戯れ言たれる侏儒
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PREVENT-SCD

戯れ言たれる侏儒 / 2009.05.17 00:13 / 推薦数 : 0

ちょっと以前の記事になりますが第72回日本循環器学会(福岡)での植え込み型除細動器に関する発表で勉強しました。
日本の患者への植え込み型除細動器の有用性を検討するPREVENT-SCDより第72日本循環器学会(福岡市,3月28~30日)で,左室機能障害と冠動脈疾患を有する患者を対象とした前向き研究PREVENT-SCDの中間解析が報告され,リスク層別化の結果と治療実態,植え込み型除細動器(ICD)療法の施行率などが示された。
心突然死(SCD)予防策としてのICD療法は,登録症例の4分の1で行われていた。

#左室機能障害と冠動脈疾患を有する患者を3年間追跡
左室機能障害あるいは冠動脈疾患を有する患者におけるSCDの長期発生リスクとICDの有用性については,海外の報告で示されている。
日本においてはそうした研究が今までほとんど行われていなかった。
現在,日本の患者を対象とした多施設前向き研究であるPREVENT-SCDが進行中であり,今回,小倉記念病院(循環器科)の安藤献児氏により第1回中間解析が報告された。

研究対象は,虚血性,非虚血性にかかわらず左室駆出率(LVEF)が40%以下,ACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),β遮断薬による治療が行われており,心筋梗塞発症から1か月以上,経皮的冠動脈形成術(PCI),冠動脈バイパス術(CABG)施行から3か月以上経過しており,ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類でI~III度,の条件を満たす患者である。

これらの患者に対し登録後2か月以内に,ICD療法の有効性の指標となるmicro-volt T-wave alternans(TWA)など,不整脈に対する各種検査を行い,治療方針(ICD療法あるいは抗不整脈薬療法)を決定し,3年間の追跡調査を行っている。
一次エンドポイントは,重篤な心室性不整脈(SCD,心室細動からの蘇生,心室細動に対するICDの適切作動)とされた。

2004年1月~06年12月に,全国38の医療施設で登録された453例における心疾患の内訳は虚血性が189例(42%),非虚血性が264例(58%)であった。

虚血性心疾患症例では,心筋梗塞の既往が95%に見られ,そのうち約50%が前壁梗塞であった。また,虚血性心疾患症例の90%で,既に血行再建術が施行されており,内訳はPCIが80%,CABGが30%であった。
 
非虚血性心疾患症例の内訳は,突発性拡張型心筋症が72%,肥大型心筋症7%,弁疾患6%,高血圧性心臓病5%,心筋炎3%などであった。

#登録患者の46%に高血圧,32%に脂質異常症,28%に糖尿病の合併
患者両群の背景因子における平均値は,年齢が65歳,75歳を超える患者が25%,男性が81%であった。
 
他の危険因子の合併率の両群の平均は,糖尿病が28%が6.5%を超えていたのは24%),高血圧が46%,脂質異常症が32%であった。
血色素量12mg/dL未満は両群平均で24%,尿酸値8mg/dL以上が30%であった。
 
非虚血性に比べ虚血性心疾患症例では,年齢がより高齢で,男性の割合が高く,高血圧,脂質異常症合併が多く,HbA1cもより高値で糖尿病合併も多いなど,各パラメータに有意な差が示された。

同様にNYHA心機能分類の両群平均は,I度が33%,II度38%,III度28%,IV度0.2%であった。
B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の両群平均値は370pg/dLであり,500pg/dLを超える症例も22%で認められた。
収縮期血圧の両群平均は118mmHgで,非虚血性に比べ虚血性心疾患症例で有意に高値であった。心拍数の平均は73bpmであった。

LVEFの両群平均は29%で,30%以下の症例が52%を占めていた。
左室拡張末期径(LVDd)の両群平均は62.3mmで70mm以上が20%を占め,左房径の両群平均は43.3mmで50mm以上の症例が20%を占めていた。
LVEFは,虚血性に比べ非虚血性心疾患症例で有意に低値であった。

#ベースラインの投与薬剤は,ACE阻害薬またはARBが83%,β遮断薬73%
ベースラインにおける投与薬剤の内訳は,ACE阻害薬またはARBが83%,β遮断薬73%となった。
そのほかの薬剤は,利尿薬77%,抗アルドステロン薬52%,ジギタリス31%,ワルファリン49%,アスピリン51%,スタチン29%であった。β遮断薬,抗アルドステロン薬,ジギタリス,ワルファリンは,虚血性に比べ非虚血性心疾患症例で有意に服用率が高く,アスピリンとスタチンは,虚血性心疾患症例で有意に服用率が高かった。

