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東海大学内科学系の後藤信哉教授の新しい抗凝固薬についての解説で勉強しました。
この抗凝固薬は従来のワーファリンと異なり薬効に個体差や環境による影響の少ないということです。
##薬剤開発進むがリスク・効果判定を慎重にすべき
欧米では先ごろ,抗血小板薬prasugrelが認可され,注目されている(日本未発売)。
また,近年,欧米の学会発表では新しい抗凝固薬として抗Xa薬や抗トロンビン薬に関する発表が相次いでいる。
これらの治療薬導入により臨床はどのように変わるのか,またその治療効果やリスクをどのように判定すべきか。
#利点と弱点を総合的に評価
これまで,抗凝固療法の経口薬はワルファリンのみであった。
ワルファリンは投与量と薬効の関係に大きな個体差,環境による影響があるため,モニタリングが必須であり,抗凝固療法は専門家以外には敷居が高かった。
しかし現在,薬効に個体差や環境による影響の少ない抗凝固薬の開発が進んでいる。
経口抗トロンビン薬であるximelagatranは,欧米を中心に行われた大規模ランダム化比較試験により,プロトロンビン時間-国際標準化比(PT-INR)を測定せずにワルファリンと同等に脳梗塞の発症率を抑制することが報告され,注目された(肝機能障害のため米食品医薬品局の認可には至らず)。
今後,モニタリングを不要とする新薬の登場により,抗凝固薬が一般の医師にも使いやすくなることが期待されている。
この流れに対し,後藤教授は,緻密なモニタリングにより個別化されていたワルファリン療法の意義も強調する。
モニタリングを不要とする経口抗トロンビン薬,抗Xa薬が今後の臨床試験を経て認可されたとしても,一律に新薬へ切り替えることには異議を唱えている。
ワルファリンと同等に有効とされた場合でも,医療経済的な面も考えて総合的に判断する必要がある。
緻密なモニタリングは,個別化したベストテーラーメード医療に近いことも意識する必要があるという。
抗血小板薬については,2007年の米国心臓協会(AHA)で新薬のprasugrelがクロピドグレルと比べて有意に心血管イベントリスクを低下することが示され,話題となった。
同教授は,この結果について,prasugrelはクロピドグレルの現在の標準投与量よりも心血管イベントが減る投与量を選択したと評している。
より強力な抗血栓効果を発揮する用量を選択した結果,出血リスクが増加したことにも注目する必要があり,日本の臨床現場に適用する際には用量設定を緻密に行う必要があると指摘している。
日本の診療のよさを保つことも忘れずに
日本も参加して国際的に行われたアテローム動脈硬化症の危険因子を見たREACH studyでは,標準治療が浸透していた世界の治療実態と比較して日本では異なる薬物選択が行われていたという(JAMA 2006; 295: 180-189)。
しかし,日本から登録された症例の1年間の心血管死亡率,心筋梗塞の発症率は欧米諸国より低く,脳卒中発症率も同等であった。
後藤教授は,ガイドライン一辺倒に陥りがちな欧米の臨床とは違い,日本では病態生理,薬効薬理に関する教育を十分に受けた医師がガイドラインを参考にしながらも個々の患者に合わせた緻密で職人的な臨床を行っている実態を評価している。
抗血栓治療においても,「歯磨きの際に歯肉出血がある」,「斑点状の出血が見られる」,「ぶつけた部位があざになりやすい」などの小出血の丁寧な観察により,薬剤の種類や用量の調節が行われているが,同教授は「このような医師がいる国はほかにはないだろう」と強調する。
このような日本的,職人的な医療を次代へ残す重要性も指摘している。
注目を集める新薬の動向であるが,「"新しいイコールよい"ということではない。日本の緻密な医療のよさを失わずに利点と弱点を冷静に判断していく必要がある」と同教授は指摘している。
出典 Medical Tribune 2009.4.23,30(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社
<きょうの一曲>竹内まりや - 人生の扉
http://www.youtube.com/watch?v=C8T9S2Zfmv0
http://www.youtube.com/watch?v=hlPANJyLp9Y

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