戯れ言たれる侏儒
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< SYNTAX糖尿病サブ解析 | メイン | 左室拡張能障害と最大運動能力 >

周知のように、日本でも循環器領域で合剤の発売の動きがあります。
昔「エシドライ」というレセルピン、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジドの三剤の合剤がありました。
そこでちょっと調べたら

エシドライ
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2149104.html

載っていました。
ひょっとして今でも薬価収載されているのでしょうか。

ARBと利尿剤の合剤が現時点で3種、5剤型そろったことになりますが、今後スタチンとCCBとの合剤が発売になるようです。

週末にある講演会に出席して、懇親会の席で某メーカーのMRと、この合剤の話になりました。

スタチンは現在、夕食後に服用するようになっています。
はたして降圧剤との合剤はいつ服用することになるのでしょうか。
そんなことをふと考えてしまいました。

海外では5剤が配合された薬剤の研究が進められているようです。

これにはびっくりです。


TIPS試験
5剤配合カプセルの心血管疾患低リスク者に対する効果
良好な血圧・脂質コントロール,抗血小板作用示す
近年,疫学調査や介入試験の蓄積により,心血管疾患リスクとみなされる血圧値やコレステロール値は,かつては「正常」と考えられていたレベルまで含まれるようになってきている。

■マクマスター大学(カナダ・ハミルトン)教授のSalim Yusuf氏らは,「今や都市部では50歳以上の集団の血圧,脂質の平均値は正常範囲を超えている。このような心血管疾患低リスクの集団に3種の降圧薬,脂質低下薬,抗血小板薬の合計5剤を配合したカプセル(Polycap)を投与すれば,理論的には心血管疾患リスクが80%超低下する」(同氏)との考えから,その臨床効果を検討し,第58回米国心臓病学会と米国心血管造影インターベンション学会(SCAI)の合同学術集会(ACC.09&i2 Summit2009,3月28~31日)で発表した。

■今回,12週間の成績では,良好な血圧・脂質コントロールや抗血小板作用が示されたが,発表後のパネルディスカッションでは比較的高い服薬中止率を巡って試験対象や介入方法の是非について疑問も指摘された。

 
軽度リスクを有する平均的な45~80歳が対象
■TIPS試験(The Indian Polycap Study)の対象は,糖尿病(治療中の場合は経口剤1剤まで),治療中の軽症高血圧(1剤のみ),腹部肥満,喫煙の4因子のうち少なくとも1因子を有する45~80歳で,インフォームド・コンセントが得られた症例。
LDLコレステロール(LDL-C)120mg/dL以上や心血管疾患既往などの高リスク症例は除外された。

■インドの50施設が参加し,2,053例が登録された。
二重盲検ランダム化比較試験として行われ,対象は9群に割り付けられた。
各プロトコルで12週間の治療が行われた後,4週間のウォッシュアウト期間が設けられた。
解析はマクマスター大学で行われ,試験はインドのCadila Pharmaceuticals による支援で行われた。

■9群の治療プロトコルと割り付け人数はの通り。


対象の平均年齢は54歳,BMI 26.3。女性が44%,糖尿病34%,喫煙者13.4%という構成だった。
平均収縮期血圧(SBP)134mmHg,拡張期血圧(DBP)85mmHg,LDL-C 116mg/dLだった。

アスピリンによる降圧効果の減弱はなし,LDL-Cの低下は単剤よりも軽度にとどまる
■各治療群で10~20%程度の服薬中止が認められた(論文によると,服薬中止率が最も低かったのが利尿薬+β遮断薬群の9.7%で,最も高かったのが降圧薬3剤配合群の22.5%,5剤配合カプセル群は16.0%)が,この理由についてYusuf氏は「比較的健康な人が対象となっているため治療によるベネフィットが感じられなかったなど,社会的理由の割合が高かった」としている。
服薬中止の割合や,中止理由について各治療群で差が見られなかったことから,「合剤が単剤や2剤と比較して忍用性が低いということではない」と述べた。

■TIPS試験では,5つの一次評価項目が設定された。
1つ目の「5剤配合カプセル群の降圧効果は3剤の降圧薬による合剤群と同等か」の評価では,SBPの低下度は利尿薬単剤が最も小さく,次いで利尿薬+ACE阻害薬,ACE阻害薬+β遮断薬,降圧薬3剤の合剤の順で,5剤配合カプセルは降圧薬3剤を上回る降圧効果(平均SBP 7.4 /DBP 5.6mmHgの降圧)を示した。
このことから,同氏は「アスピリンの併用で降圧が減弱するという懸念は当てはまらなかった」としている。

■2つ目の「5剤配合カプセル群の心拍数低下はβ遮断薬を含む他の群と同等か」については,β遮断薬を含む他の群と同等な7拍/分の心拍数低下を認めた。

■3つ目の「5剤配合カプセル群の脂質改善作用はシンバスタチン単剤群と同等か」については,シンバスタチン単独群の平均LDL-C低下が32mg/dLだったのに対し,5剤配合カプセル群は27mg/dLで有意差が認められた(P=0.04)。
スタチンを含まない群ではLDL-Cの変化はほとんどなく,スタチンを含む2群では含まない群と比べて有意に低下した。

■4つ目の「5剤配合カプセル群のトロンボキサンB2抑制はアスピリン単剤群と同等か」については,アスピリンを含む3群でベースラインと比較して尿中トロンボキサンB2が有意に低下した。
同氏は興味深い知見として,利尿薬投与群では有意ではないものの,唯一尿中トロンボキサンB2濃度が上昇していた点を挙げた。
ACE阻害薬とβ遮断薬の合剤群やシンバスタチン単独群では有意に低下しており,「一部の降圧薬とスタチンは抗血小板作用を有する」と述べた。