#ICD療法の施行率は4分の1で,そのうち43%に抗不整脈薬療法を併用
ベースラインのリスク層別化の結果は以下の通りである。
 
安静時12誘導心電図検査の結果,洞調律異常が76%,心房細動あるいは心房粗動が17%に認められた。QRS幅の平均は122msで,高リスク群である120ms以上が44%と多くの症例で認められ,130ms以上32%,150ms以上も23%で見られた。
 
ホルター心電図検査の結果,高リスク群とされている心室性期外収縮10/時以上が53%,30/時以上が39%に,非持続性心室頻拍が3連発以上37%,5連発以上17%,10連発以上7%,15連発以上4%に認められた。

TWAの検査は63%の患者に施行可能であった。検査の結果,陽性が48%,陰性が30%,判定不能が22%であった。
加算平均心電図では陽性が38%,陰性が62%であった。
電気生理学的検査(EPS)は,患者の24%で施行され,陽性が31%,陰性が69%であった。

上記の検査により,各施設で採られた治療戦略の割合は,
(1)ICD療法26%,
(2)抗不整脈薬療法13%,
(3)抗不整脈治療を施さない61%
-であった(図)。
PREVENT-SCDの第1回の中間解析では,SCD予防のため,ICD療法が4分の1の症例で行われていることが示された。

ICD療法群では,43%に抗不整脈薬療法が併用して行われ,投与薬剤の内訳はアミオダロン44例,メキシレチン4例,ソタロール1例,その他2例であった。
 
抗不整脈薬療法群での投与薬剤の内訳はアミオダロン37例,メキシレチン11例,アプリンジン2例,ソタロール1例,その他7例であった。

危険因子別のICD療法の施行率は,LVEFが30%以下,LVDd 70mm,BNP 200pg/dL以上,QRS幅120ms以上,非持続性心室頻拍3連発以上,TWA非陰性(陽性と判定不能を含む),EPS陽性の各群で,有意に高かった(表)。

出典 MT pro 2008.4.7
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
#〜PREVENT-SCD〜
#ICD植え込みは低左室機能症例の4分の1程度,死亡率は年5%
植え込み型除細動器(ICD)については,低左室機能症例に対する生命予後の改善が報告されているが,死亡率の改善は10%未満となっており,より確実な効果が見込める患者群の抽出が望まれている。
国内38施設によるコホート研究PREVENT-SCD※の結果,低左室機能症例の約4分の1にICDが植え込まれ,死亡率は年5%であることが明らかにされた。
また,ICD植え込みの判断におけるT-Wave Alternans(TWA)の有用性と臨床的限界も示された。
京都大学循環器科の静田聡氏が報告した。

#TWA陰性では予後良好
対象は,ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬,β遮断薬が既に投与されているLVEF 40%以下の453例。
持続性心室頻拍(VT)/心室細動(VF)既往症例などは除外された。治療方針は各施設の基準にのっとって決められ,
(1)ICD群
(2)抗不整脈薬群
(3)無治療群
―の3群に分類し,3年間追跡した。
平均年齢65歳,虚血症例42%で,平均LVEFは29%だった。
 
ICD植え込み症例は全体の26%で,抗不整脈薬治療例が12%,不整脈に対する治療が行われなかった症例が62%だった。
96%の追跡の結果,総死亡は3年間で15%と年率5%だった。
心臓突然死,VFからの蘇生,またはVFに対するICDの適切作動からなる致死的心室性不整脈イベント(SVTE)の累積発生率は3年10.7%で,年率約3.5%だった。
 
運動負荷検査により心拍数を上昇させたうえで心電図T波の交互現象を計測するTWAの施行可能症例は280例(62%)で,このうち陰性率は29%。
全体で見たTWA陰性率は18%だった。
TWA陰性のSVTE回避率は,1年後100%,3年でも96.8%と良好な陰性的中率だった。
一方,TWA施行不可例の予後は悪く,SVTE発生頻度は3年で16.1%だった。
SVTEの予知因子について多変量解析を行ったところ,TWA非陰性,NYHA分類III度以上の僧帽弁逆流などが抽出された。
 
静田氏は「現実に近い集団において,TWAは致死的心室性不整脈に対して高い陰性的中率を示した。ただし,TWAの陰性率は全体の18%にすぎず,有用性とともに限界も示唆される結果だった」と述べた。
※Prospective evaluation of ventricular tachyarrhythmic events and sudden cardiac death in patients with left ventricular dysfunction

出典 Medical Tribune 2009.4.23,30(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社


#重症心不全へのICD植え込み―患者選択の有用な指標は?
#国内38施設によるコホート研究PREVENT-SCDから
わが国に植え込み型除細動器(ICD)が導入されて10年以上,心臓再同期療法(CRT)については5年が経過している※1。これら重症心不全に対するデバイス治療は,延命効果の望める治療として普及しつつあるが,国内のエビデンスは単施設による報告にとどまっており,全国的な治療成績の集積が望まれていた。

第73回日本循環器学会総会・学術集会(3月20~22日,大阪市)のLate Breaking Clinical Trialsのセッションでは,デバイス治療に関する2つの多施設共同研究の結果が報告された。

