室駆出率(LVEF)35%未満でニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類 II~IV度,QRS幅130ms以上の薬物抵抗性心不全。
ベースラインとCRT植え込み1週間後,6か月,12か月後に心エコーで測定を行った。
一次エンドポイントは左室収縮末期容積(LVEDV)の15%以上の低下で,この基準に該当した場合をレスポンダーと評価した。
同期不全の指標として,Mモードエコーでは心室中隔と左室後壁の最大移動点の時間差(SPWMD),組織ドプラでは左室内の中隔と後壁の差を見るTs(lateral-septal)などを用い,その他50項目にわたるエコーの評価指標について解析を行った。
16例の脱落があったため,解析対象は209例(86%)となった。
平均年齢65歳,男性7割,非虚血症例7割,NYHA III度8割の患者構成だった。
平均QRS幅は160ms。薬物療法の実施状況は,β遮断薬75%,ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)85%,ループ利尿薬81%の割合で投与されていた。
植え込み後6か月時点の解析では,レスポンダー121例(58%),ノンレスポンダー88例(42%)であった。
この2群を比較すると,1年以内に心不全で入院した割合は,レスポンダー7~8%に対しノンレスポンダーは25%で,総死亡もレスポンダー4%に対しノンレスポンダー18%と,それぞれレスポンダーが有意に低かった(図)。
青沼氏は「レスポンダーの予後が非常に良好だったのが日本の特徴」と述べた。
性別,年齢などの患者背景や虚血症例の比率,さらにQRS幅などの臨床データに両群で差はなかった。
そこで, 6か月後時点での同期不全の指標を検討したところ,SPWMDや心室間の同期不全を見るIMD,Ts(lateral-septal)で有意差が認められた。
これらの指標について診断能を検証するためにROC曲線を出したところ,QRS幅でもROC曲線下面積(AUC)が0.518と不十分であり,SPWMDやTs(lateral-septal)の組み合わせはAUCが0.62で不十分ながら検討項目のなかでは最適という結果だった。
これらの結果は前述のPROSPECT試験と「非常に近似した結果」(青沼氏)だった。
さらに,SPWMD,Ts(lateral-septal),A波の3種類の指標の組み合わせによってAUCが0.75まで改善することが確認されており,同氏は「単一の指標でレスポンダーを予測することは不可能と考えられ,QRS幅に加えエコーによる複数の指標を用いると精度が向上するのではないか」とまとめた。
コメントスピーカーで共同演者の桜橋渡辺病院(大阪府)心臓血管センター部長の伊藤浩氏は,近年登場した「2Dスペクトラルトラッキングエコーでは従来のエコーより精度の向上が望めるのではないか」と期待を述べたほか,CRTのリードポジションも再検討する必要があるとしている。
J-CRTではこの点についても今後検討していく予定。
出典 MT pro 2009.3.25
版権 メディカル・トリビューン社
重症心不全へのICD植え込み―患者選択の有用な指標は?
国内38施設によるコホート研究PREVENT-SCDから
わが国に植え込み型除細動器(ICD)が導入されて10年以上,心臓再同期療法(CRT)については5年が経過している※1。
これら重症心不全に対するデバイス治療は,延命効果の望める治療として普及しつつあるが,国内のエビデンスは単施設による報告にとどまっており,全国的な治療成績の集積が望まれていた。
第73回日本循環器学会総会・学術集会(3月20~22日,大阪市)のLate Breaking Clinical Trialsのセッションでは,デバイス治療に関する2つの多施設共同研究の結果が報告された。
このうち,低左室機能症例の治療実態を調査した,国内38施設からなるコホート研究PREVENT-SCD※2では,ICD植え込みの選択において,運動負荷検査により心拍数を上昇させたうえで心電図T波の交互現象を計測するT-Wave Alternans(TWA)の有用性と臨床上での限界が,京都大学循環器科の静田聡氏らによって示された。
低左室機能症例における心臓突然死や心室細動(VF)の予知因子としてTWAが有用であることを確認したが,TWA陰性は全体で見ると少数で,実地臨床での使用には限界があるという結果だ。
ICD植え込みは低左室機能症例の4分の1程度,死亡率は年5%
ICDは,欧米で実施された複数の臨床試験から低左室機能症例に対する生命予後の改善効果が報告されている。
しかし,死亡率の改善は10%未満にとどまっていたため,医療経済的な側面からも,効果がより確実に見込める患者群の抽出が望まれている。
近年,その指標としてTWAが注目されており,TWA陰性では心臓突然死やVFが生じないという報告がある。
PREVENT-SCDの対象は,ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),β遮断薬が既に投与されている左室駆出率(LVEF)40%以下の低左室機能症例。ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類は I~III度。
持続性心室頻拍(VT)・VF既往例や,既にICDが植え込まれている症例は除外された。
ICD植え込みや薬物治療の方針は各施設の基準にのっとって決められ,ICD群,抗不整脈薬群,無治療群の3群に分類された。