■5つ目の「5剤配合カプセル群は副作用や忍容性に関して,他群と同等か」の評価については,データは示されなかったが,結論で「5剤配合カプセルの十分な忍容性が認められた」(同氏)と述べた。

■なお,5剤配合カプセルによる治療が5年間行われた場合のリスク低下の予測については次のような試算が提示された。

■冠動脈疾患については,シンバスタチン20mg/日により27%,3つの降圧薬により24%,さらにアスピリン100mg/日により32%のリスク低下と考えられ,これを総合して5剤配合カプセル投与による62%のリスク低下が予測された。脳卒中についても同様に試算が行われ,48%のリスク低下が予測された。
同氏は,この予測について「これらのリスク低下は大きいものの,過去の文献などで予測されていた値よりも小さかった」とコメントしている。

■同氏は,今後さらなる検討の必要性を指摘しながらも,「平均的な50歳以上の集団の心血管疾患リスクを半分程度にする可能性がある」とまとめた。

大規模な試験でさらに検証,イベント抑制に対する期待ととまどい
■パネルディスカッションでは,試験での服薬中止率の高さや,3剤の降圧薬合剤であったにもかかわらず降圧がマイルドであった点,また試験対象者に対する5剤投与の必然性などが問われた。

■Yusuf氏は,スタディサイト(インド)で十分な試験体制が整っていなかった施設があった点を挙げたほか,降圧の程度については「各降圧薬が通常投与量の半量」であった点を強調した。
また,1つの薬剤を通常量投与する選択肢もあるが,スタチンのプレイオトロピック作用や抗血小板作用,さらに降圧作用が適度にあることが予防として有用な可能性を述べた。
今後,米国食品医薬品局(FDA)の認可を待って,さらに大規模な試験を行う予定であるという。

■パネリストの1人であるクリーブランドクリニックのSteven Nissen氏が,この治療のターゲットがだれであるかを聞いたのに対し,Yusuf氏は「分別のある人」と答え,参加者からは笑いと拍手が起こった。
シンポジウム最後に紹介された本演題について,「喫煙や腹部肥満まで薬剤介入すべきなのか」,「5種類の合剤が必要なのか」など参加者の疑問は尽きないようで,議論しながら会場を後にする姿が印象的だった。

出典 MT pro  2009.4.6
版権 メディカル・トリビューン社

 

<自遊時間>
冒頭で週末に出席した講演会の話を少ししました。
某大学教授が遠路はるばる来られ、心不全をテーマとした講演でした。
懇親会で少しお話をすることが出来ました。
脳血管と冠血管の違いの話になり、冠血管には栄養血管(Vaso vasorum)があること、心外膜側(epicard)に注目する必要があること、冠血管をとりまく脂肪からアディポサイトカインが産生されておりその脂肪の分布が均一でないこと、この脂肪を画像診断的に捉えることが出来れば興味深い研究が出来ること、高齢者の脈圧増大が動脈硬化を助長していることなどのお話が伺えました。
先生から名刺まで頂戴しましたが、当方は名刺など普段持ち歩かないのでお渡し出来なくて恐縮してしまいました。
先日、「関西の先生は気さく」と書きましたが、どうやら「海外での研究歴のある先生」と訂正したほうがよさそうです。

<追加>
脂肪の話は興味深かったので少し調べてみました。
実はMedical Tribune 2008.9.25に記事が掲載されていたようです。

心臓周囲の脂肪が心筋梗塞リスクを上昇
http://tampopoinchyo.blog40.fc2.com/blog-entry-1202.html

最も多い群では冠動脈石灰化プラーク率約5倍
今回の試験は,心臓周囲脂肪と呼ばれる心臓周囲の脂肪蓄積と動脈石灰化プラークの生成との間に関連性があるか否かについて検討した初めてのものである。石灰化プラーク自体に危険性はないが,心筋梗塞や脳卒中を招く不安定なソフトプラークの存在と関連している。
Ding助教授は「心筋梗塞リスク評価において,体脂肪の分布は体脂肪の量と同じくらい重要かもしれない。やせている人でも心臓周囲に脂肪が蓄積している場合がある」と述べている。
 
エネルギーの貯蔵場所という役割に加え,脂肪は代謝や健康に影響を及ぼす蛋白質とホルモンを産生する"臓器"と考えられている。
今回の研究は,心臓や他の臓器の周囲に蓄積する過剰な脂肪は,臓器の機能障害につながるとする医学の新しい理論に基づいている。
心臓周囲に蓄積した脂肪は,炎症性サイトカインを皮下脂肪より多く分泌することが知られている。
同助教授らは,心臓周囲の脂肪が産生する炎症性蛋白質に持続的に曝露されることにより,アテローム動脈硬化の進展が加速されるのではないかと考えている。
 
同助教授らは今回の研究で,159例(55〜74歳)を対象に心臓周囲脂肪の量をCTにより測定した。そのうち58%に石灰化プラークが観察された。
心臓周囲脂肪の量に基づき被験者を4群に分類したところ,脂肪の量が最も多い群では,最も少ない群に比べ冠動脈に石灰化プラークが認められる率が約5倍高かった。


木下孝則  少女
http://www.oida-art.com/buy/detail/7371.html

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
があります。

 

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