このうち,低左室機能症例の治療実態を調査した,国内38施設からなるコホート研究PREVENT-SCD※2では,ICD植え込みの選択において,運動負荷検査により心拍数を上昇させたうえで心電図T波の交互現象を計測するT-Wave Alternans(TWA)の有用性と臨床上での限界が,京都大学循環器科の静田聡氏らによって示された。

低左室機能症例における心臓突然死や心室細動(VF)の予知因子としてTWAが有用であることを確認したが,TWA陰性は全体で見ると少数で,実地臨床での使用には限界があるという結果だ。

#ICD植え込みは低左室機能症例の4分の1程度,死亡率は年5%
ICDは,欧米で実施された複数の臨床試験から低左室機能症例に対する生命予後の改善効果が報告されている。
しかし,死亡率の改善は10%未満にとどまっていたため,医療経済的な側面からも,効果がより確実に見込める患者群の抽出が望まれている。
近年,その指標としてTWAが注目されており,TWA陰性では心臓突然死やVFが生じないという報告がある。

PREVENT-SCDの対象は,ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),β遮断薬が既に投与されている左室駆出率(LVEF)40%以下の低左室機能症例。ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類は I〜III度。持続性心室頻拍(VT)・VF既往例や,既にICDが植え込まれている症例は除外された。

ICD植え込みや薬物治療の方針は各施設の基準にのっとって決められ,ICD群,抗不整脈薬群,無治療群の3群に分類された。
追跡期間は3年。一次エンドポイントは心臓突然死,VFからの蘇生,またはVFに対するICDの適切作動からなる致死的心室性不整脈イベント(SVTE)。

2004年6月から2年半の登録期間に453例が登録された。
全体の42%が虚血症例であった。患者背景は,平均年齢65歳,男性が81%,糖尿病患者が28%,心房細動症例が26%,ペースメーカー装着例が12%だった。
NYHA心機能分類は,I~IIIがそれぞれ約3分の1ずつを占めた。平均LVEFは29%で,30%以下の症例が半数を占めた。

ICDが植え込まれたのは全体の26%で,抗不整脈薬による治療が12%,不整脈に対する治療が行われなかった群が62%を占めた。
ICD群は非ICD群と比べて心機能が悪く,各種不整脈検査の陽性率も高く,より高リスクの症例でICDが選択されていた。

死亡例を含めた平均観察期間は2.7年で,96%の高い追跡率だった。
総死亡は3年間で15%の頻度であり,年率5%だった。
このうち3分の2が心臓死で,その約4割は突然死だった。
一次エンドポイントであるSVTEの累積発症率は3年10.7%で,年率約3.5%だった。

TWA陰性では予後良好
TWAが施行可能だった症例は280例(62%)で,このうち陰性率は29%だった。
全体で見るとTWA陰性は18%であった。
TWA陰性の場合のSVTE回避率は,1年後100%,2年98.5%,3年で96.8%と良好な陰性的中率であった。

一方,心房細動例や心室ペーシング例,運動困難例などのTWA施行不可例の予後は悪く,SVTE発症頻度は3年で16.1%だった。
SVTEの予知因子について背景因子を補正のうえ多変量解析を行ったところ,TWA非陰性,III度以上の僧帽弁逆流,収縮期血圧100mmHg未満,頻発する心室性期外収縮(PVC)が独立した予知因子として挙がった。

以上の結果から,静田氏は「リアルワールドに近い集団において,TWAは致死的心室性不整脈に対して高い陰性的中率を示した。
ただし,TWAの陰性率は全体の18%にすぎず,有用性とともに限界も示唆される結果だった」と述べた。

コメンテーターの早稲田大学教授の笠貫宏氏は,試験目的が低左室機能症例のリアルワールドの検討と予後予測因子としてのTWAの有用性評価の2点となっていることから,プロトコルに課題があった点を指摘しながらも,わが国では少ないと言われる心臓突然死をどう予測していくかは重要な研究課題であり,今回示された大規模な症例での検討は貴重なデータであると評価した。

※1日本循環器学会による実態調査では,2007年度のICDの新規植え込みは3,308例,CRT症例数は2,712例でともに増加傾向にある
※2PREVENT-SCD; Prospective evaluation of ventricular tachyarrhythmic events and sudden cardiac death in patients with left ventricular dysfunction
出典 MT pro 2009.3.25
版権 メディカル・トリビューン社

<自遊時間>
昨夜の夕食時。
息子が「お母さん、大根おろしの中に変なものが入っている」といいました。
少し大きめの深皿の器を覗くとそこに氷のようなものが。
本人も氷と思って箸で突っついていたようです。

よくみると何と、プレステのメモリーを入れるプラスチック容器が・・・。
ママいわく「どうして入ったんだろうねえ」

かじらなかっただけよかったか。

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