追跡期間は3年。一次エンドポイントは心臓突然死,VFからの蘇生,またはVFに対するICDの適切作動からなる致死的心室性不整脈イベント(SVTE)。
2004年6月から2年半の登録期間に453例が登録された。
全体の42%が虚血症例であった。
患者背景は,平均年齢65歳,男性が81%,糖尿病患者が28%,心房細動症例が26%,ペースメーカー装着例が12%だった。
NYHA心機能分類は,I~IIIがそれぞれ約3分の1ずつを占めた。
平均LVEFは29%で,30%以下の症例が半数を占めた。
ICDが植え込まれたのは全体の26%で,抗不整脈薬による治療が12%,不整脈に対する治療が行われなかった群が62%を占めた。
ICD群は非ICD群と比べて心機能が悪く,各種不整脈検査の陽性率も高く,より高リスクの症例でICDが選択されていた。
死亡例を含めた平均観察期間は2.7年で,96%の高い追跡率だった。
総死亡は3年間で15%の頻度であり,年率5%だった。
このうち3分の2が心臓死で,その約4割は突然死だった。
一次エンドポイントであるSVTEの累積発症率は3年10.7%で,年率約3.5%だった。
TWA陰性では予後良好
TWAが施行可能だった症例は280例(62%)で,このうち陰性率は29%だった。
全体で見るとTWA陰性は18%であった。
TWA陰性の場合のSVTE回避率は,1年後100%,2年98.5%,3年で96.8%と良好な陰性的中率であった。
一方,心房細動例や心室ペーシング例,運動困難例などのTWA施行不可例の予後は悪く,SVTE発症頻度は3年で16.1%だった。
SVTEの予知因子について背景因子を補正のうえ多変量解析を行ったところ,TWA非陰性,III度以上の僧帽弁逆流,収縮期血圧100mmHg未満,頻発する心室性期外収縮(PVC)が独立した予知因子として挙がった。
以上の結果から,静田氏は「リアルワールドに近い集団において,TWAは致死的心室性不整脈に対して高い陰性的中率を示した。ただし,TWAの陰性率は全体の18%にすぎず,有用性とともに限界も示唆される結果だった」と述べた。
コメンテーターの早稲田大学教授の笠貫宏氏は,試験目的が低左室機能症例のリアルワールドの検討と予後予測因子としてのTWAの有用性評価の2点となっていることから,プロトコルに課題があった点を指摘しながらも,わが国では少ないと言われる心臓突然死をどう予測していくかは重要な研究課題であり,今回示された大規模な症例での検討は貴重なデータであると評価した。
※1日本循環器学会による実態調査では,2007年度のICDの新規植え込みは3,308例,CRT症例数は2,712例でともに増加傾向にある(本文に戻る)
※2PREVENT-SCD; Prospective evaluation of ventricular tachyarrhythmic events and sudden cardiac death in patients with left ventricular dysfunction
出典 MT pro 2009.3.25
版権 メディカル・トリビューン社
<参考>
Results of the Predictors of Response to CRT (PROSPECT) trial.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18458170

関野準一郎 木版画「新東海道五十三次の内 江尻」名所
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p150871683#enlargeimg
<番外編>
武田薬品 「エカード配合錠」2009.3作製パンフ より
<コメント>
昨今、ARBとヒドロクロロチアジドの配合錠の発売が続きます。
血清尿酸値と血清カリウム値について変化なし。
したがって副作用は危惧するにおよばず、という方向性です。
糖尿病専門医の講演会でも使用を推奨しています。
ある講演会で「大血管合併症が境界型糖尿病の時点で起こっているというデータがあるが、正常者を境界型糖尿病にさせないということは担保されているのですか」と質問してみました。
その回答は驚くほど無責任なものでした。
「使ってみなければわからない」
上の図で52週後にFBSはわずかに上がっています。
大変重要な点と思われるのですがnはなんとわずかに19です。
血糖を測定するだけのことなのにどうしてこんなに症例数が少ないのでしょうか。
故意に有意差が出ないようにしているといったら言い過ぎでしょうか。
そして副作用の発現率25%(38/152)。
これって多くありませんか。
ARBが世に出た時には、副作用がほとんどない理想的な降圧剤といわれたものでした。
些細な副作用も記載する時代とはいえ、降圧利尿剤を配合することによって副作用が増えるとすれば少し考える余地がありそうです。
さて問題のヒドロクロロチアジドの催糖尿病作用の機序。
パンフには
「機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている」
と記載されています。
カリウム剤やカリウム保持性降圧剤(スピロノラクトン、エプレレノン)により催糖尿病作用がキャンセリングされるか、ヒドロクロロチアジド中止により元に戻る可逆的変化なのか。
そのあたりの情報提供をメーカー側にお願いしたいところです。
コディオ 代謝系への影響(その他の作用)
http://www.co-dio.jp/m_rinsyo/02.html
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く